俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

※キオクの改竄 →side Y(リバ注)

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ずるっと体の中心まで貫かれて、ぐぐっと割り開かれ圧迫する異物感に、呼吸が止まりそうになる。

…………ッデカ、すぎ………んだろ。

東流は、オレの体をぐっと抱き寄せたまま、慣れるのを待っているのか体を動かさずに、背中を大きな掌でゆっくりとさすってくれている。
あまりに優しすぎて、泣きそうになる。
「……ふ…っく………ッハァ…ハァ………っああ……っ」
「つらく、ねえか?………ヤスん中……あったけえな」
耳元で低く囁かれると、カッと全身が熱くなってぶるりと全身が震える。
口下手な東流のことだから、言葉攻めなんかはしないだろうから、これはただの本心だろう。

ぶつけてくるのは己の体のみ。

体が裂けちまいそうにめりめり軋んでいるのに充足しているような感覚に、オレはゆっくりゆるく腰を捩る。
オレと東流のつなぎ目を優しく指でたどって、東流は首筋をぺろぺろと犬のように舐めている。
この男に、全身を溶かされてしまいそうだ。
オレは今どんな顔で、東流をみているのだろう。
ぎっしりと詰まって脈打つ形が、からだの内部なのに充分知覚できる。
東流は、ぐっとオレの脚を掴むと、自分の肩にかけてゆっくり体を入れかえて担ぎ上げる。
自分の体重で奥まで銜えこまされて、辛さに涙がにじむ。
「.......なあ、キモチよくねえか?まだ…………いてえか?」
オレの表情を見て、東流は鈴口を摘んで捏ねまわし始め、あまりの快感に俺はゆらゆら腰を揺らしはじめてしまう。

「、、、っ、な、とう、る、ああ…うう…っく…く……は、うううう……ンンンンっ」

オレの声が嬌声に変わり始めると、東流は安心したようにぐっと腰を入れて、俺の弱い箇所を追い込むように貫き始める。

技量とかそういうのではない、力技の優しい動きに徐々にオレの体は蕩け始める。

「ひ、ううう…あああ…ああああ…っくうう…………ンン」
東流の顔は、まるで獣が捕食するような表情に変化して、俺の首を軽く噛みながら内部を容赦なくぐぷぐぷと抉り始める。
びしゃびしゃと水っぽい精液が吹き上がるが、東流はもう体を止めようとせずにどんどんとオレを追い詰める。
熱量がハンパなく体を蕩けさせ、脳みそも沸騰しそうだ。
体が一体化するような、ぐちゃぐちゃになってくような感覚にすっとびそうになる。

「ヤス……可愛い…っ、ヤス…っ、、、……イクッ!!」

耳元で囁かれる言葉も熱っぽくて、たまらない。
どくどくっと胎内へ放たれる東流の欲望を感じながら、オレも全身を痙攣させて粘液を放つ。
間髪をおかずに東流の指先がオレのペニスを擦り、ビシャッビシャッと潮を噴き上げてしまうのを感じる。
快感でおかしくなる。
「と、る….......っあああ……ああ、ああ……あああ」
ずるっと内部から東流が出て行くとぎゅっと抱きしめられる。
精液は止まっていない。
感じすぎて、体がバカになっちまってる。

「ヤス、すっげえ可愛い……」

可愛いのは東流の方なんだけどな。

言いたい言葉もいえずにもどかしさに、震える腕を伸ばしてぎゅっと抱きつく。
「物足りなくねえかな、ヤスは色々してくれんだけど、俺、ヤスに気持ちよくなってほしいからさ」
あんまり虐めるとかできないんだよなあと呟く東流に、別にいじめられたくねえからとも言えずに、唇を頬にくっつけて首を横に振る。

「……よ、、、すぎて……しにそ」

ぐったりと体を預けて漸く呟くと、東流は嬉しそうな満面の笑顔をオレに見せる。
「たまにゃ、こっちもいいかもな……」
まんざらでもない顔をする東流に、一瞬恐怖を覚えつつ、そっと宝物のような扱いで後処理を始める姿を眺めた。
数年に一回くらいならありかもしれないとか思って、体を預けた。

そうすれば、ちんこピアスを再度入れる機会もできる。
東流を泣かせてもっとエロイこともできるな。
開けた時のことを覚えてないから、余計にしたいのかもしれない。

まだ繋がっているような充足感に、オレはゆっくり目を閉じた。



東流は、オレが落ち着くまでずっと胸の中に抱きしめてくれていた。
もっと野獣みたいな感じかもしれないとか考えていたが、信じられないくらい優しい抱き方に、もう何が何だかわからなくなってきた。

それに、あいつらにやられてもまったく感じなかったのに、東流にされたらオレの脳みそすっとぶくらいっていうのは、本当に愛とは絶大だなと思った。

!!

あいつら……って、誰だ。
だれだ…………。

まざまざとよみがえってきた記憶の小さな奔流に、オレは頭をかかえた。

全部じゃない。
その、場面だけ。
小さなかけら。

「どうした?」

オレの体を抱きながら、心配そうな表情で問いかける東流を俺は信じられないように見返した。

何故、許しているんだ。

オレは、東流を良く知っている。

だから、東流は絶対に俺を許さないと思って、それが怖くて……。
それが怖くて、オレは逃げ出したんだっていうのに。
逃げたのだ、まだ付き合っていなければ、絶望せずにすむなんて浅はかな考えで。

「…………お、もい…………だし、た」

おずおずと呟きをのぼせると、東流は僅かに目を見開いて表情を固めたが、しばらくの合間黙ってオレの体をぎゅっと抱きしめてくる。

「…………ンだよ……。もっかい……忘れろよ」

「思い出したら……オマエはオレを許さないし……捨てるだろ」
「…………バカだな。はなさねえよ、バカ言うな」

東流の声は真摯で、そしてその腕はあったかい。
手離す気なら、オレが記憶を消したのをイイコトに離れてしまえばいいだけの話だ。

それをしなかったのは、東流が本気でオレを離したくないと思っているからだ。

それは分かっている。

「俺が許せねえのは、俺自身だ。だから…………オマエは気にすんじゃねえよ」


「…………ああ。オレを抱いたのはトールだろ?だから、大丈夫だ」

だから、オレは記憶を改竄する。

東流はオレの言葉に僅かに目を開いて、ぐっと俺の体を抱くと首筋に唇をあてて頷く。

「オマエに、触れられるのは俺だけだ」

オレらは都合のいい記憶だけを、拾い集めて縫合する。

真実だけが、いつも正しいわけじゃないから。
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