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16 ー相談ごとー
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勢い込んできたら、あっさり店を出ることになってしまったので、その勢いのまま譲治は依子にLINEを打つことにする。
ベンチのある広場に出たところで、そこに座った。
「こんにちは。ご無沙汰しております。その後お変わりありませんか。」
「実は仕事のことでちょっとお知恵を拝借できないかと思いまして。」
詳細を丁寧に書く方が親切かと思って、一旦長い文章を書き始めたのだが、そう言えば今時はメールやLINEで長文を書くのは気持ち悪いと思われるらしい、と思い至ってとりあえず会ってもらえたらにしよう、と思い直した。
「もし良かったら近々にお時間少しいただけませんでしょうか。」
すると、すぐに既読がついて返事が来た。
「こんにちは!元気ですよ。田中さんもお元気ですか?」
「喜んでご相談に乗りますよ。ご都合の良い日時お知らせください。
私は金土日はバイトですので、それ以外の平日でしたら何時でも構いません。フリーランスなので融通つけられます。」
彼女も即レス、長文は苦じゃなさそうだ、と安心して返事をする。
「それでは早速、明日の午後はいかがでしょうか。」
「承知しました。場所もご都合の良い場所お知らせください。」
依子の返事。
「打ち合わせできる場所ならどこでもいいんですが。あまり詳しくないので。『さくら』さんでどうですか。実はさきほど行ったばかりなんですが、小石川さんが適任だ、と推薦していただいたんです。」
「そういうことなら、『さくら』にしましょう。お店狭いので、一応連絡して席とっといてもらいます。
一時くらいでいいですか?ランチも食べます?田中さんは2日連続になっちゃいますけど。」
「あそこのランチなら毎日でもいいです。」
了解、というスタンプが来た。
譲治は、ランチ接待代って領収書切れるかな、とちょっとした贅沢に幾分まごつきながらも、平坦だった日常に変化が出てきたことを楽しみにせずにはいられなかった。
ーーー
「もしもし、バイトの小石川です。おつかれさまです。」
依子はすぐさま店に電話した。
「はい、依子さん、どうしたの?」
斉藤が出た。
「明日の午後1時からランチと打合せで席を予約させていただいてもいいですか?」
「おう、田中君の件かな?。早速連絡行った?」
「なにか仕事で相談があるとかで。」
「そうそう。彼の会社で今度ヘレンドを扱うんだって。
で、そっち方面全然わからないから入り口だけでも教えて欲しいらしい。俺も愛ちゃんも磁器は興味ないからさ。」
「ああ、なるほど。私なんかただのマイルドファンですけどね。役に立てるのかな。」
「その程度がむしろ都合がいいみたいよ。まあ、詳しくは本人に聞きなよ。」
そうして、2人分の予約を手配して、依子はすぐ譲治に確認のメッセージを送った。
「お店2人分、一時から予約しておきました。明日、一時に『さくら』現地集合で。」
よろしくお願いします、と譲治からスタンプ。
ヘレンドかあ~。いいよね、いいよね~。
ちょっと準備していこうかな。
大好きなメーカーの大好きなアイテムを布教できる、というワクワクで明日が待ち遠しい依子だった。
ーーー
翌日、約束の午後1時。
譲治は地下鉄の駅を降りて、『さくら』方面へ歩いて行くと、20mほど前に、見知った小柄な後ろ姿をみつけた。
急ぎ足で近づいて声をかける。
「小石川さん。」
パッと依子が振り向いて、うれしそうに応える。
「田中さん!こんにちは!一緒の電車でしたかね?」
そうみたいですね、と譲治は答えながら、なんだかうれしくなった。
まだ4回目くらいだが、会うたびに依子の笑顔はだんだん大きく、リラックスしてくれてきているようで。
「今回はありがとうございます!声かけていただいてうれしいです。」
歩幅を合わせるように、依子が少し早歩きになりながらそう話すのに気づいて、譲治は少し速度を落とした。
「いやいや、お礼を言うのはこちらです。すみません。
突然変なこと頼んじゃって。」
「いいええ。全然。ヘレンドについて聞きたい、ていうのは斉藤さんからちらっと聞きました。」
「詳しくはまたお話しますけど、今日の打合せ含め、ちゃんとギャラをお支払いしますので。」
「いやあ、いいのかな。自分の大好きなものの話ができるのは喜びでしかないのでいいんですけど。
でも、あくまで素人なので、1ファンとしての推しポイントを布教する、くらいなレベルですよ?」
依子は心配している。
「いいんですいいんです。そういう一般ユーザーの見ている所を知りたいので。専門的な話は資料やショップに行けばいいですし。」
「そういうことなら安心です。でもギャラなんていいんですよ、ほんと。」
依子が遠慮する。
「いえ、現実的に小石川さんの時間を拘束してしまいますし、ギャラを受け取っていただいた方が遠慮なく頼ることができますので。
できれば、実物を見に行ったり調達に付き合っていただきたいんです。どうも自分はそういうの不調法なもので。」
譲治が説明する。
「そうですか。わかりました。それじゃバイト程度にしてくださいね。」
依子がにっこりして譲治の顔を覗き込んで頼んだ。
ーーー
店に着き、取っておいてもらった席につく。
斉藤と愛がいつものようににこやかに出迎えてくれた。
まずは昼食をとろう、ということで、2人でサクッと済ませる。
コーヒーをオーダーして話を始める。
譲治は、昨日斉藤に話した内容を改めて依子に説明した。
「まあそういうわけで、バイヤーさんが来るのが今月末なので、あと3週間で私自身が基本的な情報を頭に入れて、多少の実物を買付して、アテンドできるよう縁の各所を予め見て体験しておかないといけないんです。」
「おお。。3週間か。難しい内容ではないと思うので焦る必要はないですけれど、お尻が決まってるから確実にこなさないと、ちょっと慌しくなるかな。
こればっかりやってるわけではないですものね?」
「そうなんです」
ウムウムと頷きながら譲治が言う。
「まあ、幸い私は自由業なので、アルバイトということでしたら、田中さんが動けない時も、現地調査とか私ができることは1人で動いてもいいわけですものね。
レポートなどで報告もできますし。」
依子が提案する。
「そう言っていただけると大変心強いです。」
譲治が頭を下げた。
ギャラは1時間こんなもので、、、と譲治は予め上司に確認をとっておいた額で、メモを見せる。
けっこうです。と依子は応える。
「さて、そうすると」と言ったまま腕組みをして、しばらく宙を見て考えていた 依子が口を開いた。
「締切が決まってることですし、スケジュールをざっくり決めたいですね。
私もどれくらい時間が取られるか大まかに見積もりたいですし、そちらもどれくらい費用がかかるか見積もりたいですよね。
バイト代、調査代、買付代もろもろ。」
手元に用意していた手帳にメモをしながら依子は続ける。
「実地で足を運びたいのは、公式ショップ、お土産物屋、博物館、窯元、ヘレンド村、蚤の市、アンティークショップ。
掘り出しモノを安くゲットするには、市とアンティークショップを複数当たらないといけませんね。」
「私のヘレンド愛についての講釈はまあ、移動時間とか、隙間時間にねじ込めますから随時。」
そして譲治をいつものように真っ直ぐ見て言う。
「そんなとこですかね。
早速今晩帰って、今行っためぼしいチェックポイントを調べてリストアップしときます。
後でメールで送りますね。
お仕事用のアドレスは以前いただいたお名刺のものでいいですね?」
「それでチェックポイントの目星がついたら、スケジュールも詰めましょう。
私は平日しか動けなくて、自分の仕事もあるので、できて週に2-3日かな。」
依子がどんどん先導してくれるので、内心驚きながらもありがたいことこの上ない。
譲治の求めている所をすぐに理解して、必要なことを目の前に揃えてくれたので、昨日は頭を抱えて困っていたのが嘘のようだ。
光明が差した。
「本当に助かります。やっぱりご相談して良かった。」
譲治は深々と頭を下げて礼を言った。
「いやだなあ、やめてくださいよ。大したことじゃないです。
依頼を受ける前にスケジュールと予算を確認するのは自分を守るため、ってだけの話です。」
冷静な顔で依子は言う。
「じゃあ活動プランは帰ってから調べてご提案する、ということで。
今日はまず、ヘレンドって何が素敵か、って話をしましょうか。」
依子はさっきのクールな態度から打って変わって、嬉々として身を乗り出す。
「お願いします。」
よほど嬉しいのだろう、ということが伝わって、譲治も思わず笑ってしまった。
ベンチのある広場に出たところで、そこに座った。
「こんにちは。ご無沙汰しております。その後お変わりありませんか。」
「実は仕事のことでちょっとお知恵を拝借できないかと思いまして。」
詳細を丁寧に書く方が親切かと思って、一旦長い文章を書き始めたのだが、そう言えば今時はメールやLINEで長文を書くのは気持ち悪いと思われるらしい、と思い至ってとりあえず会ってもらえたらにしよう、と思い直した。
「もし良かったら近々にお時間少しいただけませんでしょうか。」
すると、すぐに既読がついて返事が来た。
「こんにちは!元気ですよ。田中さんもお元気ですか?」
「喜んでご相談に乗りますよ。ご都合の良い日時お知らせください。
私は金土日はバイトですので、それ以外の平日でしたら何時でも構いません。フリーランスなので融通つけられます。」
彼女も即レス、長文は苦じゃなさそうだ、と安心して返事をする。
「それでは早速、明日の午後はいかがでしょうか。」
「承知しました。場所もご都合の良い場所お知らせください。」
依子の返事。
「打ち合わせできる場所ならどこでもいいんですが。あまり詳しくないので。『さくら』さんでどうですか。実はさきほど行ったばかりなんですが、小石川さんが適任だ、と推薦していただいたんです。」
「そういうことなら、『さくら』にしましょう。お店狭いので、一応連絡して席とっといてもらいます。
一時くらいでいいですか?ランチも食べます?田中さんは2日連続になっちゃいますけど。」
「あそこのランチなら毎日でもいいです。」
了解、というスタンプが来た。
譲治は、ランチ接待代って領収書切れるかな、とちょっとした贅沢に幾分まごつきながらも、平坦だった日常に変化が出てきたことを楽しみにせずにはいられなかった。
ーーー
「もしもし、バイトの小石川です。おつかれさまです。」
依子はすぐさま店に電話した。
「はい、依子さん、どうしたの?」
斉藤が出た。
「明日の午後1時からランチと打合せで席を予約させていただいてもいいですか?」
「おう、田中君の件かな?。早速連絡行った?」
「なにか仕事で相談があるとかで。」
「そうそう。彼の会社で今度ヘレンドを扱うんだって。
で、そっち方面全然わからないから入り口だけでも教えて欲しいらしい。俺も愛ちゃんも磁器は興味ないからさ。」
「ああ、なるほど。私なんかただのマイルドファンですけどね。役に立てるのかな。」
「その程度がむしろ都合がいいみたいよ。まあ、詳しくは本人に聞きなよ。」
そうして、2人分の予約を手配して、依子はすぐ譲治に確認のメッセージを送った。
「お店2人分、一時から予約しておきました。明日、一時に『さくら』現地集合で。」
よろしくお願いします、と譲治からスタンプ。
ヘレンドかあ~。いいよね、いいよね~。
ちょっと準備していこうかな。
大好きなメーカーの大好きなアイテムを布教できる、というワクワクで明日が待ち遠しい依子だった。
ーーー
翌日、約束の午後1時。
譲治は地下鉄の駅を降りて、『さくら』方面へ歩いて行くと、20mほど前に、見知った小柄な後ろ姿をみつけた。
急ぎ足で近づいて声をかける。
「小石川さん。」
パッと依子が振り向いて、うれしそうに応える。
「田中さん!こんにちは!一緒の電車でしたかね?」
そうみたいですね、と譲治は答えながら、なんだかうれしくなった。
まだ4回目くらいだが、会うたびに依子の笑顔はだんだん大きく、リラックスしてくれてきているようで。
「今回はありがとうございます!声かけていただいてうれしいです。」
歩幅を合わせるように、依子が少し早歩きになりながらそう話すのに気づいて、譲治は少し速度を落とした。
「いやいや、お礼を言うのはこちらです。すみません。
突然変なこと頼んじゃって。」
「いいええ。全然。ヘレンドについて聞きたい、ていうのは斉藤さんからちらっと聞きました。」
「詳しくはまたお話しますけど、今日の打合せ含め、ちゃんとギャラをお支払いしますので。」
「いやあ、いいのかな。自分の大好きなものの話ができるのは喜びでしかないのでいいんですけど。
でも、あくまで素人なので、1ファンとしての推しポイントを布教する、くらいなレベルですよ?」
依子は心配している。
「いいんですいいんです。そういう一般ユーザーの見ている所を知りたいので。専門的な話は資料やショップに行けばいいですし。」
「そういうことなら安心です。でもギャラなんていいんですよ、ほんと。」
依子が遠慮する。
「いえ、現実的に小石川さんの時間を拘束してしまいますし、ギャラを受け取っていただいた方が遠慮なく頼ることができますので。
できれば、実物を見に行ったり調達に付き合っていただきたいんです。どうも自分はそういうの不調法なもので。」
譲治が説明する。
「そうですか。わかりました。それじゃバイト程度にしてくださいね。」
依子がにっこりして譲治の顔を覗き込んで頼んだ。
ーーー
店に着き、取っておいてもらった席につく。
斉藤と愛がいつものようににこやかに出迎えてくれた。
まずは昼食をとろう、ということで、2人でサクッと済ませる。
コーヒーをオーダーして話を始める。
譲治は、昨日斉藤に話した内容を改めて依子に説明した。
「まあそういうわけで、バイヤーさんが来るのが今月末なので、あと3週間で私自身が基本的な情報を頭に入れて、多少の実物を買付して、アテンドできるよう縁の各所を予め見て体験しておかないといけないんです。」
「おお。。3週間か。難しい内容ではないと思うので焦る必要はないですけれど、お尻が決まってるから確実にこなさないと、ちょっと慌しくなるかな。
こればっかりやってるわけではないですものね?」
「そうなんです」
ウムウムと頷きながら譲治が言う。
「まあ、幸い私は自由業なので、アルバイトということでしたら、田中さんが動けない時も、現地調査とか私ができることは1人で動いてもいいわけですものね。
レポートなどで報告もできますし。」
依子が提案する。
「そう言っていただけると大変心強いです。」
譲治が頭を下げた。
ギャラは1時間こんなもので、、、と譲治は予め上司に確認をとっておいた額で、メモを見せる。
けっこうです。と依子は応える。
「さて、そうすると」と言ったまま腕組みをして、しばらく宙を見て考えていた 依子が口を開いた。
「締切が決まってることですし、スケジュールをざっくり決めたいですね。
私もどれくらい時間が取られるか大まかに見積もりたいですし、そちらもどれくらい費用がかかるか見積もりたいですよね。
バイト代、調査代、買付代もろもろ。」
手元に用意していた手帳にメモをしながら依子は続ける。
「実地で足を運びたいのは、公式ショップ、お土産物屋、博物館、窯元、ヘレンド村、蚤の市、アンティークショップ。
掘り出しモノを安くゲットするには、市とアンティークショップを複数当たらないといけませんね。」
「私のヘレンド愛についての講釈はまあ、移動時間とか、隙間時間にねじ込めますから随時。」
そして譲治をいつものように真っ直ぐ見て言う。
「そんなとこですかね。
早速今晩帰って、今行っためぼしいチェックポイントを調べてリストアップしときます。
後でメールで送りますね。
お仕事用のアドレスは以前いただいたお名刺のものでいいですね?」
「それでチェックポイントの目星がついたら、スケジュールも詰めましょう。
私は平日しか動けなくて、自分の仕事もあるので、できて週に2-3日かな。」
依子がどんどん先導してくれるので、内心驚きながらもありがたいことこの上ない。
譲治の求めている所をすぐに理解して、必要なことを目の前に揃えてくれたので、昨日は頭を抱えて困っていたのが嘘のようだ。
光明が差した。
「本当に助かります。やっぱりご相談して良かった。」
譲治は深々と頭を下げて礼を言った。
「いやだなあ、やめてくださいよ。大したことじゃないです。
依頼を受ける前にスケジュールと予算を確認するのは自分を守るため、ってだけの話です。」
冷静な顔で依子は言う。
「じゃあ活動プランは帰ってから調べてご提案する、ということで。
今日はまず、ヘレンドって何が素敵か、って話をしましょうか。」
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