【完結】追放勇者は辺境でスローライフ〜気づいたら最強国の宰相になってました〜

シマセイ

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第9話(最終話):追放から五年後

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ガリア帝国の宮殿のバルコニーから、健太は夕日に染まる首都の景色を眺めていた。
彼は今や20歳になり、帝国政治の中心人物として確固たる地位を築いていた。

「健太、ここにいたのか」

イザベラが彼の後ろから声をかけた。
彼女は今や帝国軍の総司令官となっていた。

「ああ、少し考え事をしていたんだ」

「何を考えていたの?」

健太は遠くを見つめながら言った。
「五年前、あの追放がなければ、今の僕はなかったんだろうなって」

イザベラは微笑んだ。
「運命の皮肉ね。彼らが追放したことで、最大の敵を作り出してしまったんだから」

「敵じゃないよ」
健太は首を振った。
「今は両国が協力する時代だ。そのための架け橋になりたいんだ」

「あなたらしいわ」
イザベラは健太の肩に手を置いた。
「それで、皇帝から聞いたけど、ベルク村を特別経済区にする提案をしたそうね」

健太は頷いた。
「あの村は僕の第二の故郷だ。両国の交流の中心地として発展させたいんだ」

「素晴らしい案ね」

そのとき、宮殿の使いが急いでやってきた。

「宰相閣下!緊急事態です!」

「何があった?」
健太は身を正した。

「異世界への門が開いたという報告が!科学者たちが実験中に偶然発見したようです!」

健太は息を呑んだ。
「異世界への門…日本に繋がっているのか?」

「詳細は分かりませんが、すぐに調査チームを編成するよう皇帝が命じられました。宰相閣下にも同行を要請されています」

健太の心臓が高鳴った。
五年ぶりに故郷に帰れるかもしれない。
しかし同時に、この世界で築いたものすべてを置いていくことになる。

イザベラが彼の表情を見て言った。
「迷っているの?」

「ああ…」
健太は正直に答えた。
「日本に帰りたい気持ちもあるけど、ここにも大切なものがある」

イザベラは優しく微笑んだ。
「選ぶ必要はないわ。門が開いたということは、行き来できる可能性もあるってこと。あなたは両方の世界の架け橋になれるかもしれない」

健太は希望に満ちた表情になった。
「そうだね。両方の世界を繋ぐ…それこそが、本当の意味での『勇者』の役目かもしれない」

彼は決意を新たに、使いに向かって言った。「皇帝陛下にお伝えください。喜んで調査に同行します」

夕日が地平線に沈み、新たな夜が始まろうとしていた。
追放された勇者の物語は、まだ終わりではなく、新たに始まろうとしていた。

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