炎上ラプソディ 

怜悧(サトシ)

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統久はキョロキョロと周りをもの珍しい様子で眺め、漂うフェロモンとシーツを巻いただけの格好に眉を寄せる人達の中を闊歩しながらホテルに向かう。
「あそこにいるより楽しいな」
見るもの全てに目を奪われている様子に、シェンは微笑ましくなるが、軽く息をついてホテルの入口に向かって手を引く。
「……辛かっただろ。もっと早くに迎えに行きたかったが」
会わせてくれると言われたのもあって出方を伺っていたのもあったが、確証が欲しかったのもある。
「わかんない。ウォンは怖かったけど、別に辛くはなかったよ。セックスは楽しいし。ウォンはオメガが嫌いみたいだけどさ」
少し考えながら部屋の鍵をうけとるシェンに、気楽そうな表情で伝える。
楽観的なのは、記憶を無くしても変わらないようだ。
あまり敵のことを悪く言わないのも、なんとなく腑に落ちない。
まあ、それが調教ってやつなのかもしれないが。
自分の服の替えをもってきたが、統久には少し小さいかもしれない。
エレベーターで階をあがって、部屋の鍵を開くと統久はぐいと腕を掴み返して、シェンを引っ張り込む。
「ねえ、いいかげんに名前教えてよ、ご主人様」
首に腕を回して唇を寄せる相手に、シェンは鼓動を早くする。
「シェン……だ」
「シェンね、綺麗な名前だな」
肩で結んだシーツの結び目を掴んで解くと、ばらっと布が床に落ちて全裸の身体が晒される。
ほんのり赤みがさして、欲情した目を向けられる。
「煽るのうますぎるな」
「そう?よくわからないけど、ね」
腕を伸ばして指先で、雄の膨らみを辿る仕草は蠱惑的で、無意識ではやっていないだろう。
淫らな視線を向けたまま、ジッパーを下ろしてズボンを引き下ろすと、身体を屈めて頬を寄せて擦り付ける。

このまま、記憶を無くした彼を手に入れて、ずっとこうしていたい。
などという欲望にかられるが、シェンは軽く首を振る。
きっと、そんなことは彼には不幸でしかない。
「シェン……ねえ、早くほしいな」
囁くように呟くと、下着をおろして勝手に引き出すとさきっぽを唇へと含み、緩やかに舌先を絡める。
「待ては教えて貰わなかったのかよ」
「ん、っむ、ふ……っ、おしえられたけど……好きじゃない」
喉の奥まで頬を膨らませて飲み込み、チュパチュパとはしたない音を響かせて吸い上げる様に、だんだんと昂りが増してくる。
「両脚、開いてみろよ」
声をかけると既に先走りや愛液で濡れた下腹部が顕になる。

「びしょびしょじゃねえか、ホントに堪え性ないな」

低く呟くとシェンは統久の後頭部を掴んでぐいと喉奥を突き上げた。


いつもの彼よりも欲望に正直というのが感想だ。
頭をとらえられながら腰に回した腕を引き寄せて貪りつくす姿は、綺麗な獣のようだ。
ウグッウグッと漏れる呻きにさえ興奮してしまう自分に驚きながらも、シェンは喉奥を容赦なく突き上げる。
「ーーッううう……ッ」
ビュッと口内へと欲を吐き出すと同じ、足元に生暖かい感覚を覚えて下を見下ろすと、統久の下肢が精液にまみれて、床をびしょびしょに濡らしている。
感じすぎて膀胱が緩んだのか。
ゆっくりと引き抜くと恍惚の表情を浮かべて、飲み込めなかった白濁を唇から零しながら、荒く呼吸を繰り返している。
「ーーッも、お、がまん、できないッ、はやく、はやく」
脚を開いて腰をあげて媚びる様に、シェンはたまらず統久の頭を掴んで引き上げる。
ふわりと絡むフェロモンの空気に、ひどく暴力的な感情を煽られるが、抑えるように拳をぎりと握り締める。
「せっかく上等なベッドあるんだし、使わなきゃ損だろ」
引きずるように腕を引いて、クイーンサイズのベッドへとつれてくると、衣服を脱ぎ出す。
戦闘してきた後で昂りは最高潮である。
こっちもいいかげん我慢できねえしな。
ずりずりとベッドに這い上がり、統久は両脚を開いてシェンの腰に腕を回す。
「シェン、ま、てない」
掠れた色気を含んだ声は、濡れて男をさそう。
まるで生まれつきそうであるかのように、貪婪な表情を浮かべて腰をあげてひくつくアナルをシェンの太腿へと押し付ける。
「滅多に見られないよな。楽しませてもらってから……記憶が戻るか試させてもらうよ。それくらいの役得はいいだろ」

このまま、自分のものにしたい欲求もある。
黙っていれば気づかれない。
作戦で記憶を無くしたと報告すればいいだけだ。
刷り込みでオレを主人として認識してしまったと、総監に報告して、それから……正式に彼を手に入れることも多分できる。

だけど、オレはベータだ。
もしもオレがアルファなら、それが彼の幸せになるかもしれないと思える。
「シェン……は、やく」
「せかすなよ、ちゃんと挿れてやる」
切っ先を押し当てゆっくりとズブズブと狭い腸道へと押し込んでいく。

ベータでは孕ませることはできても、満足させることはできない。発情を抑えることも。
クスリが効かないなら尚更、30を超えたら10年は外に出られなくなってしまうだろう。 

外に出さなきゃいい。
そんな利己的な考えもあるけどな。
そんなの、ガラじゃない。

「ッあ、あッ……はあ、ああ、ッくる、ッ、熱いッ」
「熱くてふてえだろ?」
「ンッ、ふ、ッああ、いいッ……ッ」
腰を擦り付けて奥まで欲しいとねだる様に、シェンはゆっくりと腰をまわして弱い箇所を狙って突き上げを繰り返し始めた。
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