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第二章
番外編 はじめてのしゅっちょう⑦
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狭いキッチンには泡立て器とボウルのぶつかる音だけが静かに響いた。
「…………俺、姉さんがいるって言ったっけ」
沈黙を破ったのはグレンだ。
唐突な話題にザックは「聞いたけど……」と返す。
「姉さんは、口も悪いし日に焼けて真っ黒で、いかにも下町の姉ちゃんって感じでさ。見た目は全然なんだけど、でも、よく笑うとことか頭を撫でてくるとこなんかは、あの人と似てるんだよ。まぁ姉さんの場合は撫でるってよりは掻き回すって感じだけどな」
あの人は手つきが優しいからと言うグレンは、嬉しそうだった。
お姉さんと似ている、という話は、グレンの言い訳だろうかとザックは思った。
誤魔化されているのかもしれないとも。
ザックは今、幸せだった。尊敬できる上官に頼れる同僚。意気込んで他国に来てみたはいいものの、本当にやっていけるのかと毎日不安に思っていたことが馬鹿らしく思えるほど、スペードの国での毎日は充実していた。
だから、グレンの想いはザックにとって応援できるものではない。
大切な友人であっても。いや、大切な友人だからこそ、ザックは心を鬼にしなくてはいけなかった。
だがザックが言葉を探す間に、いつのまに火を入れたのか、生地を流し込んだ型をオーブンへと入れて、グレンが振り返った。
「牢の中にいた年上の女の人を放っておけなかったのは、姉さんに似てたからって理由じゃないよ。楽しそうに話すのは姉さんと同じなのに。身振り手振りが大きいのも、たくさん笑うのも同じなのに、あの人は、姉さんじゃない。当たり前だよな。姉さんに対するのと、同じ感情を持つわけがない」
これ以上、言わせてはいけないと頭の中で警鐘が鳴り響いているのに、ザックは言葉を紡ぐことができない。
「──好きだって思った。知り合ってからたった二日会話しただけなのに、笑ってれば気持ちが落ち着かないくらい綺麗だし、頭を撫でてくる腕は俺達と比べて細いのに、ザックを助けてくれたよな。あんなの、好きにならないほうが難しいよ──けど」
ふと言葉を止め、グレンは思案するように眉を寄せて、首を傾けた。
そのままどちらも口を開かないまま時間が過ぎていき、突然、グレンが慌ててオーブンの扉に飛びついた。
バターの甘い香りがキッチンに広がる。
中身を見て安堵したような息を吐いて、型から取り出した焼き菓子をケーキクーラーに乗せた。
ポットを手に取り、いつのまにか沸かしておいたらしいヤカンからお湯を注ぎ込む。そこへ缶から取り出した茶葉を放り込んで。
ザックが呆然としている間に、エルザの休憩用アフタヌーンティーが出来上がっていた。
執務室へ戻ると案の定というべきか、空色の頭は机に伏せられていた。
ため息を吐いたグレンが焼き菓子をエルザの鼻先に持っていく。
「起きないと、ザックと二人で食うぞ」
「──だめ!」
ガバリと体ごと起き上がり、焼き菓子をロックオンしたエルザの寝ぼけ眼がキラキラと輝いた。
「フィナンシェね! もしかして買ってきてくれたの?」
「こんなのすぐ作れるよ」
グレンはエルザの目の前で焼き菓子を一つ手に取ると、ひらひらと上下左右へ揺らし、おもむろに自分の口に放り込んだ。
そしてゆっくりと味わったのちに、ごくりと飲み込んで、呆気にとられた表情のエルザに「食いたい?」とニヤリと笑ってみせた。
「食べたいに決まってるわよ。……私のために作ってくれたんじゃないの?」
「エルザ様のオヤツに焼いたんだよ。けど今寝てたからなぁ。オーウェン様もオヤツは抜きだって言ってたし。やっぱりザックと二人で食っちゃうかな」
そう言ってもう一つ、ひらひらと揺らし、エルザの目を焼き菓子に釘付けにして──また自分の口に放り込んだ。
落胆の表情で焼き菓子を見送ったエルザがしょんぼりと抗議した。
「どうしてそんな意地悪するのよぉ……」
「仕事があるのに寝るからだろ。寝ずに頑張るって約束するなら、これは全部エルザ様にあげるよ」
まだ六つある焼き菓子とポットに入ったままのお茶を見せびらかす。エルザは「究極の二択再びだわ……」と眉を寄せて悩んだ。
「悩むことじゃないでしょう……」
後ろから二人のやりとりを見守っていたザックも、これにはさすがにツッコミを入れた。
「ほら。早くしないとどんどん減ってくぞ」
そう言ってグレンは焼き菓子が乗った皿をザックに差し出す。その意味を正確に察したザックは一つを取り上げて口に運んだ。焼き立てでまだ柔らかい。じゅわりとバターが染み出して、さほど甘いものを食べないザックにも旨いと思わせるほど美味しい。
売ってるやつみたいだと言うと、「そこまでではないだろ」とグレンは照れ臭そうに笑った。
このやり取りでエルザは覚悟の唸り声を上げた。
「う~……分かったわよ! お仕事するからちょうだい!」
「よし。約束だからな」
やっと差し出された焼き菓子にエルザは目を輝かせた。すぐに細い指を伸ばしたが、ふとその手を止めて、悪戯めいた笑みを浮かべた。
「……グレン君が、叱られないかしら?」
言われたグレンは虚をつかれたように目を見開いて──吹き出した。
「さっさと食って証拠隠滅してくれたらいいだろ」
笑い混じりに言って、二人でクスクスと笑っている。これは牢の前でしていた会話だ──ザックが呆然としている前で行われた。
エルザは焼き菓子を口に放り込んで歓声を上げ、カップを持ち上げて、それはもう幸せそうに笑っている。
一口かじった焼き菓子を片手に、もう一つの手でお皿を持ち上げてザックへと腕を伸ばした。
「ザックももう一つ頂きなさい。一人二つずつよ」
「……それだとエルザ様は四つになるんじゃないですか?」
出来るだけ平然と、いつもと同じになるよう声を紡ぐ。いつもと変わらないエルザが、くふふと笑った。
「私は上官だから四つなのよ」
「理屈は合ってるように聞こえますけど、焼き菓子ですからね……」
どうにかいつもの調子で抗議して、一つを口に放り込んだ。美味いなぁ。
四つ全てを平らげて、カップも空にしたエルザは自分からペンを取った。
「よし、証拠隠滅! なんだかやる気が出てきたわ」
「それなら良かったよ。片付けてくるけど、寝てたらオーウェン様に言うからな」
グレンはそう言ってキッチンへと取って返す前に、ザックを手招きした。エルザは約束というとそれを破りはしないから目を離しても大丈夫だろう。またしても二人で狭いキッチンに篭った。
洗い物を始めようとするグレンの手からスポンジを引ったくる。先ほどは手伝えなかったから、片付けは自分だ。グレンは礼を言ってキッチンに置かれた木製のスツールに腰かけた。
水音だけがキッチンに響く。
「さっきの話の続きだけど」
しばらくしてグレンが口を開いた。
「今はちょっと違うなって思ったんだよ。なんて言ったらいいのか、自分の感情を正確に伝えられる言葉が思いつかなかったんだけどな」
「好き、じゃなくて?」
グレンははっきりと「うん」と答えた。
「でも、さっき分かった。この気持ちってさ──」
ザックが振り返ると、腰掛けるグレンの顔には深い影が落ちていた。
「ヒナに餌を運ぶ親鳥の気持ちなんだなって」
水音すら届かないほどの静寂が、キッチンを支配した。
この場合のヒナとは、推して知るべしだった。
「なぁ、グレン」
出しっぱなしの蛇口をキュッと捻り、ザックは意を決した。
「そのヒナってさ……」
一人の少年の恋をこうも変容させるヒナの恐怖に慄きながら。
「巣から落ちて、地面でピィピィ鳴いてないか」
「鳴いてる。それはもう必死で」
「カラスと猫に気を付けないとな……」
グレンは「うん。でもさ……」と声を震わせた。
「カラスと猫も、絆されて餌を運んできそうだよな……?」
とうとうザックはシンクに突っ伏した。
背後からも堪えきれずに漏れる笑い声が聞こえてくる。
実際に絆したのは猫どころか虎だったのだから、あのヒナは末恐ろしいものだと思う。
だが笑う二人は同時に、この場合のカラスとは自分達なのではと、なんだか納得のいかない事実にたどりついて、また顔を見合わせて笑った。
キッチンには廊下に出られる扉も備え付けられている。それが唐突にガチャリと開いて、グレンが腰を浮かせた。
「話し声がすると思ったら、お前達サボってたな?」
入ってきたのは、出がけの不機嫌さは微塵もなくなったオーウェンだ。
笑い声混じりに言われて、二人は直立不動になる。
「すみません」「申し訳ございません」と各々頭を下げた。
「冗談だ。エルザはどうだ? 少しは進んだかな?」
「ちゃんと仕事をすると約束してくれたので、進んでると思います」
荷物をテーブルに置いたオーウェンはグレンの報告を聞いて「……約束?」と問い返した。
「あの人が仕事をすると約束したのか……?」
「焼き菓子目当てですけど……」
ザックがしれっと白状する。
だがオーウェンは感動か恐怖なのかわからない感情で体を震わせ、叫んだ。
「あの人に仕事関係で約束をさせられるとはなんという逸材……っ末長く拘束しなければ……決して逃さないように!!」
「ほとんど牢獄に近いなぁ……」と呟いたのは誰だったか。
約束事には律儀な上官が「私を仲間外れにして!」と乗り込んでくるまで、オーウェンの感動の叫びは続いたのだった。
「…………俺、姉さんがいるって言ったっけ」
沈黙を破ったのはグレンだ。
唐突な話題にザックは「聞いたけど……」と返す。
「姉さんは、口も悪いし日に焼けて真っ黒で、いかにも下町の姉ちゃんって感じでさ。見た目は全然なんだけど、でも、よく笑うとことか頭を撫でてくるとこなんかは、あの人と似てるんだよ。まぁ姉さんの場合は撫でるってよりは掻き回すって感じだけどな」
あの人は手つきが優しいからと言うグレンは、嬉しそうだった。
お姉さんと似ている、という話は、グレンの言い訳だろうかとザックは思った。
誤魔化されているのかもしれないとも。
ザックは今、幸せだった。尊敬できる上官に頼れる同僚。意気込んで他国に来てみたはいいものの、本当にやっていけるのかと毎日不安に思っていたことが馬鹿らしく思えるほど、スペードの国での毎日は充実していた。
だから、グレンの想いはザックにとって応援できるものではない。
大切な友人であっても。いや、大切な友人だからこそ、ザックは心を鬼にしなくてはいけなかった。
だがザックが言葉を探す間に、いつのまに火を入れたのか、生地を流し込んだ型をオーブンへと入れて、グレンが振り返った。
「牢の中にいた年上の女の人を放っておけなかったのは、姉さんに似てたからって理由じゃないよ。楽しそうに話すのは姉さんと同じなのに。身振り手振りが大きいのも、たくさん笑うのも同じなのに、あの人は、姉さんじゃない。当たり前だよな。姉さんに対するのと、同じ感情を持つわけがない」
これ以上、言わせてはいけないと頭の中で警鐘が鳴り響いているのに、ザックは言葉を紡ぐことができない。
「──好きだって思った。知り合ってからたった二日会話しただけなのに、笑ってれば気持ちが落ち着かないくらい綺麗だし、頭を撫でてくる腕は俺達と比べて細いのに、ザックを助けてくれたよな。あんなの、好きにならないほうが難しいよ──けど」
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そのままどちらも口を開かないまま時間が過ぎていき、突然、グレンが慌ててオーブンの扉に飛びついた。
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中身を見て安堵したような息を吐いて、型から取り出した焼き菓子をケーキクーラーに乗せた。
ポットを手に取り、いつのまにか沸かしておいたらしいヤカンからお湯を注ぎ込む。そこへ缶から取り出した茶葉を放り込んで。
ザックが呆然としている間に、エルザの休憩用アフタヌーンティーが出来上がっていた。
執務室へ戻ると案の定というべきか、空色の頭は机に伏せられていた。
ため息を吐いたグレンが焼き菓子をエルザの鼻先に持っていく。
「起きないと、ザックと二人で食うぞ」
「──だめ!」
ガバリと体ごと起き上がり、焼き菓子をロックオンしたエルザの寝ぼけ眼がキラキラと輝いた。
「フィナンシェね! もしかして買ってきてくれたの?」
「こんなのすぐ作れるよ」
グレンはエルザの目の前で焼き菓子を一つ手に取ると、ひらひらと上下左右へ揺らし、おもむろに自分の口に放り込んだ。
そしてゆっくりと味わったのちに、ごくりと飲み込んで、呆気にとられた表情のエルザに「食いたい?」とニヤリと笑ってみせた。
「食べたいに決まってるわよ。……私のために作ってくれたんじゃないの?」
「エルザ様のオヤツに焼いたんだよ。けど今寝てたからなぁ。オーウェン様もオヤツは抜きだって言ってたし。やっぱりザックと二人で食っちゃうかな」
そう言ってもう一つ、ひらひらと揺らし、エルザの目を焼き菓子に釘付けにして──また自分の口に放り込んだ。
落胆の表情で焼き菓子を見送ったエルザがしょんぼりと抗議した。
「どうしてそんな意地悪するのよぉ……」
「仕事があるのに寝るからだろ。寝ずに頑張るって約束するなら、これは全部エルザ様にあげるよ」
まだ六つある焼き菓子とポットに入ったままのお茶を見せびらかす。エルザは「究極の二択再びだわ……」と眉を寄せて悩んだ。
「悩むことじゃないでしょう……」
後ろから二人のやりとりを見守っていたザックも、これにはさすがにツッコミを入れた。
「ほら。早くしないとどんどん減ってくぞ」
そう言ってグレンは焼き菓子が乗った皿をザックに差し出す。その意味を正確に察したザックは一つを取り上げて口に運んだ。焼き立てでまだ柔らかい。じゅわりとバターが染み出して、さほど甘いものを食べないザックにも旨いと思わせるほど美味しい。
売ってるやつみたいだと言うと、「そこまでではないだろ」とグレンは照れ臭そうに笑った。
このやり取りでエルザは覚悟の唸り声を上げた。
「う~……分かったわよ! お仕事するからちょうだい!」
「よし。約束だからな」
やっと差し出された焼き菓子にエルザは目を輝かせた。すぐに細い指を伸ばしたが、ふとその手を止めて、悪戯めいた笑みを浮かべた。
「……グレン君が、叱られないかしら?」
言われたグレンは虚をつかれたように目を見開いて──吹き出した。
「さっさと食って証拠隠滅してくれたらいいだろ」
笑い混じりに言って、二人でクスクスと笑っている。これは牢の前でしていた会話だ──ザックが呆然としている前で行われた。
エルザは焼き菓子を口に放り込んで歓声を上げ、カップを持ち上げて、それはもう幸せそうに笑っている。
一口かじった焼き菓子を片手に、もう一つの手でお皿を持ち上げてザックへと腕を伸ばした。
「ザックももう一つ頂きなさい。一人二つずつよ」
「……それだとエルザ様は四つになるんじゃないですか?」
出来るだけ平然と、いつもと同じになるよう声を紡ぐ。いつもと変わらないエルザが、くふふと笑った。
「私は上官だから四つなのよ」
「理屈は合ってるように聞こえますけど、焼き菓子ですからね……」
どうにかいつもの調子で抗議して、一つを口に放り込んだ。美味いなぁ。
四つ全てを平らげて、カップも空にしたエルザは自分からペンを取った。
「よし、証拠隠滅! なんだかやる気が出てきたわ」
「それなら良かったよ。片付けてくるけど、寝てたらオーウェン様に言うからな」
グレンはそう言ってキッチンへと取って返す前に、ザックを手招きした。エルザは約束というとそれを破りはしないから目を離しても大丈夫だろう。またしても二人で狭いキッチンに篭った。
洗い物を始めようとするグレンの手からスポンジを引ったくる。先ほどは手伝えなかったから、片付けは自分だ。グレンは礼を言ってキッチンに置かれた木製のスツールに腰かけた。
水音だけがキッチンに響く。
「さっきの話の続きだけど」
しばらくしてグレンが口を開いた。
「今はちょっと違うなって思ったんだよ。なんて言ったらいいのか、自分の感情を正確に伝えられる言葉が思いつかなかったんだけどな」
「好き、じゃなくて?」
グレンははっきりと「うん」と答えた。
「でも、さっき分かった。この気持ちってさ──」
ザックが振り返ると、腰掛けるグレンの顔には深い影が落ちていた。
「ヒナに餌を運ぶ親鳥の気持ちなんだなって」
水音すら届かないほどの静寂が、キッチンを支配した。
この場合のヒナとは、推して知るべしだった。
「なぁ、グレン」
出しっぱなしの蛇口をキュッと捻り、ザックは意を決した。
「そのヒナってさ……」
一人の少年の恋をこうも変容させるヒナの恐怖に慄きながら。
「巣から落ちて、地面でピィピィ鳴いてないか」
「鳴いてる。それはもう必死で」
「カラスと猫に気を付けないとな……」
グレンは「うん。でもさ……」と声を震わせた。
「カラスと猫も、絆されて餌を運んできそうだよな……?」
とうとうザックはシンクに突っ伏した。
背後からも堪えきれずに漏れる笑い声が聞こえてくる。
実際に絆したのは猫どころか虎だったのだから、あのヒナは末恐ろしいものだと思う。
だが笑う二人は同時に、この場合のカラスとは自分達なのではと、なんだか納得のいかない事実にたどりついて、また顔を見合わせて笑った。
キッチンには廊下に出られる扉も備え付けられている。それが唐突にガチャリと開いて、グレンが腰を浮かせた。
「話し声がすると思ったら、お前達サボってたな?」
入ってきたのは、出がけの不機嫌さは微塵もなくなったオーウェンだ。
笑い声混じりに言われて、二人は直立不動になる。
「すみません」「申し訳ございません」と各々頭を下げた。
「冗談だ。エルザはどうだ? 少しは進んだかな?」
「ちゃんと仕事をすると約束してくれたので、進んでると思います」
荷物をテーブルに置いたオーウェンはグレンの報告を聞いて「……約束?」と問い返した。
「あの人が仕事をすると約束したのか……?」
「焼き菓子目当てですけど……」
ザックがしれっと白状する。
だがオーウェンは感動か恐怖なのかわからない感情で体を震わせ、叫んだ。
「あの人に仕事関係で約束をさせられるとはなんという逸材……っ末長く拘束しなければ……決して逃さないように!!」
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