【完結】追放勇者は辺境でスローライフ〜気づいたら最強国の宰相になってました〜

シマセイ

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第1話 : 勇者、追放される

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「勇者ケン、汝に告ぐ。汝はこの瞬間をもって、ソレイユ王国より永久追放とする!」

豪華絢爛な王宮の謁見の間。
金箔が施された柱と赤い絨毯、そして王座に座る肥満体のエドガー王。
その前に膝をつかされていたのは、一人の少年だった。

「え?追放?冗談でしょ?」

膝をつく少年――佐藤健太(さとう・けんた)は、混乱した表情で王を見上げた。
彼は半年前、突如として異世界に召喚された日本の高校生。
「勇者」という称号と共に、この世界に呼ばれたのだ。

王は鼻で笑った。
「冗談などではない。汝の無能ぶりはもはや我が国の恥だ」

健太の横では、白銀の鎧に身を包んだ騎士団長のアルフレッドが冷笑を浮かべていた。
彼は健太が召喚された当初から、「異世界人如きが勇者などおこがましい」と敵意を隠さなかった人物だ。

「でも、俺、魔王討伐の旅に出るために一生懸命訓練してきたじゃないですか!」健太は必死に抗議した。

確かに健太は、剣の腕前こそ並以下だったが、独自の「分析」というスキルで魔物の弱点を見抜く能力を持っていた。
それは地味ながらも、パーティにとって重要な役割を果たしていたはずだった。

王は溜め息をついた。「汝のスキルなど、騎士団長アルフレッドの『真実の眼』に比べれば取るに足らぬもの。
彼の方が遥かに優れた分析能力を持っている」

アルフレッドは得意げに胸を張った。
「陛下のおっしゃる通り。私の『真実の眼』があれば、どんな敵の弱点も一瞬で見抜ける。この少年はもはや不要だ」

健太は愕然とした。
半年間、彼は王国のために魔物と戦い、命の危険にさらされてきた。
それなのに、こんな形で捨てられるなんて。

「じゃあ、日本に帰してくれるんですか?」健太は最後の望みを託して尋ねた。

王は嘲笑うように言った。
「そのような術は持ち合わせていない。辺境の地へ行くがよい。二度と王都に姿を現すな」

衛兵たちが健太の両腕を掴み、引きずるように王宮から連れ出した。

「ちょっと待ってよ!荷物も何もないんだけど!」

健太の叫びも虚しく、彼は王宮の門前に放り出された。
幸い、身に着けていた冒険者の装備と、腰に下げていた小さな袋だけは没収されなかった。

袋の中には、これまでの冒険で得た少しばかりの金貨と、健太が密かに集めていた薬草、そして異世界に来た時から持っていたスマートフォン(充電切れで使えないが)が入っていた。

「くそっ…こんなの酷すぎる…」

雨が降り始めた王都の通りを、健太は途方に暮れて歩いた。
かつての仲間たちも、彼を見捨てた。
パーティのリーダーだった女魔法使いのエリザベスは、
「あなたはもう必要ないの。さようなら」
と冷たく言い放っただけだった。
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