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1(桐崎視点)
しおりを挟むここら辺で俺、桐崎賢斗を知らない奴はいない。札付きの悪ってわけではない。俺は喧嘩しかしない。カツアゲや恫喝みたいな弱いものいじめはしない主義。
この世界には男女の性の他にα、β、Ω、という第二の性が存在する。
αとΩの人口に対する割合は大凡2割。αは非常に優秀でこの社会のトップはほとんどがαだが、Ωが発情期に出すフェロモンに引き寄せられる。そして発情期のΩを孕ませたくて理性が飛ぶ。
Ωは男女共に妊娠が可能で3ヶ月に一度発情期がきてαを誘引するフェロモンを出し、欲情した状態に陥る。ほとんどの人はβと呼ばれるαでもΩでもない普通の人だ。
発情期のΩのうなじをαが噛むことで番になるとか、番になったら番であるα以外にΩの発情期のフェロモンが感知できなくなるとか、色々あるんだが、俺は中学2年の時にダイナミクス検査でαと診断された。
αは本来であれば勝ち組で、αであることが分かればチヤホヤされるはずだった。
しかしこの世には例外というものが存在する。
それが俺だ。αなのに優秀でなく劣等。
何かの間違いだと言われ、周りからαのくせに頭が悪いと馬鹿にされた。
だからグレたというわけではないが、いや、少しはそれもあるかもしれない。
頭脳の方は優秀ではなかったが、αの血が流れているからか、喧嘩はほぼ負けなし。身体能力は高い方だと思う。容姿もそれなりだろう。
「喧嘩くらいいいだろ、俺から仕掛けたわけじゃねえし、いちいちうるせえ」
俺は期末試験最終日、試験終了後に担任に呼ばれて生活指導室で説教されていた。
長い教師の説教を右から左に受け流して「はいはい」と適当に返事をしていると、やっと終わった。
廊下もどの教室も、生徒はみんな帰ってシンと静まり返っていた。
俺だけ何でこんな目に……とは思うが、まあ喧嘩したというのも本当のことだから仕方ない。
ため息をつきながら教室のドアをガラガラと開けると、ムワッと濃いフェロモンの香りに襲われた。
は? 誰だ? 誰もいない教室に誰かがいることも驚きだが、この濃厚な甘い香り。
俺は香りに引き寄せられるように、教室の隅で蹲る男に近づいていった。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ……」
甘い香りを漂わせて、苦しそうな息遣いで蹲っているのは、学級委員長の堂島弘海だった。
黒い髪はサラサラしているが、その丸い瓶底眼鏡、ダセエな。学ランの詰襟もきっちり上まで止めて。いかにも真面目くんって感じだ。
しかしこの脳が麻痺するようなフェロモンの香りに俺は抗えなかった。
真面目くんの両手首を掴んで床に押し倒すと、無理やりキスをした。
「んん……」
彼のダサい眼鏡を取って捨てて、学ランのボタンを雑に外していく。
お? メガネの下の顔は意外と可愛い。
軽い抵抗はされたけど、真面目くんの細腕が、喧嘩慣れしている俺の腕力に敵うはずはない。
下に着ていたシャツを捲りあげてその薄い胸に唇を這わせる。
「んあ……」
どうやらこいつはちゃんと胸も感じるらしい。ヒートを起こしているからか?
口から零れ落ちるように吐き出された吐息が、俺の頭に響いて欲情を煽った。
ベルトをカチャカチャと外し、真面目くんのベルトも外して下着まで強引に脱がすと、ひっくり返して四つん這いにした。
「お前、ここヒクついてんぞ。エロすぎだろ」
「あっ……」
もう準備ができているように、潤ってヒクヒクと俺の侵入を待ち望んでいる場所に触れた。挿れたくてたくてたまらないが、いきなり突っ込むのは流石に可哀想だと思った俺は、クプリと指を潜り込ませた。
柔らかい。しかもちゃんと潤って受け入れ準備はできていた。
指を増やして広げるように中を掻き回していたが、もう俺の方が限界だった。
「挿れるからな」
「んはっ……あ……」
挿れたらもう止まれなかった。夢中になって求めて何度か出すと、やっと真面目くんのフェロモンも落ち着いてきて、俺も冷静になってきた。
しかし、真面目くんは相変わらず苦しそうに息を荒げている。このまま置いて帰ったら誰かにまた襲われるよな? 犯しておいてなんだが、まわされるのは可哀想だ。一度抱いて情が湧いたってわけでもない。ただの人助けだと自分に言い聞かせて、適当にティッシュで色々な体液を拭き取って、服を着せてやると、鞄を二つ持って真面目くんを背負って、自分の家まで帰った。
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