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第45話『世界樹の心臓と最後の刺客』
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(イタイ……クルシイ……タスケテ……!)
世界樹の、魂そのものからの悲痛な叫びが、アレンの頭の中に、嵐のように流れ込んでくる。
あまりの苦しみに、アレンはその場にうずくまり、自分の頭を強く押さえた。
「アレン、しっかりして!
どうしたの!?」
リナリアが、青ざめて駆け寄る。
アレンは、苦しみながらも、仲間たちに、今、自分の脳裏に流れ込んできたビジョンを、途切れ途切れに伝えた。
「世界樹が……すごく痛がってる……。
心臓に、大きくて、黒いトゲが、刺さってるって……」
その言葉に、ルミナははっとした顔で、世界樹の根元――巨大な洞窟のようになった、暗い闇の入り口を指さした。
「世界樹の心臓……!
まさか、呪いの本体は、あの根の洞窟の中に……!」
「ならば、やることは一つだ」
グレイが、その剣の柄を強く握りしめ、覚悟を決めた顔で言った。
「あの洞窟に突入し、呪いの元凶である『黒いトゲ』とやらを、力ずくで引きずり出す」
だが、その洞窟の入り口からは、これまでの『淀み』など比較にならないほど、濃密で、致死レベルの呪いの瘴気が、ごぼり、ごぼりと噴き出している。
絶望的な状況の中、アレンは、リナリアの肩を借りて、ふらつきながらも立ち上がった。
「……僕が行く」
彼は、懐から、先日手に入れた、あの『呪いの種』を取り出した。
「これがあれば、あの悪い空気の中に入れるかもしれない」
「無茶だ!」
グレイが、思わず止める。
だが、アレンの決意は固かった。
「僕にしか、できないことなんだ。
それに、僕は、もう一人じゃない。
みんなが、一緒だから」
そのまっすぐな言葉に、仲間たちは、覚悟を決めた。
「分かりました。
私は、森の精霊たちの力を借りて、少しでも瘴気を和らげます」
「私も、絶対にアレンから離れないわ!
全力で光の治癒魔法をかけ続ける!」
「……分かった。
ならば儂は、お前たちの背後を守る。
いかなる邪魔も、この剣が許さん!」
アレンは、『呪いの種』の力で、自らの体を呪いの瘴気から守る『呪いの鎧』をまとうと、仲間たちと共に、ついに、世界樹の根元にある、呪いの洞窟へと、その足を踏み入れた。
◇
洞窟の中は、異様な光景だった。
壁一面が、禍々しい紫色の水晶で覆われ、不気味な光を放っている。
空気は、鉛のように重く、邪悪な魔力で満ち満ちていた。
一行は、それぞれの力を合わせ、慎重に、しかし、着実に、洞窟の奥へと進んでいく。
やがて、洞窟の最深部。
巨大な空洞へと、たどり着いた。
そして、その中心で、彼らは、全ての元凶を目の当たりにする。
世界樹の、心臓部。
巨大な魔力の結晶体が、弱々しく脈動している。
その中心に、一本の、山のように巨大で、禍々しい、黒曜石で作られたかのような、『呪いの棘』が、深く、深く、突き刺さっていた。
その棘が脈動するたびに、世界樹全体に、そして、この森全体に、呪いを送り続けていたのだ。
一行が、そのあまりの光景に言葉を失っている、その時だった。
カツン、カツン、と。
彼らが入ってきた、背後の通路から、複数の、冷たい足音が響いてきた。
振り返ると、そこには、漆黒の全身鎧と、顔全体を覆う、不気味な水晶の仮面を装着した、十数名の騎士たちが、静かに立っていた。
ヴァイス公爵直属の、私兵部隊。
その指揮官らしき男が、仮面の奥で、冷たく笑った。
「ようやく、追いつきましたぞ、『奇跡の少年』。
この忌まわしい瘴気の中を、よくぞ、ここまでたどり着けたものですな。
まあ、我々には、この特製の『瘴気避けの仮面』がありますので、快適な追跡でしたがね」
男は、一行の驚愕を、心底楽しんでいるようだった。
「お待ちしておりましたよ。
我が主、ヴァイス公爵閣下からの、お言葉です。
『その力、その奇跡、根こそぎ、我が物とせよ』と」
呪いの根源である『黒い棘』と、それを手に入れんとする、最悪の敵『公爵の私兵部隊』。
アレンたちは、前後を挟まれる形で、あまりにも絶望的な状況に追い込まれた。
アレンは、目の前の光景を、静かに見つめた。
僕の大切な畑を荒らした、あの憎い男の匂い。
僕の仲間たちを苦しめる、この森の呪いの匂い。
その全てが、今、一つになった。
アレンの瞳に、怒りとも、悲しみともつかない、静かな、しかし、燃えるような炎が、再び宿った。
「僕の畑を荒らしたのも、この森を、世界樹を、ずっと苦しめてたのも……」
「全部、お前たち、なんだな……!」
世界樹の、魂そのものからの悲痛な叫びが、アレンの頭の中に、嵐のように流れ込んでくる。
あまりの苦しみに、アレンはその場にうずくまり、自分の頭を強く押さえた。
「アレン、しっかりして!
どうしたの!?」
リナリアが、青ざめて駆け寄る。
アレンは、苦しみながらも、仲間たちに、今、自分の脳裏に流れ込んできたビジョンを、途切れ途切れに伝えた。
「世界樹が……すごく痛がってる……。
心臓に、大きくて、黒いトゲが、刺さってるって……」
その言葉に、ルミナははっとした顔で、世界樹の根元――巨大な洞窟のようになった、暗い闇の入り口を指さした。
「世界樹の心臓……!
まさか、呪いの本体は、あの根の洞窟の中に……!」
「ならば、やることは一つだ」
グレイが、その剣の柄を強く握りしめ、覚悟を決めた顔で言った。
「あの洞窟に突入し、呪いの元凶である『黒いトゲ』とやらを、力ずくで引きずり出す」
だが、その洞窟の入り口からは、これまでの『淀み』など比較にならないほど、濃密で、致死レベルの呪いの瘴気が、ごぼり、ごぼりと噴き出している。
絶望的な状況の中、アレンは、リナリアの肩を借りて、ふらつきながらも立ち上がった。
「……僕が行く」
彼は、懐から、先日手に入れた、あの『呪いの種』を取り出した。
「これがあれば、あの悪い空気の中に入れるかもしれない」
「無茶だ!」
グレイが、思わず止める。
だが、アレンの決意は固かった。
「僕にしか、できないことなんだ。
それに、僕は、もう一人じゃない。
みんなが、一緒だから」
そのまっすぐな言葉に、仲間たちは、覚悟を決めた。
「分かりました。
私は、森の精霊たちの力を借りて、少しでも瘴気を和らげます」
「私も、絶対にアレンから離れないわ!
全力で光の治癒魔法をかけ続ける!」
「……分かった。
ならば儂は、お前たちの背後を守る。
いかなる邪魔も、この剣が許さん!」
アレンは、『呪いの種』の力で、自らの体を呪いの瘴気から守る『呪いの鎧』をまとうと、仲間たちと共に、ついに、世界樹の根元にある、呪いの洞窟へと、その足を踏み入れた。
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洞窟の中は、異様な光景だった。
壁一面が、禍々しい紫色の水晶で覆われ、不気味な光を放っている。
空気は、鉛のように重く、邪悪な魔力で満ち満ちていた。
一行は、それぞれの力を合わせ、慎重に、しかし、着実に、洞窟の奥へと進んでいく。
やがて、洞窟の最深部。
巨大な空洞へと、たどり着いた。
そして、その中心で、彼らは、全ての元凶を目の当たりにする。
世界樹の、心臓部。
巨大な魔力の結晶体が、弱々しく脈動している。
その中心に、一本の、山のように巨大で、禍々しい、黒曜石で作られたかのような、『呪いの棘』が、深く、深く、突き刺さっていた。
その棘が脈動するたびに、世界樹全体に、そして、この森全体に、呪いを送り続けていたのだ。
一行が、そのあまりの光景に言葉を失っている、その時だった。
カツン、カツン、と。
彼らが入ってきた、背後の通路から、複数の、冷たい足音が響いてきた。
振り返ると、そこには、漆黒の全身鎧と、顔全体を覆う、不気味な水晶の仮面を装着した、十数名の騎士たちが、静かに立っていた。
ヴァイス公爵直属の、私兵部隊。
その指揮官らしき男が、仮面の奥で、冷たく笑った。
「ようやく、追いつきましたぞ、『奇跡の少年』。
この忌まわしい瘴気の中を、よくぞ、ここまでたどり着けたものですな。
まあ、我々には、この特製の『瘴気避けの仮面』がありますので、快適な追跡でしたがね」
男は、一行の驚愕を、心底楽しんでいるようだった。
「お待ちしておりましたよ。
我が主、ヴァイス公爵閣下からの、お言葉です。
『その力、その奇跡、根こそぎ、我が物とせよ』と」
呪いの根源である『黒い棘』と、それを手に入れんとする、最悪の敵『公爵の私兵部隊』。
アレンたちは、前後を挟まれる形で、あまりにも絶望的な状況に追い込まれた。
アレンは、目の前の光景を、静かに見つめた。
僕の大切な畑を荒らした、あの憎い男の匂い。
僕の仲間たちを苦しめる、この森の呪いの匂い。
その全てが、今、一つになった。
アレンの瞳に、怒りとも、悲しみともつかない、静かな、しかし、燃えるような炎が、再び宿った。
「僕の畑を荒らしたのも、この森を、世界樹を、ずっと苦しめてたのも……」
「全部、お前たち、なんだな……!」
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