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寝台に身体がへばりつくような疲労感に瞼が重く起き上がる気力が湧かないが、ピリピリと肌を刺すような嫌な予感にルイツは無理矢理目を開く。
代わり映えのしない黄土色の漆喰の天井が視界に入り、身を起こすと横の寝台にはもぬけの殻で、荷物もそのままになっている。
彼が、施錠のされた部屋から独りで出ていくわけはない。考えられるのは、ただひとつだ。
「あの、オッサン…………斬ればいいとか無責任なこと言いやがって」
重たい体を起こして置きっぱなしになっているガイザックの大剣を掴むと、ぐいと持ち上げる。
ガイザックが軽々と担いでいるので、然程重みはないと高を括っていたが、かなりの重みにルイツはふらつきながら持ち直す。
あんな細い体で、こんなもん軽々と振り回してんのかよ。半端ねえな、あのオッサン……。
扉の前でぐいと構え直すとルイツは振りかぶり、一気に振り下ろすが、ガチッと乾いた音がして火花が散り弾き返される。
「テキトーこいてんなよ。何が二三枚軽く斬れるだよ」
ルイツは何度かそれを振り下ろすが、小さな刀傷が表面に残るだけで、斬れそうにはない。
斬れるヤツが攫われてたら仕方がねえだろ。
諦めて大剣を放り投げて天井を仰ぐ。
万事休すかよ。
懸賞金をかけられている自分が、王国の騎士に引き渡されれば命はないだろう。
ガイザックのような美丈夫でも英雄でもない自分が、同じように生き長らえさせられることはない。
くそ…………。
天井の漆喰からかふんわりとした甘い薫りが漂い始める。
昔戦利品で手にしたことのある麝香に似た香りで、ルイツは起き上がると瞬時に危ないと感じてフードを被り顔に布を巻き付ける。
天井は香りが漏れ出すくらいの柔らかい塗装なのか。
寝台へと乗り上げると、ルイツは手にしていた大剣を突き上げるようにして天井へとメリメリと突き刺し、抉るように穴を拡げた。
代わり映えのしない黄土色の漆喰の天井が視界に入り、身を起こすと横の寝台にはもぬけの殻で、荷物もそのままになっている。
彼が、施錠のされた部屋から独りで出ていくわけはない。考えられるのは、ただひとつだ。
「あの、オッサン…………斬ればいいとか無責任なこと言いやがって」
重たい体を起こして置きっぱなしになっているガイザックの大剣を掴むと、ぐいと持ち上げる。
ガイザックが軽々と担いでいるので、然程重みはないと高を括っていたが、かなりの重みにルイツはふらつきながら持ち直す。
あんな細い体で、こんなもん軽々と振り回してんのかよ。半端ねえな、あのオッサン……。
扉の前でぐいと構え直すとルイツは振りかぶり、一気に振り下ろすが、ガチッと乾いた音がして火花が散り弾き返される。
「テキトーこいてんなよ。何が二三枚軽く斬れるだよ」
ルイツは何度かそれを振り下ろすが、小さな刀傷が表面に残るだけで、斬れそうにはない。
斬れるヤツが攫われてたら仕方がねえだろ。
諦めて大剣を放り投げて天井を仰ぐ。
万事休すかよ。
懸賞金をかけられている自分が、王国の騎士に引き渡されれば命はないだろう。
ガイザックのような美丈夫でも英雄でもない自分が、同じように生き長らえさせられることはない。
くそ…………。
天井の漆喰からかふんわりとした甘い薫りが漂い始める。
昔戦利品で手にしたことのある麝香に似た香りで、ルイツは起き上がると瞬時に危ないと感じてフードを被り顔に布を巻き付ける。
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寝台へと乗り上げると、ルイツは手にしていた大剣を突き上げるようにして天井へとメリメリと突き刺し、抉るように穴を拡げた。
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