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八之巻:中間テストと校内戦
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放課後に行われたVS生徒会コンビの敗北は後日、学校全体に広まり授業以外でのギア制限の校則はすぐさま取り下げられた。朧と九頭竜の二人の名前は知れ渡り、隣のクラスや上の学年の生徒たちが男女問わず連日茂木クラスへ野次馬しに来ている。不良で授業を真面目に受けない九頭竜は野次馬が集まり始めると教室からすぐさまいなくなり注目されるのは朧だけとなっていた。今日も野次馬が教室の前で朧の一挙手一投足を見学しに来ていた。
「……連日こんなに集まられては、いよいよクラスにいずらくなるな……なんで、こんなに集まってくんだ?」
そんな朧のつぶやきに隣に座って読書をしていた女生徒が答える。
「来月の中間テストの後の校内戦の影響かもね。」
朧はその女生徒と顔を合わせるが自己紹介の時には見なかったと頭を回転させ、名前を絞りだそうとする。女生徒はそんな朧の様子に改めて自己紹介をした。
「諸星 聖華。あなたの自己紹介のせいで皆からもあまり覚えてもらえていないの。」
「そ、そうか、それはすまない。それで、校内戦っていうのは……?」
「そうね、簡単に説明するとギアの実技試験といったところかしら。各学年でトーナメント戦を行って順位を争うの。私たち一年生は5クラスあるから大体200名トーナメントを2週間で終わらせる形になるわね。」
「入学したてなのに詳しいんだね。」
「えぇ、一つ上の学年に兄がいるの。実技試験の2週間はピリピリしてとても怖かったわ。」
「そうだったんだ……試験一緒にがんばろうね。」
朧のそんな声に聖華はうっとうしそうにため息をつく。
「えぇ、そうね……でも気をつけた方がいいわよ。あの野次馬たちはあなたのファンだけじゃなくてあなたの戦略を攻略しようとする輩もいるから。」
「隣のクラスはわかるけど、先輩方はなんでそんな意味のないことを?」
「意味はあるわ。テストのあとは学校全体でのトーナメントもあるんだから。ま、あなたがクラス代表になれれば先輩たちの監視には意味があるのかもね。」
読書を再開した聖華に朧は納得したように机に視線を落としてテストの範囲を確かめる。その後は担任の茂木が教室に入ってきてホームルームを始めて、中間テストのことそして、そのあとの校内戦のことを説明した。
「……以上、校内戦の説明を終了する。何か質問のあるものは?」
「先生!校内戦の結果とテストの結果って一緒に計算されるんですか?」
「それは別で計算される。ただ、内申点等は筆記試験での結果を最重要視するので勉強はサボらないように。」
ブーイング気味の生徒たちの声に茂木は何も言わずにホームルームを終了した。そして、いつも通りに授業が進み、昼休みの時間になると朧は野次馬が集まる前に教室を出て九頭竜を探しに校内をこっそりと走り回った。九頭竜は校舎の屋上で昼寝をしており、ドアが風で揺れたり、人の話し声が近くなるたびに急いで身をひそめたりしていた。
「……ったく…!安心して昼寝すらもできねぇ……」
「じゃあ、サボりをやめたらいいのに……」
「どあ!脅かすなよ……夜月…」
「はは、すまない。それにしてもずいぶんと座学が嫌いなんだな。」
「いや、別に嫌いってわけじゃねぇんだ。中学時代はがり勉だったわけだし……」
「じゃあ、なんで?」
「朝から集まる野次馬共のせいだ。」
「それは言えてるね。……ほら、これ昼食だ。」
朧は袋から菓子パンを九頭竜へ渡す。九頭竜は菓子パンを受け取ると財布を取り出した。
「いくらだった?払う。」
「いや、いいよ。オレからのおごりってことで……そういえば、中間テストのあとの校内戦の話を聞いたか?」
「聞いたもなにもここに入ってくる前にあらかた情報は調べた。だから俺は前の生徒会長との戦いは受けるべきじゃなかったと後悔した。あの戦闘で俺の実力は一年から三年まで知れ渡っちまった。これからは家とか隣町の公園でコソ練だ。」
「確かに、あの戦闘でオレの戦略もあらかたはバレたのか…オレもまた別の方法も探らないといけないか?」
「殺気だけで戦意喪失させるバケモンが、そんなこと気にすんな。」と内心つぶやいた九頭竜は何も言わず黙々と菓子パンを平らげて校内へ続くドアを開けた。
「誠、行くのか?教室の前にはまだ野次馬が……」
「野次馬にもみくちゃにされることより内申点が大事だ。」
ガチャリとドアを閉めた九頭竜は教室へ向かっていった。
「すごいな。オレだったらあんな野次馬の中には飛び込みたくない。」
朧は菓子パンを食べて一緒に買ったいちごミルクを飲み、授業開始5分前の予鈴が鳴るまで屋上でくつろいだ。
─────────────
放課後の校内の一室にて生徒が会話をしている。
「例の件。準備はできたか?」
「うむ。もちろんだ。」
「そっちはできたんかい?」
「こっちも万全だ。」
3人は何やらこそこそと周りを確認しながら話している。
「……よし、では来月に決行だ。」
「あぁ、我々の栄光のため。」
「おう……必ず成し遂げるぞ。下剋上だ。」
3人はそのまま校内を後にした。
八之巻:中間テストと校内戦
「……連日こんなに集まられては、いよいよクラスにいずらくなるな……なんで、こんなに集まってくんだ?」
そんな朧のつぶやきに隣に座って読書をしていた女生徒が答える。
「来月の中間テストの後の校内戦の影響かもね。」
朧はその女生徒と顔を合わせるが自己紹介の時には見なかったと頭を回転させ、名前を絞りだそうとする。女生徒はそんな朧の様子に改めて自己紹介をした。
「諸星 聖華。あなたの自己紹介のせいで皆からもあまり覚えてもらえていないの。」
「そ、そうか、それはすまない。それで、校内戦っていうのは……?」
「そうね、簡単に説明するとギアの実技試験といったところかしら。各学年でトーナメント戦を行って順位を争うの。私たち一年生は5クラスあるから大体200名トーナメントを2週間で終わらせる形になるわね。」
「入学したてなのに詳しいんだね。」
「えぇ、一つ上の学年に兄がいるの。実技試験の2週間はピリピリしてとても怖かったわ。」
「そうだったんだ……試験一緒にがんばろうね。」
朧のそんな声に聖華はうっとうしそうにため息をつく。
「えぇ、そうね……でも気をつけた方がいいわよ。あの野次馬たちはあなたのファンだけじゃなくてあなたの戦略を攻略しようとする輩もいるから。」
「隣のクラスはわかるけど、先輩方はなんでそんな意味のないことを?」
「意味はあるわ。テストのあとは学校全体でのトーナメントもあるんだから。ま、あなたがクラス代表になれれば先輩たちの監視には意味があるのかもね。」
読書を再開した聖華に朧は納得したように机に視線を落としてテストの範囲を確かめる。その後は担任の茂木が教室に入ってきてホームルームを始めて、中間テストのことそして、そのあとの校内戦のことを説明した。
「……以上、校内戦の説明を終了する。何か質問のあるものは?」
「先生!校内戦の結果とテストの結果って一緒に計算されるんですか?」
「それは別で計算される。ただ、内申点等は筆記試験での結果を最重要視するので勉強はサボらないように。」
ブーイング気味の生徒たちの声に茂木は何も言わずにホームルームを終了した。そして、いつも通りに授業が進み、昼休みの時間になると朧は野次馬が集まる前に教室を出て九頭竜を探しに校内をこっそりと走り回った。九頭竜は校舎の屋上で昼寝をしており、ドアが風で揺れたり、人の話し声が近くなるたびに急いで身をひそめたりしていた。
「……ったく…!安心して昼寝すらもできねぇ……」
「じゃあ、サボりをやめたらいいのに……」
「どあ!脅かすなよ……夜月…」
「はは、すまない。それにしてもずいぶんと座学が嫌いなんだな。」
「いや、別に嫌いってわけじゃねぇんだ。中学時代はがり勉だったわけだし……」
「じゃあ、なんで?」
「朝から集まる野次馬共のせいだ。」
「それは言えてるね。……ほら、これ昼食だ。」
朧は袋から菓子パンを九頭竜へ渡す。九頭竜は菓子パンを受け取ると財布を取り出した。
「いくらだった?払う。」
「いや、いいよ。オレからのおごりってことで……そういえば、中間テストのあとの校内戦の話を聞いたか?」
「聞いたもなにもここに入ってくる前にあらかた情報は調べた。だから俺は前の生徒会長との戦いは受けるべきじゃなかったと後悔した。あの戦闘で俺の実力は一年から三年まで知れ渡っちまった。これからは家とか隣町の公園でコソ練だ。」
「確かに、あの戦闘でオレの戦略もあらかたはバレたのか…オレもまた別の方法も探らないといけないか?」
「殺気だけで戦意喪失させるバケモンが、そんなこと気にすんな。」と内心つぶやいた九頭竜は何も言わず黙々と菓子パンを平らげて校内へ続くドアを開けた。
「誠、行くのか?教室の前にはまだ野次馬が……」
「野次馬にもみくちゃにされることより内申点が大事だ。」
ガチャリとドアを閉めた九頭竜は教室へ向かっていった。
「すごいな。オレだったらあんな野次馬の中には飛び込みたくない。」
朧は菓子パンを食べて一緒に買ったいちごミルクを飲み、授業開始5分前の予鈴が鳴るまで屋上でくつろいだ。
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放課後の校内の一室にて生徒が会話をしている。
「例の件。準備はできたか?」
「うむ。もちろんだ。」
「そっちはできたんかい?」
「こっちも万全だ。」
3人は何やらこそこそと周りを確認しながら話している。
「……よし、では来月に決行だ。」
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「おう……必ず成し遂げるぞ。下剋上だ。」
3人はそのまま校内を後にした。
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