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第一話:偽りの夜会
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月の光が、磨き上げられた大理石の床を青白く照らし出していた。きらびやかなシャンデリアが天井からいくつも吊り下げられ、その光は招待された貴族たちの宝石やドレスに反射して、無数の星屑のように煌めいている。
ここは、王都でも一、二を争う権勢を誇る、グランヴェル伯爵家の夜会。そして今宵の主役は、この私、アデリナ・グランヴェルだった。
「アデリナ、本当に美しいよ。まるで夜空に咲いた月下香のようだ」
私の隣で、完璧な微笑みを浮かべてそう囁いたのは、婚約者であるアルフォンス・ド・ヴァリエール公爵。
艶のある金の髪に、空の色を閉じ込めたような青い瞳。彫刻のように整った顔立ちは、この国のどんな令嬢も夢中にさせる。
彼との婚約は、二ヶ月前に決まった。王家に連なる血を引くヴァリエール公爵家と、豊かな領地を持つグランヴェル伯爵家の結びつきは、互いの家にとって大きな利益となる政略結婚だ。
けれど、私はこの婚約を心から喜んでいた。アルフォンス様は、優しくて、博識で、いつだって私をレディとして完璧に扱ってくれる。少女の頃から夢見ていた、物語の中の王子様そのものだったから。
「お言葉、光栄ですわ、アルフォンス様」
私は頬を染め、精一杯の淑女の笑みを返す。胸を締め付けるコルセットは少し苦しいけれど、それ以上に、彼の隣に立てる幸福感で満たされていた。
「少し、飲み物を取ってくるよ。ここで待っていてくれるかい?」
「はい、もちろんですわ」
アルフォンス様が優雅な仕草で人混みの中へと消えていく。その背中を見送りながら、私は小さく息をついた。幸福なはずなのに、胸のどこかに小さな棘が刺さったような、ちくりとした痛みが時々顔を出す。
(我儘を言ったら駄目よ、アデリナ。あなたはもうすぐ公爵夫人になるのだから)
自分にそう言い聞かせた時だった。
「……アデリナ」
不意に、すぐ近くで懐かしい声がした。振り返ると、そこにいたのは幼馴染のレオンだった。
「レオン!来てくれたのね!」
思わず声が弾む。
レオンは、我がグランヴェル家に仕える騎士の息子で、私とは生まれた時からずっと一緒だった。無骨な黒髪に、真面目そうな黒い瞳。アルフォンス様のような華やかさはないけれど、彼と一緒にいると、心が安らぐのを私は知っている。
今日の彼は、騎士見習いの制服ではなく、少し窮屈そうな礼服に身を包んでいた。
「招待ありがとう。……そのドレス、すごく似合ってる」
レオンは少し照れくさそうに、視線を彷徨わせながら言った。
「ありがとう。レオンこそ、その服も素敵よ。いつもと違うから、びっくりしたわ」
「そうか?なんだか、借り物のみたいで落ち着かないよ」
そう言って彼は自分の肩をすくめる。その仕草が昔と少しも変わっていなくて、私は思わず笑ってしまった。
「そんなことないわ。立派な騎士様に見えるもの」
「まだ見習いだって、知ってるくせに」
軽口を叩き合いながら、私たちは笑い合う。貴族たちが交わす上辺だけの会話とは違う、気楽な時間。アルフォンス様といる時の緊張が、ふっと解けていくのが分かった。
けれど、レオンの瞳の奥に、一瞬だけ寂しそうな色がよぎったのを、私は見逃さなかった。
「……公爵様とは、上手くいってるのか?」
「ええ、もちろんよ。とても、優しい方だわ」
私が答えると、レオンは「そうか」とだけ呟いて、口を閉ざしてしまった。何か言いたげな、でも、言えない。そんな彼の葛藤が、痛いほど伝わってくる。
レオンは昔から、私のことを大切にしてくれた。木登りをして落ちた時も、父に叱られて泣いていた時も、いつも一番に駆けつけてくれるのは彼だった。
(私の、気持ち……知っているくseに)
レオンが私に寄せている淡い想いに、私はずっと前から気づいていた。そして、私自身も、この安らぎを、友情以上のものだと感じてしまいそうになる時があったことを、否定はできない。
でも、私たちはあまりにも違いすぎた。伯爵令嬢と、騎士見習い。決して、結ばれることのない身分。だから、私はその気持ちに蓋をして、王子様との結婚という夢を選んだのだ。
気まずい沈黙が、私たちの間に流れる。
その沈黙を破ったのは、遠くで起こった小さな喧騒だった。何人かの令嬢たちが、きゃあ、と黄色い悲鳴を上げている。
視線の先を追うと、テラスへと続く扉の近くに、アルフォンス様の姿があった。彼は、グラスを二つ持っている。一つは、私のためのものだろう。
(もう一つは……誰のかしら?)
そう思った瞬間、アルフォンス様の隣に、一人の女性がすっと寄り添った。
息を飲むほど美しい人だった。夜の闇を溶かしたような漆黒の髪。血のように赤いドレスが、彼女の白い肌を一層際立たせている。その蠱惑的な微笑みは、ここにいるどの令嬢よりも、成熟した大人の色香を放っていた。
アルフォンス様は、ごく自然な仕草で、その女性にグラスを一つ手渡す。そして、周りには聞こえないような小さな声で、何かを囁いた。
女性はくすくすと笑いながら、アルフォンス様の胸に、そっと指を這わせる。
それは、ただの知人に対する態度ではなかった。もっと、ずっと親密で、慣れ親しんだ者同士の空気。
私の心臓が、どくん、と大きく音を立てた。
(あの人は、誰……?)
全身の血が、さあっと引いていくのが分かる。指先が冷たい。楽しいはずの音楽が、急に遠くに聞こえる。
「アデリナ?どうしたんだ、顔色が悪いぞ」
レオンが心配そうに私の顔を覗き込む。
「う、ううん。なんでもないの。少し、人が多いから疲れただけ……」
嘘だった。
私の視線は、アルフォンス様と謎の女性に釘付けになっていた。二人は周りの喧騒など気にも留めず、親密な会話を続けている。そして、次の瞬間、信じられない光景が私の目に飛び込んできた。
アルフォンス様が、その女性の腰に、ごく自然に手を回したのだ。
まるで、それが当たり前のことであるかのように。
ざわついていた心が、氷水を浴びせられたように一瞬で静かになり、そして、次の瞬間には激しい炎が燃え上がった。
(婚約者である私が、ここにいるのに……!)
嫉妬、という醜い感情が、初めて私の中で形になった。
「……少し、風にあたってくるわ」
私はレオンにそう告げるのが精一杯だった。彼の返事も待たずに、私はその場に背を向け、テラスとは反対側の、誰もいない廊下へと逃げるように歩き出した。
華やかな夜会の喧騒が、急速に遠ざかっていく。
私の頭の中は、先ほどの光景でいっぱいだった。
(見間違いよ、きっと。アルフォンス様が、そんなことをするはずがない)
そう思おうとしても、あの光景がまぶたの裏に焼き付いて離れない。完璧だと思っていた王子様の、見たことのない一面。
いや、あれが、彼の本当の姿なのだろうか。
冷たい廊下の壁に手をつき、私は荒い息を整えようとした。涙が滲んで、視界が歪む。
その時だった。
「あら、ごきげんよう、グランヴェル嬢」
背後から、鈴を転がすような、しかしどこか棘のある声が聞こえた。
振り返ると、そこに立っていたのは、先ほどの赤いドレスの女性だった。いつの間に、アルフォンス様の隣から離れたのだろう。
彼女は優雅に微笑んでいる。その美しい顔に浮かぶ表情は、まるで私の混乱をすべて見透かしているかのようだった。
「あなたは……?」
「イザベラと申します。どうか、お見知りおきを」
イザベラと名乗った女性は、完璧な淑女の礼をしてみせる。しかし、その瞳は笑っていなかった。むしろ、獲物を見つけた肉食獣のように、鋭く私を射抜いている。
「先ほどは、私のアルフォンス様と、随分と仲睦まじくお話されていましたわね、未来の公爵夫人さま?」
イザベラは挑発するように、最後の言葉をことさらに強調した。
私の、アルフォンス様?その言葉が持つ、不快な響きに、私は全身の血が逆流するような感覚を覚えた。
「……何を、おっしゃっているのですか。アルフォンス様は、私の婚約者ですわ」
かろうじて絞り出した声は、自分でも分かるほど震えていた。その震えを面白がるように、イザベラは美しい唇を三日月の形に歪める。
「ええ、もちろん知っていますわ。アルフォンス様は、あなたの『婚約者』。そして、私の『愛しい方』」
イザベラは一歩、私に近づく。そして、耳元で囁くように、こう続けた。
「……ああ、なんて面白い関係なんでしょうね?純粋で、何も知らないお嬢様」
彼女の言葉は、鋭いナイフとなって、私の胸に突き刺さった。
夢見ていた甘い恋物語は、音を立てて崩れ落ちていく。
ここは、華やかで残酷な、偽りの夜会。
ここは、王都でも一、二を争う権勢を誇る、グランヴェル伯爵家の夜会。そして今宵の主役は、この私、アデリナ・グランヴェルだった。
「アデリナ、本当に美しいよ。まるで夜空に咲いた月下香のようだ」
私の隣で、完璧な微笑みを浮かべてそう囁いたのは、婚約者であるアルフォンス・ド・ヴァリエール公爵。
艶のある金の髪に、空の色を閉じ込めたような青い瞳。彫刻のように整った顔立ちは、この国のどんな令嬢も夢中にさせる。
彼との婚約は、二ヶ月前に決まった。王家に連なる血を引くヴァリエール公爵家と、豊かな領地を持つグランヴェル伯爵家の結びつきは、互いの家にとって大きな利益となる政略結婚だ。
けれど、私はこの婚約を心から喜んでいた。アルフォンス様は、優しくて、博識で、いつだって私をレディとして完璧に扱ってくれる。少女の頃から夢見ていた、物語の中の王子様そのものだったから。
「お言葉、光栄ですわ、アルフォンス様」
私は頬を染め、精一杯の淑女の笑みを返す。胸を締め付けるコルセットは少し苦しいけれど、それ以上に、彼の隣に立てる幸福感で満たされていた。
「少し、飲み物を取ってくるよ。ここで待っていてくれるかい?」
「はい、もちろんですわ」
アルフォンス様が優雅な仕草で人混みの中へと消えていく。その背中を見送りながら、私は小さく息をついた。幸福なはずなのに、胸のどこかに小さな棘が刺さったような、ちくりとした痛みが時々顔を出す。
(我儘を言ったら駄目よ、アデリナ。あなたはもうすぐ公爵夫人になるのだから)
自分にそう言い聞かせた時だった。
「……アデリナ」
不意に、すぐ近くで懐かしい声がした。振り返ると、そこにいたのは幼馴染のレオンだった。
「レオン!来てくれたのね!」
思わず声が弾む。
レオンは、我がグランヴェル家に仕える騎士の息子で、私とは生まれた時からずっと一緒だった。無骨な黒髪に、真面目そうな黒い瞳。アルフォンス様のような華やかさはないけれど、彼と一緒にいると、心が安らぐのを私は知っている。
今日の彼は、騎士見習いの制服ではなく、少し窮屈そうな礼服に身を包んでいた。
「招待ありがとう。……そのドレス、すごく似合ってる」
レオンは少し照れくさそうに、視線を彷徨わせながら言った。
「ありがとう。レオンこそ、その服も素敵よ。いつもと違うから、びっくりしたわ」
「そうか?なんだか、借り物のみたいで落ち着かないよ」
そう言って彼は自分の肩をすくめる。その仕草が昔と少しも変わっていなくて、私は思わず笑ってしまった。
「そんなことないわ。立派な騎士様に見えるもの」
「まだ見習いだって、知ってるくせに」
軽口を叩き合いながら、私たちは笑い合う。貴族たちが交わす上辺だけの会話とは違う、気楽な時間。アルフォンス様といる時の緊張が、ふっと解けていくのが分かった。
けれど、レオンの瞳の奥に、一瞬だけ寂しそうな色がよぎったのを、私は見逃さなかった。
「……公爵様とは、上手くいってるのか?」
「ええ、もちろんよ。とても、優しい方だわ」
私が答えると、レオンは「そうか」とだけ呟いて、口を閉ざしてしまった。何か言いたげな、でも、言えない。そんな彼の葛藤が、痛いほど伝わってくる。
レオンは昔から、私のことを大切にしてくれた。木登りをして落ちた時も、父に叱られて泣いていた時も、いつも一番に駆けつけてくれるのは彼だった。
(私の、気持ち……知っているくseに)
レオンが私に寄せている淡い想いに、私はずっと前から気づいていた。そして、私自身も、この安らぎを、友情以上のものだと感じてしまいそうになる時があったことを、否定はできない。
でも、私たちはあまりにも違いすぎた。伯爵令嬢と、騎士見習い。決して、結ばれることのない身分。だから、私はその気持ちに蓋をして、王子様との結婚という夢を選んだのだ。
気まずい沈黙が、私たちの間に流れる。
その沈黙を破ったのは、遠くで起こった小さな喧騒だった。何人かの令嬢たちが、きゃあ、と黄色い悲鳴を上げている。
視線の先を追うと、テラスへと続く扉の近くに、アルフォンス様の姿があった。彼は、グラスを二つ持っている。一つは、私のためのものだろう。
(もう一つは……誰のかしら?)
そう思った瞬間、アルフォンス様の隣に、一人の女性がすっと寄り添った。
息を飲むほど美しい人だった。夜の闇を溶かしたような漆黒の髪。血のように赤いドレスが、彼女の白い肌を一層際立たせている。その蠱惑的な微笑みは、ここにいるどの令嬢よりも、成熟した大人の色香を放っていた。
アルフォンス様は、ごく自然な仕草で、その女性にグラスを一つ手渡す。そして、周りには聞こえないような小さな声で、何かを囁いた。
女性はくすくすと笑いながら、アルフォンス様の胸に、そっと指を這わせる。
それは、ただの知人に対する態度ではなかった。もっと、ずっと親密で、慣れ親しんだ者同士の空気。
私の心臓が、どくん、と大きく音を立てた。
(あの人は、誰……?)
全身の血が、さあっと引いていくのが分かる。指先が冷たい。楽しいはずの音楽が、急に遠くに聞こえる。
「アデリナ?どうしたんだ、顔色が悪いぞ」
レオンが心配そうに私の顔を覗き込む。
「う、ううん。なんでもないの。少し、人が多いから疲れただけ……」
嘘だった。
私の視線は、アルフォンス様と謎の女性に釘付けになっていた。二人は周りの喧騒など気にも留めず、親密な会話を続けている。そして、次の瞬間、信じられない光景が私の目に飛び込んできた。
アルフォンス様が、その女性の腰に、ごく自然に手を回したのだ。
まるで、それが当たり前のことであるかのように。
ざわついていた心が、氷水を浴びせられたように一瞬で静かになり、そして、次の瞬間には激しい炎が燃え上がった。
(婚約者である私が、ここにいるのに……!)
嫉妬、という醜い感情が、初めて私の中で形になった。
「……少し、風にあたってくるわ」
私はレオンにそう告げるのが精一杯だった。彼の返事も待たずに、私はその場に背を向け、テラスとは反対側の、誰もいない廊下へと逃げるように歩き出した。
華やかな夜会の喧騒が、急速に遠ざかっていく。
私の頭の中は、先ほどの光景でいっぱいだった。
(見間違いよ、きっと。アルフォンス様が、そんなことをするはずがない)
そう思おうとしても、あの光景がまぶたの裏に焼き付いて離れない。完璧だと思っていた王子様の、見たことのない一面。
いや、あれが、彼の本当の姿なのだろうか。
冷たい廊下の壁に手をつき、私は荒い息を整えようとした。涙が滲んで、視界が歪む。
その時だった。
「あら、ごきげんよう、グランヴェル嬢」
背後から、鈴を転がすような、しかしどこか棘のある声が聞こえた。
振り返ると、そこに立っていたのは、先ほどの赤いドレスの女性だった。いつの間に、アルフォンス様の隣から離れたのだろう。
彼女は優雅に微笑んでいる。その美しい顔に浮かぶ表情は、まるで私の混乱をすべて見透かしているかのようだった。
「あなたは……?」
「イザベラと申します。どうか、お見知りおきを」
イザベラと名乗った女性は、完璧な淑女の礼をしてみせる。しかし、その瞳は笑っていなかった。むしろ、獲物を見つけた肉食獣のように、鋭く私を射抜いている。
「先ほどは、私のアルフォンス様と、随分と仲睦まじくお話されていましたわね、未来の公爵夫人さま?」
イザベラは挑発するように、最後の言葉をことさらに強調した。
私の、アルフォンス様?その言葉が持つ、不快な響きに、私は全身の血が逆流するような感覚を覚えた。
「……何を、おっしゃっているのですか。アルフォンス様は、私の婚約者ですわ」
かろうじて絞り出した声は、自分でも分かるほど震えていた。その震えを面白がるように、イザベラは美しい唇を三日月の形に歪める。
「ええ、もちろん知っていますわ。アルフォンス様は、あなたの『婚約者』。そして、私の『愛しい方』」
イザベラは一歩、私に近づく。そして、耳元で囁くように、こう続けた。
「……ああ、なんて面白い関係なんでしょうね?純粋で、何も知らないお嬢様」
彼女の言葉は、鋭いナイフとなって、私の胸に突き刺さった。
夢見ていた甘い恋物語は、音を立てて崩れ落ちていく。
ここは、華やかで残酷な、偽りの夜会。
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