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ルーナが、極上の昼寝から目覚めたのは、太陽がすでに西の空に傾き始めた頃だった。
「ん……あぁ、よく眠りましたわ」
天蓋付きベッドの上で、ルーナは猫のように大きく伸びをした。
王都での窮屈な日々では決して味わえなかった、心からの満足感が全身を満たしていく。
(最高ですわ。やはり別荘は)
ルーナがのそりと起き上がると、控えていたアンナがすぐに扉を開けて入ってきた。
「お目覚めですか、お嬢様。よくお休みになられたようで」
「ええ、完璧な昼寝でしたわ。それで、アンナ。例の『監視役』様は?」
アンナは、少し困ったような、それでいて面白そうな表情を浮かべた。
「はい。アレクシス様ですが…お嬢様がお休みになられてからずっと、この別荘中をくまなく『検分』なさっておりました」
「まあ、ご熱心なことですわね」
「地下の貯蔵庫から、屋根裏部屋の物置まで、それはもう徹底的に。使用人たちも、少し怯えておりましたが…」
「それで、何か『武器』や『隠し通路』は見つかったのかしら」
「いいえ。見つかったのは、お嬢様が持ち込まれた大量の小麦粉とバターの樽だったそうで…」
アンナは、くすりと笑いをこらえた。
「アレクシス様、貯蔵庫の前で、非常に…なんとも言えないお顔で立ち尽くしておられましたわ。『…これは、なんだ』と」
(でしょうね)
ルーナも、思わず笑みがこぼれた。
氷の騎士様が、小麦粉の山を前にして絶句している姿を想像すると、実に愉快だった。
「ご苦労様なことですわ。さて、わたくしも活動開始といたしましょうか」
ルーナは、早速アンナに手伝わせて、持ってきた荷物の中から一番動きやすいコットンのワンピースに着替えた。
コルセットも、きつい髪型も、もうない。
信じられないほどの解放感だった。
「まずは、わたくしの城を視察しませんと」
「城、でございますか?」
「厨房ですわ!」
ルーナは、意気揚々と一階の厨房へと向かった。
アレクシスが検分した後だという厨房は、すでにアンナと管理人のエマによって、ルーナ仕様に完璧に整えられていた。
「素晴らしい!」
ルーナは、感嘆の声を上げた。
王宮のそれよりは狭いが、機能的に作られた厨房だ。
中央には大きな作業台。壁には、磨き上げられた銅製の鍋やフライパンがずらりと並んでいる。
そして何より、窓から明るい西日と、湖からの風が入ってくる。
「最高ですわ、アンナ、エマ! これぞわたくしの求めていた厨房よ!」
パントリー(食料庫)を開けば、王都から運び込まれた小麦粉や砂糖、スパイス類が美しく陳列されている。
「うふふ…何から作りましょう。まずは、長旅で酷使した胃を休めるために、優しいスープかしら。それとも、到着祝いにタルトでも焼きましょうか」
ルーナが、うっとりとした表情で小麦粉の袋を撫でていると、厨房の入り口に、冷たい影が差した。
「…何をしている」
氷のように低い声。
アレクシス・ラインフォルトだった。
彼は、腕を組み、眉間に深いシワを寄せたまま、ルーナを睨みつけていた。
その青い瞳は「悪女がまた何か企んでいる」と雄弁に語っている。
「あら、副団長様。検分はお済みになりましたの?」
ルーナは、小麦粉から手を離し、優雅に(しかし、エプロン姿で)振り返った。
「貴様こそ、謹慎中の身でありながら、ずいぶんと楽しそうだな」
「ええ、楽しいですわよ? ご覧くださいまし、この素晴らしい厨房を。まるでわたくしのためにあるようですわ」
「……」
アレクシスは、この女の図太さに、もはや怒りを通り越して一種の戦慄を覚えていた。
「ここは貴様の遊び場ではない。謹慎場所だ。それを忘れるな」
「ええ、存じておりますわ。ですから、謹慎にふさわしく、大人しくここで過ごすための準備をしておりますの」
ルーナは、そう言うと、厨房の裏手にある勝手口に向かった。
「おい、どこへ行く」
「ちょっと、そこのお庭まで」
「庭だと? 逃亡する気か」
(この人、どれだけわたくしを逃亡させたいのかしら)
ルーナは、心底呆れたため息をついた。
「逃げませんわよ。馬車で五日もかかる場所から、どうやって逃げると言うのです。わたくしは、今夜の夕食に必要な『食材』を調達に行くだけですわ」
「食材…?」
アレクシスが怪訝な顔をするのを無視し、ルーナは勝手口の扉を開けた。
そこには、西日に照らされた小さなハーブ園が広がっていた。
「まあ…!」
ルーナは、再び歓声を上げた。
管理人が最低限の手入れはしていたのだろう。
ローズマリーが青々と茂り、ミントが元気よく群生し、タイムやセージも良い香りを放っている。
「素晴らしいですわ! 少し雑草が目立ちますけれど、これならすぐに再生できますわね!」
ルーナは、厨房から持ち出した小さなカゴと園芸用の手袋をはめると、早速ハーブ園に足を踏み入れた。
「……」
アレクシスは、勝手口の前に仁王立ちしたまま、その光景を呆然と眺めていた。
公爵令嬢が、あろうことか、エプロン姿のまま、ためらいもなく地面に膝をつき、雑草を抜き始めたのだ。
「…貴様、一体、何をしている」
本日二度目となる、同じセリフだった。
「見て分かりませんこと? ハーブの手入れですわ」
ルーナは、顔も上げずに答えた。
「このミントは、お茶にしてもお菓子にしても最高ですの。こちらのローズマリーは、お肉料理に。あら、カモミールも咲いていますわ。これなら安眠できますわね」
ルーナは、まるで宝物でも見つけたかのように、目を輝かせながら土をいじっている。
「公爵令嬢が…土いじりだと?」
「ええ。王妃教育では教えてくれませんでしたけれど、わたくしの数少ない趣味の一つですのよ」
(王妃教育より、よほど有意義だわ)
とは、さすがに口には出さなかった。
アレクシスは、理解の範疇を超えるものを見た、という顔でこめかみを押さえた。
彼が知る「公爵令嬢」とは、刺繍やダンス、詩や絵画に興じるものだ。
土にまみれ、雑草を抜く姿など、想像したこともなかった。
(この女…本当に悪女なのか? それとも、ただの変わり者…? いや、王子の目を欺くための芝居か?)
アレクシスが、疑心暗鬼に思考を巡らせていると、ルーナが不意に顔を上げた。
「あの、副団長様」
「…なんだ」
「どうせそこに立って、わたくしを『監視』なさるのでしたら」
ルーナは、にっこりと、人の悪い笑みを浮かべた。
「少し、お手を貸していただけませんこと?」
「…は?」
アレクシスは、自分の耳を疑った。
ルーナは、自分の隣の、ひときわ雑草が茂っている一角を指差した。
「そこですわ。そこだけ、どうにも雑草の根が深そうで、わたくしの力では骨が折れそうですの」
「……」
「監視なら、別に、わたくしの隣でなさっても問題ないでしょう?」
ルーナは、小首を傾げて、続けた。
「よろしければ、そこの草むしりでも、いかがですの?」
「……」
アレクシスの顔から、表情が消えた。
「氷の騎士」の仮面が、完璧に戻ってきた。
いや、むしろ、今までで一番冷たい表情をしているかもしれない。
周囲の気温が、数度下がったかのような錯覚さえ覚える。
アレクシスは、低い、地を這うような声で言った。
「…ふざけるのも、大概にしろ」
「あら、残念ですわ」
ルーナは、全く堪えた様子もなく、あっさりと肩をすくめた。
「騎士様は、力仕事がお得意かと思いましたのに。立っているだけでは、お疲れになりませんこと?」
「俺の仕事は、貴様の庭仕事を手伝うことではない。貴様が、馬鹿な真似をしないか見張ることだ」
「はぁ。ご立派な『お仕事』ですこと」
ルーナは、皮肉たっぷりにそう言うと、再び土いじりに意識を戻してしまった。
アレクシスのことなど、もはや視界に入っていないかのように。
「……!」
アレクシスは、人生で初めて味わう種類の「屈辱」に、拳を固く握りしめた。
この女は、自分を愚弄している。
王宮騎士団の副団長である自分を、庭師か何かと勘違いしている。
(許せん…!)
しかし、監視対象者が土いじりをしているだけでは、剣を抜くわけにも、罰するわけにもいかない。
アレクシスは、憤怒の炎を(内心で)燃やしながら、仁王立ちで「悪女の草むしり」を監視し続けるしかなかった。
「ふんふんふ~ん♪」
ハーブ園には、ルーナの機嫌の良さそうな鼻歌だけが、静かに響いていた。
「ん……あぁ、よく眠りましたわ」
天蓋付きベッドの上で、ルーナは猫のように大きく伸びをした。
王都での窮屈な日々では決して味わえなかった、心からの満足感が全身を満たしていく。
(最高ですわ。やはり別荘は)
ルーナがのそりと起き上がると、控えていたアンナがすぐに扉を開けて入ってきた。
「お目覚めですか、お嬢様。よくお休みになられたようで」
「ええ、完璧な昼寝でしたわ。それで、アンナ。例の『監視役』様は?」
アンナは、少し困ったような、それでいて面白そうな表情を浮かべた。
「はい。アレクシス様ですが…お嬢様がお休みになられてからずっと、この別荘中をくまなく『検分』なさっておりました」
「まあ、ご熱心なことですわね」
「地下の貯蔵庫から、屋根裏部屋の物置まで、それはもう徹底的に。使用人たちも、少し怯えておりましたが…」
「それで、何か『武器』や『隠し通路』は見つかったのかしら」
「いいえ。見つかったのは、お嬢様が持ち込まれた大量の小麦粉とバターの樽だったそうで…」
アンナは、くすりと笑いをこらえた。
「アレクシス様、貯蔵庫の前で、非常に…なんとも言えないお顔で立ち尽くしておられましたわ。『…これは、なんだ』と」
(でしょうね)
ルーナも、思わず笑みがこぼれた。
氷の騎士様が、小麦粉の山を前にして絶句している姿を想像すると、実に愉快だった。
「ご苦労様なことですわ。さて、わたくしも活動開始といたしましょうか」
ルーナは、早速アンナに手伝わせて、持ってきた荷物の中から一番動きやすいコットンのワンピースに着替えた。
コルセットも、きつい髪型も、もうない。
信じられないほどの解放感だった。
「まずは、わたくしの城を視察しませんと」
「城、でございますか?」
「厨房ですわ!」
ルーナは、意気揚々と一階の厨房へと向かった。
アレクシスが検分した後だという厨房は、すでにアンナと管理人のエマによって、ルーナ仕様に完璧に整えられていた。
「素晴らしい!」
ルーナは、感嘆の声を上げた。
王宮のそれよりは狭いが、機能的に作られた厨房だ。
中央には大きな作業台。壁には、磨き上げられた銅製の鍋やフライパンがずらりと並んでいる。
そして何より、窓から明るい西日と、湖からの風が入ってくる。
「最高ですわ、アンナ、エマ! これぞわたくしの求めていた厨房よ!」
パントリー(食料庫)を開けば、王都から運び込まれた小麦粉や砂糖、スパイス類が美しく陳列されている。
「うふふ…何から作りましょう。まずは、長旅で酷使した胃を休めるために、優しいスープかしら。それとも、到着祝いにタルトでも焼きましょうか」
ルーナが、うっとりとした表情で小麦粉の袋を撫でていると、厨房の入り口に、冷たい影が差した。
「…何をしている」
氷のように低い声。
アレクシス・ラインフォルトだった。
彼は、腕を組み、眉間に深いシワを寄せたまま、ルーナを睨みつけていた。
その青い瞳は「悪女がまた何か企んでいる」と雄弁に語っている。
「あら、副団長様。検分はお済みになりましたの?」
ルーナは、小麦粉から手を離し、優雅に(しかし、エプロン姿で)振り返った。
「貴様こそ、謹慎中の身でありながら、ずいぶんと楽しそうだな」
「ええ、楽しいですわよ? ご覧くださいまし、この素晴らしい厨房を。まるでわたくしのためにあるようですわ」
「……」
アレクシスは、この女の図太さに、もはや怒りを通り越して一種の戦慄を覚えていた。
「ここは貴様の遊び場ではない。謹慎場所だ。それを忘れるな」
「ええ、存じておりますわ。ですから、謹慎にふさわしく、大人しくここで過ごすための準備をしておりますの」
ルーナは、そう言うと、厨房の裏手にある勝手口に向かった。
「おい、どこへ行く」
「ちょっと、そこのお庭まで」
「庭だと? 逃亡する気か」
(この人、どれだけわたくしを逃亡させたいのかしら)
ルーナは、心底呆れたため息をついた。
「逃げませんわよ。馬車で五日もかかる場所から、どうやって逃げると言うのです。わたくしは、今夜の夕食に必要な『食材』を調達に行くだけですわ」
「食材…?」
アレクシスが怪訝な顔をするのを無視し、ルーナは勝手口の扉を開けた。
そこには、西日に照らされた小さなハーブ園が広がっていた。
「まあ…!」
ルーナは、再び歓声を上げた。
管理人が最低限の手入れはしていたのだろう。
ローズマリーが青々と茂り、ミントが元気よく群生し、タイムやセージも良い香りを放っている。
「素晴らしいですわ! 少し雑草が目立ちますけれど、これならすぐに再生できますわね!」
ルーナは、厨房から持ち出した小さなカゴと園芸用の手袋をはめると、早速ハーブ園に足を踏み入れた。
「……」
アレクシスは、勝手口の前に仁王立ちしたまま、その光景を呆然と眺めていた。
公爵令嬢が、あろうことか、エプロン姿のまま、ためらいもなく地面に膝をつき、雑草を抜き始めたのだ。
「…貴様、一体、何をしている」
本日二度目となる、同じセリフだった。
「見て分かりませんこと? ハーブの手入れですわ」
ルーナは、顔も上げずに答えた。
「このミントは、お茶にしてもお菓子にしても最高ですの。こちらのローズマリーは、お肉料理に。あら、カモミールも咲いていますわ。これなら安眠できますわね」
ルーナは、まるで宝物でも見つけたかのように、目を輝かせながら土をいじっている。
「公爵令嬢が…土いじりだと?」
「ええ。王妃教育では教えてくれませんでしたけれど、わたくしの数少ない趣味の一つですのよ」
(王妃教育より、よほど有意義だわ)
とは、さすがに口には出さなかった。
アレクシスは、理解の範疇を超えるものを見た、という顔でこめかみを押さえた。
彼が知る「公爵令嬢」とは、刺繍やダンス、詩や絵画に興じるものだ。
土にまみれ、雑草を抜く姿など、想像したこともなかった。
(この女…本当に悪女なのか? それとも、ただの変わり者…? いや、王子の目を欺くための芝居か?)
アレクシスが、疑心暗鬼に思考を巡らせていると、ルーナが不意に顔を上げた。
「あの、副団長様」
「…なんだ」
「どうせそこに立って、わたくしを『監視』なさるのでしたら」
ルーナは、にっこりと、人の悪い笑みを浮かべた。
「少し、お手を貸していただけませんこと?」
「…は?」
アレクシスは、自分の耳を疑った。
ルーナは、自分の隣の、ひときわ雑草が茂っている一角を指差した。
「そこですわ。そこだけ、どうにも雑草の根が深そうで、わたくしの力では骨が折れそうですの」
「……」
「監視なら、別に、わたくしの隣でなさっても問題ないでしょう?」
ルーナは、小首を傾げて、続けた。
「よろしければ、そこの草むしりでも、いかがですの?」
「……」
アレクシスの顔から、表情が消えた。
「氷の騎士」の仮面が、完璧に戻ってきた。
いや、むしろ、今までで一番冷たい表情をしているかもしれない。
周囲の気温が、数度下がったかのような錯覚さえ覚える。
アレクシスは、低い、地を這うような声で言った。
「…ふざけるのも、大概にしろ」
「あら、残念ですわ」
ルーナは、全く堪えた様子もなく、あっさりと肩をすくめた。
「騎士様は、力仕事がお得意かと思いましたのに。立っているだけでは、お疲れになりませんこと?」
「俺の仕事は、貴様の庭仕事を手伝うことではない。貴様が、馬鹿な真似をしないか見張ることだ」
「はぁ。ご立派な『お仕事』ですこと」
ルーナは、皮肉たっぷりにそう言うと、再び土いじりに意識を戻してしまった。
アレクシスのことなど、もはや視界に入っていないかのように。
「……!」
アレクシスは、人生で初めて味わう種類の「屈辱」に、拳を固く握りしめた。
この女は、自分を愚弄している。
王宮騎士団の副団長である自分を、庭師か何かと勘違いしている。
(許せん…!)
しかし、監視対象者が土いじりをしているだけでは、剣を抜くわけにも、罰するわけにもいかない。
アレクシスは、憤怒の炎を(内心で)燃やしながら、仁王立ちで「悪女の草むしり」を監視し続けるしかなかった。
「ふんふんふ~ん♪」
ハーブ園には、ルーナの機嫌の良さそうな鼻歌だけが、静かに響いていた。
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