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第十六話:妖花の試練、示された道標
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リーゼロッテの妖艶な微笑みと共に、温室に咲き誇っていた美しい花々が、一斉におぞましい姿へと変貌を遂げた。
太くしなる蔓は鋭い棘を無数に生やし、色鮮やかだった花弁は牙のように裂け、そこからは甘く危険な香りの毒の胞子が撒き散らされる。
まるで、悪夢の花園に迷い込んだかのようだった。
「さあ、わたくしの可愛い花たちと、存分に戯れてちょうだい。あなたたちの魂の輝き、このリーゼロッテがじっくりと見定めさせていただきますわ」
リーゼロッテは、花壇の傍らで優雅に腕を組み、私たちの戦いを観賞するつもりらしい。
その瞳には、冷酷な好奇の色が浮かんでいた。
「リリア、来るぞ! あの胞子、吸い込むな!」
カイは仮面を装着したまま、私に警告を発すると、金色のオーラを纏った剣で、襲い来る蔓を薙ぎ払う。
しかし、蔓は切られてもすぐに再生し、その数は減るどころか増していくようにさえ思えた。
「聖なる風よ、邪気を払い清めたまえ! ピュリファイ・ウィンド!」
私は杖を振り、浄化の風を巻き起こして毒の胞子を吹き飛ばす。
同時に、カイの足元に魔法陣を展開し、彼の身体能力を強化する補助魔法をかけた。
「ありがとう、リリア! 助かる!」
カイは仮面の力を集中させ、食人植物たちの動きのパターンや、魔力の流れを読み解こうとしている。
その額には汗が滲み、精神的な負荷が大きいことが窺えた。
「おやおや、剣士様、なかなか見どころがありそうね。その仮面、どこかで見たような……ふふ、ベルフェの悪戯かしら」
リーゼロッテが、楽しそうに呟く。
彼女は、カイの仮面についても何か知っているのだろうか。
食人植物の攻撃は熾烈を極めた。
地面からは新たな蔓が槍のように突き出し、天井からは粘着質の体液を滴らせる巨大な花が口を開けて私たちを狙う。
まるで、館全体が私たちを喰らおうとしているかのようだった。
「カイ、あの壁際の一番大きな赤い花! あれが、この温室の植物たちを操っている親玉かもしれないわ!」
私が、魔力の流れを追って叫ぶ。
リーゼロッテの背後、ひときわ大きく、そして禍々しいオーラを放つ巨大な赤い食虫花が、まるで女王のように鎮座していた。
「よし、あいつを叩く! リリア、援護を頼む!」
「任せて!」
カイは、他の植物の攻撃を巧みにかわしながら、親玉の赤い花へと突進する。
私は、炎の矢を連続で放ち、カイの進路を塞ぐ蔓を焼き払い、彼の道を作った。
「あら、もう終わりかしら? その程度では、あの強欲な領主には歯が立たないでしょうね。彼が操る魔導書の力は、こんな可愛らしい花々とは比べ物にならないほど、悍ましいものですのよ?」
リーゼロッテが、嘲るような、それでいてどこか試すような言葉を投げかけてくる。
その言葉は、私たちの闘志に火をつけた。
「私たちは、諦めない!」
カイは、金色のオーラを極限まで高め、その剣に凝縮させる。
仮面の力が、親玉の赤い花の弱点――その中心部にある脈動する核を、彼の脳裏に鮮明に映し出していた。
「そこだあああっ!」
カイの渾身の一撃が、赤い花の核を正確に貫いた。
甲高い悲鳴のような音が温室に響き渡り、親玉の赤い花はみるみるうちに萎れ、枯れていく。
それと同時に、私たちに襲いかかっていた他の食人植物たちも、まるで糸が切れたように動きを止め、次々とその毒々しい色彩を失っていった。
「はぁ……はぁ……やった……のか……?」
カイは剣を杖代わりにして、荒い息をついている。
私も、魔力を使い果たし、その場に座り込みそうになるのを必死で堪えた。
温室には、再び静寂が戻っていた。
リーゼロッテは、ゆっくりと拍手をしながら、私たちに近づいてきた。
その表情には、先程までの嘲りの色はなく、どこか満足げな、あるいは興味深そうな光が宿っていた。
「素晴らしいわ。まさか、わたくしの『試練』をこうもあっさりと乗り越えるとは。あなたたちなら、あるいは……あの忌まわしい契約を断ち切ってくれるかもしれないわね」
「契約……? あなたは、ミストラル領主と、どんな契約を……」
私が問いかけると、リーゼロッテはふっと遠い目をして話し始めた。
「わたくしは、遠い昔、永遠の美を求めて禁断の魔術に手を染めた愚かな女。その代償として、この館に縛られ、常に他者の生命力を糧としなければ生きられない呪われた存在となったの。ミストラル領主は、偶然にもこの館とわたくしの存在を知り、アレスとかいう男が残した魔導書の知識を利用して、わたくしに近づいてきた。彼は、わたくしに領民の生命力を捧げる代わりに、その魔導書から得た力と、若さを手に入れているのよ」
彼女の言葉は、どこか哀しげだった。
永遠の美を手に入れた代償は、永遠の孤独と渇望だったのかもしれない。
「領主は、領内の北にある古い礼拝堂の地下に『魂の祭壇』を築き、そこで領民から搾取した生命力を集め、それを魔力に変換して自らの力としているわ。そこが、彼の力の源。そして、あなたたちが彼を討つべき場所よ」
リーゼロッテは、まるで見てきたかのように、領主の秘密を語った。
それは、彼女自身もまた、その契約に苦しめられている証なのかもしれない。
「ベルフェは……なぜ私たちをここに導いたのだと思う?」
カイが、仮面を外しながら尋ねた。
リーゼロッテは、その問いに妖しく微笑んだ。
「あの子は、ただの気まぐれな観客。でも、時々、舞台に面白い役者を送り込んだり、小道具を渡したりするのが好きなのよ。あなたたちは、彼にとって今一番お気に入りの『役者』なのかもしれないわね。この状況を、高みの見物で楽しんでいるのでしょう」
彼女の言葉は、ベルフェの底知れなさを改めて私たちに認識させた。
彼は、私たちの戦いを、まるで一つの演劇のように見ているというのだろうか。
「もし……もし、あなたたちが領主を倒し、わたくしをこの契約から解放してくださったなら……ささやかながら、お礼はさせていただきますわ」
リーゼロッテは、そう言うと、一輪の黒薔薇を私に差し出した。
その黒薔薇は、彼女の魔力が込められているのか、不思議な輝きを放っていた。
「これは、『夜の帳(とばり)』。一度だけ、危機的な状況で、あなたたちの姿を闇に紛れさせ、敵の目から逃れる手助けをしてくれるでしょう」
それは、強力な隠蔽の魔道具のようだった。
彼女なりの、私たちへの期待の表れなのかもしれない。
「ありがとう、リーゼロッテさん。私たちは、必ずミストラル領主を止め、領民たちを救ってみせます」
私は、黒薔薇をしっかりと受け取った。
リーゼロッテから得た情報は、何よりも大きな手掛かりだ。
「期待しているわ、リリア、そしてカイ。あなたたちの『物語』の結末を、この花園から見届けさせていただきますわ」
リーゼロッテはそう言うと、再び背を向け、花々に囲まれた玉座へと戻っていった。
彼女は、敵でも味方でもない、ただの傍観者。
しかし、彼女の存在が、私たちの進むべき道を照らしてくれたことは確かだった。
私たちは、リーゼロッテの館を後にした。
彼女から得た情報を胸に、ミストラル領主との決戦に向けて、決意する。
領主が潜むという古い礼拝堂。
そこで待ち受けるのは、アレスの魔導書の知識によって強化された、想像を絶する強敵に違いない。
しかし、私たちには、守るべき人々がいる。
そして、信頼できる仲間がいる。
新たな戦いへの緊張感と、微かな希望を胸に、私たちは夕闇に染まる森を駆け抜けた。
太くしなる蔓は鋭い棘を無数に生やし、色鮮やかだった花弁は牙のように裂け、そこからは甘く危険な香りの毒の胞子が撒き散らされる。
まるで、悪夢の花園に迷い込んだかのようだった。
「さあ、わたくしの可愛い花たちと、存分に戯れてちょうだい。あなたたちの魂の輝き、このリーゼロッテがじっくりと見定めさせていただきますわ」
リーゼロッテは、花壇の傍らで優雅に腕を組み、私たちの戦いを観賞するつもりらしい。
その瞳には、冷酷な好奇の色が浮かんでいた。
「リリア、来るぞ! あの胞子、吸い込むな!」
カイは仮面を装着したまま、私に警告を発すると、金色のオーラを纏った剣で、襲い来る蔓を薙ぎ払う。
しかし、蔓は切られてもすぐに再生し、その数は減るどころか増していくようにさえ思えた。
「聖なる風よ、邪気を払い清めたまえ! ピュリファイ・ウィンド!」
私は杖を振り、浄化の風を巻き起こして毒の胞子を吹き飛ばす。
同時に、カイの足元に魔法陣を展開し、彼の身体能力を強化する補助魔法をかけた。
「ありがとう、リリア! 助かる!」
カイは仮面の力を集中させ、食人植物たちの動きのパターンや、魔力の流れを読み解こうとしている。
その額には汗が滲み、精神的な負荷が大きいことが窺えた。
「おやおや、剣士様、なかなか見どころがありそうね。その仮面、どこかで見たような……ふふ、ベルフェの悪戯かしら」
リーゼロッテが、楽しそうに呟く。
彼女は、カイの仮面についても何か知っているのだろうか。
食人植物の攻撃は熾烈を極めた。
地面からは新たな蔓が槍のように突き出し、天井からは粘着質の体液を滴らせる巨大な花が口を開けて私たちを狙う。
まるで、館全体が私たちを喰らおうとしているかのようだった。
「カイ、あの壁際の一番大きな赤い花! あれが、この温室の植物たちを操っている親玉かもしれないわ!」
私が、魔力の流れを追って叫ぶ。
リーゼロッテの背後、ひときわ大きく、そして禍々しいオーラを放つ巨大な赤い食虫花が、まるで女王のように鎮座していた。
「よし、あいつを叩く! リリア、援護を頼む!」
「任せて!」
カイは、他の植物の攻撃を巧みにかわしながら、親玉の赤い花へと突進する。
私は、炎の矢を連続で放ち、カイの進路を塞ぐ蔓を焼き払い、彼の道を作った。
「あら、もう終わりかしら? その程度では、あの強欲な領主には歯が立たないでしょうね。彼が操る魔導書の力は、こんな可愛らしい花々とは比べ物にならないほど、悍ましいものですのよ?」
リーゼロッテが、嘲るような、それでいてどこか試すような言葉を投げかけてくる。
その言葉は、私たちの闘志に火をつけた。
「私たちは、諦めない!」
カイは、金色のオーラを極限まで高め、その剣に凝縮させる。
仮面の力が、親玉の赤い花の弱点――その中心部にある脈動する核を、彼の脳裏に鮮明に映し出していた。
「そこだあああっ!」
カイの渾身の一撃が、赤い花の核を正確に貫いた。
甲高い悲鳴のような音が温室に響き渡り、親玉の赤い花はみるみるうちに萎れ、枯れていく。
それと同時に、私たちに襲いかかっていた他の食人植物たちも、まるで糸が切れたように動きを止め、次々とその毒々しい色彩を失っていった。
「はぁ……はぁ……やった……のか……?」
カイは剣を杖代わりにして、荒い息をついている。
私も、魔力を使い果たし、その場に座り込みそうになるのを必死で堪えた。
温室には、再び静寂が戻っていた。
リーゼロッテは、ゆっくりと拍手をしながら、私たちに近づいてきた。
その表情には、先程までの嘲りの色はなく、どこか満足げな、あるいは興味深そうな光が宿っていた。
「素晴らしいわ。まさか、わたくしの『試練』をこうもあっさりと乗り越えるとは。あなたたちなら、あるいは……あの忌まわしい契約を断ち切ってくれるかもしれないわね」
「契約……? あなたは、ミストラル領主と、どんな契約を……」
私が問いかけると、リーゼロッテはふっと遠い目をして話し始めた。
「わたくしは、遠い昔、永遠の美を求めて禁断の魔術に手を染めた愚かな女。その代償として、この館に縛られ、常に他者の生命力を糧としなければ生きられない呪われた存在となったの。ミストラル領主は、偶然にもこの館とわたくしの存在を知り、アレスとかいう男が残した魔導書の知識を利用して、わたくしに近づいてきた。彼は、わたくしに領民の生命力を捧げる代わりに、その魔導書から得た力と、若さを手に入れているのよ」
彼女の言葉は、どこか哀しげだった。
永遠の美を手に入れた代償は、永遠の孤独と渇望だったのかもしれない。
「領主は、領内の北にある古い礼拝堂の地下に『魂の祭壇』を築き、そこで領民から搾取した生命力を集め、それを魔力に変換して自らの力としているわ。そこが、彼の力の源。そして、あなたたちが彼を討つべき場所よ」
リーゼロッテは、まるで見てきたかのように、領主の秘密を語った。
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カイが、仮面を外しながら尋ねた。
リーゼロッテは、その問いに妖しく微笑んだ。
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彼女の言葉は、ベルフェの底知れなさを改めて私たちに認識させた。
彼は、私たちの戦いを、まるで一つの演劇のように見ているというのだろうか。
「もし……もし、あなたたちが領主を倒し、わたくしをこの契約から解放してくださったなら……ささやかながら、お礼はさせていただきますわ」
リーゼロッテは、そう言うと、一輪の黒薔薇を私に差し出した。
その黒薔薇は、彼女の魔力が込められているのか、不思議な輝きを放っていた。
「これは、『夜の帳(とばり)』。一度だけ、危機的な状況で、あなたたちの姿を闇に紛れさせ、敵の目から逃れる手助けをしてくれるでしょう」
それは、強力な隠蔽の魔道具のようだった。
彼女なりの、私たちへの期待の表れなのかもしれない。
「ありがとう、リーゼロッテさん。私たちは、必ずミストラル領主を止め、領民たちを救ってみせます」
私は、黒薔薇をしっかりと受け取った。
リーゼロッテから得た情報は、何よりも大きな手掛かりだ。
「期待しているわ、リリア、そしてカイ。あなたたちの『物語』の結末を、この花園から見届けさせていただきますわ」
リーゼロッテはそう言うと、再び背を向け、花々に囲まれた玉座へと戻っていった。
彼女は、敵でも味方でもない、ただの傍観者。
しかし、彼女の存在が、私たちの進むべき道を照らしてくれたことは確かだった。
私たちは、リーゼロッテの館を後にした。
彼女から得た情報を胸に、ミストラル領主との決戦に向けて、決意する。
領主が潜むという古い礼拝堂。
そこで待ち受けるのは、アレスの魔導書の知識によって強化された、想像を絶する強敵に違いない。
しかし、私たちには、守るべき人々がいる。
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