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王妃主催の茶会での一件は、私が仕掛けた以上の効果を上げたようだ。
あの夜、アルベールが私の部屋に現れた時、彼はいつもの笑みを浮かべてはいたが、その瞳の奥には深い満足感が浮かんでいた。
「リリアン王女は、あの日以来、体調不良を理由に引きこもっておられます」
「まあ。わたくしが、あまりに辛辣なことを申し上げたからかしら」
「それもあるでしょう。ですが、最大の理由は、エドワード王子が彼女を慰めるどころか、あの日の出来事を執拗(しつよう)に問い質(ただ)しているからだとか」
「……彼が、ようやく疑問を持ったと」
「はい。『エレノアは、本当に妃教育が窮屈だと愚痴をこぼしていたのか』『リリアン、君は何か俺に隠していないか』と。……王子も、ようやく自分の『物語』に疑いを持ち始めたようです」
アルベールの報告は、いつもながら的確で、私が欲しい情報を的確に含んでいる。
彼と契約してから、私の復讐は驚くほど順調に進んでいた。
ヴァルガス家の財政も、父の再起とアルベールの仲介したルートのおかげで、最悪の事態は脱しつつある。
だが、事が順調に進めば進むほど、私の中の、この男に対する疑念もまた、深まっていった。
私は、手にしていた領地の収支報告書を、テーブルに置いた。
「アルベール」
私は、彼の目を真っ直ぐに見据えた。
「あなた、一体何者なの」
彼は、一瞬、虚(きょ)を突かれたような顔をしたが、すぐにいつもの飄々(ひょうひょう)とした表情に戻った。
「おや。今更、そのようなご質問を?私は貴女(あなた)の忠実なる『駒』ですよ、エレノア様」
「とぼけないで」
私は、彼の言葉を遮った。
「あなたの情報網は、ただの商人のそれではないわ。王宮の、それも王子の寝室での会話に近い内容まで掴んでいる。貴族名鑑にも載っていないあなたが、どうやってそれを?」
「……」
「それに、あなたは私を助けすぎている。数年前の『恩返し』?それだけにしては、あまりにも危険すぎる橋を渡りすぎているわ。あなたは、私に何を望んでいるの?金銭でないことは分かっている。まさか、ヴァルガス家が再起した暁には、侯爵家を乗っ取るとでもいうつもり?」
私の言葉は、我ながら辛辣(しんらつ)だった。
だが、私はもう、誰かを無条件に信じることはできなかった。
アルベールは、私の刺々(とげとげ)しい言葉を、静かに受け止めていた。
彼は、ふう、と小さく息を吐くと、窓の外の闇に視線を向けた。
「……信じていただけないのも、無理はありませんね」
彼の声から、いつもの軽さが消えていた。
「私の過去をお話ししても、貴女の何の益にもならないと思い、黙っておりました」
「……聞かせてもらうわ」
私は、彼から目を逸らさなかった。
彼は、しばらくの沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。
「私は……貴族ではありません」
「それは、知っているわ」
「私の家は、代々、古書や歴史を研究する学者の一族でした。貴族社会とは無縁の、ただ知を愛する一族です。父は、王立図書館の館長も務めておりました」
「王立図書館の……?」
それは、貴族でなくとも、相応の名誉と地位がなければ就けない職だ。
「ええ。父は、清廉潔白(せいれんけっぱく)な人でした。……清廉潔白すぎた、と言うべきかもしれません」
アルベールの声に、暗い影が差した。
「数年前、ある有力な侯爵家が、図書館の管理する歴史的な重要資料の『改竄(かいざん)』を父に要求しました。その家の不名誉な過去を、歴史から抹消するためです」
「……!」
「父は、当然、それを拒否しました。歴史の真実を守ることこそが、自分の使命だと」
アルベールの拳が、膝の上で固く握り締められるのを、私は見た。
「結果は、ご想像の通りです。父は、ありもしない横領の罪を着せられ、職を追われました。私たち一族は、全ての財産と名誉を奪われ、王都から追放されました。父は、その心労が祟(たた)り、追放先の田舎町で……すぐに亡くなりました」
「……ああ」
私は、言葉を失った。
それは、私が経験した「婚約破棄」などとは比べ物にならないほど、理不尽で、残酷な仕打ちだった。
「私は、全てを失いました。学問も、家族も、信じていた『正義』も。私は貴族社会を、この国を、心の底から呪いました」
彼の瞳が、冷たい炎を宿していた。
「私は、生きる意味を見失い、ただあてもなく放浪しました。どうせ死ぬなら、あの侯爵家の誰か一人でも道連れにしてやろうと、荒んだ日々を送っていました」
そして、彼の視線が、私に戻ってきた。
「……そんな時でした。あの西の街道で、盗賊に襲われたのは」
「……」
「私は、あの時、もうどうでもよかったのです。商人を助けようとしたのも、ただの気まぐれだ。こんな腐った世界で、誰が死のうと知ったことではなかった。私も、そこで死ねば、それで楽になれるとさえ思っていた」
彼の告白に、私は胸を突かれた。
あの時、私が馬車から見た青年は、そんな絶望の淵に立っていたというのか。
「折れた剣で、もう戦う力も残っていなかった。……そこに、貴女が現れた」
「……」
「護衛が『関わるな』と言ったのを、私は聞いていました。それが、貴族にとって『正しい』判断だ。見ず知らずの、それも平民かどうかも分からない汚れた男など、見捨てて当然だ、と」
「……」
「ですが、貴女は馬車を降りた。私の前に立ち、『目の前で助けを求めている者を見捨てることはできない』と、護衛に命じた」
アルベールの声が、わずかに震えた。
「……あの時の私には、貴女が、この世の者とは思えなかった。この腐りきった貴族社会にも、まだ、そんな真っ直ぐな言葉を口にする人間がいたのか、と。……愚かなほどに、純粋な人が」
彼は、自嘲(じちょう)するように、小さく笑った。
「あの時、あなたは私の命だけでなく、私の『人間への信頼』をも救ってくださったのです。……私が、父から受け継ぎ、そして、あの侯爵家に奪われた、『正義』というものを」
私は、返す言葉が見つからなかった。
私がただの自己満足で、当たり前のことをしたと思っている、あの些細(ささい)な行いが、この男の人生を繋ぎ止めていたというのか。
「だから、私は誓いました。この命は、貴女のために使おうと。貴女のような人が、この国で理不尽に踏みにじられることがないように、陰からお守りしようと」
彼の告白は、まだ、核心の部分を残している気がした。
「前編」と彼が区切ったかのように。
だが、今夜、私が受け取ったものは、あまりにも重すぎた。
あの夜、アルベールが私の部屋に現れた時、彼はいつもの笑みを浮かべてはいたが、その瞳の奥には深い満足感が浮かんでいた。
「リリアン王女は、あの日以来、体調不良を理由に引きこもっておられます」
「まあ。わたくしが、あまりに辛辣なことを申し上げたからかしら」
「それもあるでしょう。ですが、最大の理由は、エドワード王子が彼女を慰めるどころか、あの日の出来事を執拗(しつよう)に問い質(ただ)しているからだとか」
「……彼が、ようやく疑問を持ったと」
「はい。『エレノアは、本当に妃教育が窮屈だと愚痴をこぼしていたのか』『リリアン、君は何か俺に隠していないか』と。……王子も、ようやく自分の『物語』に疑いを持ち始めたようです」
アルベールの報告は、いつもながら的確で、私が欲しい情報を的確に含んでいる。
彼と契約してから、私の復讐は驚くほど順調に進んでいた。
ヴァルガス家の財政も、父の再起とアルベールの仲介したルートのおかげで、最悪の事態は脱しつつある。
だが、事が順調に進めば進むほど、私の中の、この男に対する疑念もまた、深まっていった。
私は、手にしていた領地の収支報告書を、テーブルに置いた。
「アルベール」
私は、彼の目を真っ直ぐに見据えた。
「あなた、一体何者なの」
彼は、一瞬、虚(きょ)を突かれたような顔をしたが、すぐにいつもの飄々(ひょうひょう)とした表情に戻った。
「おや。今更、そのようなご質問を?私は貴女(あなた)の忠実なる『駒』ですよ、エレノア様」
「とぼけないで」
私は、彼の言葉を遮った。
「あなたの情報網は、ただの商人のそれではないわ。王宮の、それも王子の寝室での会話に近い内容まで掴んでいる。貴族名鑑にも載っていないあなたが、どうやってそれを?」
「……」
「それに、あなたは私を助けすぎている。数年前の『恩返し』?それだけにしては、あまりにも危険すぎる橋を渡りすぎているわ。あなたは、私に何を望んでいるの?金銭でないことは分かっている。まさか、ヴァルガス家が再起した暁には、侯爵家を乗っ取るとでもいうつもり?」
私の言葉は、我ながら辛辣(しんらつ)だった。
だが、私はもう、誰かを無条件に信じることはできなかった。
アルベールは、私の刺々(とげとげ)しい言葉を、静かに受け止めていた。
彼は、ふう、と小さく息を吐くと、窓の外の闇に視線を向けた。
「……信じていただけないのも、無理はありませんね」
彼の声から、いつもの軽さが消えていた。
「私の過去をお話ししても、貴女の何の益にもならないと思い、黙っておりました」
「……聞かせてもらうわ」
私は、彼から目を逸らさなかった。
彼は、しばらくの沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。
「私は……貴族ではありません」
「それは、知っているわ」
「私の家は、代々、古書や歴史を研究する学者の一族でした。貴族社会とは無縁の、ただ知を愛する一族です。父は、王立図書館の館長も務めておりました」
「王立図書館の……?」
それは、貴族でなくとも、相応の名誉と地位がなければ就けない職だ。
「ええ。父は、清廉潔白(せいれんけっぱく)な人でした。……清廉潔白すぎた、と言うべきかもしれません」
アルベールの声に、暗い影が差した。
「数年前、ある有力な侯爵家が、図書館の管理する歴史的な重要資料の『改竄(かいざん)』を父に要求しました。その家の不名誉な過去を、歴史から抹消するためです」
「……!」
「父は、当然、それを拒否しました。歴史の真実を守ることこそが、自分の使命だと」
アルベールの拳が、膝の上で固く握り締められるのを、私は見た。
「結果は、ご想像の通りです。父は、ありもしない横領の罪を着せられ、職を追われました。私たち一族は、全ての財産と名誉を奪われ、王都から追放されました。父は、その心労が祟(たた)り、追放先の田舎町で……すぐに亡くなりました」
「……ああ」
私は、言葉を失った。
それは、私が経験した「婚約破棄」などとは比べ物にならないほど、理不尽で、残酷な仕打ちだった。
「私は、全てを失いました。学問も、家族も、信じていた『正義』も。私は貴族社会を、この国を、心の底から呪いました」
彼の瞳が、冷たい炎を宿していた。
「私は、生きる意味を見失い、ただあてもなく放浪しました。どうせ死ぬなら、あの侯爵家の誰か一人でも道連れにしてやろうと、荒んだ日々を送っていました」
そして、彼の視線が、私に戻ってきた。
「……そんな時でした。あの西の街道で、盗賊に襲われたのは」
「……」
「私は、あの時、もうどうでもよかったのです。商人を助けようとしたのも、ただの気まぐれだ。こんな腐った世界で、誰が死のうと知ったことではなかった。私も、そこで死ねば、それで楽になれるとさえ思っていた」
彼の告白に、私は胸を突かれた。
あの時、私が馬車から見た青年は、そんな絶望の淵に立っていたというのか。
「折れた剣で、もう戦う力も残っていなかった。……そこに、貴女が現れた」
「……」
「護衛が『関わるな』と言ったのを、私は聞いていました。それが、貴族にとって『正しい』判断だ。見ず知らずの、それも平民かどうかも分からない汚れた男など、見捨てて当然だ、と」
「……」
「ですが、貴女は馬車を降りた。私の前に立ち、『目の前で助けを求めている者を見捨てることはできない』と、護衛に命じた」
アルベールの声が、わずかに震えた。
「……あの時の私には、貴女が、この世の者とは思えなかった。この腐りきった貴族社会にも、まだ、そんな真っ直ぐな言葉を口にする人間がいたのか、と。……愚かなほどに、純粋な人が」
彼は、自嘲(じちょう)するように、小さく笑った。
「あの時、あなたは私の命だけでなく、私の『人間への信頼』をも救ってくださったのです。……私が、父から受け継ぎ、そして、あの侯爵家に奪われた、『正義』というものを」
私は、返す言葉が見つからなかった。
私がただの自己満足で、当たり前のことをしたと思っている、あの些細(ささい)な行いが、この男の人生を繋ぎ止めていたというのか。
「だから、私は誓いました。この命は、貴女のために使おうと。貴女のような人が、この国で理不尽に踏みにじられることがないように、陰からお守りしようと」
彼の告白は、まだ、核心の部分を残している気がした。
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