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突然の異世界
宰相の説明
しおりを挟む私が諦めたのを見計らってシュタインさんは話を続ける。
「とりあえず、この世界について順をおって
ご説明いたしますね」
「この国がアストラ王国でここが王都リマだということはすでにご存知なので、省略いたします。
この世界は他に大きく6つの大陸に分かれています。
我がアストラ王国は大きさで言えば、2番目に大きな大陸に位置しています。
周辺には3つの国が隣接していますが、詳しく話すと長くなりますので今回は省略させて頂きます。
まずはこの世界の基本的知識をお教えいたしましょう。
この世界は、この地に降り立ちし6柱の神が
創造したと言われています。
その神はそれぞれ6つの大陸を創造し、
その大陸の管理者として人間を放ったとされています。
それぞれの大陸には魔力が宿っており、大陸から
生まれた人間にも魔力が宿っています。
血筋により強弱はありますが、必ずどの人間にも
魔力は宿っていて、より強力な魔力を持つものは
自然エネルギーをも操る力を持っています」
魔力!
魔力があるということはもしかして、、
「なるほど、ではこの世界には魔法が存在すると
いうことですか?」
真摯な眼差しで期待している応えを待つ。
「はい、但し魔法はかなり高度な技ですので、
きちんと教育と訓練を受けた魔法師が主に使用しています」
おお!待ってました!
思っていたよりファンタジーな世界なのね!
ちょっとわくわくしてきた。
「ここまでで何か質問はありますか?」
「あの!魔法は異界人でも使えるようになるんでしょうか!」
あまりにも目を輝かせて迫ったせいか、シュタインさんは若干引き気味に
「い、いえ、ほとんどの異界人は使えません。
魔力を持ってはいますが、量が少ないのに加え
特質性がほとんどないのです」
「特質性?」
「この世界の魔力には、自然エネルギーを元にした特性というものがあり、火魔法が得意だったり風魔法が得意だったりと個人で違います。
しかし、この世界の人間であれば必ずあるその特質性が異界人にはありません。
一部の者を除いてですが、、」
「一部の者?」
「ええ、ですがその者については国家機密ですので、、」
また国家機密、、
秘密にするなら匂わせなきゃいいのに!もう!
シュタインさんは再び説明を続ける。
「では、続いてこの世界での異界人の取り扱いに
ついてですが、基本的には一般の方と扱いは変わりません。
こちらの世界に来た異界人は、警備署で滞在の
申請書を提出し、この世界について説明を受けた後
仕事の紹介などをしてもらい生活していくという形になります。
ただ、例外としてこちら側から召喚された異界人の場合は、王宮または別宮で生活して頂くことになります」
「!こちら側から召喚もできるんですか!?」
「はい、できますが大量の魔力を消費しますので30年に一度くらいしかできません。
最近で言えば、先月こちら側から召喚の儀式を
行い、2名の異界人を招待しました」
いよいよファンタジーに拍車がかかってきた。
この国の人たちが異界人慣れしているのは存在事態が珍しくないのと、こちら側から呼ぶこともできるからなのか。
「あの、ちなみに異界人を召喚する目的は何なんですか?」
この質問をした途端、シュタインさんの顔が曇る。
少し沈黙が流れた後、
「この世界は今、混沌に呑まれようとしているからです」
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