9 / 30
その想いは
また明日
しおりを挟む
「じゃ、帰るね…」
アキは名残惜しそうに呟き、マコトから離れた。そして、カバンを取るために居間へと行こうと背を向けた。その背中を寂しそうな視線で追うマコトだった。そんな視線に気づいたのか、アキは振り向き少し意地悪な顔をした。
「…マコトはどうしたい?」
問われた言葉に困り、マコトは下を向いた。普段から文句などはすぐでるのに、自分の好意や願いを素直に言葉では出せないでいた。
アキはそれを分かっていた。だからこそわざと問いかけた。言葉に詰まったまま俯くマコトに近寄り、覗き込むように視線を合わせ微笑んだ。
「キミが気持ちを口に出すのが苦手なのは分かっている。だけど、ボクには気持ちを……願いを圧し殺さなくても良いんだからね?」
そう言ってマコトの額に軽くキスをした。マコトはキスされた額に手を置き頬を赤く染めた。
「こっ恥ずかしい事すんなよ」
マコトのそんな反応を見てアキはクスリと笑った。
「ホントは泊まりたいけど、やめとく。だから今日はゴメンね」
「何でだ?」
そう問われ、アキは困った顔で微笑む。
「欲情を抑える自信がないっていうのかな…?」
「?」
「こういう事…」
そう言い、不思議そうな表情のマコトの顔に手を添え、顔を近付け唇を合わせた。先ほどとは違い、合わせた唇を軽く咬みマコトの唇を軽く吸う。そして開いた口内に舌を差し込んでいった。
差し込まれたアキの舌に、マコトの身体は一瞬、驚きで震えた。だが、アキを押し返す事なく、マコトは確認するかのように、戸惑いながらも己の舌でアキの舌に触れた。
マコトが自分の舌に触れたことでアキは己の舌を絡ませ、そのまま舌をマコトの口内、歯列や歯の裏に這わせていく。そしてマコトの舌を軽く吸い角度を変えながら、熱く深いキスをしていった。
そんな熱いキスに、マコトは経験したことのないしびれが身体の奥から溢れだし、耐えられず膝から崩れた。
「ゴメン。マコトには早すぎたかな?…大丈夫?」
その場に座り込んだマコトを心配そうに見つめ、アキもその場に座り込んだ。マコトは自分の唇を押さえ、真っ赤な顔でアキを睨んだ。
「お前っ…なんだよその言い方。つか、どこでこんなやりかた覚えて…」
「んー、まぁ、いろいろとね?」
「なんだよそれ…」
「その一応ね、いろんな経験済んでるだよ。ちょっと言いたくないけど…」
最後の言葉はトーンが低く、表情もどこか暗かった。なぜその表情なのか尋ねるべきか戸惑い、言葉を掛けようとした。だが、アキが立ち上がったため聞くことはできなかった。
「じゃあ、今度こそ帰るよ。さすがにこれ以上したらいけないかなって思うから。キミの為にも」
「こ、これ以上って…それは…」
「フフ、する?」
「!!」
「怖がらないでよ。しないよ。今は……ね。キミが望んだら、その時に」
そう言い、アキは少しイタズラっぽく笑いながらカバンを取りに行った。マコトは無言のままその背中を見つめた。
「また明日ね」
靴を履き、ニコリと微笑み扉に手を掛ける。マコトは少し不機嫌な顔でアキを見送る。
「あぁ…またな。」
──納得いかねぇ事あるけど──
マコトは扉が閉まったあとも静かな玄関に立ち尽くしていた。そして、ソッと唇に指をはわせ熱い感触の名残をなぞりふと、明日はまともにアキの顔が見れるか少し不安を感じたのだった。
アキは名残惜しそうに呟き、マコトから離れた。そして、カバンを取るために居間へと行こうと背を向けた。その背中を寂しそうな視線で追うマコトだった。そんな視線に気づいたのか、アキは振り向き少し意地悪な顔をした。
「…マコトはどうしたい?」
問われた言葉に困り、マコトは下を向いた。普段から文句などはすぐでるのに、自分の好意や願いを素直に言葉では出せないでいた。
アキはそれを分かっていた。だからこそわざと問いかけた。言葉に詰まったまま俯くマコトに近寄り、覗き込むように視線を合わせ微笑んだ。
「キミが気持ちを口に出すのが苦手なのは分かっている。だけど、ボクには気持ちを……願いを圧し殺さなくても良いんだからね?」
そう言ってマコトの額に軽くキスをした。マコトはキスされた額に手を置き頬を赤く染めた。
「こっ恥ずかしい事すんなよ」
マコトのそんな反応を見てアキはクスリと笑った。
「ホントは泊まりたいけど、やめとく。だから今日はゴメンね」
「何でだ?」
そう問われ、アキは困った顔で微笑む。
「欲情を抑える自信がないっていうのかな…?」
「?」
「こういう事…」
そう言い、不思議そうな表情のマコトの顔に手を添え、顔を近付け唇を合わせた。先ほどとは違い、合わせた唇を軽く咬みマコトの唇を軽く吸う。そして開いた口内に舌を差し込んでいった。
差し込まれたアキの舌に、マコトの身体は一瞬、驚きで震えた。だが、アキを押し返す事なく、マコトは確認するかのように、戸惑いながらも己の舌でアキの舌に触れた。
マコトが自分の舌に触れたことでアキは己の舌を絡ませ、そのまま舌をマコトの口内、歯列や歯の裏に這わせていく。そしてマコトの舌を軽く吸い角度を変えながら、熱く深いキスをしていった。
そんな熱いキスに、マコトは経験したことのないしびれが身体の奥から溢れだし、耐えられず膝から崩れた。
「ゴメン。マコトには早すぎたかな?…大丈夫?」
その場に座り込んだマコトを心配そうに見つめ、アキもその場に座り込んだ。マコトは自分の唇を押さえ、真っ赤な顔でアキを睨んだ。
「お前っ…なんだよその言い方。つか、どこでこんなやりかた覚えて…」
「んー、まぁ、いろいろとね?」
「なんだよそれ…」
「その一応ね、いろんな経験済んでるだよ。ちょっと言いたくないけど…」
最後の言葉はトーンが低く、表情もどこか暗かった。なぜその表情なのか尋ねるべきか戸惑い、言葉を掛けようとした。だが、アキが立ち上がったため聞くことはできなかった。
「じゃあ、今度こそ帰るよ。さすがにこれ以上したらいけないかなって思うから。キミの為にも」
「こ、これ以上って…それは…」
「フフ、する?」
「!!」
「怖がらないでよ。しないよ。今は……ね。キミが望んだら、その時に」
そう言い、アキは少しイタズラっぽく笑いながらカバンを取りに行った。マコトは無言のままその背中を見つめた。
「また明日ね」
靴を履き、ニコリと微笑み扉に手を掛ける。マコトは少し不機嫌な顔でアキを見送る。
「あぁ…またな。」
──納得いかねぇ事あるけど──
マコトは扉が閉まったあとも静かな玄関に立ち尽くしていた。そして、ソッと唇に指をはわせ熱い感触の名残をなぞりふと、明日はまともにアキの顔が見れるか少し不安を感じたのだった。
1
あなたにおすすめの小説
脱落モブ男が人気アイドルに愛されるわけがない
綿毛ぽぽ
BL
アイドルを夢見るも、デビューできずオーディション番組に出演しても脱落ばかりの地味男、亀谷日翔はついに夢を諦めた。そしてひょんなことから事務所にあるカフェで働き始めると、かつて出演していた番組のデビューメンバーと再会する。テレビでも引っ張りだこで相変わらずビジュアルが強い二人は何故か俺に対して距離が近い。
━━━━━━━━━━━
現役人気アイドル×脱落モブ男
表紙はくま様からお借りしました
https://www.pixiv.net/artworks/84182395
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
この変態、規格外につき。
perari
BL
俺と坂本瑞生は、犬猿の仲だ。
理由は山ほどある。
高校三年間、俺が勝ち取るはずだった“校内一のイケメン”の称号を、あいつがかっさらっていった。
身長も俺より一回り高くて、しかも――
俺が三年間片想いしていた女子に、坂本が告白しやがったんだ!
……でも、一番許せないのは大学に入ってからのことだ。
ある日、ふとした拍子に気づいてしまった。
坂本瑞生は、俺の“アレ”を使って……あんなことをしていたなんて!
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
交際0日婚の溺愛事情
江多之折(エタノール)
BL
死にたくはない。でも、生きたくもない。ふらふらと彷徨う根無し草は、世界の怖さを知っている。救いの手は、選ばれた者にだけ差し伸べられることも知っている。
だから緩やかに終わりを探して生きていた。
──たった数回の鬼ごっこを経験するまでは。
誠実すぎて怖い人は、4回目の顔合わせで僕の夫となる。
そんな怖がりな男と誠実な男の、結婚生活の始まり。
■現実だけど現実じゃない、そんな気持ちで読んでください。
■家庭に関してトラウマを抱えている方は読まない方が良いと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる