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第14話:孤独な狼、夜明けへの逃走
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強烈な閃光と黒煙が銀行の金庫室を覆い尽くした。
アリアンナがエルマから託された最後の切り札。
それは、ほんのわずかな時間稼ぎにしかならないかもしれないが、仲間たちを生かすための唯一の希望だった。
「カイン、リック!
証拠を持って、必ず…!」
アリアンナは叫び、自ら煙の中で目立つように動き、追っ手の注意を引きつける。
短剣を振るい、混乱する兵士たちの間を縫って、出口とは反対方向へと駆けた。
「アリアンナ!
馬鹿なことを…!」
カインの苦渋に満ちた声が聞こえたが、アリアンナは振り返らなかった。
今はただ、彼らが無事に脱出できることを祈るだけだ。
「小賢しい真似を…!
アリアンナを捕らえろ!
絶対に逃がすな!」
煙の向こうから、エドワードの怒号が響き渡る。
彼の声は、かつての甘美な響きを失い、憎悪と執着に染まっていた。
兵士たちが、煙をものともせずアリアンナに襲いかかってくる。
視界が悪い中での戦闘は、アリアンナにとっても不利だった。
しかし、彼女は怯まなかった。
「銀狼」の本能が、闇の中で敵の気配を捉える。
鋭い剣戟の音が、断続的に響く。
アリアンナはドレスの裾をさらに引き裂き、身軽になって応戦する。
壁を蹴り、柱を盾にし、時には床を転がり、敵の刃を紙一重でかわす。
その動きは、もはや洗練された舞のようでもあり、同時に獲物を狩る獣のような獰猛さも秘めていた。
だが、敵の数はあまりにも多い。
一人倒しても、すぐに新たな兵士が二人、三人と襲いかかってくる。
アリアンナの白い肌には、次々と新たな切り傷が刻まれ、夜空色のドレスは自身の血で赤黒く染まっていく。
「はあっ、はあっ…!」
息が切れ、腕が鉛のように重くなる。
視界が霞み、意識が遠のきそうになる。
(ここまで、なの…?)
朦朧とする意識の中で、エドワードの冷酷な笑顔が浮かんだ。
そして、母の優しい面影も。
(いいえ、まだ…まだ終われない…!)
アリアンナは最後の力を振り絞り、短剣を構え直した。
その時だった。
突然、銀行の別の方向から、大きな爆発音と共に新たな混乱が生じた。
それは、銀行の警備システムの一部が、何者かによって破壊された音だった。
「何事だ!?」
兵士たちが動揺する。
エドワードも、予期せぬ事態に眉をひそめた。
アリアンナは、この好機を逃さなかった。
一瞬の隙を突き、最も手薄になっていた窓へと飛び込む。
窓ガラスを突き破り、夜の王都の石畳へと転がり落ちた。
全身を打つ激しい痛みも構わず、アリアンナは立ち上がり、闇の中へと駆け出した。
「追え!
絶対に逃がすな!
あの女狐を生かして帰すな!」
エドワードの執拗な声が、背後から追いかけてくる。
アリアンナは、脇腹の深い傷を押さえながら、必死で逃げた。
カインたちとは、はぐれてしまった。
今はただ、この追跡を振り切り、安全な場所を見つけなければならない。
王都の裏通りは、迷路のように入り組んでいる。
しかし、エドワードは王都中に非常線を張り、アリアンナの行く手を阻もうとしていた。
どれほど逃げ続けたろうか。
夜明けが近づき、空が白み始めても、アリアンナは追っ手の気配から逃れることができなかった。
体力は限界に達し、傷口からの出血も酷い。
路地裏のゴミの山に倒れ込むように身を隠し、荒い息を繰り返す。
孤独と絶望感が、冷たい霧のように心を覆っていく。
「(カイン…リック…無事でいて…)」
仲間のことを思うと、胸が張り裂けそうだった。
自分のせいで、彼らを危険な目に遭わせてしまった。
そして、父が残した大切な証拠。
あれは、無事に「赤狼の牙」の元へ届けられただろうか。
ふと、胸元に手をやる。
そこには、母の肖像画が、まだ確かにあった。
その温もりが、わずかにアリアンナの心を慰める。
その時、アリアンナのすぐ近くで、複数の足音が聞こえた。
追っ手に見つかったのだ。
もはや、逃げる力も残っていない。
アリアンナは短剣を握りしめ、最後の抵抗を試みようとした。
しかし、その前に、彼女の目の前に影が落ちた。
「…アリアンナ様…でございますか…?」
聞き覚えのある、しかし弱々しい声。
アリアンナが顔を上げると、そこには、かつてヴァイスハルト侯爵家で侍女頭をしていた、老婆マーサの姿があった。
マーサは、アリアンナが幼い頃から面倒を見てくれた、母親代わりのような存在だった。
侯爵家が取り潰された後、彼女もまた王都の片隅でひっそりと暮らしていたのだ。
「マーサ…?」
アリアンナの声は、かすれてほとんど音にならなかった。
マーサは、血と泥にまみれたアリアンナの姿を見て、息をのんだ。
しかし、すぐに状況を察したのだろう。
彼女はアリアンナの手を取り、力強く言った。
「お嬢様、こちらへ!
私の家がすぐそこです。
今は何も聞かずに、早く!」
マーサは、アリアンナを追っ手の目から巧みに隠しながら、自分の小さな家へと導いた。
それは、王都の最も貧しい地区にある、古びたアパートの一室だった。
アリアンナは、マーサの助けを借りて部屋に入ると、そのまま意識を失った。
一方、カインとリックは、アリアンナの捨て身の行動と、ミラの陽動のおかげで、なんとか王都を脱出し、山中の隠れ家へとたどり着いていた。
リックは無事だったが、カインはアリアンナを助ける際に負った傷が悪化し、高熱を出していた。
それでも彼は、アリアンナから託された証拠の入った革袋を、ヴォルフにしっかりと手渡した。
「アリアンナは…アリアンナは、俺たちを逃がすために…!」
カインは、途切れ途切れの声で状況を報告すると、そのまま意識を失った。
ヴォルフは、厳しい表情でその革袋を受け取り、中身を確認した。
そこには、この国を揺るがすほどの、おぞましい真実が詰まっていた。
「…アリアンナめ、とんでもないものを持ち帰ってきおったわ…」
ヴォルフは、アリアンナの安否を気遣いながらも、この証拠をどう使うべきか、深く思いを巡らせ始めた。
数日後。
アリアンナは、マーサの献身的な看病のおかげで、ようやく意識を取り戻した。
身体中の傷はまだ痛んだが、命に別状はなかった。
「お嬢様、ご無理をなさってはなりません。
まだ安静が必要です」
マーサは、アリアンナの額の汗を優しく拭いながら言った。
「マーサ…ありがとう。
あなたがいなければ、私は…」
「いいえ、お礼など。
旦那様と奥様には、大変お世話になりました。
お嬢様をお助けするのは、当然のことです」
マーサは、アリアンナの母親のことを思い出したのか、少し目を潤ませた。
アリアンナは、マーサから、自分が眠っている間に王都で起こったことを聞いた。
エドワードは、アリアンナを取り逃がしたことに激怒し、王都中に厳戒態勢を敷き、アリアンナと「赤狼の牙」の残党狩りを執拗に続けているという。
もはや、王都にアリアンナの安全な場所はなかった。
「私は、どうすれば…」
アリアンナは、途方に暮れた。
仲間たちとはぐれ、証拠も手元にない。
あるのは、この身一つと、胸に秘めた母の肖像画だけ。
絶望が、再びアリアンナの心を覆いそうになった。
しかし、マーサの言葉が、彼女に新たな光を与えた。
「お嬢様、これを。
奥様が、もしもの時のためにと、私に託されていたものです」
マーサがアリアンナに差し出したのは、古びた鍵と、一枚の羊皮紙に書かれた地図だった。
「奥様は…アリアンナ様の母上は、ご自分の身に何かあった時のために、秘密の隠れ家と、ささやかながら財産を用意されておいででした。
そして、信頼できる協力者の名も…」
「母が…?」
アリアンナは、驚きで目を見開いた。
母が、そんな準備をしていたとは、全く知らなかった。
地図が示す場所は、王都から遠く離れた、忘れられた辺境の地。
そして、そこに記された協力者の名前は、アリアンナにとって全く予想外の人物だった。
それは、かつて父ヴァイスハルト侯爵と対立し、政界から追放されたと聞いていた、ある老賢者の名だったのだ。
「(お母様…あなたは、全てを見通していたというの…?)」
アリアンナの胸に、新たな希望の灯がともった。
まだ、戦いは終わっていない。
いや、本当の戦いは、これから始まるのかもしれない。
エドワードの非道、国家を揺るがす陰謀、そして母が遺した謎。
それら全てに立ち向かうため、アリアンナは再び立ち上がる決意をした。
「マーサ、私は行かなければなりません。
母が遺してくれた道を辿り、真実を突き止め、そして必ず…!」
アリアンナの紫色の瞳は、夜明けの空のように、強い光を取り戻していた。
孤独な狼は、傷つきながらも、再び夜明けへと向かって走り出す。
その手には、母の愛という、何よりも強い武器を握りしめて。
アリアンナがエルマから託された最後の切り札。
それは、ほんのわずかな時間稼ぎにしかならないかもしれないが、仲間たちを生かすための唯一の希望だった。
「カイン、リック!
証拠を持って、必ず…!」
アリアンナは叫び、自ら煙の中で目立つように動き、追っ手の注意を引きつける。
短剣を振るい、混乱する兵士たちの間を縫って、出口とは反対方向へと駆けた。
「アリアンナ!
馬鹿なことを…!」
カインの苦渋に満ちた声が聞こえたが、アリアンナは振り返らなかった。
今はただ、彼らが無事に脱出できることを祈るだけだ。
「小賢しい真似を…!
アリアンナを捕らえろ!
絶対に逃がすな!」
煙の向こうから、エドワードの怒号が響き渡る。
彼の声は、かつての甘美な響きを失い、憎悪と執着に染まっていた。
兵士たちが、煙をものともせずアリアンナに襲いかかってくる。
視界が悪い中での戦闘は、アリアンナにとっても不利だった。
しかし、彼女は怯まなかった。
「銀狼」の本能が、闇の中で敵の気配を捉える。
鋭い剣戟の音が、断続的に響く。
アリアンナはドレスの裾をさらに引き裂き、身軽になって応戦する。
壁を蹴り、柱を盾にし、時には床を転がり、敵の刃を紙一重でかわす。
その動きは、もはや洗練された舞のようでもあり、同時に獲物を狩る獣のような獰猛さも秘めていた。
だが、敵の数はあまりにも多い。
一人倒しても、すぐに新たな兵士が二人、三人と襲いかかってくる。
アリアンナの白い肌には、次々と新たな切り傷が刻まれ、夜空色のドレスは自身の血で赤黒く染まっていく。
「はあっ、はあっ…!」
息が切れ、腕が鉛のように重くなる。
視界が霞み、意識が遠のきそうになる。
(ここまで、なの…?)
朦朧とする意識の中で、エドワードの冷酷な笑顔が浮かんだ。
そして、母の優しい面影も。
(いいえ、まだ…まだ終われない…!)
アリアンナは最後の力を振り絞り、短剣を構え直した。
その時だった。
突然、銀行の別の方向から、大きな爆発音と共に新たな混乱が生じた。
それは、銀行の警備システムの一部が、何者かによって破壊された音だった。
「何事だ!?」
兵士たちが動揺する。
エドワードも、予期せぬ事態に眉をひそめた。
アリアンナは、この好機を逃さなかった。
一瞬の隙を突き、最も手薄になっていた窓へと飛び込む。
窓ガラスを突き破り、夜の王都の石畳へと転がり落ちた。
全身を打つ激しい痛みも構わず、アリアンナは立ち上がり、闇の中へと駆け出した。
「追え!
絶対に逃がすな!
あの女狐を生かして帰すな!」
エドワードの執拗な声が、背後から追いかけてくる。
アリアンナは、脇腹の深い傷を押さえながら、必死で逃げた。
カインたちとは、はぐれてしまった。
今はただ、この追跡を振り切り、安全な場所を見つけなければならない。
王都の裏通りは、迷路のように入り組んでいる。
しかし、エドワードは王都中に非常線を張り、アリアンナの行く手を阻もうとしていた。
どれほど逃げ続けたろうか。
夜明けが近づき、空が白み始めても、アリアンナは追っ手の気配から逃れることができなかった。
体力は限界に達し、傷口からの出血も酷い。
路地裏のゴミの山に倒れ込むように身を隠し、荒い息を繰り返す。
孤独と絶望感が、冷たい霧のように心を覆っていく。
「(カイン…リック…無事でいて…)」
仲間のことを思うと、胸が張り裂けそうだった。
自分のせいで、彼らを危険な目に遭わせてしまった。
そして、父が残した大切な証拠。
あれは、無事に「赤狼の牙」の元へ届けられただろうか。
ふと、胸元に手をやる。
そこには、母の肖像画が、まだ確かにあった。
その温もりが、わずかにアリアンナの心を慰める。
その時、アリアンナのすぐ近くで、複数の足音が聞こえた。
追っ手に見つかったのだ。
もはや、逃げる力も残っていない。
アリアンナは短剣を握りしめ、最後の抵抗を試みようとした。
しかし、その前に、彼女の目の前に影が落ちた。
「…アリアンナ様…でございますか…?」
聞き覚えのある、しかし弱々しい声。
アリアンナが顔を上げると、そこには、かつてヴァイスハルト侯爵家で侍女頭をしていた、老婆マーサの姿があった。
マーサは、アリアンナが幼い頃から面倒を見てくれた、母親代わりのような存在だった。
侯爵家が取り潰された後、彼女もまた王都の片隅でひっそりと暮らしていたのだ。
「マーサ…?」
アリアンナの声は、かすれてほとんど音にならなかった。
マーサは、血と泥にまみれたアリアンナの姿を見て、息をのんだ。
しかし、すぐに状況を察したのだろう。
彼女はアリアンナの手を取り、力強く言った。
「お嬢様、こちらへ!
私の家がすぐそこです。
今は何も聞かずに、早く!」
マーサは、アリアンナを追っ手の目から巧みに隠しながら、自分の小さな家へと導いた。
それは、王都の最も貧しい地区にある、古びたアパートの一室だった。
アリアンナは、マーサの助けを借りて部屋に入ると、そのまま意識を失った。
一方、カインとリックは、アリアンナの捨て身の行動と、ミラの陽動のおかげで、なんとか王都を脱出し、山中の隠れ家へとたどり着いていた。
リックは無事だったが、カインはアリアンナを助ける際に負った傷が悪化し、高熱を出していた。
それでも彼は、アリアンナから託された証拠の入った革袋を、ヴォルフにしっかりと手渡した。
「アリアンナは…アリアンナは、俺たちを逃がすために…!」
カインは、途切れ途切れの声で状況を報告すると、そのまま意識を失った。
ヴォルフは、厳しい表情でその革袋を受け取り、中身を確認した。
そこには、この国を揺るがすほどの、おぞましい真実が詰まっていた。
「…アリアンナめ、とんでもないものを持ち帰ってきおったわ…」
ヴォルフは、アリアンナの安否を気遣いながらも、この証拠をどう使うべきか、深く思いを巡らせ始めた。
数日後。
アリアンナは、マーサの献身的な看病のおかげで、ようやく意識を取り戻した。
身体中の傷はまだ痛んだが、命に別状はなかった。
「お嬢様、ご無理をなさってはなりません。
まだ安静が必要です」
マーサは、アリアンナの額の汗を優しく拭いながら言った。
「マーサ…ありがとう。
あなたがいなければ、私は…」
「いいえ、お礼など。
旦那様と奥様には、大変お世話になりました。
お嬢様をお助けするのは、当然のことです」
マーサは、アリアンナの母親のことを思い出したのか、少し目を潤ませた。
アリアンナは、マーサから、自分が眠っている間に王都で起こったことを聞いた。
エドワードは、アリアンナを取り逃がしたことに激怒し、王都中に厳戒態勢を敷き、アリアンナと「赤狼の牙」の残党狩りを執拗に続けているという。
もはや、王都にアリアンナの安全な場所はなかった。
「私は、どうすれば…」
アリアンナは、途方に暮れた。
仲間たちとはぐれ、証拠も手元にない。
あるのは、この身一つと、胸に秘めた母の肖像画だけ。
絶望が、再びアリアンナの心を覆いそうになった。
しかし、マーサの言葉が、彼女に新たな光を与えた。
「お嬢様、これを。
奥様が、もしもの時のためにと、私に託されていたものです」
マーサがアリアンナに差し出したのは、古びた鍵と、一枚の羊皮紙に書かれた地図だった。
「奥様は…アリアンナ様の母上は、ご自分の身に何かあった時のために、秘密の隠れ家と、ささやかながら財産を用意されておいででした。
そして、信頼できる協力者の名も…」
「母が…?」
アリアンナは、驚きで目を見開いた。
母が、そんな準備をしていたとは、全く知らなかった。
地図が示す場所は、王都から遠く離れた、忘れられた辺境の地。
そして、そこに記された協力者の名前は、アリアンナにとって全く予想外の人物だった。
それは、かつて父ヴァイスハルト侯爵と対立し、政界から追放されたと聞いていた、ある老賢者の名だったのだ。
「(お母様…あなたは、全てを見通していたというの…?)」
アリアンナの胸に、新たな希望の灯がともった。
まだ、戦いは終わっていない。
いや、本当の戦いは、これから始まるのかもしれない。
エドワードの非道、国家を揺るがす陰謀、そして母が遺した謎。
それら全てに立ち向かうため、アリアンナは再び立ち上がる決意をした。
「マーサ、私は行かなければなりません。
母が遺してくれた道を辿り、真実を突き止め、そして必ず…!」
アリアンナの紫色の瞳は、夜明けの空のように、強い光を取り戻していた。
孤独な狼は、傷つきながらも、再び夜明けへと向かって走り出す。
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
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※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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