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第2話:始まりの街と赤狼の牙
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ヴァイスハルト侯爵家を追放されてから数日。
アリアンナは愛馬の月影を駆り、王都から東へ数日の距離にある宿場町「赤レンガの街バルム」に到着していた。
名前の通り、赤茶けたレンガ造りの建物が多く、活気はあるものの、王都の洗練された雰囲気とは程遠い、どこか埃っぽい街だった。
「ふぅ、やっと着いたわね」
アリアンナは額の汗を手の甲で拭い、月影の首筋を優しく撫でた。
追放の身である以上、「アリアンナ・フォン・ヴァイスハルト」の名は使えない。
彼女は今、「アリア」と名乗っていた。
銀色の髪はフードで隠し、貴族令嬢らしい高価な装飾品は全て外している。
それでも、育ちの良さからくる気品は隠しきれず、時折、物珍しそうな視線を感じることもあった。
まずは宿を探さなければならない。
手持ちの金貨は、そう多くはない。
節約しながら、今後の活動資金を稼ぐ方法も見つけなければ。
「(あんな奴らのために、私がいつまでも惨めな思いをしているとでも思ったら大間違いよ)」
アリアンナは唇をきつく結び、改めて復讐の決意を固める。
エドワードとリリア。
二人の顔を思い浮かべるたびに、胸の奥で黒い炎が燃え上がるのを感じた。
手頃な宿を見つけ、月影を厩舎に預けると、アリアンナは早速街の情報収集を始めた。
こういう場所で一番手っ取り早く情報を得るなら、やはり酒場だろう。
日が暮れるのを待ち、アリアンナは街で一番賑わっていると思われる酒場に足を踏み入れた。
「おや、嬢ちゃん、一人かい?
可愛い顔してるねぇ」
薄暗い店内は、むっとするような熱気と酒の匂い、そして男たちの野卑な笑い声で満ちていた。
カウンターに座るなり、隣の席から早速、酔った男が声をかけてきた。
アリアンナは男を一瞥もせず、バーテンダーにエールを注文する。
「何か、美味しい情報でもないかしら?
例えば、この街で一番羽振りのいい仕事とか、面白い噂話とか」
アリアンナは銀貨を一枚、カウンターに滑らせた。
バーテンダーは無言で銀貨を受け取ると、低い声で答える。
「羽振りのいい仕事ねぇ…。
そりゃあ、ギルドに登録してる傭兵か、あとは『赤狼の牙』の連中くらいのもんだろうな」
「赤狼の牙?」
聞き慣れない名前に、アリアンナは首を傾げる。
「ああ。
この辺りじゃちょっと名の知れた盗賊団さ。
もっとも、奴らは自分たちのことを『義賊』だなんて言ってるらしいがな。
関わらない方が身のためだぜ、嬢ちゃん」
バーテンダーはそれだけ言うと、他の客の注文を取りに行ってしまった。
盗賊団…。
確かに危険な響きだが、アリアンナの心に妙な興味が湧いた。
彼らなら、貴族社会の裏事情にも詳しいかもしれない。
「(利用できるものは、何でも利用するわ)」
その夜、アリアンナは宿の一室で、今後の計画を練っていた。
まずは資金稼ぎ。
そして、エドワードとリリアに最も効果的なダメージを与える方法を探る。
そのためには、もっと情報が必要だ。
できれば、王都の上流階級に食い込めるような足がかりが欲しい。
「私の特技…剣術、乗馬、そして貴族としての教養。
これを活かせるところ…」
考え込んでいると、不意に部屋の扉が乱暴に叩かれた。
「おい!
いるのは分かってんだぞ、昼間の女!」
下品な男の声。
酒場でアリアンナに絡んできた男の一人だ。
どうやら、宿までつけてきたらしい。
「(面倒なことになったわね)」
アリアンナはため息をつき、腰に差していた短剣の柄を握りしめる。
扉を開けると、案の定、酔って目を血走らせた男が二人、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて立っていた。
「よぉ、嬢ちゃん。
一人で寂しい夜だろう?
俺たちが慰めてやるよ」
一人がアリアンナの腕を掴もうと手を伸ばしてくる。
その瞬間、アリアンナの体は反射的に動いていた。
掴みかかってきた男の手首を捻り上げ、鳩尾に鋭い蹴りを入れる。
「ぐっ…!」
男が苦悶の声を上げてうずくまった。
もう一人の男が驚きで動きを止めた隙に、アリアンナは懐から短剣を抜き放つ。
「な、なんだと…!
てめぇ、ただの女じゃねえな!」
「忠告しておくわ。
私に手を出したら、ただでは済まないわよ」
アリアンナの紫色の瞳が、氷のように冷たい光を放つ。
その気迫に、男は一瞬怯んだが、すぐに逆上した。
「ふざけやがって!
二人でかかれば、こんな女!」
男がナイフを抜き、襲いかかってくる。
しかし、アリアンナは冷静だった。
相手の動きを見極め、最小限の動きでナイフをかわし、短剣で男の腕を切り裂く。
「ぎゃあああっ!」
男が腕を押さえて悲鳴を上げた。
床には血が飛び散る。
「言ったでしょう?
無駄なことはやめなさいと」
アリアンナは短剣を構えたまま、冷ややかに言い放った。
その時だった。
「ほう、なかなか見事な剣捌きだな」
部屋の入り口に、いつの間にか一人の男が立っていた。
黒い革鎧を身にまとい、腰には長剣を差している。
年の頃はアリアンナとそう変わらないように見えるが、その鋭い黒い瞳は、多くの修羅場を潜り抜けてきた者のそれだった。
「あんたは…誰だ?」
床に蹲っていた男が、顔を歪めて尋ねる。
「俺か?
俺はカイン。
…まあ、通りすがりだ」
カインと名乗る男は、アリアンナを一瞥すると、興味深そうに口元を歪めた。
「その腕があれば、うちの仕事もこなせるかもしれんな。
どうだ?
少し、俺と話をしないか、お嬢さん」
カインの言葉は、アリアンナにとって予想外のものだった。
この男、何者だろうか。
しかし、その瞳の奥に宿る力強さに、アリアンナは何かを感じ取っていた。
「…いいわ。
話を聞かせてもらうわ」
アリアンナは短剣を鞘に収め、カインに向き直った。
床に転がっている男たちには目もくれない。
場所を移し、宿の談話室でカインと向かい合ったアリアンナは、彼の素性を尋ねた。
「あなた、一体何者なの?
さっきの男たちと仲間ではないようだけど」
「俺は『赤狼の牙』の端くれだ。
まあ、見ての通り、荒事専門でな」
カインはあっさりと答えた。
赤狼の牙。
酒場で聞いた盗賊団の名だ。
「盗賊団…ですって?」
アリアンナは眉をひそめた。
いくら復讐のためとはいえ、犯罪組織に与するのはためらわれる。
「人聞きの悪いことを言うな。
俺たちは、腐った貴族や悪徳商人からしか奪わねえ『義賊』だ。
…まあ、世間じゃどう言われてるか知らんがな」
カインは肩をすくめる。
「それで、私に何の用なの?
まさか、盗賊団に入れとでも言うつもり?」
「あんた次第だな。
さっきの剣の腕、見させてもらった。
なかなか筋がいい。
それに、あの状況で冷静さを失わない度胸も気に入った」
カインはアリアンナを真っ直ぐに見つめる。
その視線には、男としてのいやらしさではなく、純粋な評価の色があった。
「俺たちの仕事は、危険も伴うが、報酬はいい。
それに、表沙汰にできないような情報も手に入る。
あんた、何かを探してるんじゃないのか?
その目、何か強い目的を持ってる奴の目だ」
カインの言葉に、アリアンナは息をのんだ。
この男、見かけによらず鋭い。
「…もし、私があなたたちの仲間になったとして、私にどんなメリットがあるの?」
アリアンナは探るように尋ねる。
「金、情報、そして腕を磨く機会。
それにあんたが望むなら、王都のクソ貴族どもに一泡吹かせる手伝いくらいはできるかもしれんぜ?」
カインの最後の言葉は、アリアンナの心を強く揺さぶった。
王都の貴族に一泡吹かせる。
それは、まさにアリアンナが望んでいることだった。
「(この男…信用できるかどうかは分からない。でも、このまま一人でいても埒が明かないのも事実…)」
アリアンナは逡巡した。
しかし、時間は限られている。
エドワードとリリアは、今頃のうのうと自分を嘲笑っているのだろう。
それを思うと、一刻も早く力をつけ、彼らの鼻を明かしてやりたかった。
「…いいわ。
あなたたちの話、もう少し詳しく聞かせてもらうわ。
ただし、私はただの使い捨ての駒になるつもりはない。
私の目的を果たすために、あなたたちを利用させてもらうわ」
アリアンナは強い眼差しでカインを見据えた。
その言葉に、カインはニヤリと笑みを深める。
「面白い女だ。
気に入ったぜ、アリア。
交渉成立だ。
歓迎するぜ、『赤狼の牙』へ」
こうして、アリアンナは思いがけず、盗賊団『赤狼の牙』と接点を持つことになった。
それが吉と出るか凶と出るか、まだ誰にも分からない。
アリアンナは愛馬の月影を駆り、王都から東へ数日の距離にある宿場町「赤レンガの街バルム」に到着していた。
名前の通り、赤茶けたレンガ造りの建物が多く、活気はあるものの、王都の洗練された雰囲気とは程遠い、どこか埃っぽい街だった。
「ふぅ、やっと着いたわね」
アリアンナは額の汗を手の甲で拭い、月影の首筋を優しく撫でた。
追放の身である以上、「アリアンナ・フォン・ヴァイスハルト」の名は使えない。
彼女は今、「アリア」と名乗っていた。
銀色の髪はフードで隠し、貴族令嬢らしい高価な装飾品は全て外している。
それでも、育ちの良さからくる気品は隠しきれず、時折、物珍しそうな視線を感じることもあった。
まずは宿を探さなければならない。
手持ちの金貨は、そう多くはない。
節約しながら、今後の活動資金を稼ぐ方法も見つけなければ。
「(あんな奴らのために、私がいつまでも惨めな思いをしているとでも思ったら大間違いよ)」
アリアンナは唇をきつく結び、改めて復讐の決意を固める。
エドワードとリリア。
二人の顔を思い浮かべるたびに、胸の奥で黒い炎が燃え上がるのを感じた。
手頃な宿を見つけ、月影を厩舎に預けると、アリアンナは早速街の情報収集を始めた。
こういう場所で一番手っ取り早く情報を得るなら、やはり酒場だろう。
日が暮れるのを待ち、アリアンナは街で一番賑わっていると思われる酒場に足を踏み入れた。
「おや、嬢ちゃん、一人かい?
可愛い顔してるねぇ」
薄暗い店内は、むっとするような熱気と酒の匂い、そして男たちの野卑な笑い声で満ちていた。
カウンターに座るなり、隣の席から早速、酔った男が声をかけてきた。
アリアンナは男を一瞥もせず、バーテンダーにエールを注文する。
「何か、美味しい情報でもないかしら?
例えば、この街で一番羽振りのいい仕事とか、面白い噂話とか」
アリアンナは銀貨を一枚、カウンターに滑らせた。
バーテンダーは無言で銀貨を受け取ると、低い声で答える。
「羽振りのいい仕事ねぇ…。
そりゃあ、ギルドに登録してる傭兵か、あとは『赤狼の牙』の連中くらいのもんだろうな」
「赤狼の牙?」
聞き慣れない名前に、アリアンナは首を傾げる。
「ああ。
この辺りじゃちょっと名の知れた盗賊団さ。
もっとも、奴らは自分たちのことを『義賊』だなんて言ってるらしいがな。
関わらない方が身のためだぜ、嬢ちゃん」
バーテンダーはそれだけ言うと、他の客の注文を取りに行ってしまった。
盗賊団…。
確かに危険な響きだが、アリアンナの心に妙な興味が湧いた。
彼らなら、貴族社会の裏事情にも詳しいかもしれない。
「(利用できるものは、何でも利用するわ)」
その夜、アリアンナは宿の一室で、今後の計画を練っていた。
まずは資金稼ぎ。
そして、エドワードとリリアに最も効果的なダメージを与える方法を探る。
そのためには、もっと情報が必要だ。
できれば、王都の上流階級に食い込めるような足がかりが欲しい。
「私の特技…剣術、乗馬、そして貴族としての教養。
これを活かせるところ…」
考え込んでいると、不意に部屋の扉が乱暴に叩かれた。
「おい!
いるのは分かってんだぞ、昼間の女!」
下品な男の声。
酒場でアリアンナに絡んできた男の一人だ。
どうやら、宿までつけてきたらしい。
「(面倒なことになったわね)」
アリアンナはため息をつき、腰に差していた短剣の柄を握りしめる。
扉を開けると、案の定、酔って目を血走らせた男が二人、ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて立っていた。
「よぉ、嬢ちゃん。
一人で寂しい夜だろう?
俺たちが慰めてやるよ」
一人がアリアンナの腕を掴もうと手を伸ばしてくる。
その瞬間、アリアンナの体は反射的に動いていた。
掴みかかってきた男の手首を捻り上げ、鳩尾に鋭い蹴りを入れる。
「ぐっ…!」
男が苦悶の声を上げてうずくまった。
もう一人の男が驚きで動きを止めた隙に、アリアンナは懐から短剣を抜き放つ。
「な、なんだと…!
てめぇ、ただの女じゃねえな!」
「忠告しておくわ。
私に手を出したら、ただでは済まないわよ」
アリアンナの紫色の瞳が、氷のように冷たい光を放つ。
その気迫に、男は一瞬怯んだが、すぐに逆上した。
「ふざけやがって!
二人でかかれば、こんな女!」
男がナイフを抜き、襲いかかってくる。
しかし、アリアンナは冷静だった。
相手の動きを見極め、最小限の動きでナイフをかわし、短剣で男の腕を切り裂く。
「ぎゃあああっ!」
男が腕を押さえて悲鳴を上げた。
床には血が飛び散る。
「言ったでしょう?
無駄なことはやめなさいと」
アリアンナは短剣を構えたまま、冷ややかに言い放った。
その時だった。
「ほう、なかなか見事な剣捌きだな」
部屋の入り口に、いつの間にか一人の男が立っていた。
黒い革鎧を身にまとい、腰には長剣を差している。
年の頃はアリアンナとそう変わらないように見えるが、その鋭い黒い瞳は、多くの修羅場を潜り抜けてきた者のそれだった。
「あんたは…誰だ?」
床に蹲っていた男が、顔を歪めて尋ねる。
「俺か?
俺はカイン。
…まあ、通りすがりだ」
カインと名乗る男は、アリアンナを一瞥すると、興味深そうに口元を歪めた。
「その腕があれば、うちの仕事もこなせるかもしれんな。
どうだ?
少し、俺と話をしないか、お嬢さん」
カインの言葉は、アリアンナにとって予想外のものだった。
この男、何者だろうか。
しかし、その瞳の奥に宿る力強さに、アリアンナは何かを感じ取っていた。
「…いいわ。
話を聞かせてもらうわ」
アリアンナは短剣を鞘に収め、カインに向き直った。
床に転がっている男たちには目もくれない。
場所を移し、宿の談話室でカインと向かい合ったアリアンナは、彼の素性を尋ねた。
「あなた、一体何者なの?
さっきの男たちと仲間ではないようだけど」
「俺は『赤狼の牙』の端くれだ。
まあ、見ての通り、荒事専門でな」
カインはあっさりと答えた。
赤狼の牙。
酒場で聞いた盗賊団の名だ。
「盗賊団…ですって?」
アリアンナは眉をひそめた。
いくら復讐のためとはいえ、犯罪組織に与するのはためらわれる。
「人聞きの悪いことを言うな。
俺たちは、腐った貴族や悪徳商人からしか奪わねえ『義賊』だ。
…まあ、世間じゃどう言われてるか知らんがな」
カインは肩をすくめる。
「それで、私に何の用なの?
まさか、盗賊団に入れとでも言うつもり?」
「あんた次第だな。
さっきの剣の腕、見させてもらった。
なかなか筋がいい。
それに、あの状況で冷静さを失わない度胸も気に入った」
カインはアリアンナを真っ直ぐに見つめる。
その視線には、男としてのいやらしさではなく、純粋な評価の色があった。
「俺たちの仕事は、危険も伴うが、報酬はいい。
それに、表沙汰にできないような情報も手に入る。
あんた、何かを探してるんじゃないのか?
その目、何か強い目的を持ってる奴の目だ」
カインの言葉に、アリアンナは息をのんだ。
この男、見かけによらず鋭い。
「…もし、私があなたたちの仲間になったとして、私にどんなメリットがあるの?」
アリアンナは探るように尋ねる。
「金、情報、そして腕を磨く機会。
それにあんたが望むなら、王都のクソ貴族どもに一泡吹かせる手伝いくらいはできるかもしれんぜ?」
カインの最後の言葉は、アリアンナの心を強く揺さぶった。
王都の貴族に一泡吹かせる。
それは、まさにアリアンナが望んでいることだった。
「(この男…信用できるかどうかは分からない。でも、このまま一人でいても埒が明かないのも事実…)」
アリアンナは逡巡した。
しかし、時間は限られている。
エドワードとリリアは、今頃のうのうと自分を嘲笑っているのだろう。
それを思うと、一刻も早く力をつけ、彼らの鼻を明かしてやりたかった。
「…いいわ。
あなたたちの話、もう少し詳しく聞かせてもらうわ。
ただし、私はただの使い捨ての駒になるつもりはない。
私の目的を果たすために、あなたたちを利用させてもらうわ」
アリアンナは強い眼差しでカインを見据えた。
その言葉に、カインはニヤリと笑みを深める。
「面白い女だ。
気に入ったぜ、アリア。
交渉成立だ。
歓迎するぜ、『赤狼の牙』へ」
こうして、アリアンナは思いがけず、盗賊団『赤狼の牙』と接点を持つことになった。
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2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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