【完結】全ての記憶を無くしても君の感触は体が覚えている

cyan

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ディオ視点2

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くっ、苦しい。私はジョルに締め上げられた苦しさで起きた。


「ジョル、どうした?怖い夢でも見たか?大丈夫だ。私が付いている。」
「ありがとう。ディオは格好いいな。」
「ふふふ、そう?」

私が話しかけると、ジョルの腕は緩んだ。
格好いいか。ジョルのほうが格好いいんだけどな。


「キスしたらダメか?」
「いいよ。」
「いいのかよ。本当にするぞ?」
「いいよ。」

本当にしてくれるんだろうか?期待しながらジョルを見上げて目を閉じると、間も無く唇が触れて、唇の隙間から舌が入ってきた。


「ん、、は、、ぁ、、、ん、、んん、、」

「ディオ、可愛い。」

ジョル、早く私を思い出して。
そして私を抱いて。側にいるのに愛してもらえないのは寂しい。
そんなこと言えないけど、心の中では願うことを止められないんだ。

キスが終わっても暫くジョルは私を抱きしめたままだった。

記憶が戻っていないのにジョルはどういうつもりなんだろうか?何を考えているのか分からない。
私のことを何だと思っているんだろうか?





その後、私たちは魔物討伐の依頼を受けたり、森で剣や魔法の練習をして過ごした。

「嫌じゃなければ、宿は一緒の部屋がいい。」

そんなジョルの言葉で、私たちは2人用の部屋に移った。
ベッドが2つ置いてあるツインの部屋だったが、体格のいいジョルのためにセミダブルのベッドが2つ置いてある部屋にした。

抱きしめて寝たいというジョルの希望を受け入れ、ツインの部屋なのに私たちは毎日同じベッドで抱きしめ合って寝た。
たまにキスはしたが、それ以上はしなかった。


必要なくなったため、もうそういうことはしないと言ったが、懇願すればジョルは一度くらい私を抱いてくれるんだろうか?

抱きしめてくれるのもキスしてくれるのも、とても幸せだし、満たされる。
愛があるのかは分からないが、少なくとも嫌われてはいないことは分かった。
それでも、これだけ近いと、ジョルを求める気持ちが溢れてしまいそうになる。


ジョルも、私と同室になってからは自分で処理することもできず、禁欲生活を余儀なくされているから、頼めば抱いてくれそうな気もする。
しかし、そんなことを頼んだら、この関係が終わってしまうのではないかと思うと言えなかった。




「ジョル!そっちに行ったぞ!」
「分かってる!」
「攻撃の合間に魔法を撃つからヒットアンドアウェイで頼む!」
「分かった!」

魔物討伐は息も合って順調だったし、ギルドでの評価も上がって間も無く私たちはAランクになった。
2人とも冒険者たちを食い荒らしたりしなくなったため、冒険者たちも気軽に寄ってくるようになって友人も増えた。

中にはジョルを狙って近付いてくる奴もいたが、ジョルは本当に誰も抱いたりしなかった。

私たちはいつも一緒にいた。まるであの頃のようだ。
抱き合って眠り、たまにキスをした。

乗合馬車に乗る時には手を繋いだりもした。
しかし、それ以上はなかった。
 
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