【完結】罪人として辺境へ送られた僕は騎士団長の腕の中でしかうまく眠れない

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再会と止められない想い

52.幸せな夜 ※

 
 今のディートになら、理由を聞いても大丈夫だよね?
 またあの怖いディートに戻ったらどうしようと思ったけど、僕は聞きたかった。なぜそんなにクリストフ様に苛立っているのか。

「あの男って、クリストフ様のこと? なんで嫉妬したの?」
「あいつに下手だと言われていたんだろ?」
「へ? 言われてないよ。クリストフ様とはしたことない。キスも」

 そう言ったら、肩を掴んで体をグイッと引き剥がされた。ディートの目が見開かれている。なんでそんなに驚くの?

「どういうことだ?」
「どういうことって、そのままだよ。僕はディートとしかキスもセックスもしたことない」

「待て、待て、待ってくれ、いやそれはない」
 何を待つのか分からないし、それはないと言われても事実なんだから仕方ない。証明しろと言われたら無理だし、信じてもらうしかないんだけど、信じられないってこと?

「俺だけ?」
「そうだよ」
「いや、初めてした時、自分で後ろを解していたよな?」
「うん、初めてやった。痛いのは嫌だし裂けたらどうしようと思って必死だった」

 ディートが面白いくらいに慌てて、手をぶんぶん振っているのが面白い。立ち上がりかけたり、戻ったり、上を見て下を見て僕を見て、人って動揺するとこんなふうになるんだって観察したくなるくらい面白い。

「なんで……なんで、断らなかった?」
「一瞬抵抗したけど、ディートの力には敵わなかったから。それに罪人ってこんな扱いなんだって諦めていたから」

「ごめん……俺はなんてことを……」
 とうとうディートは僕の前に平伏した。
 初めは嫌だって悲しい気持ちもあった。だけど気持ちよかったし、嫌な気持ちだけじゃなかった。
 嫌な夢を見た日は、抱かれている間は嫌なことを忘れられたし、謝ることなんてない。

「ディート続きしよ」
「いいのか?」
「いいよ」
「エリー、一生大切にする。結婚してほしい」
「はい。お願いします」

 ディートは僕を横たえて、たくさんキスをしてくれた。ゆっくりと後ろに指が入ってくる。だけどすぐに指は侵入を止めた。

「痛くないか?」
「うん、大丈夫。久しぶりだけど初めてじゃないのは知ってるでしょ?」

 ディートはさっきまでの荒々しさが嘘みたいに、丁寧に優しく優しく触れていく。そんなに優しくされたら擽ったい。

「指、もういいよ」
「ダメだ。ちゃんと解しておかないと。初めてでなくても、慣れてないだろ?」
 慣れてはいない。だけど恥ずかしいんだ。そんなにお尻ばかり触られるのは……

「んっ……」
 硬いのが当てがわれて、ゆっくりと僕の中に入ってきた。

「エリー、大丈夫か?」
「うん、大丈夫。気持ちいい。もっと奥まできて」
「分かった。エリーは奥が好きだもんな?」
 好きかどうかは分からないけど、頭が真っ白になるくらい気持ちよくなってしまうのは事実だ。

「ああっ……ディート……」
「エリー、可愛い。俺だけのエリー」
 もう何も考えられなくなってきた。前にした時も気持ちよかったけど、ディートのことを好きになってからはまた違う気持ちよさがある。
 好きな人と一体になっている幸福感がすごい。ずっとドキドキ胸が熱くて、体温も上がっていく。

「エリー、上に乗るか?」
「上……下手でもいいの? 僕のこと嫌にならない?」
 上に乗るかと聞かれて、急に僕は現実に戻ってきた。

「それ、どういうことだ? 下手なんて誰が言った?」
「ディートだよ。前に上に乗った時、下手だって……」
「俺?」
 なんで驚いてるんだろう?
 下手って言ったじゃないか。まさか忘れたの?
 ディートは顎に手を当てて真剣な顔で考えている。

「エリーのことを嫌になることはない。上に乗ってみろ」
「分かった」
 上に乗って、ゆっくり腰を浮かせて、そしてゆっくり沈み込む。たぶん下手なんだろう。自分でも分かる。

「思い出したぞ。下手なところが最高に可愛い!」
「そう、ですか……」
 褒められたのか貶されたのか分からないけど、ディートはとても嬉しそうだ。そういえば、前もそうだった。下手だと言いながらディートは嬉しそうにしていた。

「支えてやるから、頑張れるか?」
「うん」
 ゆっくりと腰を浮かす。ゆっくり沈まないと、奥までグンッと入ってきて怖いから、ゆっくり沈み込む。そしてまたゆっくり腰を浮かせる。

 そのタイミングでディートは腰を突き上げてきた。
「あぅっ、やだ、ああっ……だめ……」
「可愛い。エリーもっと乱れていいぞ」

「もうダメ、ああっ……」
 前を触られていないのに、何度も突き上げられると僕からビュルッと欲望が飛び出していった。
 背中が反って後ろに倒れそうになるのをディートが支えてくれている。
 まだカタカタと震えが止まらない。

「やりすぎたか?」
「大丈夫。最後までして」

 最後は、僕が下になってぎゅっと抱きしめながらしてくれた。中に出されると、お腹の中から幸せな気持ちが広がっていく。

「エリー、他の奴とやるなよ?」
「やりません」
 なんでそんなこと言うの? 信じられない。

「ディートの馬鹿。ディートは他の人とするの?」
「俺はしない。俺はエリーさえいればいい」
「僕もです」
「ビリーが試してほしいとエリーに言われたら断わらないと言っていた」
 そういうことか。そんなようなことを僕にも言ってきたけど、ビリー様は僕を揶揄って遊んでいるんだと思う。ディートのことも面白そうだと揶揄ったんだろう。

「そうですか。僕は他の人で試す必要がありますか?」
「ない! 全くない!」
「じゃあ馬鹿なこと言わないでください」
「分かった。すまん……」

 ディートは僕の体を指の先まで丁寧に拭いて、ぎゅっと抱きしめてくれた。幸せな夜だ。

 
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