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数日間の馬車の旅を終え、私たちはベルンシュタイン公爵領に到着しました。
王都の喧騒とは無縁の、緑豊かな大地。
なだらかな丘陵地帯に広がるブドウ畑や麦畑を見ていると、王宮でのストレスが嘘のように霧散していきます。
そして目の前に現れたのは、王城と見紛うばかりの壮麗な屋敷でした。
「……相変わらず、無駄に大きいですわね」
私が馬車の窓から呟くと、向かいのギルバート様が目を丸くしました。
「これが実家か? 要塞の間違いではないのか?」
「父が心配性なものですから。防犯を追求したらこうなったそうです」
「防犯のレベルを超えている。あの堀の深さは対騎兵用だし、城壁に設置されているのはバリスタか?」
「害虫駆除用だと聞いておりますわ」
「どんな虫を想定しているんだ」
ギルバート様が戦慄している間に、馬車は巨大な鉄門をくぐり、玄関ポーチへと滑り込みました。
馬車が止まると同時に、何十人もの使用人たちが整列して出迎えます。
「お帰りなさいませ、お嬢様!!」
軍隊のような統率の取れた挨拶。
セバスチャンが扉を開け、エスコートしてくれます。
「ありがとう。……さて、まずは父様に挨拶ね」
私は少しだけ気合を入れ直しました。
私の父、ゲオルグ・ベルンシュタイン公爵は、王国の宰相を務める厳格な人物です。
その厳しさは「歩く法典」と呼ばれるほどで、不正を許さず、私生活でも規律を重んじる古風な貴族。
今回の婚約破棄騒動、いくら私が悪くないとはいえ、家名を傷つけたことには変わりありません。
きっと雷が落ちるでしょう。
(ま、説教の一時間や二時間、右から左へ受け流せばいいわ)
私は覚悟を決めて、屋敷の奥にある当主の執務室へと向かいました。
ギルバート様も、護衛任務の完了報告をするために同行します。
重厚なマホガニーの扉の前で、セバスチャンがノックをしました。
「旦那様、ニナリーお嬢様がご到着されました」
「……入れ」
地響きのような低い声が返ってきました。
セバスチャンが扉を開けます。
執務室の中は薄暗く、書類の山に囲まれたデスクの向こうに、父が座っていました。
白髪混じりの髪をオールバックにし、鋭い眼光でこちらを睨みつけています。
その威圧感たるや、魔王も裸足で逃げ出すレベルです。
ギルバート様が私の前に一歩出て、庇うような体勢を取りました。
「……閣下。ご息女を無事にお送りいたしました」
「うむ。ご苦労だった、ヴォルファート卿」
父はゆっくりと立ち上がりました。
その長身が影となり、私たちに覆い被さります。
「ニナリー」
「はい、お父様」
私は背筋を伸ばして直立しました。
「このたびは、お騒がせして申し訳ありませんでした。婚約破棄の件、および王都からの退去、すべて私の不徳の致すところ……」
私が定型文のような謝罪を口にし終わる前に、父がデスクを回り込んで目の前に立ちました。
そして、震える手で私の肩を掴みます。
(来る! 鉄拳制裁か!?)
私は身構えました。
しかし。
「ニナリー! よくぞ無事で帰ってきたぁぁぁ!!」
「……へ?」
父の顔がくしゃくしゃに歪み、目からは滝のような涙が溢れ出しました。
「お、お父様?」
「辛かっただろう! 怖かっただろう! あのバカ王子め、私の可愛い可愛いニナリーを傷物にしおってぇぇぇ! 許さん! 絶対に許さんぞおぉぉ!!」
父は私を力いっぱい抱きしめました。
「ぐえっ」
「すまん、苦しかったか!? おお、痩せてしまったのではないか? 王宮の飯が不味かったのだろう! 今すぐシェフに最高のご馳走を作らせるからな!」
私は窒息寸前で解放されました。
横を見ると、ギルバート様が顎が外れそうなほど口を開けて固まっています。
「……ニナリー嬢、これは?」
「ああ、紹介が遅れましたわ。これが私の父、巷では『冷徹宰相』と呼ばれていますが、実態はただの『親バカ』です」
「誰が親バカだ! 私は娘への愛が海より深いだけだ!」
父は涙をハンカチで拭いながら叫びました。
「そもそも私は、あのアレン王子との婚約など最初から反対だったのだ! あんな顔だけの男に、私の最高傑作であるニナリーを嫁がせるなど、宝石をドブに捨てるようなものだと言っただろう!」
「ええ、まあ。でも王命でしたから」
「王命など知ったことか! 今回、向こうから破棄を言い出してくれたのは天の助けだ! よくやったアレン! 褒めてやらんが感謝はしてやる!」
父は高笑いしました。
どうやら、怒られるどころか歓迎ムード一色のようです。
私はホッと胸を撫で下ろしました。
「ではお父様、私はこの屋敷にいてもよろしいのですか?」
「当たり前だ! ここはニナリーの家だ。一生ここにいればいい。なんなら入り婿をとってもいいぞ。いや、どこの馬の骨ともわからん男にニナリーを渡すのは癪だが……」
父はブツブツと悩み始めましたが、私はその隙に本題を切り出しました。
「お父様、私、これからは自由に生きたいと思っていますの」
「自由? うむ、好きにすればいい。花嫁修業などもうしなくていいぞ」
「ええ。ですので、領地の経営に参加させてください」
「経営?」
父がキョトンとしました。
「はい。王都にいた頃、色々と流行り物を研究しておりましたの。当領地には素晴らしい素材がたくさんありますわ。これらを加工して特産品を作れば、莫大な利益が見込めます」
私の瞳が、お金マーク(¥)になっていたかもしれません。
「具体的には、まず北部のハーブ園を拡張して、オリジナルブレンドの紅茶とバスソルトを開発します。ターゲットは王都の貴族女性です。アレン様との婚約破棄を逆手にとって『傷心を癒す奇跡の香り』として売り出せば、話題性は抜群ですわ」
「た、たくましいな……」
「次に、南部の牧場で作っているミルクを使った新作スイーツです。ギルバート様のような隠れ甘党の男性向けに、甘さ控えめで高級感のあるパッケージの商品も展開します」
ギルバート様がビクッと反応しました。
「さらに、領内の温泉地を整備して、リゾート開発も進めたいですわね。キャッチコピーは『悪役令嬢も骨抜きになる癒しの湯』なんてどうかしら?」
私は次々と溢れ出るアイデアを語りました。
父とギルバート様、そしてセバスチャンが呆然と聞いています。
「……どうでしょう? これらを実現するために、少しばかりの予算と権限を頂きたいのですが」
父はしばらくポカンとしていましたが、やがてニカっと笑いました。
「いいだろう! 好きにやれ! 予算ならいくらでもある!」
「本当ですの!?」
「ああ。お前が笑顔でいてくれるなら、城の一つや二つ建てても構わん! 失敗しても父さんが尻拭いをしてやるから、思いっきり暴れてこい!」
「お父様、大好き!」
「おお、ニナリー! もう一回言ってくれ!」
私と父は再び抱き合いました(私は営業用スマイルですが)。
こうして、私の「実家パラダイス計画」は、最高権力者の承認を得て正式にスタートすることになったのです。
一連の茶番を見守っていたギルバート様が、セバスチャンにこっそりと耳打ちしているのが聞こえました。
「……公爵家というのは、どこもあんな感じなのか?」
「いえ。我が家が特殊なだけでございます。旦那様は普段は本当に恐ろしい方なのですが、お嬢様のことになるとIQが3くらいに低下されるのです」
「難儀だな……」
「ですがヴォルファート様、貴方様もあちら側の素質がおありに見受けられますが」
「なっ! 私は違う! 断じて違うぞ!」
ギルバート様が顔を赤くして否定しています。
私は父の腕の中で、その様子を見てクスクスと笑いました。
(さて、資金も権限も手に入れたわ。まずは手始めに、あの『生焼けクッキー』しか作れない王都のパティシエたちを驚愕させるような、絶品お菓子工場の建設からね!)
私の野望は膨らむばかり。
一方で、私が去った後の王都がどうなっているかなど、この時の私は知る由もありませんでした。
窓の外では小鳥がさえずり、平和な時間が流れています。
ここはまさに、私にとっての楽園(パラダイス)でした。
王都の喧騒とは無縁の、緑豊かな大地。
なだらかな丘陵地帯に広がるブドウ畑や麦畑を見ていると、王宮でのストレスが嘘のように霧散していきます。
そして目の前に現れたのは、王城と見紛うばかりの壮麗な屋敷でした。
「……相変わらず、無駄に大きいですわね」
私が馬車の窓から呟くと、向かいのギルバート様が目を丸くしました。
「これが実家か? 要塞の間違いではないのか?」
「父が心配性なものですから。防犯を追求したらこうなったそうです」
「防犯のレベルを超えている。あの堀の深さは対騎兵用だし、城壁に設置されているのはバリスタか?」
「害虫駆除用だと聞いておりますわ」
「どんな虫を想定しているんだ」
ギルバート様が戦慄している間に、馬車は巨大な鉄門をくぐり、玄関ポーチへと滑り込みました。
馬車が止まると同時に、何十人もの使用人たちが整列して出迎えます。
「お帰りなさいませ、お嬢様!!」
軍隊のような統率の取れた挨拶。
セバスチャンが扉を開け、エスコートしてくれます。
「ありがとう。……さて、まずは父様に挨拶ね」
私は少しだけ気合を入れ直しました。
私の父、ゲオルグ・ベルンシュタイン公爵は、王国の宰相を務める厳格な人物です。
その厳しさは「歩く法典」と呼ばれるほどで、不正を許さず、私生活でも規律を重んじる古風な貴族。
今回の婚約破棄騒動、いくら私が悪くないとはいえ、家名を傷つけたことには変わりありません。
きっと雷が落ちるでしょう。
(ま、説教の一時間や二時間、右から左へ受け流せばいいわ)
私は覚悟を決めて、屋敷の奥にある当主の執務室へと向かいました。
ギルバート様も、護衛任務の完了報告をするために同行します。
重厚なマホガニーの扉の前で、セバスチャンがノックをしました。
「旦那様、ニナリーお嬢様がご到着されました」
「……入れ」
地響きのような低い声が返ってきました。
セバスチャンが扉を開けます。
執務室の中は薄暗く、書類の山に囲まれたデスクの向こうに、父が座っていました。
白髪混じりの髪をオールバックにし、鋭い眼光でこちらを睨みつけています。
その威圧感たるや、魔王も裸足で逃げ出すレベルです。
ギルバート様が私の前に一歩出て、庇うような体勢を取りました。
「……閣下。ご息女を無事にお送りいたしました」
「うむ。ご苦労だった、ヴォルファート卿」
父はゆっくりと立ち上がりました。
その長身が影となり、私たちに覆い被さります。
「ニナリー」
「はい、お父様」
私は背筋を伸ばして直立しました。
「このたびは、お騒がせして申し訳ありませんでした。婚約破棄の件、および王都からの退去、すべて私の不徳の致すところ……」
私が定型文のような謝罪を口にし終わる前に、父がデスクを回り込んで目の前に立ちました。
そして、震える手で私の肩を掴みます。
(来る! 鉄拳制裁か!?)
私は身構えました。
しかし。
「ニナリー! よくぞ無事で帰ってきたぁぁぁ!!」
「……へ?」
父の顔がくしゃくしゃに歪み、目からは滝のような涙が溢れ出しました。
「お、お父様?」
「辛かっただろう! 怖かっただろう! あのバカ王子め、私の可愛い可愛いニナリーを傷物にしおってぇぇぇ! 許さん! 絶対に許さんぞおぉぉ!!」
父は私を力いっぱい抱きしめました。
「ぐえっ」
「すまん、苦しかったか!? おお、痩せてしまったのではないか? 王宮の飯が不味かったのだろう! 今すぐシェフに最高のご馳走を作らせるからな!」
私は窒息寸前で解放されました。
横を見ると、ギルバート様が顎が外れそうなほど口を開けて固まっています。
「……ニナリー嬢、これは?」
「ああ、紹介が遅れましたわ。これが私の父、巷では『冷徹宰相』と呼ばれていますが、実態はただの『親バカ』です」
「誰が親バカだ! 私は娘への愛が海より深いだけだ!」
父は涙をハンカチで拭いながら叫びました。
「そもそも私は、あのアレン王子との婚約など最初から反対だったのだ! あんな顔だけの男に、私の最高傑作であるニナリーを嫁がせるなど、宝石をドブに捨てるようなものだと言っただろう!」
「ええ、まあ。でも王命でしたから」
「王命など知ったことか! 今回、向こうから破棄を言い出してくれたのは天の助けだ! よくやったアレン! 褒めてやらんが感謝はしてやる!」
父は高笑いしました。
どうやら、怒られるどころか歓迎ムード一色のようです。
私はホッと胸を撫で下ろしました。
「ではお父様、私はこの屋敷にいてもよろしいのですか?」
「当たり前だ! ここはニナリーの家だ。一生ここにいればいい。なんなら入り婿をとってもいいぞ。いや、どこの馬の骨ともわからん男にニナリーを渡すのは癪だが……」
父はブツブツと悩み始めましたが、私はその隙に本題を切り出しました。
「お父様、私、これからは自由に生きたいと思っていますの」
「自由? うむ、好きにすればいい。花嫁修業などもうしなくていいぞ」
「ええ。ですので、領地の経営に参加させてください」
「経営?」
父がキョトンとしました。
「はい。王都にいた頃、色々と流行り物を研究しておりましたの。当領地には素晴らしい素材がたくさんありますわ。これらを加工して特産品を作れば、莫大な利益が見込めます」
私の瞳が、お金マーク(¥)になっていたかもしれません。
「具体的には、まず北部のハーブ園を拡張して、オリジナルブレンドの紅茶とバスソルトを開発します。ターゲットは王都の貴族女性です。アレン様との婚約破棄を逆手にとって『傷心を癒す奇跡の香り』として売り出せば、話題性は抜群ですわ」
「た、たくましいな……」
「次に、南部の牧場で作っているミルクを使った新作スイーツです。ギルバート様のような隠れ甘党の男性向けに、甘さ控えめで高級感のあるパッケージの商品も展開します」
ギルバート様がビクッと反応しました。
「さらに、領内の温泉地を整備して、リゾート開発も進めたいですわね。キャッチコピーは『悪役令嬢も骨抜きになる癒しの湯』なんてどうかしら?」
私は次々と溢れ出るアイデアを語りました。
父とギルバート様、そしてセバスチャンが呆然と聞いています。
「……どうでしょう? これらを実現するために、少しばかりの予算と権限を頂きたいのですが」
父はしばらくポカンとしていましたが、やがてニカっと笑いました。
「いいだろう! 好きにやれ! 予算ならいくらでもある!」
「本当ですの!?」
「ああ。お前が笑顔でいてくれるなら、城の一つや二つ建てても構わん! 失敗しても父さんが尻拭いをしてやるから、思いっきり暴れてこい!」
「お父様、大好き!」
「おお、ニナリー! もう一回言ってくれ!」
私と父は再び抱き合いました(私は営業用スマイルですが)。
こうして、私の「実家パラダイス計画」は、最高権力者の承認を得て正式にスタートすることになったのです。
一連の茶番を見守っていたギルバート様が、セバスチャンにこっそりと耳打ちしているのが聞こえました。
「……公爵家というのは、どこもあんな感じなのか?」
「いえ。我が家が特殊なだけでございます。旦那様は普段は本当に恐ろしい方なのですが、お嬢様のことになるとIQが3くらいに低下されるのです」
「難儀だな……」
「ですがヴォルファート様、貴方様もあちら側の素質がおありに見受けられますが」
「なっ! 私は違う! 断じて違うぞ!」
ギルバート様が顔を赤くして否定しています。
私は父の腕の中で、その様子を見てクスクスと笑いました。
(さて、資金も権限も手に入れたわ。まずは手始めに、あの『生焼けクッキー』しか作れない王都のパティシエたちを驚愕させるような、絶品お菓子工場の建設からね!)
私の野望は膨らむばかり。
一方で、私が去った後の王都がどうなっているかなど、この時の私は知る由もありませんでした。
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