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23.初めて1/2
「お待たせしました。伯爵家の再興や父や兄の名誉回復を約束してもらいました。僕は成人を迎えたらベリッシモ伯爵家の当主になります。
でも、メレディス様の元に嫁いだら爵位を返納することにしました」
「レスターはそれでいいのか?」
「はい」
「分かった。レスターが自分で決めたことなら私はそれを支持する」
「ありがとうございます」
「成人するまではどうするんだ?」
「母のお墓があるようなので、そこに行くのと、屋敷に家族の形見があればもらっていいと言われたので、荒れた屋敷を片付けたりはしたいです」
「そうか」
「メレディス様は先に戻って僕が嫁ぐのを待っていて下さい」
「分かった。では先に婚約だけしておこう。横槍が入ってレスターを掻っ攫われないようにな」
「はい」
メレディス様は婚約のための書類を鞄から出した。
そんなものを持ってきていたなんて知らなかった。
メレディス様は本当に僕のことが好きなんだ。嬉しい。
「ん?どうした?」
「僕のこと大切に思ってくれて嬉しいなって」
「当たり前だろ。戻ってくるのが遅かったら本当に迎えにくるからな」
「分かりました。なるべく早く戻ります」
「うん。待ってる」
その日、陛下は僕の家から徴収したお金を全部僕に返してくれた。
徴収した宝飾品はもう売ってしまって無いからと、代わりにお金で払ってくれた。
そのお金はどこから出たかっていうと、父上や兄上を死に追いやった貴族に全て請求されたみたいだった。
「メレディス様、僕、こんなにお金をもらっても持ち歩けないしどうしたらいいのか分からないです」
「レスター、君は家を存続させる気はないんだろう?それでも、そこに確かにその家があったということを残したらいいと思う。
お墓を立て直したり、屋敷を綺麗に直したり、孤児院などに寄付するのもいいかもしれないね」
「そっか。お金はご飯や服を買うだけじゃないんですね」
そんなお金の使い方があるなんて知らなかった。
国が使うみたいに何かみんなの役に立つことに使ってみたいと思った。
メレディス様の隣で色々なお金の使い方を見てきた。それは国のお金だったけど、僕がもらったお金も、そうやって使ってもいいんだ。
「レスターが使いたいように使えばいい。どんなことに使ったのか、後で聞かせてくれると嬉しい」
「はい。色々考えてみます」
メレディス様は忙しい身だから、そんなに長く引き止めることはできない。寂しいけど、翌日には国に戻ることになった。
「メレディス様、僕は自分が成すべきことをやりました」
「うん。そうだね」
「抱いてもらえませんか?」
「初めての時は、次の日辛いと思うよ。それでもいいのかい?」
「はい。回復の魔法陣も、治癒の魔法陣もありますから大丈夫です」
「ははは、レスターは用意がいいね」
「メレディス様だって、婚約書類をこんなところまで持ってきたじゃないですか」
「まぁね」
ドキドキする。
「レスター、愛してるよ」
「僕も、メレディス様を愛しています」
抱きしめられると、安心する。
今日はずっと緊張していたから、色々なところに力が入っていて、それがゆっくりと解れていった。
僕はいつもみたいにメレディス様の首に腕を回したら、軽く触れるだけのキスをして、そのまま抱き上げられてベッドに連れて行かれた。
重なった唇から漏れるメレディス様の吐息が、いつもより熱い気がした。
触れた舌も、絡められた唾液も、いつもより熱い。僕は必死にメレディス様の首に掴まって、熱い舌の動きに応えた。
「はぁ……ぁ……ん……」
いつもより長いキスが終わると、僕はいつの間にか着衣を脱がされていて、顕になった肌が恥ずかしくて身を捩った。
「レスター、可愛い。綺麗だね。ここも、ここも、ここも、ここも、すごく綺麗だ……」
「ぁん……ぁ……んう……」
メレディス様のしなやかな指が僕の頬や首筋、肩や胸を撫でて、そして指で触れたところに唇が触れてチュッと吸われると、僕は甘えたような声が出て慌てて口を押さえた。
「レスター、声を聞かせて」
「変な声が出て恥ずかしいです……」
「大丈夫だ。レスターの声は可愛い。私はレスターの甘い声が好きだよ」
そうなんだ。僕は口を押さえていた手を退けて、メレディス様の頬に触れた。
そしたらメレディス様は僕の手に手を重ねて優しく微笑んでキスをしてくれた。
「はぁ……あぁ……は、ぁぁ……」
メレディス様の指が僕の胸の突起に触れると、胸の奥が疼くみたいに気持ちよくて、また甘えた声が出てしまった。
「気持ちいい?」
「はい」
「ふふふ、素直で可愛いな」
「ひぁ……ぁ……んん……あぁあ……」
メレディス様が僕の胸の突起をチュウッと吸うと、ゾクゾクとする快感が体を通り抜けて僕は胸を反らせた。
「こっちも触ってあげようね」
「ぁあ……ん……ぅん……ぁ……」
メレディス様は僕の胸を弄りながら、僕の股間に手を伸ばした。
僕のそこは、いつの間にか硬くなってて、メレディス様が触れるとビクッとしてしまった。
「あ、メレディスさま……ダメ……出ちゃう……ぁ……ぁああ……」
メレディス様が僕の硬くなったものを上下に優しく扱くから、気持ちよくて出てしまいそうで必死に耐えたけど、やっぱりダメだった。
「ごめんなさい」
「なぜ謝るんだ?レスターが気持ちよくなってくれて嬉しいよ。我慢しなくていいんだよ」
「はい……あの、僕にもやらせて下さい」
「ん? いいよ。好きなようにしていいよ」
僕は飛び散ってしまった自分の種を浄化で綺麗にすると、仰向けに寝そべったメレディス様の唇にキスをした。
唇をはむっとしたり、舌を絡めてみたりしたけど、唾液が垂れそうになって慌てて口を離した。キスをするのって難しいんだな。
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