【完結】愛され属性のランディー

cyan

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4.友人とのキス

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帝国での生活も7年目に差し掛かると、もう自分は帝国の人間なのではないかと思えてくるほどに馴染んでいた。学園での生活も楽しいし、級友とも相変わらず仲良くやっている。

「ランディー、キスしていい?」
「え?キス?帝国では友人同士でキスをしたりするのか?」
「そうだぞ。ランディーは他国から来たから慣れていないと思ってしていなかったが、そろそろランディーも帝国に慣れた頃だろうと思ってな。」
「そうだったのか。私が無知なせいでみんなには迷惑をかけてすまない。私はみんなとの友情を深めたい。キスしてもらえると嬉しい。」

母上が幼い頃に「おやすみ」と言って額にキスをしてくれた。それがとても嬉しかった思い出がある。友人同士でキスをするなど帝国は素晴らしい文化があるんだな。
そう思って前髪を掻き上げて額を晒したら、みんなにおかしな顔をされた。

「額ではないのか?」
「額もたまにはするかな。キスと言えば口だろう。なぁ?」
「あぁ、そうだな。」
「そうだぞ。」

「そ、そうなのか。」

私の中では、結婚の誓いの際に口同士でキスをするというイメージがあったため戸惑った。

「ランディーは嫌か?」
「そんなことない。みんなとキスしたい。」

初めは触れるだけのキスだったから、唇って柔らかいんだな。そんな感想だった。
それがだんだん触れるだけのキスではなくなっていった。唇をハムッとされたり、唇の間から舌が入ってくるようになった。

みんなはさすが慣れているだけあって上手い。口の中をそっとなぞって、舌を絡めてジュルッと吸ったりするんだ。そうすると気持ちよくて唇の隙間から吐息が漏れてしまう。

「、ぁ、、ぁ、、んん、、」

「ランディーは可愛いな。」
「変な声を出してごめん。気持ち悪かったか?」

「全然。思わず漏れてしまうその声はランディーの魅力だな。」
「俺もランディーの声、好きだなー」
「可愛いだけだな。」
「うんうん。」

「そうか。」

みんなは優しい。私が慣れていないことを知っているから、私が上手くできなくても咎めたりしないし。いつもみんなは褒めてくれる。


「んん、、はぁ、、ぁ、、」
「ランディー、気持ちいい?」
「気持ちいい。ラウルは?」
「気持ちいいよ。」

「次俺な。」
「ケインはさっきしたろ?次は俺だ。」
「俺もしたい。ミルトは長すぎるんだ。」

「ちょっと待って、みんな喧嘩しないで。私はみんなとキスしたい。」

たくさんキスをすると、それぞれに個性があることに気づいた。
ニックはハムハムと唇を喰むのが好きで、ミルトは舌の動きが激しくて長い。ケインは舌を絡めるよりも口内を舌で撫でるのが好きで、ラウルは逆に舌を絡めるのが好き。
私はどれに当てはまるんだろうか?まだ経験が浅すぎて分からないな。

そんなことを考えているとまた唇を奪われて思考を持っていかれる。
そして私は気持ちよくて足に力が入らなくなってしまうことがあるんだが、そんな時にも私が倒れてしまわないようにみんなは支えてくれる。

思考が溶けてしまう頃になると、私は一番体格のいいニックの腕の中にいることが多い。
私がみんなとのキスに夢中になっていると、いつの間にかみんな座っていて、ニックの膝の上に乗せられて髪を撫でられている。

みんなが綺麗だと言ってくれた髪は、ずっと伸ばしていて、今は腰のあたりまで伸びている。
前髪からサイドに流した髪を残して、上半分を捻ってまとめているが、剣術や魔法の実技の際には全て纏めている。普段は下ろしていることの方が多いか。

帝国に来た頃は、周りと比べて大きかったが、どんどんみんなに身長を抜かされて、今では私はこの5人の中で一番小さい。
そして筋肉の付きが悪く、同じように鍛錬していても私が一番細い。悔しい・・・。
そのせいでいつも可愛い、可愛いと言われている。可愛いと言われる度に揶揄われているのかと思っていたが、みんなは私のことを揶揄うつもりで言っているのではないことはこれだけ長い間一緒にいれば分かってくる。
だからみんなが言う可愛いは、私への褒め言葉なのだと思うことにした。

「ランディー可愛い。いつもこんなに蕩けちゃって。」
「・・・うん。」
「眠くなっちゃった?いいよ寝て。午後の講義までには起こす。」
「・・ん。」

昼休みはこうしてニックの腕の中で寝てしまうことが多い気がする。

 
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