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深い眠りを妨げるようにグラグラと肩を乱暴に揺すられて、ルイツは片目を開けた視界にぼんやりと暗闇に浮かぶ人影を見つけた。
「声出すな」
ぐっと唇の上に掌で覆われ、耳元に心地の良い低い声がかぶさった。
覗き込む整った顔は、少し疲弊した表情をしたガイザック・スネイクであった。
「今からこのバラックを出るぜ。オマエの荷物あるならさっさとまとめろ」
そっと手を外して上から指示をするガイザックは、大剣を担いだだけで特に荷物らしきものは持っていない。
ガイザックは周囲で寝ている男たちの気配に、気を配りながら、
「おい。誰にも言わないでいくのか」
「…………はやくしろ」
ルイツの戸惑いなど気にする様子もなく、問いかけに答えずに出立を急かすガイザックに、ルイツも閉口したような表情をうかべた。
まったくどこまでも勝手な男だと、溜息を漏らして麻袋に衣服や持ち物を突っ込んで肩に担ぎ上げる。
まだ起き抜けで頭もぼおっとしているのを、振り払うように首を左右に振る。
何もかもが急展開すぎて気持ちが追いつかない。バラックを足音もたてずに出て行くガイザックの背中を追って外へと飛び出した
「をい、行き先決まってるのかよ」
わき目も振らずに足早に歩みを進めるガイザックになんと追いつけば、ルイツは息を整えね荷物を抱えなおした。
「とりあえずは、オレの知り合いの呪術師のとこにいこうと思う」
歩くペースは落とさずに簡単に告げて、ガイザックは厩の扉を開き愕然としたようにルイツを振り返った。
「馬が……いないんだが……」
「ああ、馬主に預けてンだよ、多分」
ルイツは後ろから厩の扉を閉めて、バラックを振り返った。
一ヶ月に一度くらいは、順番に馬を調教に出している。
別の厩もあるがバラックの反対側である。厩の鍵を探すのにも時間がかかるだろう。
ガイザックの舌打ちが聞こえ、諦めたように早足で歩き出すのに必死でルイツは後を追った。
「ここからなら明日の昼には、ユークエンの城下町につく。そこで馬を買う」
「買うって言っても、馬買えるほど金もってねぇっすよ」
ガイザックの身なりを見ても、金目のものは全くもってない。
盗賊だから奪えばいいのだが、多分揉め事を起こして目立つわけにはいかないだろう。
ガイザックは分かってるとばかりに頷いて、ルイツを意味ありげに見やった。
「オレのカラダは体液だけじゃ、我慢できない。そんで金が欲しい。そしたら、ヤルこたひとつだろ?」
にやっと笑い卑猥な指サインをルイツに愉しげに突きつける様を見遣り、ルイツは盛大にため息を漏らした。
少しでも哀れんだ俺がバカだったのか。
こいつ……絶対に今の状況を楽しんでやがる……。
まだ、始まりともいえない主従の旅にやや不安を覚えながら、暗い森の中へとルイツはガイザックと供に身を投じたのだった。
「声出すな」
ぐっと唇の上に掌で覆われ、耳元に心地の良い低い声がかぶさった。
覗き込む整った顔は、少し疲弊した表情をしたガイザック・スネイクであった。
「今からこのバラックを出るぜ。オマエの荷物あるならさっさとまとめろ」
そっと手を外して上から指示をするガイザックは、大剣を担いだだけで特に荷物らしきものは持っていない。
ガイザックは周囲で寝ている男たちの気配に、気を配りながら、
「おい。誰にも言わないでいくのか」
「…………はやくしろ」
ルイツの戸惑いなど気にする様子もなく、問いかけに答えずに出立を急かすガイザックに、ルイツも閉口したような表情をうかべた。
まったくどこまでも勝手な男だと、溜息を漏らして麻袋に衣服や持ち物を突っ込んで肩に担ぎ上げる。
まだ起き抜けで頭もぼおっとしているのを、振り払うように首を左右に振る。
何もかもが急展開すぎて気持ちが追いつかない。バラックを足音もたてずに出て行くガイザックの背中を追って外へと飛び出した
「をい、行き先決まってるのかよ」
わき目も振らずに足早に歩みを進めるガイザックになんと追いつけば、ルイツは息を整えね荷物を抱えなおした。
「とりあえずは、オレの知り合いの呪術師のとこにいこうと思う」
歩くペースは落とさずに簡単に告げて、ガイザックは厩の扉を開き愕然としたようにルイツを振り返った。
「馬が……いないんだが……」
「ああ、馬主に預けてンだよ、多分」
ルイツは後ろから厩の扉を閉めて、バラックを振り返った。
一ヶ月に一度くらいは、順番に馬を調教に出している。
別の厩もあるがバラックの反対側である。厩の鍵を探すのにも時間がかかるだろう。
ガイザックの舌打ちが聞こえ、諦めたように早足で歩き出すのに必死でルイツは後を追った。
「ここからなら明日の昼には、ユークエンの城下町につく。そこで馬を買う」
「買うって言っても、馬買えるほど金もってねぇっすよ」
ガイザックの身なりを見ても、金目のものは全くもってない。
盗賊だから奪えばいいのだが、多分揉め事を起こして目立つわけにはいかないだろう。
ガイザックは分かってるとばかりに頷いて、ルイツを意味ありげに見やった。
「オレのカラダは体液だけじゃ、我慢できない。そんで金が欲しい。そしたら、ヤルこたひとつだろ?」
にやっと笑い卑猥な指サインをルイツに愉しげに突きつける様を見遣り、ルイツは盛大にため息を漏らした。
少しでも哀れんだ俺がバカだったのか。
こいつ……絶対に今の状況を楽しんでやがる……。
まだ、始まりともいえない主従の旅にやや不安を覚えながら、暗い森の中へとルイツはガイザックと供に身を投じたのだった。
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