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第37話 火山の麓
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王都を発ったアッシュたち三人は、一路、内陸の『五竜山』を目指していた。
王家が用意してくれた、山道に強い頑丈な馬に乗り、旅は順調に進んでいく。
街道をゆくにつれて、窓から見える景色は、瑞々しい緑の平原から、赤茶けた岩が目立つ、乾いた荒野へと姿を変えていった。空気も、心なしか、暖かく、硫黄の匂いを運んでくる。
「地図によると、五竜山の麓へ至るには、この先の『灰被りの峠』を越えなければならないわ」
リリアナが、馬車に揺られながら、書物で得た知識を共有する。
「火山性のガスが溜まりやすく、岩盤も脆い、古くからの難所だ。気を引き締めろ」
アレクシスもまた、気を引き締める。
「温泉卵……。どんな味がするんだろうなあ。塩味かな?それとも、ほんのり甘かったりして」
アッシュの頭の中は、これから待ち受けるであろう、未知の珍味への期待で、いっぱいだった。
やがて、一行は、その『灰被りの峠』の入り口にたどり着いた。
しかし、その狭い谷間の道を、一人の、筋骨隆々とした大男が、巨大な棍棒を肩に担ぎ、仁王立ちで塞いでいた。
「待ちな。ひよっこ共」
老人の、大地が震えるような、低い声が響く。
「この先は、遊び場じゃねえ。近頃、山は荒れとる。ワシが、お前さんたちの覚悟と実力を見定めてやる。ワシを倒すことができれば、通してやろう」
その老人は、ボーリス。
かつて、王宮騎士団に所属していたが、組織のやり方に馴染めず、退役後は、この峠に住み着き、登山者の安全を守ることを、自らの使命としていた。いわば、この峠の、非公式な門番だ。
「面白い。僕が、相手をしよう」
アレクシスが、試練と聞いて、いささか嬉しそうに前に出る。
二人の、激しい、しかし、どこか清々しい打ち合いが始まった。アレクシスの洗練された剣技と、ボーリスの、経験に裏打ちされた、荒々しくも強力な棍棒術。
勝負は、互いに一歩も譲らず、やがて、両者の息が上がったところで、引き分けに終わった。
「ほう……。見事な剣だ、若造。技は、一流よ。だが、力が足りん。お前さん一人では、この先へは、通せん」
ボーリスは、感心しつつも、道を譲る気はないようだ。
リリアナが、国王の勅命であることを説明しても、「山の理の前では、王も、赤子同然よ」と、取り付く島もない。
その、一連のやり取りを、アッシュは、干し肉をかじりながら、のんびりと見ていた。
そして、自分の出番だとばかりに、前に出た。
「おじいさん、僕の番だね!」
「がっはっは!なんだ、ちびっ子。お前さんも、ワシと戦るか?」
ボーリスが、豪快に笑う。
「ううん、戦うんじゃなくて……。その棍棒、すごく大きくて、重そうだね!ちょっとだけ、持たせてもらってもいい?」
ボーリスは、その、あまりにも拍子抜けな申し出に、さらに、大声で笑った。
「いいだろう!この、ワシの相棒『鉄木棍』を、持ち上げることができたなら、お前さんたちの実力を認め、通してやろう!」
その棍棒は、化石化した鉄木から削り出された、数百キロはあろうかという、剛の者だけが扱える、逸品だった。
「やったー!」
アッシュは、喜んで、地面に置かれた巨大な棍棒に近づくと、こともなげに、その柄を、片手で、ひょいと掴んだ。
そして、まるで、スーパーで、買い物かごでも持ち上げるかのような、軽い仕草で、それを、持ち上げたのだ。
「わあ、やっぱり、ずっしりしてて、重たいなあ!」
彼は、そう言うと、より安定させるために、両手で持ち直し、軽々と、頭上へと掲げてみせた。
ボーリスの、大きく開かれた口から、愛用のパイプが、ぽとり、と落ちた。
アレクシスとリリアナは、「またか」という顔で、もはや、驚くことさえ、忘れていた。
アッシュは、巨大な棍棒を、数回、ぶんぶんと、楽しそうに振り回し、風を切る音を楽しむ。
「うん、これは、いい薪割り棒になりそうだ!でも、僕には、ちょっとだけ、重すぎるかな」
彼は、そう言うと、化石のように固まっている老人へと、その棍棒を、丁寧に、手渡した。
次の瞬間。
ボーリスは、その場に、がくり、と膝をついた。そして、アッシュに向かって、深々と、頭を下げた。
「……お、お師匠さま!」
「え?」
「ワシは、この山で五十年、ただ、ひたすらに、強さの極みを追い求めてきた!だが、今、悟った!ワシなど、まだ、麓の赤子に過ぎなかったと!どうか、このワシを、弟子にしてくだされ!その、神の如き剛力の、極意を、お教えください!」
頑固一徹だったはずの、峠の門番は、一瞬にして、アッシュの、最も、熱心な、一番弟子となっていた。
こうして、三人は、峠を越えることを許可された。
ただし、彼らのパーティには、一人、巨大で、声が大きくて、そして、やたらと忠実な、お供が、加わっていた。
「お師匠さま!最初の修行は、何でございましょうか!」
ボーリスが、目を輝かせて尋ねる。アッシュの、巨大なリュックサックを、嬉々として、代わりに背負いながら。
アッシュは、少しだけ考えると、答えた。
「最初の修行、かあ……。うーん、そうだ!干し肉は、ちゃんと乾燥させないと、カビが生えて、美味しくなくなっちゃうから、気をつけること、かな!」
彼は、そう言って、自分の干し肉を、一枚、新しい弟子に、分け与えた。
一行は、温泉卵を求めて、火山の頂上を目指す。その旅路は、ますます、奇妙で、騒がしくなろうとしていた。
王家が用意してくれた、山道に強い頑丈な馬に乗り、旅は順調に進んでいく。
街道をゆくにつれて、窓から見える景色は、瑞々しい緑の平原から、赤茶けた岩が目立つ、乾いた荒野へと姿を変えていった。空気も、心なしか、暖かく、硫黄の匂いを運んでくる。
「地図によると、五竜山の麓へ至るには、この先の『灰被りの峠』を越えなければならないわ」
リリアナが、馬車に揺られながら、書物で得た知識を共有する。
「火山性のガスが溜まりやすく、岩盤も脆い、古くからの難所だ。気を引き締めろ」
アレクシスもまた、気を引き締める。
「温泉卵……。どんな味がするんだろうなあ。塩味かな?それとも、ほんのり甘かったりして」
アッシュの頭の中は、これから待ち受けるであろう、未知の珍味への期待で、いっぱいだった。
やがて、一行は、その『灰被りの峠』の入り口にたどり着いた。
しかし、その狭い谷間の道を、一人の、筋骨隆々とした大男が、巨大な棍棒を肩に担ぎ、仁王立ちで塞いでいた。
「待ちな。ひよっこ共」
老人の、大地が震えるような、低い声が響く。
「この先は、遊び場じゃねえ。近頃、山は荒れとる。ワシが、お前さんたちの覚悟と実力を見定めてやる。ワシを倒すことができれば、通してやろう」
その老人は、ボーリス。
かつて、王宮騎士団に所属していたが、組織のやり方に馴染めず、退役後は、この峠に住み着き、登山者の安全を守ることを、自らの使命としていた。いわば、この峠の、非公式な門番だ。
「面白い。僕が、相手をしよう」
アレクシスが、試練と聞いて、いささか嬉しそうに前に出る。
二人の、激しい、しかし、どこか清々しい打ち合いが始まった。アレクシスの洗練された剣技と、ボーリスの、経験に裏打ちされた、荒々しくも強力な棍棒術。
勝負は、互いに一歩も譲らず、やがて、両者の息が上がったところで、引き分けに終わった。
「ほう……。見事な剣だ、若造。技は、一流よ。だが、力が足りん。お前さん一人では、この先へは、通せん」
ボーリスは、感心しつつも、道を譲る気はないようだ。
リリアナが、国王の勅命であることを説明しても、「山の理の前では、王も、赤子同然よ」と、取り付く島もない。
その、一連のやり取りを、アッシュは、干し肉をかじりながら、のんびりと見ていた。
そして、自分の出番だとばかりに、前に出た。
「おじいさん、僕の番だね!」
「がっはっは!なんだ、ちびっ子。お前さんも、ワシと戦るか?」
ボーリスが、豪快に笑う。
「ううん、戦うんじゃなくて……。その棍棒、すごく大きくて、重そうだね!ちょっとだけ、持たせてもらってもいい?」
ボーリスは、その、あまりにも拍子抜けな申し出に、さらに、大声で笑った。
「いいだろう!この、ワシの相棒『鉄木棍』を、持ち上げることができたなら、お前さんたちの実力を認め、通してやろう!」
その棍棒は、化石化した鉄木から削り出された、数百キロはあろうかという、剛の者だけが扱える、逸品だった。
「やったー!」
アッシュは、喜んで、地面に置かれた巨大な棍棒に近づくと、こともなげに、その柄を、片手で、ひょいと掴んだ。
そして、まるで、スーパーで、買い物かごでも持ち上げるかのような、軽い仕草で、それを、持ち上げたのだ。
「わあ、やっぱり、ずっしりしてて、重たいなあ!」
彼は、そう言うと、より安定させるために、両手で持ち直し、軽々と、頭上へと掲げてみせた。
ボーリスの、大きく開かれた口から、愛用のパイプが、ぽとり、と落ちた。
アレクシスとリリアナは、「またか」という顔で、もはや、驚くことさえ、忘れていた。
アッシュは、巨大な棍棒を、数回、ぶんぶんと、楽しそうに振り回し、風を切る音を楽しむ。
「うん、これは、いい薪割り棒になりそうだ!でも、僕には、ちょっとだけ、重すぎるかな」
彼は、そう言うと、化石のように固まっている老人へと、その棍棒を、丁寧に、手渡した。
次の瞬間。
ボーリスは、その場に、がくり、と膝をついた。そして、アッシュに向かって、深々と、頭を下げた。
「……お、お師匠さま!」
「え?」
「ワシは、この山で五十年、ただ、ひたすらに、強さの極みを追い求めてきた!だが、今、悟った!ワシなど、まだ、麓の赤子に過ぎなかったと!どうか、このワシを、弟子にしてくだされ!その、神の如き剛力の、極意を、お教えください!」
頑固一徹だったはずの、峠の門番は、一瞬にして、アッシュの、最も、熱心な、一番弟子となっていた。
こうして、三人は、峠を越えることを許可された。
ただし、彼らのパーティには、一人、巨大で、声が大きくて、そして、やたらと忠実な、お供が、加わっていた。
「お師匠さま!最初の修行は、何でございましょうか!」
ボーリスが、目を輝かせて尋ねる。アッシュの、巨大なリュックサックを、嬉々として、代わりに背負いながら。
アッシュは、少しだけ考えると、答えた。
「最初の修行、かあ……。うーん、そうだ!干し肉は、ちゃんと乾燥させないと、カビが生えて、美味しくなくなっちゃうから、気をつけること、かな!」
彼は、そう言って、自分の干し肉を、一枚、新しい弟子に、分け与えた。
一行は、温泉卵を求めて、火山の頂上を目指す。その旅路は、ますます、奇妙で、騒がしくなろうとしていた。
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