1 / 10
第一話:森の掟と都の夢
しおりを挟む
フィンの住む「翠玉の森」は、古(いにしえ)からの叡智と自然の摂理によって守られた、エルフたちの聖域だった。
木々は天を衝くように伸び、その枝葉は陽光を浴びて輝き、まるで宝石のようにきらめく。
清らかな小川がせせらぎ、苔むした岩々が点在する森の中は、常に静寂と神秘的な雰囲気に包まれていた。
ここに住むエルフたちは、自然と調和し、厳格な掟に従って暮らしている。
変化を嫌い、古き良き伝統を重んじる。
それが、翠玉の森のエルフたちの生き方だった。
しかし、フィンはその掟に息苦しさを感じていた。
彼は、他のエルフたちとは少し、いや、かなり違っていた。
銀色の髪は風になびき、瞳は森の奥深くと同じ、吸い込まれそうな翠色(すいしょく)をしている。
すらりとした体躯は、確かにエルフのそれだ。
だが、彼の心は常に森の外へと向いていた。
「今日も弓の稽古か…気が重いな」
フィンは、森の訓練場へ向かう足取りが重かった。
エルフにとって弓術は、狩猟のため、そして森を守るための必須技能だ。
多くのエルフが、まるで体の一部であるかのように弓を操り、百発百中の腕前を誇る。
しかし、フィンは違った。
何度練習しても、矢は的を大きく外れ、時にはあらぬ方向へ飛んでいく始末。
教官である古老のエリオンは、いつもため息をつきながらフィンを見ていた。
「フィンよ、もう少し集中できんのか。
弓は心で射るものだぞ」
「はい、分かっています。
でも…」
フィンは言い淀む。
心が、どうしても弓に向かないのだ。
彼の興味は、弓の弦の張り具合や風向きを読むことよりも、もっと別の場所にあった。
訓練が終わると、フィンはそそくさとその場を離れた。
次は薬草の採取の時間だが、それも得意ではない。
どの草がどの効能を持つのか、見分けるのは苦手だった。
他のエルフたちが手際よく薬草を摘んでいく中、フィンはただぼんやりと遠くの山並みを眺めていた。
(人間の都は、今頃どんな様子だろうか…)
フィンが憧れているのは、旅人から伝え聞く人間の都「アステリア」の姿だった。
石畳の道、高くそびえる建物、色とりどりの旗、そして何よりも、活気に満ちた人々の喧騒。
エルフの森とは何もかもが違う、自由で華やかな世界。
噂によれば、そこにはエルフにはない魔法や技術があり、見たこともないような品物で溢れているという。
「いいなぁ、アステリア。
きっと毎日が新しい発見でいっぱいなんだろうな」
フィンは、こっそりと隠し持っていた古びた羊皮紙を取り出した。
それは、以前森に迷い込んできた人間の商人が落としていった、アステリアの地図だった。
粗末な絵ではあったが、フィンにとっては宝物だ。
指で地図をなぞりながら、想像を膨らませる。
広場には大道芸人がいて、市場には珍しい食べ物が並び、夜には美しい音楽が流れる…。
そんな空想にふけっていると、不意に背後から声がかかった。
「フィン、またそんなものを見ているのか」
振り向くと、幼馴染のリーナが呆れたような顔で立っていた。
彼女はフィンとは対照的に、弓の名手であり、薬草の知識も豊富で、エルフの模範のような存在だった。
「リーナ。
別にいいじゃないか、僕の自由だろ」
「自由、自由って…あなたはエルフとしての自覚が足りないわ。
森の掟は、私たちを守るためにあるのよ。
人間の都なんて、危険で、不確かなものばかりよ」
リーナは心配そうに言う。
彼女はフィンのことを気にかけているのだ。
変わり者だと揶揄されるフィンを、いつも庇ってくれる優しい幼馴染。
「分かってるよ。
でも、知らない世界を知りたいと思うのは、そんなに悪いことかな?」
「…悪くはないけれど。
あなたはもっと、エルフとしての役割を考えるべきよ。
弓の腕も、採取の知識も、いつかきっと役に立つ時が来るわ」
「役に立つ時ねぇ…」
フィンは曖昧に頷いたが、心の中では反発していた。
(僕には、僕にしかできないことがあるはずだ)
フィンは、弓や採取は苦手だったが、他のエルフにはない才能を持っていた。
それは、人一倍強い好奇心と、飽くなき探求心だ。
彼は、森の誰も足を踏み入れないような奥深くを探検するのが好きだった。
古い遺跡を見つけたり、珍しい生き物を観察したり、誰も知らない秘密の抜け道を発見したり。
そんな時、フィンの瞳は生き生きと輝く。
教科書的な知識よりも、自分の目で見て、手で触れて、確かめること。
それが、フィンの学び方だった。
ある日の午後、フィンはいつものように森の奥深くへと足を踏み入れていた。
長老たちからは「危険だから近づくな」と固く禁じられている、古代遺跡の近くまで来てしまった。
苔むした石柱が立ち並び、崩れかけた祭壇のようなものが残っている。
かつて、ここにどんな文明があったのか、フィンは興味津々だった。
壁に残る古代文字のような模様を指でなぞっていると、ふと、森の空気が変わったことに気づいた。
いつもは穏やかな風が、妙にざわついている。
小鳥たちのさえずりも聞こえない。
代わりに、どこか不気味な静寂が森を支配していた。
(なんだ…?この感じは…)
フィンは、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
その時、遠くで獣の咆哮のような、しかしそれとは明らかに違う、禍々しい雄叫びが聞こえた。
それは、フィンがこれまでの人生で一度も聞いたことのない、恐ろしい響きだった。
同時に、森の木々が大きく揺れ、地面がわずかに振動したような気がした。
(まさか…)
フィンの脳裏に、古老たちが語る古い伝承が蘇った。
「闇の時代、魔族が森を侵略しようとした…」
そんな話は、遠い昔のおとぎ話だと思っていた。
しかし、今のこの不穏な空気と、不気味な雄叫びは…。
フィンは急いで遺跡を離れ、集落へと向かって走り出した。
胸騒ぎが止まらない。
何か、とてつもなく大きな、そして恐ろしい変化が、この翠玉の森に起ころうとしている。
そんな予感が、フィンの心を強く捉えていた。
エルフの掟にうんざりし、人間の都に憧れていた少年。
弓も採取も苦手な、森の異端児。
だが、彼の持つ人一倍の好奇心と探求心が、今、まさに試されようとしていた。
まだ誰も知らない脅威が、静かに森に迫っている。
フィンは、走りながら強く思った。
(僕が、この森で何ができるだろうか…? いや、何かをしなければならない)
彼の翠色の瞳に、これまでとは違う、強い光が宿り始めていた。
それは、エルフとしての使命感とは少し違う、未知への挑戦に対する、彼自身の内なる声だったのかもしれない。
翠玉の森に、変革の風が吹こうとしていた。
そしてその風の中心に、変わり者のエルフ、フィンが立とうとしていることを、まだ誰も知らなかった。
木々は天を衝くように伸び、その枝葉は陽光を浴びて輝き、まるで宝石のようにきらめく。
清らかな小川がせせらぎ、苔むした岩々が点在する森の中は、常に静寂と神秘的な雰囲気に包まれていた。
ここに住むエルフたちは、自然と調和し、厳格な掟に従って暮らしている。
変化を嫌い、古き良き伝統を重んじる。
それが、翠玉の森のエルフたちの生き方だった。
しかし、フィンはその掟に息苦しさを感じていた。
彼は、他のエルフたちとは少し、いや、かなり違っていた。
銀色の髪は風になびき、瞳は森の奥深くと同じ、吸い込まれそうな翠色(すいしょく)をしている。
すらりとした体躯は、確かにエルフのそれだ。
だが、彼の心は常に森の外へと向いていた。
「今日も弓の稽古か…気が重いな」
フィンは、森の訓練場へ向かう足取りが重かった。
エルフにとって弓術は、狩猟のため、そして森を守るための必須技能だ。
多くのエルフが、まるで体の一部であるかのように弓を操り、百発百中の腕前を誇る。
しかし、フィンは違った。
何度練習しても、矢は的を大きく外れ、時にはあらぬ方向へ飛んでいく始末。
教官である古老のエリオンは、いつもため息をつきながらフィンを見ていた。
「フィンよ、もう少し集中できんのか。
弓は心で射るものだぞ」
「はい、分かっています。
でも…」
フィンは言い淀む。
心が、どうしても弓に向かないのだ。
彼の興味は、弓の弦の張り具合や風向きを読むことよりも、もっと別の場所にあった。
訓練が終わると、フィンはそそくさとその場を離れた。
次は薬草の採取の時間だが、それも得意ではない。
どの草がどの効能を持つのか、見分けるのは苦手だった。
他のエルフたちが手際よく薬草を摘んでいく中、フィンはただぼんやりと遠くの山並みを眺めていた。
(人間の都は、今頃どんな様子だろうか…)
フィンが憧れているのは、旅人から伝え聞く人間の都「アステリア」の姿だった。
石畳の道、高くそびえる建物、色とりどりの旗、そして何よりも、活気に満ちた人々の喧騒。
エルフの森とは何もかもが違う、自由で華やかな世界。
噂によれば、そこにはエルフにはない魔法や技術があり、見たこともないような品物で溢れているという。
「いいなぁ、アステリア。
きっと毎日が新しい発見でいっぱいなんだろうな」
フィンは、こっそりと隠し持っていた古びた羊皮紙を取り出した。
それは、以前森に迷い込んできた人間の商人が落としていった、アステリアの地図だった。
粗末な絵ではあったが、フィンにとっては宝物だ。
指で地図をなぞりながら、想像を膨らませる。
広場には大道芸人がいて、市場には珍しい食べ物が並び、夜には美しい音楽が流れる…。
そんな空想にふけっていると、不意に背後から声がかかった。
「フィン、またそんなものを見ているのか」
振り向くと、幼馴染のリーナが呆れたような顔で立っていた。
彼女はフィンとは対照的に、弓の名手であり、薬草の知識も豊富で、エルフの模範のような存在だった。
「リーナ。
別にいいじゃないか、僕の自由だろ」
「自由、自由って…あなたはエルフとしての自覚が足りないわ。
森の掟は、私たちを守るためにあるのよ。
人間の都なんて、危険で、不確かなものばかりよ」
リーナは心配そうに言う。
彼女はフィンのことを気にかけているのだ。
変わり者だと揶揄されるフィンを、いつも庇ってくれる優しい幼馴染。
「分かってるよ。
でも、知らない世界を知りたいと思うのは、そんなに悪いことかな?」
「…悪くはないけれど。
あなたはもっと、エルフとしての役割を考えるべきよ。
弓の腕も、採取の知識も、いつかきっと役に立つ時が来るわ」
「役に立つ時ねぇ…」
フィンは曖昧に頷いたが、心の中では反発していた。
(僕には、僕にしかできないことがあるはずだ)
フィンは、弓や採取は苦手だったが、他のエルフにはない才能を持っていた。
それは、人一倍強い好奇心と、飽くなき探求心だ。
彼は、森の誰も足を踏み入れないような奥深くを探検するのが好きだった。
古い遺跡を見つけたり、珍しい生き物を観察したり、誰も知らない秘密の抜け道を発見したり。
そんな時、フィンの瞳は生き生きと輝く。
教科書的な知識よりも、自分の目で見て、手で触れて、確かめること。
それが、フィンの学び方だった。
ある日の午後、フィンはいつものように森の奥深くへと足を踏み入れていた。
長老たちからは「危険だから近づくな」と固く禁じられている、古代遺跡の近くまで来てしまった。
苔むした石柱が立ち並び、崩れかけた祭壇のようなものが残っている。
かつて、ここにどんな文明があったのか、フィンは興味津々だった。
壁に残る古代文字のような模様を指でなぞっていると、ふと、森の空気が変わったことに気づいた。
いつもは穏やかな風が、妙にざわついている。
小鳥たちのさえずりも聞こえない。
代わりに、どこか不気味な静寂が森を支配していた。
(なんだ…?この感じは…)
フィンは、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
その時、遠くで獣の咆哮のような、しかしそれとは明らかに違う、禍々しい雄叫びが聞こえた。
それは、フィンがこれまでの人生で一度も聞いたことのない、恐ろしい響きだった。
同時に、森の木々が大きく揺れ、地面がわずかに振動したような気がした。
(まさか…)
フィンの脳裏に、古老たちが語る古い伝承が蘇った。
「闇の時代、魔族が森を侵略しようとした…」
そんな話は、遠い昔のおとぎ話だと思っていた。
しかし、今のこの不穏な空気と、不気味な雄叫びは…。
フィンは急いで遺跡を離れ、集落へと向かって走り出した。
胸騒ぎが止まらない。
何か、とてつもなく大きな、そして恐ろしい変化が、この翠玉の森に起ころうとしている。
そんな予感が、フィンの心を強く捉えていた。
エルフの掟にうんざりし、人間の都に憧れていた少年。
弓も採取も苦手な、森の異端児。
だが、彼の持つ人一倍の好奇心と探求心が、今、まさに試されようとしていた。
まだ誰も知らない脅威が、静かに森に迫っている。
フィンは、走りながら強く思った。
(僕が、この森で何ができるだろうか…? いや、何かをしなければならない)
彼の翠色の瞳に、これまでとは違う、強い光が宿り始めていた。
それは、エルフとしての使命感とは少し違う、未知への挑戦に対する、彼自身の内なる声だったのかもしれない。
翠玉の森に、変革の風が吹こうとしていた。
そしてその風の中心に、変わり者のエルフ、フィンが立とうとしていることを、まだ誰も知らなかった。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……
※こちらの作品はカクヨムにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる