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拾/陸之巻:夏休みの山で修行 2
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集中力をあげるメリットとは、エナジーのコントロールと安定化、強化まで行われる。そのため、集中力をあげる修行が必要なのだ。元気よく説明を終える筋骨隆々の数学教科担任の緑化 木林森は早速修行内容を伝える。
「簡単に端的に説明するぞ。集中力をあげるための修行……日本特有の修行法、座禅だ!」
クラスメイトたちの他に他のクラスの生徒たちも座禅をさせられている。朧は挙手して質問する。
「緑化先生。合格のラインはどうなるんですか?」
「クリアラインはそうだな……あの子を見ろ。」
合格できていない生徒の中であと少しで合格ラインに立とうとしてる生徒が丁度出てきた。胡坐をかいて胸の前で円を作っている生徒はエナジーを全身から放出する。だが、そのエナジーに乱れはなく、済んだ水面のようなエナジーである。それを見た緑化はその生徒に合格を言い渡して、まだできていない生徒やこれからやる生徒にアドバイスを送る。
「コツは最初に全身のエナジーを全開で放出してそこからだんだんと理科で使うガスバーナーのようにつまみを回して量を調節するイメージだ。」
朧、九頭竜、諸星、武田の4人は納得しつつ先生の言うとおりにしてみた。エナジーを放出し、だんだんと弱くしていく…武田と九頭竜は弱くしすぎてエナジーの放出が止まり、朧と諸星はいい感じまでできたが風の音、虫の羽音など外的要因でそれが乱れる…二人はなるほどと内心で理解しているもののやはりちょっとした要因でエナジーが乱れる。四人を含めた生徒たちはその日ギリギリまで修行をして夕方ごろにやっと全員が合格をもらえた。全員、気温による暑さと虫刺されによってひどい見た目になっていた。
「今日、ギリギリまで集中力のトレーニングをした生徒は明日の朝に模擬戦の前にもう一度集合して今の座禅を行う。では解散!」
「お、終わった……」
「もう、全身汗でベトベトで虫刺されでかゆすぎです……」
「やはり、難しいな。」
「今まで武器しか握ってこなかったからよ…私も強くは言えないけど……」
「にしても、夜月が苦戦って珍しいな。」
「そりゃ、武器を振り回して筋トレに柔軟体操しかやってなかったからな。明日の朝までこの状態をキープしようと思う。」
「キープって、もしかしてさっきの状態を保ってるのか?」
朧は何食わぬ顔でうなずく。諸星もその横で「私もなんだけど」と顔を出す。九頭竜と武田は慌てて先ほどの状態をやろうとエナジーを放出して調節していく…九頭竜はお腹の痛そうな顔をしており、武田は泣きそうな怒っているような変顔になっている。
「……あまり無理するなよ。」
「静乃もかわいい顔が台無しになるわ。」
そういわれた二人は力を抜いてしまい、元の状態に戻る。
「ちくしょ~ぜってぇ負けねぇからな。」
「わ、私も聖華ちゃんに追いつけるようにがんばる……」
二人は顔を見合わせて力強くうなずいた。
─────────────
画面に映る朧の姿にうっとりとする少女。そのまま山をショートカットしてとびとびに朧のいる旅館に近づく。
「朧くん。もうすぐ、もうすぐだよ。」
そして、画面に映る朧を取り囲む生徒を見ると舌打ちをして再び朧に目を向ける。
「私だけ、朧くんをわかるのは私だけ。他のやつには絶対に渡さない!!」
少女は聖華を睨みつけて手に持っているパソコンを閉じて急いで朧のいる旅館へこっそりと侵入した。
─────────────
お風呂上がりの朧は背筋に悪寒が走ったのを感じて同時にくしゃみもする。
「おいおい、風邪か?せっかくの修行で帰宅ってなったらもったいねぇぞ?」
「そうだな。今日は集まりが終わり次第早めに寝るとするよ。」
「……私はなにかいやな予感がするわね。」
「せ、聖華ちゃんの予感は当たるから心配だよ…」
「大丈夫よ。静乃には何も起こらない。ただ、夜月くんに何か迫っているような気がするの……」
「怖ぇこと言うなよ。」
「大丈夫さ。風邪なら早めに寝て、その他なら全力で相手するまでだ。」
「「「えぇ……」」」
朧のその発言に三人はあきれながらも束の間の安寧を楽しむのであった。
そう、背後に過去が迫っているのも知らずに……
拾/陸之巻:夏休みの山で修行 2
「簡単に端的に説明するぞ。集中力をあげるための修行……日本特有の修行法、座禅だ!」
クラスメイトたちの他に他のクラスの生徒たちも座禅をさせられている。朧は挙手して質問する。
「緑化先生。合格のラインはどうなるんですか?」
「クリアラインはそうだな……あの子を見ろ。」
合格できていない生徒の中であと少しで合格ラインに立とうとしてる生徒が丁度出てきた。胡坐をかいて胸の前で円を作っている生徒はエナジーを全身から放出する。だが、そのエナジーに乱れはなく、済んだ水面のようなエナジーである。それを見た緑化はその生徒に合格を言い渡して、まだできていない生徒やこれからやる生徒にアドバイスを送る。
「コツは最初に全身のエナジーを全開で放出してそこからだんだんと理科で使うガスバーナーのようにつまみを回して量を調節するイメージだ。」
朧、九頭竜、諸星、武田の4人は納得しつつ先生の言うとおりにしてみた。エナジーを放出し、だんだんと弱くしていく…武田と九頭竜は弱くしすぎてエナジーの放出が止まり、朧と諸星はいい感じまでできたが風の音、虫の羽音など外的要因でそれが乱れる…二人はなるほどと内心で理解しているもののやはりちょっとした要因でエナジーが乱れる。四人を含めた生徒たちはその日ギリギリまで修行をして夕方ごろにやっと全員が合格をもらえた。全員、気温による暑さと虫刺されによってひどい見た目になっていた。
「今日、ギリギリまで集中力のトレーニングをした生徒は明日の朝に模擬戦の前にもう一度集合して今の座禅を行う。では解散!」
「お、終わった……」
「もう、全身汗でベトベトで虫刺されでかゆすぎです……」
「やはり、難しいな。」
「今まで武器しか握ってこなかったからよ…私も強くは言えないけど……」
「にしても、夜月が苦戦って珍しいな。」
「そりゃ、武器を振り回して筋トレに柔軟体操しかやってなかったからな。明日の朝までこの状態をキープしようと思う。」
「キープって、もしかしてさっきの状態を保ってるのか?」
朧は何食わぬ顔でうなずく。諸星もその横で「私もなんだけど」と顔を出す。九頭竜と武田は慌てて先ほどの状態をやろうとエナジーを放出して調節していく…九頭竜はお腹の痛そうな顔をしており、武田は泣きそうな怒っているような変顔になっている。
「……あまり無理するなよ。」
「静乃もかわいい顔が台無しになるわ。」
そういわれた二人は力を抜いてしまい、元の状態に戻る。
「ちくしょ~ぜってぇ負けねぇからな。」
「わ、私も聖華ちゃんに追いつけるようにがんばる……」
二人は顔を見合わせて力強くうなずいた。
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画面に映る朧の姿にうっとりとする少女。そのまま山をショートカットしてとびとびに朧のいる旅館に近づく。
「朧くん。もうすぐ、もうすぐだよ。」
そして、画面に映る朧を取り囲む生徒を見ると舌打ちをして再び朧に目を向ける。
「私だけ、朧くんをわかるのは私だけ。他のやつには絶対に渡さない!!」
少女は聖華を睨みつけて手に持っているパソコンを閉じて急いで朧のいる旅館へこっそりと侵入した。
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お風呂上がりの朧は背筋に悪寒が走ったのを感じて同時にくしゃみもする。
「おいおい、風邪か?せっかくの修行で帰宅ってなったらもったいねぇぞ?」
「そうだな。今日は集まりが終わり次第早めに寝るとするよ。」
「……私はなにかいやな予感がするわね。」
「せ、聖華ちゃんの予感は当たるから心配だよ…」
「大丈夫よ。静乃には何も起こらない。ただ、夜月くんに何か迫っているような気がするの……」
「怖ぇこと言うなよ。」
「大丈夫さ。風邪なら早めに寝て、その他なら全力で相手するまでだ。」
「「「えぇ……」」」
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