ヒロインは私のルートを選択したようです

深川ねず

文字の大きさ
177 / 206
第二章

58 グレン視点

しおりを挟む
 入ってきた人物を認めたオーウェン様が、スペードの10の元へと駆け出して行った。
 拗ねた表情を浮かべたままのスペードの10を前に一瞬言葉に詰まるも、果敢に叫んだ。

「あなたはいい匂いです!!」

 スペードの方々が額に手を当てたのが見えた。

「──うるさいっ! 何日もお風呂に入っていない匂いが私の匂いだなんて言われたら、立つ瀬ないのよ!!」

 そう言ってスペードの10はオーウェン様の頭を引き寄せ、自分の首元へと持って行った。

「これが私の匂いよ! 覚えなさい!!」
「…………いや、違いますよ! あなたは普段こんな香料の強い石鹸は使ってなかったはずだ!」
「~~~っうるさいうるさいうるさーい!!!」

 これは……俺達が見ていていいものなんだろうか。
 そっとスペードの方々を仰いだが、慣れているのか全員が言い争うお二人を半眼で見守っていた。



 ポンと手を叩き、勇敢にもそんな二人に割って入ったのは、我が国のキングだった。

「ま、まぁ、エルザ。落ち着いて。ね? そのお洋服、あなたにとてもよく似合ってるわ。そのまま着て帰ってちょうだい。差し上げるわ。今回ダイヤの国が掛けた迷惑に対するほんのお詫び……にもならないわよね」

 眉尻の下がった笑みに憂いを滲ませたダイヤのキングは、スペードの10に対して膝をついて頭を下げた。

「本来であれば、自国の10の暴挙はキングである私が止めなければならないもの。それなのに私はソフィアの言いなりになって、あなたが地下に閉じ込められていると知っても出してもあげられなかった。おまけに怪我までさせた挙句、闘技場に放り込むだなんて、どれだけ謝罪しても足りないわね。この件の賠償に関しては、すべてスペードの求めに従います。エルザも……なんでも言ってちょうだい。ダイヤのキングとして、責任をもって償うわ」

 ダイヤのキングの後ろではダイヤのクイーンもまた膝をついていた。
 ちらりとスペードのキングを伺い見たが、小さく首を振られ、恐らく俺達は膝をつかなくていいと言われたのだと分かった。

 スペードの10は少し考えたのち、泳ぐようにスペードの方々の元へと歩み寄った。
 その視線の先には可愛らしい女性──ララ様がいる。

 小首を傾げたララ様も、スペードの10の元へと小走りに近付いていく。そっと口元に手を当てたスペードの10に耳を向け、何かを聞いたララ様はむっつりと拗ねたような表情を見せた。そのままツンとスペードの10から顔を逸らしてしまう。くすくすと笑ったスペードの10はララ様の頬を指で突いて、ダイヤのキングへと向き直った。

「細かい内容についてはスペードのキングと話し合っていただくとして、私、スペードの10個人としての賠償をお伝えしても?」
「なんでも言ってちょうだい。必ず償わせていただきます」

 その返答にスペードの10はにんまりと笑った。

「それでは、後日こちらの白の10も合わせて三人分の、白の国で一番美味しいカフェの飲食代金のお支払いを要求します。それとおもてなしもしていただくわ。私達のエスコートを求めます。あとは……そうね。買い物も行きましょう。そのお支払いもすべて、ダイヤのキングにお任せします。ディナーもついでにお願いしちゃおうかしら」
「お土産も要求しちゃってください! もうすっごいお高いお菓子とかアクセサリーとか!」

 にっこりと柔らかく要求するスペードの10に対して、ララ様はお怒りなようで眉が吊り上がっている。スペードの10の優しい沙汰に不満があるのかもしれなかった。
 言われたダイヤのキングも口を開けたまま、呆然としてしまっている。

「そ、んなことで……いい、の……?」
「そんなことって言うけど、私達、容赦する気はないわよ。食べたいものを遠慮なく注文するし、お土産ももちろん付けてもらいます。買いたいけどお値段がねぇって悩んでた物も、いい機会だから全て買い揃えちゃうわ。ララも、欲しいものがあったらチャンスよ。好きなだけ買ってもらいましょう」
「当然です。憧れの、この棚の右から左まで全部。とか店員さんに言ってやりますから。支払いはこの人がしますので。ってのもしてやりますし、荷物ももちろん全部持たせます!」

 男しかいない俺の周囲の空気が重く冷えた気がした。女の人のこの徒党は、男にとっては正直ひどく恐ろしい。
 心なしか、ダイヤのキングの口元がひきつったように見えた。

「か、必ずすべてお支払いさせていただきます……」

 顔を見合わせたスペードの10とララ様の不敵な笑みに、してはいけないのにダイヤのキングに対してほんの少し同情してしまいそうになった。



「エルザ。ほかにはないのか?」

 ソファに腰かけたままのスペードのキングが笑いながら尋ねた。
 一瞬、きょとんとした表情を浮かべたスペードの10は、すぐに口角をゆるりと上げて、なぜか俺達のほうへ歩み寄ってきた。

「もう一つ、あるわ」

 そうして俺達の背後に回り、俺が左手で、そしてザックが右手で肩をポンと叩かれた。

「彼らを、スペードに勧誘する許可をちょうだい」



 一瞬、息をするのも忘れて、心臓が止まったかと思った。叩かれた左肩がじんじんと熱くなっていく。
 今、この人は何を言った……?

「それに関しては当然エルザの好きにしてくれて構わないわ。私が指示するものじゃなく、その子達が決めることだもの」

 ありがとう、と。
 にんまりと笑ったスペードの10が正面へと回り込んできた。

「グレン。ザック。改めて、お礼を言うわ。あなた達がいなければ、私はお腹は空くわ、癒しはないわできっと毎日陰鬱に過ごすことになったと思う。本当にありがとう。特にグレン。あなたの作ってくれたバゲットサンドはまた是非食べさせてもらいたいわ。とっても美味しかった。その上で、これはお願いなんだけど……二人とも、スペードに来ない? 私の直属の部下として、ぜひ二人にはスペードで働いてほしいのよ」

 待ちなさい、と声をかけたのは、スペードのクイーンだ。

「お腹が空いたとはなんです? ダイヤは食事もろくに出さなかったのですか?」
「ソフィアが食事を出さないよう指示を出していたそうなのよ。それなのに、この子達がご飯を持ってきてくれたの。恩人なのよ」

 スペードの方々の纏う空気が冷たくなり、ああソフィアはもう死んだなと思った。

「どうかしら? 今よりも待遇は改善したものになるよう、配慮はさせてもらうわよ。悪い話でもないと、思うんだけど……」

 こちらを伺うように見つめるスペードの10を前に、言葉が出ない。
 先に口を開いたのは、ザックだ。

「本当に、スペードの10の部下にしていただけるのですか……?」
「ええ。私が部下になってほしいってお願いしているのよ。ところで、エルザって呼んでって言わなかった?」
「言われてませんし、無理です……」

 首を大きく振ったザックは、ちらりと俺に視線を向けてきた。
 ごくりと喉が動き、その視線がスペードの10へと戻った。

「俺は……あなたの下で働きたいと思います。いえ、働かせてくださいとお願いするのは俺のほうです。俺の勇気がなかったせいで、スペードの10に大変な不名誉を被らせてしまうところでした。それなのに、大事な右手に怪我をしてまで俺を助けてくださって……恩人なんてとんでもないです。それは、あなたのことです。命を助けてくださったスペードの10の元で働いて、あなたのお役に立ちたいと思います。至らない身ですが、一生懸命勤めます。よろしくお願い致します」

 ザックはまっすぐに立ち、最敬礼を以ってスペードの10の求めに応えた。

 本当に、心から嬉しそうな笑顔を満面に浮かべたスペードの10の左手が、ザックの頭頂部へと向かい──ザックはのけ反って逃げた。

「どうして逃げるのよ!!」
「それだけは絶っ対にお断りします!!」

 だがすぐに壁際で捕まった。足腰の鍛え方が違うのかもしれない。

「甘いわね。私は今はもう牢から出ているのよ。観念なさい!」
「嫌だっつってんでしょうが!! 絶対に拒否する!!」
「往生際が悪い!」

 スペードの10の左手が悲鳴を上げるザックへと伸びる寸前、止まった。

「はいはい。そこまでねー。今、俺がこの青少年らの護衛なんで」

 レグサス様だった。スペードの10の腕を取ったレグサス様が、ザックを背に隠す。

「あっありがとうございます……! スペードの城に、セクハラ被害に対する相談窓口はありますか!?」

「……ねぇなー、それは」

 涙交じりのザックの訴えは叶わないようだった。

 頬を膨らませたスペードの10が、勢いよく振り返り、ズンズンと俺目掛けて歩み寄ってきた。

「いつか絶対撫でてやるわ……」

 不穏な決意表明と共に。



「それで、グレンはどうする? 来てくれる?」

 こほんと一つ咳をして、スペードの10が気を取り直したように笑顔を浮かべて首を傾げた。

 痰が絡んだようになりながら口を開くも、まだ答えが出せない。

「俺は……」
「何か心配事があるなら話してくれる? 解決できるかもしれないもの」

 心配事といえば、先ほど考えた両親のことだった。両親を残して他国へ行くわけにはいかないと説明すると、スペードの10はそんなことかと笑った。

「スペードの城には他国から来た人が多いのよ。だから長期休みの時は、スペードの子達よりも多くお休みを与えるようになっているし、ダイヤならスペードのお隣でしょう。帰るのにかかる時間はさほど変わらないんじゃないかしら。それでも気になるなら、今よりもお休みを多く渡せるように調整するわ。私の部下はほとんどスペードの子達だから、というよりほとんどアカデミーの同期だから帰るのに時間のかかる子もいないし、ザックとグレンは早くお休みを取らせてもらえるよう伝えておくわよ。それともご両親がいいと言ってくださるなら、スペードに移り住んでもらってもいいわね。城には家族で住める社宅もあるから、あなたが心置きなく仕事できる環境を整えると約束するわ。どう?」

 矢継ぎ早に解決策が飛び出し、酸欠の魚のような気分だった。

「俺に、そこまで便宜を図ってもらうだけの価値があるんでしょうか」
「それは知らないわ」

 スペードの10ははっきりと、そう断言した。

「あなたと知り合ってからまだ数日しか経っていないじゃない。仕事ぶりなんて、わかるわけないでしょう。でもね。きっとグレンもザックも、じゃれあいながら毎日楽しく働いてくれるだろうってことはわかるわ。それに、困ってる人を見捨てない優しい子達だってこともわかる。知らないけど、わかるのよ。水やパンを手渡してくれた手は硬くて、剣をよく握っている手だってこともわかったし、努力する子達なんだろうなって、わかる。それに、ここに居るってことは私のために頑張ってくれたんでしょう? これだけでも勧誘する理由にはならない?」

 視線が真っ直ぐに合わされて、胸が騒いだ。

 スペードの方々を見て、その和気藹々とした雰囲気に俺は羨ましいと思った。入隊試験を受けに行こうかと考えるほどに。
 だから、両親のことで便宜を図っていただけるなら。それに、本当に──この人の部下になれるなら。

 だが、無言でいた俺が返事を迷っているらしいと思ったのか、スペードの10がくすりと笑いを漏らした。

「ごめんね、グレン。選択の余地があると見せかけているけど、実はこれ、決定事項なの」
「え?」

 スペードの10の笑顔はとても意地悪そうな悪戯めいたものなのに、胸の奥が沸騰するように熱くなった。

「断られても、何度でも説得するつもりだったの。来るって言うまでね。だから、気がかりなことは全部言いなさい。……何かまだ、ある?」

 何度でも説得してくれるほど、本気で俺達の勧誘を考えてくれていたなんて思ってもみなくて。

 気付いたら首を縦に振っていた。

「お、俺はもう……あなたの部下のつもり、です。せ、精一杯勤めます」

 俺の台詞を聞いたスペードの10の浮かべた笑顔は先ほどザックに向けられたものと同じで、左手が伸ばされてきたのも、同じだった。
 だがこの左手は、俺の頭に届くことなく、途中で停止した。

 また三つ編みか? と首を傾げて、垂らした髪を差し出し──逃げられた。また、左手が俺の目線の高さに据えられる。
 これは、見たことのある行動だった。

 まさか、そんな。
 昨日の勘違いを思い出して、頬が焼けたように熱くなる。

 にこにこと嬉しそうに笑うスペードの10の目が細くなり、唇が動いた。『気付いてないと思ったの』と。

 その言葉の意味は、明らかだった。

 恋人がいるくせに、と。地下で言ったのと同じように言わなければいけないのに。

 昨日お預けを食らってしまったこの誘惑には、抗いがたいものがあった。

 髪越しの柔らかで温かい感覚に、全身に鳥肌が立つようだった。

「ふふ。グレンはいい子ねぇ」
「…………」

 頬に手を当てて嬉しそうに言うスペードの10の顔から逃げるように目を逸らす。
 わしゃわしゃと撫でられて、顔中の筋肉に力を入れないといけなかった。

「グ、グレン、お前……っ」

 レグサス様の背中に隠れていたザックが、青ざめた顔で駆け寄ってきた。

「セクハラで訴えるなら力を貸すぞ!! 司法は平等だ! 弱者の味方だぞ!」
「…………」
「……ほんっとうに人聞きの悪い子ねぇ。合意なんだからセクハラも何もないわよ。ねぇ、グレン?」
「合意!? 合意があるのか!? ……これ、合意なのかよ、グレン!!」
「いや……その……」
「あるのかよ!?」

 頭を抱える友人に、今後の友情にひびが入っていやしないかと心配になったが……頭を離す選択肢は俺には選べなかった。

 にまにまと笑いながら俺の頭を撫で続けるスペードの10の手が、急に離れた。
 突然訪れた喪失感に、頭を上げ、喉の奥で悲鳴が漏れた。

「──そうか。俺が夜通し移動して証拠集めに奔走していた時に。あんたは、若い男と戯れていたと。それはさぞ、楽しい時間だっただろう。なぁ。エルザ」

 スペードの10の腕を掴み、背後に静かな炎を背負ったオーウェン様を見とめたスペードの10の顔から、音を立てて血の気が引いて行った。

 この怒りを前に、俺に出来ることなど、何もない。
しおりを挟む
感想 109

あなたにおすすめの小説

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

処理中です...