竜攘虎搏 Side Tiger

怜悧(サトシ)

文字の大きさ
75 / 77

※75

しおりを挟む

身体を離した時、士龍は完全にトリップしているような表情のまま、とろんとした目でオレを見上げている。
とても強くてとても可愛いひと。
「士龍、大丈夫か」
汗に濡れた金髪頭を撫でると、甘えるようにくんと鼻を鳴らして、オレに寄りかかってくる。
こんなに不安がられるほど、愛されていたことにオレは驚いている。
浴室からタオルと洗面器をもってきて、体液に塗れた体をゆっくりと拭う。この行為にもかなり慣れてきている。
士龍は、心地よさそうな表情を浮かべてオレの腕をぐっと掴む。
「どうした?」
「……っ、あ、きもち、い……い……たけ、お」
肌に触れるのにも感じてしまうのだろうか、あれだけ注いだのに、開き切ったアナルからは精液を零しながらも、更に刺激を欲しがるように震えている。
「いいよ、もう少し気持ちよくなってな。アンタをこのまま快感漬けにしちまいたいな」
タオルをあてがって、アナルに指を含ませて横に引き開けると、とくとくと注いだ精が溢れて漏れ出す。
「っ、く、あああ、あ、もれちゃ、おく、じんじんする……っう」
腰をよじって後処理にも感じてくれているのが、たまらない。
もう一ラウンドしたいけど、流石に怪我人の身体には負担でけえよな。
「いいよ。すけべなお尻からちんぽみるく漏らしてるのを、オレに見せてよ」
腹の下をくっと撫でて軽く押すと、ビュッとアナルから溢れでてくる。
「あ、あっ、ああ、ちんぽみるくっ、でちゃう、よ」
素直にこぷこぷと漏らしながら、びゅくっとペニスから水っぽい精液を飛ばして、涎を垂らす士龍にオレは下半身を直撃させられた。
「エロすぎ。中、綺麗にするからな。何度でもイッちまえよ」
元気だったらこのまま突っ込むけどな。
携帯ビデの封を切ってノズルをゆっくりと士龍のアナルにさしこんで、水を注いでやる。
「あ、ああ、つめ、……ったい」
たまらず唇を重ねて吸い上げ、ビデの中身を全部注ぎこむ。
ノズルを抜いて洗面器を当てて中を開いて指で広げると、身体をこわばらせて身震いをし、やがて洗面器にじょろじょろ吐き出す音がする。
唇を離して士龍を見ると度が過ぎた快感にか陶然とした表情のまま目を見開いて意識を飛ばしていた。
身体を綺麗にし終わって、ぐったりとしている士龍の様子に、病人相手にちょっと無理をさせてしまったかなと反省する。
少しはセーブしたつもりだったけど、それでも熱も出ているし怪我人だしなあ。
じいっと士龍の夢うつつのような表情を眺め、何度か啄むように唇を押し付けて味わう。
「……たけお、…………あのさあ……」
 焦点をオレに向けて、真っ赤な顔で声をかけられて、オレはそっとその体を抱き寄せる。
「ん?なんだよ、士龍。まだ、足りない?」
 リクエストだとしても、今日はここまでにしておかなくちゃいけないなと思って腰を抱き寄せた。
 身体だけの話ではなく、エロ過ぎる顔は本当に目の毒だ。これ以上ねだられたらオレも聖人でもないので、きっと無体をしてしまう。
「いや、充分。声もおかしくなってっし…………」
「士龍はひんひん鳴きすぎだぜ。まあ、すげぇ可愛かったけどさ。顔真っ赤だから、おねだりかと思った」
 素直にそう告げると、顔をくっつけて鼻の頭に唇を寄せる。
 士龍は、ちょっと緊張した表情でオレを見ると、おもむろにオレをぎゅっと抱き寄せた。
「俺、橘の病院継ごうと思う。とーちゃんは何ていうかわからないけど。…………だから、一緒にさ、きてくんね?」
 すっと熱が冷えていくような気がして、オレは眉を寄せた。
 橘は父親の名字で、橘病院を経営している。橘になって、病院を継ぐと言うのは、別に士龍が勝手にすればいいことだ。
 オレに一緒に来て欲しいといわれても、そうする理由なんてまったくない。
「…………どういう意味?」
 声が堅くなってしまうのは無理もない。父親はずっとオレを橘の姓に入れようとしてきたのだ。
 父親から頼まれたのだろうか。疑念がぐんと湧きあがってきて、士龍に不信の目を向けていた。
「だからさ、あの……俺は……。オマエと同じ苗字になりてえっていうか」
 オレの語調に士龍は風向きが悪くなったのを感じたのか、しどろもどろになる。
「橘じゃなくてもいいだろ?なんだよ、あの人に頼まれた?」
 問いかけると、士龍はすぐに首を横に振った。
「いや、俺の考え。オマエとずっと一緒にいたくて。なんていうか、それに、たけおにも、手伝って欲しいと思ってるんだ」
 そんなくだらない嘘なんて吐くはずがない男である。疑いなんて抱くのは間違っているのだ。
 そういや、オレを自分のモノにしたから、跡継ぐために医者になるとか言ってたっけ。
 本気でそんなこと考えているんだな。
「なんで?士龍だけ橘に戻ればいいじゃねーか」
「オマエを俺の養子にとかも考えたけど、それは反対がきついだろうし。俺だけ橘に戻っても、たけおのかーちゃんが警戒するだろ?俺は、あの弟が大きくなるまで手伝いたいだけだけどさ。お前は医者になる気はないだろうし」
 オレの学力で医者になどなれないのは確かだ。
 確かに、長男のオレが士龍の養子になったとしたら、おふくろの気持ちは複雑だろう。そして、士龍だけ橘に戻ったら、家を乗っ取られるのではとか、不安にさせてしまう可能性がある。
 将来、同性同士の結婚が認められたとしても、血のつながりがあるオレたちでは、そういうカテゴリからも外れてしまうだろう。
 多分、士龍が考えているやり方が、一番誰も傷つかずにオレたちが絆を法的にも作れる手段だ。
「オレはバカだから、手伝えない」
 手伝うと言っても、医者になどなれるはずはない。
 勉強なんて、中学に入って以降まともにしたことはない。
「看護士、してくんないかなあ」
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

処理中です...