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第13話:獅子の罠、狼の覚悟
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最高法院長官オルダス・グレイフォークの貸金庫。
そこには、彼の不正を決定づける証拠が眠っているはずだった。
「赤狼の牙」のアジトでは、ヴォルフを中心に、この前代未聞の銀行強襲作戦が慎重に練られていた。
「王都中央銀行…その地下大金庫室は、王国でも最も堅牢な場所の一つだ。
警備は24時間体制、鉄格子と複数の鋼鉄の扉、そして最新式の時限錠で守られている」
ミラが持ち帰った銀行の内部図面を広げながら説明する。
その表情は、いつになく険しい。
「エルマ様によれば、オルダス長官の貸金庫は、その中でも最も厳重なエリアにある特別金庫の一つらしいわ。
鍵は先日アリアが手に入れたものだが、それだけでは開かない。
複数の認証と、特殊な手順が必要になるはずよ」
「つまり、潜入するだけでも至難の業、ということか…」
カインが腕を組み、唸る。
しかし、アリアンナの決意は揺らがなかった。
「それでも、やるしかないわ。
あの金庫の中身こそが、オルダス長官と、そして彼と繋がるブラウンシュバイク公爵家を断罪するための最後の切り札になるかもしれないのだから」
その紫色の瞳には、危険を恐れるよりも、真実を求める強い光が宿っていた。
作戦は、銀行が完全に業務を終え、人気がなくなる深夜に決行されることになった。
潜入チームは、アリアンナ、カイン、そして鍵開けの技術が飛躍的に向上したリック。
ヴォルフとミラは、外部からの陽動と情報支援を担当する。
エルマは、貸金庫の錠前の種類を特定し、その攻略法と必要な道具をアリアンナたちに授けていた。
作戦決行前夜、アリアンナはエルマから受け取ったピックを磨きながら、静かに闘志を燃やしていた。
ふと、胸元にしまった母の肖像画に触れる。
エドワードがこれをなぜ持っていたのか、その謎はまだ解けない。
だが、今は感傷に浸っている場合ではなかった。
「どうした、眠れないのか?」
カインが、アリアンナのそばに腰を下ろした。
「少しだけ…緊張しているのかもしれないわ。
今回の相手は、あまりにも大きすぎるから」
「心配するな。
俺が必ずお前を守る。
…いや、俺たちが、だ」
カインはぶっきらぼうに言ったが、その声には確かな温かみがあった。
アリアンナは、カインの横顔を見つめ、小さく微笑んだ。
「ありがとう、カイン」
そして、運命の夜。
王都中央銀行は、巨大な石造りの建物が、月明かりの下で威圧的な影を落としていた。
ミラが仕掛けた陽動により、正面の警備兵の数がわずかに減っている。
その隙を突き、アリアンナたちは、銀行の裏手にある清掃用の通用口から侵入を試みた。
リックが、エルマから教わった最新の技術で、音もなく複数の錠前を解除していく。
銀行内部は、大理石の床が冷たく光り、静寂が支配していた。
しかし、その静寂は、張り巡らされた警備システムと、いつどこから現れるか分からない見回りの警備員の存在によって、息が詰まるような緊張感に満ちていた。
三人は、物音一つ立てずに、闇に紛れて地下の大金庫室へと向かう。
いくつもの鉄格子と分厚い鋼鉄の扉を、リックとアリアンナが連携して解除していく。
エルマの助言と、アリアンナの鋭敏な感覚、そしてリックの確かな技術が、不可能と思われた障壁を一つ、また一つと突破していった。
ついに、彼らは巨大な円形の鋼鉄の扉の前にたどり着いた。
貸金庫室の最終防衛ラインだ。
その扉には、時限式の複雑な錠前が取り付けられており、エルマでさえも「こればかりは、力と知恵、そして運が必要だ」と言っていた。
「時間がない…夜明けまでに終わらせなければ…!」
リックが焦燥感を滲ませながら、錠前に取り組む。
アリアンナもカインも、息を殺してその作業を見守る。
長い、長い時間が経過したように感じられた。
リックの額からは、滝のような汗が流れ落ちる。
そして、ついに―――。
ゴゴゴゴ…
地響きのような低い音と共に、巨大な鋼鉄の扉がゆっくりと動き始めた。
「開いた…!」
三人は顔を見合わせ、安堵の表情を浮かべる。
貸金庫室内は薄暗く、壁一面に整然と並んだ貸金庫の扉が、不気味な光を放っていた。
オルダス長官の貸金庫は、その一番奥にあった。
アリアンナが先日手に入れた鍵を差し込み、エルマに教わった手順で操作すると、重々しい金属音と共に、その扉が開いた。
金庫の中は、想像していたよりも質素だった。
いくつかの革袋に入った金貨や宝石、そして数冊の帳簿。
しかし、その帳簿の一つを手に取ったアリアンナは、息をのんだ。
そこには、オルダス長官がブラウンシュバイク公爵家だけでなく、王国内の複数の有力貴族、さらには王族の一部の名前まで記された、巨大な汚職ネットワークの全貌が克明に記されていたのだ。
アリアンナの追放劇も、そのネットワークを維持するための、ほんの一つの駒に過ぎなかったのかもしれない。
「これは…この国を根底から揺るがす証拠だわ…!」
アリアンナは、恐怖と怒りで全身が震えるのを感じた。
そして、もう一つ、金庫の奥に小さな木箱が置かれていた。
アリアンナがそれを開けると、中には一枚の手紙と、古びた懐中時計が入っていた。
手紙の差出人は、アリアンナの父親、ヴァイスハルト侯爵だった。
そして宛名は、若き日のオルダス・グレイフォーク。
そこには、父がオルダスの不正に気づき、彼を説得しようとしたこと、そしてそれが叶わぬと悟り、いつか誰かがこの真実を暴いてくれることを願って、この手紙と証拠をここに託したという内容が記されていた。
懐中時計は、父が愛用していたものだった。
「お父様…あなたは、戦おうとしていたのね…」
アリアンナの瞳から、涙が溢れそうになる。
しかし、感傷に浸っている時間はない。
全ての証拠品を革袋に詰め込み、三人は急いで貸金庫室を出ようとした。
その瞬間だった。
けたたましい警報音が、銀行全体に鳴り響いた。
同時に、銀行の全ての出入り口が、分厚いシャッターで封鎖されていくのが見えた。
「罠だ…!
最初から、俺たちは誘い込まれていたんだ!」
カインが叫ぶ。
その言葉を裏付けるかのように、金庫室の入り口に、多数の武装した兵士たちと、そして―――エドワード・フォン・ブラウンシュバイクが姿を現した。
「待っていたよ、アリアンナ。
そして、赤狼の牙の諸君。
まさか、本当にここまで辿り着くとはね。
褒めてあげたいところだが、君たちの遊びも、残念ながらここまでだ」
エドワードは、冷たい笑みを浮かべて言い放った。
その瞳には、かつての優しさの欠片もなく、ただ絶対的な権力者の傲慢さだけが浮かんでいる。
「エドワード…!
やはり、あなたの仕業だったのね!」
アリアンナは、憎しみを込めてエドワードを睨みつける。
「ああ、そうだとも。
オルダス長官の貸金庫は、君たちをおびき寄せるための、最高の餌だったからな。
まんまと食いついてくれて、感謝するよ」
エドワードが手を挙げると、兵士たちが一斉に剣や銃を構える。
アリアンナたちは、完全に包囲され、袋の鼠だった。
「おとなしく投降すれば、命だけは助けてやろう。
特に君はね、アリアンナ。
君にはまだ、聞きたいことがある」
エドワードの視線が、アリアンナの胸元に隠された母の肖像画を一瞬捉えたような気がした。
「ふざけないで!
誰があなたなんかに!」
アリアンナは短剣を構え、抵抗の意思を示す。
カインとリックも、アリアンナを守るように前に出た。
絶体絶命の状況。
しかし、アリアンナの心は、不思議と冷静だった。
父が残した手紙、そしてこの国の腐敗の証拠。
これだけは、絶対にエドワードの手に渡してはならない。
「カイン、リック、聞いて。
私が時間を稼ぐわ。
その間に、あなたたちはこの証拠を持って、必ずここから脱出して!」
アリアンナは、革袋をカインに押し付け、小さな声で囁いた。
「何を言っている、アリア!
お前を置いていけるわけがないだろう!」
カインが声を荒らげる。
「これは命令よ!
この証拠こそが、私たちの最後の希望なの!
お願いだから…行って!」
アリアンナの瞳には、悲壮な覚悟が宿っていた。
彼女は、仲間たちを生かすため、自らを犠牲にするつもりなのだ。
エドワードは、そんなアリアンナたちの様子を、面白そうに眺めている。
「感動的な友情だね。
だが、無駄な足掻きだよ。
ここから生きて出られる者は、一人もいないのだから」
エドワードが再び手を振り下ろそうとした、その瞬間。
アリアンナは、エルマから密かに渡されていた最後の切り札を使った。
それは、強烈な閃光と煙を発生させる特殊な煙玉だった。
閃光と轟音、そして視界を奪う黒煙が、金庫室全体を包み込む。
兵士たちが混乱する中、アリアンナは叫んだ。
「今よ!
行って!!」
「銀狼の復讐姫」の覚悟は、仲間たちに未来を託すという、あまりにも過酷な選択だった。
そこには、彼の不正を決定づける証拠が眠っているはずだった。
「赤狼の牙」のアジトでは、ヴォルフを中心に、この前代未聞の銀行強襲作戦が慎重に練られていた。
「王都中央銀行…その地下大金庫室は、王国でも最も堅牢な場所の一つだ。
警備は24時間体制、鉄格子と複数の鋼鉄の扉、そして最新式の時限錠で守られている」
ミラが持ち帰った銀行の内部図面を広げながら説明する。
その表情は、いつになく険しい。
「エルマ様によれば、オルダス長官の貸金庫は、その中でも最も厳重なエリアにある特別金庫の一つらしいわ。
鍵は先日アリアが手に入れたものだが、それだけでは開かない。
複数の認証と、特殊な手順が必要になるはずよ」
「つまり、潜入するだけでも至難の業、ということか…」
カインが腕を組み、唸る。
しかし、アリアンナの決意は揺らがなかった。
「それでも、やるしかないわ。
あの金庫の中身こそが、オルダス長官と、そして彼と繋がるブラウンシュバイク公爵家を断罪するための最後の切り札になるかもしれないのだから」
その紫色の瞳には、危険を恐れるよりも、真実を求める強い光が宿っていた。
作戦は、銀行が完全に業務を終え、人気がなくなる深夜に決行されることになった。
潜入チームは、アリアンナ、カイン、そして鍵開けの技術が飛躍的に向上したリック。
ヴォルフとミラは、外部からの陽動と情報支援を担当する。
エルマは、貸金庫の錠前の種類を特定し、その攻略法と必要な道具をアリアンナたちに授けていた。
作戦決行前夜、アリアンナはエルマから受け取ったピックを磨きながら、静かに闘志を燃やしていた。
ふと、胸元にしまった母の肖像画に触れる。
エドワードがこれをなぜ持っていたのか、その謎はまだ解けない。
だが、今は感傷に浸っている場合ではなかった。
「どうした、眠れないのか?」
カインが、アリアンナのそばに腰を下ろした。
「少しだけ…緊張しているのかもしれないわ。
今回の相手は、あまりにも大きすぎるから」
「心配するな。
俺が必ずお前を守る。
…いや、俺たちが、だ」
カインはぶっきらぼうに言ったが、その声には確かな温かみがあった。
アリアンナは、カインの横顔を見つめ、小さく微笑んだ。
「ありがとう、カイン」
そして、運命の夜。
王都中央銀行は、巨大な石造りの建物が、月明かりの下で威圧的な影を落としていた。
ミラが仕掛けた陽動により、正面の警備兵の数がわずかに減っている。
その隙を突き、アリアンナたちは、銀行の裏手にある清掃用の通用口から侵入を試みた。
リックが、エルマから教わった最新の技術で、音もなく複数の錠前を解除していく。
銀行内部は、大理石の床が冷たく光り、静寂が支配していた。
しかし、その静寂は、張り巡らされた警備システムと、いつどこから現れるか分からない見回りの警備員の存在によって、息が詰まるような緊張感に満ちていた。
三人は、物音一つ立てずに、闇に紛れて地下の大金庫室へと向かう。
いくつもの鉄格子と分厚い鋼鉄の扉を、リックとアリアンナが連携して解除していく。
エルマの助言と、アリアンナの鋭敏な感覚、そしてリックの確かな技術が、不可能と思われた障壁を一つ、また一つと突破していった。
ついに、彼らは巨大な円形の鋼鉄の扉の前にたどり着いた。
貸金庫室の最終防衛ラインだ。
その扉には、時限式の複雑な錠前が取り付けられており、エルマでさえも「こればかりは、力と知恵、そして運が必要だ」と言っていた。
「時間がない…夜明けまでに終わらせなければ…!」
リックが焦燥感を滲ませながら、錠前に取り組む。
アリアンナもカインも、息を殺してその作業を見守る。
長い、長い時間が経過したように感じられた。
リックの額からは、滝のような汗が流れ落ちる。
そして、ついに―――。
ゴゴゴゴ…
地響きのような低い音と共に、巨大な鋼鉄の扉がゆっくりと動き始めた。
「開いた…!」
三人は顔を見合わせ、安堵の表情を浮かべる。
貸金庫室内は薄暗く、壁一面に整然と並んだ貸金庫の扉が、不気味な光を放っていた。
オルダス長官の貸金庫は、その一番奥にあった。
アリアンナが先日手に入れた鍵を差し込み、エルマに教わった手順で操作すると、重々しい金属音と共に、その扉が開いた。
金庫の中は、想像していたよりも質素だった。
いくつかの革袋に入った金貨や宝石、そして数冊の帳簿。
しかし、その帳簿の一つを手に取ったアリアンナは、息をのんだ。
そこには、オルダス長官がブラウンシュバイク公爵家だけでなく、王国内の複数の有力貴族、さらには王族の一部の名前まで記された、巨大な汚職ネットワークの全貌が克明に記されていたのだ。
アリアンナの追放劇も、そのネットワークを維持するための、ほんの一つの駒に過ぎなかったのかもしれない。
「これは…この国を根底から揺るがす証拠だわ…!」
アリアンナは、恐怖と怒りで全身が震えるのを感じた。
そして、もう一つ、金庫の奥に小さな木箱が置かれていた。
アリアンナがそれを開けると、中には一枚の手紙と、古びた懐中時計が入っていた。
手紙の差出人は、アリアンナの父親、ヴァイスハルト侯爵だった。
そして宛名は、若き日のオルダス・グレイフォーク。
そこには、父がオルダスの不正に気づき、彼を説得しようとしたこと、そしてそれが叶わぬと悟り、いつか誰かがこの真実を暴いてくれることを願って、この手紙と証拠をここに託したという内容が記されていた。
懐中時計は、父が愛用していたものだった。
「お父様…あなたは、戦おうとしていたのね…」
アリアンナの瞳から、涙が溢れそうになる。
しかし、感傷に浸っている時間はない。
全ての証拠品を革袋に詰め込み、三人は急いで貸金庫室を出ようとした。
その瞬間だった。
けたたましい警報音が、銀行全体に鳴り響いた。
同時に、銀行の全ての出入り口が、分厚いシャッターで封鎖されていくのが見えた。
「罠だ…!
最初から、俺たちは誘い込まれていたんだ!」
カインが叫ぶ。
その言葉を裏付けるかのように、金庫室の入り口に、多数の武装した兵士たちと、そして―――エドワード・フォン・ブラウンシュバイクが姿を現した。
「待っていたよ、アリアンナ。
そして、赤狼の牙の諸君。
まさか、本当にここまで辿り着くとはね。
褒めてあげたいところだが、君たちの遊びも、残念ながらここまでだ」
エドワードは、冷たい笑みを浮かべて言い放った。
その瞳には、かつての優しさの欠片もなく、ただ絶対的な権力者の傲慢さだけが浮かんでいる。
「エドワード…!
やはり、あなたの仕業だったのね!」
アリアンナは、憎しみを込めてエドワードを睨みつける。
「ああ、そうだとも。
オルダス長官の貸金庫は、君たちをおびき寄せるための、最高の餌だったからな。
まんまと食いついてくれて、感謝するよ」
エドワードが手を挙げると、兵士たちが一斉に剣や銃を構える。
アリアンナたちは、完全に包囲され、袋の鼠だった。
「おとなしく投降すれば、命だけは助けてやろう。
特に君はね、アリアンナ。
君にはまだ、聞きたいことがある」
エドワードの視線が、アリアンナの胸元に隠された母の肖像画を一瞬捉えたような気がした。
「ふざけないで!
誰があなたなんかに!」
アリアンナは短剣を構え、抵抗の意思を示す。
カインとリックも、アリアンナを守るように前に出た。
絶体絶命の状況。
しかし、アリアンナの心は、不思議と冷静だった。
父が残した手紙、そしてこの国の腐敗の証拠。
これだけは、絶対にエドワードの手に渡してはならない。
「カイン、リック、聞いて。
私が時間を稼ぐわ。
その間に、あなたたちはこの証拠を持って、必ずここから脱出して!」
アリアンナは、革袋をカインに押し付け、小さな声で囁いた。
「何を言っている、アリア!
お前を置いていけるわけがないだろう!」
カインが声を荒らげる。
「これは命令よ!
この証拠こそが、私たちの最後の希望なの!
お願いだから…行って!」
アリアンナの瞳には、悲壮な覚悟が宿っていた。
彼女は、仲間たちを生かすため、自らを犠牲にするつもりなのだ。
エドワードは、そんなアリアンナたちの様子を、面白そうに眺めている。
「感動的な友情だね。
だが、無駄な足掻きだよ。
ここから生きて出られる者は、一人もいないのだから」
エドワードが再び手を振り下ろそうとした、その瞬間。
アリアンナは、エルマから密かに渡されていた最後の切り札を使った。
それは、強烈な閃光と煙を発生させる特殊な煙玉だった。
閃光と轟音、そして視界を奪う黒煙が、金庫室全体を包み込む。
兵士たちが混乱する中、アリアンナは叫んだ。
「今よ!
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