日常の怪

7 一戸建ての怪

当時、小学6年生だった私は、家族三人で売られていた中古の一戸建てに住み始めた。私は居間のソファでスナック菓子を食べながら、テレビを見ていた。ふと、廊下の方でお母さんが階段で２階に上がっていくのが見えた。そして、お母さんに続いて小さな裸の男の子が、階段を駆け上がって行った。裸の男の子は、お母さんを通り越して、2階へと上がってしまった。　後で、お母さんに聞いたけど、お母さんは裸の男の子なんて見てないと言ってきた。　だけど、裸の男の子を見た次の日から、家族に良くない事が起こった。　まず、お母さんは急に高熱を出して、動けなくなったので救急車に運ばれて行ったし、その次の日にはお父さんが仕事先で交通事故に遭って、両足を骨折するし、私はクラスの友達からいじめを受けるようになったのだ。私の家族は、この家にはよくないものが取り憑いていると知って、別の所に引っ越した。　そして、私が中学1年生になった時、祖母に裸の男の子の話をしたら、それは悪い座敷童子ではないかと言った。　だけど、本当に座敷童子だったかは、今もこれからも分からないままだ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　終