花に嵐

怜悧(サトシ)

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会話が近くで聞こえるのに、視界が靄がかかったように何も知覚できない。
ここがどこか、分からない。
車から降ろされて、入った部屋の浴室だろうか、壁に身体を凭れていないと立つこともできない。
それ以上、見られたくないのに、汚れた白いブレザーも、パンツも脱がされて、痣だらけの身体を暴かれる。
見ないでほしい。
見られたく、ない。
言葉はでなくて、呼吸だけがせわしなくなっている。

ぼんやりとした視界に入り込むのは、長谷川の心配そうな綺麗な顔。
メガネは外したのか、本当に綺麗な顔だけが目に入ってくる。

見ないでと思うのに、身体は触れて欲しくて仕方がなくなっている。

浴室の扉を開いて俺の腕をひいて、プラスチックの椅子に座らされる。
それだけでカタカタと体が震えて、怖くなって天井を見上げた。

「大丈夫…………洗うだけですよ」

「……う…ン………っふ…………ハァハァハァ……ふ」
水に触れる刺激だけで身体が反応して、股間が熱くなってくる。
熱がほしくて堪らなくて、こんな浅ましいだけの姿を見られたくなくて、首を左右に振り、奥歯を噛み締める。
好きになって欲しいなんて……そんな、厚かましいことを考えたから、バチがあたった。
長谷川は優しいから助けてくれただけだ。

スポンジにボディーソープを垂らしてもみこんで泡を作って、長谷川は黙ったまま柔らかいそれで身体を磨いてくれる。
それだけなのに。
「……う、くっ、ああ…………っ、さ………わ………んな…………ああッ……ンン」
中心部分はいやらしく頭をもたげてしまって、じっとりと粘液を漏らし始めている。
長谷川の顔が真っ赤になって、視線が食い入るかのように、俺へとそそがれている。

こんなふうな、姿を見て……すきに、なってなんかくれない、だろう。
どこまで恥を晒せばいい?

「クスリのせいです。先輩。だから…………どんなに乱れても大丈夫ですよ」
優しい言葉は、淫らな俺を気遣ってくれているだけだ。
汚れたアナルに指で開いて、シャワーを当てながらゆっくりと中を掻きだしてくれる。
柔らかく熟れて熱をもったそこは、震えながら刺激を求めている。
たまらない。
なかに、さっきみたく、ほしい。
ほしいと、本能が体中を変えてしまいそうだ。
「ンンっ…あぁ………あああ………ッくっ、ああ……っ」
両脚を開いて指を奥まで突かれると、もっとほしくてきゅうっと中が締まるのが分かる。
濡れた髪を宥めるかのように、長谷川はそっと指先で梳いて、開いたままの唇に柔らかい唇が重なる。
キス……。
ああ、長谷川にキスをされている。
目を見開いて長谷川を見つめると、身体が燃えるように熱をもち、きゅきゅうっと中が蠢いて指の体積を味わう。
ずにゅっずにゅっと長谷川の指先が意志を持って動き、俺の脆い箇所を突き上げる。
「む、う……ううう…………ンンンン――……あっつうう」
びしゃっびしゃっと腹の上でペニスが弾けて精液を吐き出された。
頭の中がどろどろに溶けてしまう。
こいつがほしくて、からだが、熱を孕んでぐずぐずになってしまう。
刺激がたりなくて、焦れて腰を揺らして震えを刻む。

「…………我慢できなくなりました。先輩がエロ過ぎるせいですよ」
長谷川の低い声のささやき。
俺は都合のいい夢を見ているのかもしれない。
「や、あ…………あああっ、あああっ………っつああ」
指が引き抜かれて、それより体積のある肉が内部をずぷっずぷっと音をたてて行き来する。
「気持ちよくなってください………………大丈夫だから……ね」
耳たぶが唇の中に含まれ、ゆっくりと律動を繰り返えされる。
「ああっ………は、はせが、わ…………あああ…はぁああ……ハァハァん、ああふ………うう」
嘘でも。
夢でも……いい。
長谷川なら……構わない。
欲しくて仕方が無い熱を与えられ、離したくなくて、その腰に脚を縋るように巻きつかせた。

ぐちゃぐちゃに、してほしいと、こころから、願った。
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