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突然の異世界
見れない瞳
しおりを挟むんふふ、、
ふわふわであったかくて、何だかいい香りもする。。
うーーーん、今日仕事は、、休みだっけ??
仕事、、、?
はっ!!!
仕事に遅刻する!と思って飛び起きたものの、
目に入ってくるのは知らない煌びやかな部屋。
そういえば、昨日急に知らない世界に来て
何やかんやあってここに来たのを思い出す。
そうだ、シュタインさんが来るまで休もうと思って、、
そうそう!そしたら、日本にいた頃に推していた
男子アイドルグループの最推しメンバー“ミズキくん”が夢に出てきて、、
はあ、あんなに至近距離でミズキくんを見られたなんて、、幸せな夢だったなあ、、
幸せな夢の余韻に浸りながら、用意してくれた朝食を部屋で済ませる。
着替えも済ませた頃、
コンコン!
「アオイ様、シュタインでございます。
お支度は整いましたでしょうか?」
「あ、はい!今行きます!」
昨日はあれから眠ってしまった。
昨日も迎えに来てくれたであろうシュタインさんに謝らないとと考えながら、扉まで駆け寄る。
扉をゆっくり開き、「昨日はすみませんでした」と
言いながら前を向いて、、
!!!
扉を開けて前を向いた瞬間、私は眼を見張って
固まった。
なぜなら、目の前にとんでもなく美しい方、
つまり見間違えることなどあり得ない
“ミズキさま”がそこに立っているからだ。
厳密には、私の目の前ではなくシュタインさんの
隣にいらっしゃるのだが、申し訳ないがシュタインさんは霞んで見えない。
パタン。。
一旦、扉を閉める。
えーーーっと、幻覚?まぼろし?
「え?アオイ様?どうされました?」
焦るシュタインさんの声が扉越しに聞こえる。
「ちょっと思考が大渋滞してまして、、
はっ!
いえ、何でもありません!
い、今出ます!」
ガチャ。
深呼吸をしてそろ~と扉を開けた。
「アオイ様、大丈夫ですか?
やはり、どこか体調でも、、?」
シュタインさんが心配そうに様子を伺う。
「い、いえ!何でもありません!
失礼しました」
とりあえず、シュタインさんの隣の方のお顔は直視不可能なので、今は視界全体をボヤかして平静を
装っている。
「昨日は突然倒れられたそうで、大変心配いたしました。たまたまこちらのミズキ様がいらっしゃって不幸中の幸いでした」
シュタインさんはそう言うと、手で横のお方を示す。
はあ、、
やっぱり直視を回避はできないか、、
心を強く保て!タチバナ アオイ!
「アオイ様、こちらのお方はアオイ様と同じように異世界から召喚された勇者“ミズキ様”でございます」
そう紹介を受けて、ミズキくんの方へゆっくりと顔を動かす。
瞬間、ぱちっとミズキくんと目があった。
はぅあ~~~!
ミズキくんが今、私の目の前にいる。
身長はメンバーの中では少し小柄だが、サラサラの髪に中性的で美しい顔立ち、そして優しげな瞳。
デビューから6年間眺め続けた私の大好きなミズキくんだ。
「昨日は、驚かせてしまってすみませんでした。僕は西園寺 瑞月(さいおんじ みずき)です。
あの、アオイさんも日本から来られたんですよね?
僕もまだこちらの世界に来たばかりで不慣れなんですけど、よろしくお願いします」
はい。
もみろん、知ってますとも。
それより、わ、私の名前!呼んでくれた。。
泣きそう。
「こちらこそ、急に倒れてしまってご迷惑をお掛けしました。
私は、橘 碧(たちばな あおい)です。
まだ頭の中、混乱してるんですど、、
いろいろと教えて頂けたら嬉しいです」
社会生活に揉まれすぎると、どんなに頭ん中パニックになってても微笑みながらスラスラ言葉がてできちゃうんだよね。。
なんか、悲しい。。
「では、今後のことについても話さなくてはなりませんから、私の執務室に向かいましょう」
簡単な自己紹介を終え、シュタインさんが私を促す。
「では、僕はここで。
基本的に騎士団の訓練場にいるので、聞きたいことがあれば声をかけてください」
ああ、ミズキくん行っちゃうのね。
でも、正直これ以上心臓が持ちそうにないので
助かったのかもしれない。
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