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二学期編
それはプロポーズにしては強引な→side T
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俺は、康史を見上げて強い視線でとらえた。
「オマエ、俺と結婚しろ」
してくれとか、したいとか願望とかじゃない言葉。
これは、俺の意思だ。
俺の意思に、康史がノーといえるわけがない。
一生俺と一緒に暮らしたいなら、俺の意見に頷くしかない。
「……って、結婚…………、え、結婚って」
康史は俺の言葉にはとが豆鉄砲くらった表情で、一瞬唖然として、そして綺麗な顔を真っ赤に染める。
本当に可愛らしい。
好きで好きで仕方がねえっていうのは、こーいうことだ。
「トール、どうやって………オレら男同士だし」
暫く後に、YESでもNOでもなく、疑問が返ってきて、深くため息をつく。
面倒な話は嫌いで、俺は体の力を抜いた。
どーやってとかそーいう細かいことは二の次だろ。
そこは、ハイかイイエで答えろよ。
ハイしか認めないけど。
「なんか適当に籍いれられんべ、よーしとかなんか」
「養子縁組?」
「それ、しろよ。オマエがエリートとかなんかになるまで待ってやっから。うちの親はテキトーだから大丈夫だ、オマエは自分の親説得しろ。」
早くハイっていわねえのかなと、喧嘩のときのように幾分俺は目に力を篭める。
俺と視線を合わせて、康史は膚を熱くさせて欲情したような表情を浮かべる。
「なあ……これってプロポーズ?」
「そーだ」
「え、俺がしたかった」
ちょっと拗ねた顔で唇を尖らせて、俺の体を何度となく抱き寄せる。
「ふ、バーカ、オマエは飼うとかアホ言ってっからだろ。先手必勝なんだよ」
つーか、まだ答えをもらってない。
いいかげんに俺も焦れてきて、眉を不機嫌に寄せた。
「ほら、結婚しろっつってんだ、早く答えろ。ハイかYESどっちか言え」
「どっちかって…どっちもだよ。ハイでYESだ。……てかこんな格好してんのに、なんでそんなかっけえんだよおおおお」
嘆くように抱きしめて、俺をすがるように見つめてくる表情が大好きだ。
綺麗な顔を歪めて康史はなきべそのような表情で見つめてくる。
つか、泣いてる。
拘束されて、抱き返せないから俺は頭を相手の肩口にこすり付ける。
オマエと一緒の時間が好きだ。
他には何もいらない。
ガキの頃からそうだった。それもずっと変わらない。
「……オマエのためならどんな格好でもしてやるし、どんな情けない姿にでもなってやる。犬でも性奴隷なんでもやってやるよ。だけど、飼うとかは駄目だ。俺がオマエを守れなくなる。それはイヤだ。俺はずっと、オマエを守りてえんだよ。わかるよな?」
耳元で俺は康史に想いを告げる。
守ってやるとかすげえおこがましいかもしれねえけど、全力で俺はそうしたいと思っている。
失うのは怖かった。
本当に怖かった。あの夏の日におこった出来事がまざまざとよみがえる。
絶望して、俺が何の力もでなくなるくらいだったのだ。
「変なこと言って……ゴメン。愛してるよ、トール。オレが、大学出て就職したら結婚しよう」
涙声で告げる優しい声が、俺は大好きだと思う。
欲しかった言葉もくれた。
だから、笑顔で告げる。
「おう。約束だ」
「オマエ、俺と結婚しろ」
してくれとか、したいとか願望とかじゃない言葉。
これは、俺の意思だ。
俺の意思に、康史がノーといえるわけがない。
一生俺と一緒に暮らしたいなら、俺の意見に頷くしかない。
「……って、結婚…………、え、結婚って」
康史は俺の言葉にはとが豆鉄砲くらった表情で、一瞬唖然として、そして綺麗な顔を真っ赤に染める。
本当に可愛らしい。
好きで好きで仕方がねえっていうのは、こーいうことだ。
「トール、どうやって………オレら男同士だし」
暫く後に、YESでもNOでもなく、疑問が返ってきて、深くため息をつく。
面倒な話は嫌いで、俺は体の力を抜いた。
どーやってとかそーいう細かいことは二の次だろ。
そこは、ハイかイイエで答えろよ。
ハイしか認めないけど。
「なんか適当に籍いれられんべ、よーしとかなんか」
「養子縁組?」
「それ、しろよ。オマエがエリートとかなんかになるまで待ってやっから。うちの親はテキトーだから大丈夫だ、オマエは自分の親説得しろ。」
早くハイっていわねえのかなと、喧嘩のときのように幾分俺は目に力を篭める。
俺と視線を合わせて、康史は膚を熱くさせて欲情したような表情を浮かべる。
「なあ……これってプロポーズ?」
「そーだ」
「え、俺がしたかった」
ちょっと拗ねた顔で唇を尖らせて、俺の体を何度となく抱き寄せる。
「ふ、バーカ、オマエは飼うとかアホ言ってっからだろ。先手必勝なんだよ」
つーか、まだ答えをもらってない。
いいかげんに俺も焦れてきて、眉を不機嫌に寄せた。
「ほら、結婚しろっつってんだ、早く答えろ。ハイかYESどっちか言え」
「どっちかって…どっちもだよ。ハイでYESだ。……てかこんな格好してんのに、なんでそんなかっけえんだよおおおお」
嘆くように抱きしめて、俺をすがるように見つめてくる表情が大好きだ。
綺麗な顔を歪めて康史はなきべそのような表情で見つめてくる。
つか、泣いてる。
拘束されて、抱き返せないから俺は頭を相手の肩口にこすり付ける。
オマエと一緒の時間が好きだ。
他には何もいらない。
ガキの頃からそうだった。それもずっと変わらない。
「……オマエのためならどんな格好でもしてやるし、どんな情けない姿にでもなってやる。犬でも性奴隷なんでもやってやるよ。だけど、飼うとかは駄目だ。俺がオマエを守れなくなる。それはイヤだ。俺はずっと、オマエを守りてえんだよ。わかるよな?」
耳元で俺は康史に想いを告げる。
守ってやるとかすげえおこがましいかもしれねえけど、全力で俺はそうしたいと思っている。
失うのは怖かった。
本当に怖かった。あの夏の日におこった出来事がまざまざとよみがえる。
絶望して、俺が何の力もでなくなるくらいだったのだ。
「変なこと言って……ゴメン。愛してるよ、トール。オレが、大学出て就職したら結婚しよう」
涙声で告げる優しい声が、俺は大好きだと思う。
欲しかった言葉もくれた。
だから、笑顔で告げる。
「おう。約束だ」
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