313 / 471
313.庇護
しおりを挟む
(お嬢様の開花した素敵な力に、微力ながら私の支えと援護を……)
――『ストゥニール』。
ジャニスティはアメジストとクォーツに気付かれぬよう“心の中”でその魔法を、唱える。
元々、回復を主とする彼だが自分が傍にいられない時間も彼女を護るため日々、庇護魔法の鍛錬にも励んでいるのだ。
「んにぅ……?」
じぃーーーー。
「ん?」
(あぁ、はは。さすがレヴシャルメの子だな。二人に感じ取られないよう細心の注意を払いながらかけた魔法。どうやらクォーツには解るらしい。隠しても無駄ということか)
不思議そうに見つめてきた可愛い妹へにっこりと笑顔で応えるとジャニスティは胸のポケットから懐中時計を取り出し、確認。
(もうこんな時間か……)
「随分と遅くなってしまいました。お嬢様、お時間頂き申し訳ありません」
「私の方こそ」
無事に部屋へ二人を送った後に色々と話していたジャニスティは「そろそろ失礼します」と、挨拶をした。
それはいつもと変わらぬ、やり取り。
しかしアメジストにとっては何かが違うと感じられた、時間。
――大切な、貴方へ。
「ありがとう、心より感謝を……」
――親愛なる、貴女様へ。
「いえ、お嬢様。当然のことです」
ジャニスティとアメジスト。
二人は声に出せない互いへの想いを無意識に心の中で、呟いていた。
すると!
“ぴょ~んッ!!”
「ぁ、ぇ?」
アメジストの前に仁王立ちしたクォーツは自信満々な顔で、一言。
「ぇー、えっと。んぁ……、ダイジョブ? ですのよぉ、お兄様!」
「「エッ?」」
「お姉様には、私がお守りにくっついているのです」
驚くジャニスティとアメジストは互いの顔を、見合わせる。
それからすぐにクォーツへと視線を戻した二人はなぜか? 自慢気な可愛い妹にクスクスと、微笑していた。
「うふふ……なんて心強いのかしら」
「はは、そうですね」
「にゅあ!」
すると両手をめいっぱい広げレヴ語で返事をしたクォーツへ、再度ひざを曲げ腰を落としたジャニスティは妹の目線になると、言葉をかける。
「うん本当に。ずいぶんと頼もしく、可愛いお守り天使様だ」
「わぁ~い、えっへ~ん♪ すごい?」
「あぁ、すごいさ。ではそんな君にぜひ、“お守り”をお願いしようかな」
「おまもーぅ?」
可愛らしく小さいその手を取ったジャニスティは想いをギュッと、込める。
キラッ―――――(『ディファ―ンドル』)。
一瞬の光。
それはジャニスティが二人を“護りたい”とそう思う心から出た、魔法だった。
――『ストゥニール』。
ジャニスティはアメジストとクォーツに気付かれぬよう“心の中”でその魔法を、唱える。
元々、回復を主とする彼だが自分が傍にいられない時間も彼女を護るため日々、庇護魔法の鍛錬にも励んでいるのだ。
「んにぅ……?」
じぃーーーー。
「ん?」
(あぁ、はは。さすがレヴシャルメの子だな。二人に感じ取られないよう細心の注意を払いながらかけた魔法。どうやらクォーツには解るらしい。隠しても無駄ということか)
不思議そうに見つめてきた可愛い妹へにっこりと笑顔で応えるとジャニスティは胸のポケットから懐中時計を取り出し、確認。
(もうこんな時間か……)
「随分と遅くなってしまいました。お嬢様、お時間頂き申し訳ありません」
「私の方こそ」
無事に部屋へ二人を送った後に色々と話していたジャニスティは「そろそろ失礼します」と、挨拶をした。
それはいつもと変わらぬ、やり取り。
しかしアメジストにとっては何かが違うと感じられた、時間。
――大切な、貴方へ。
「ありがとう、心より感謝を……」
――親愛なる、貴女様へ。
「いえ、お嬢様。当然のことです」
ジャニスティとアメジスト。
二人は声に出せない互いへの想いを無意識に心の中で、呟いていた。
すると!
“ぴょ~んッ!!”
「ぁ、ぇ?」
アメジストの前に仁王立ちしたクォーツは自信満々な顔で、一言。
「ぇー、えっと。んぁ……、ダイジョブ? ですのよぉ、お兄様!」
「「エッ?」」
「お姉様には、私がお守りにくっついているのです」
驚くジャニスティとアメジストは互いの顔を、見合わせる。
それからすぐにクォーツへと視線を戻した二人はなぜか? 自慢気な可愛い妹にクスクスと、微笑していた。
「うふふ……なんて心強いのかしら」
「はは、そうですね」
「にゅあ!」
すると両手をめいっぱい広げレヴ語で返事をしたクォーツへ、再度ひざを曲げ腰を落としたジャニスティは妹の目線になると、言葉をかける。
「うん本当に。ずいぶんと頼もしく、可愛いお守り天使様だ」
「わぁ~い、えっへ~ん♪ すごい?」
「あぁ、すごいさ。ではそんな君にぜひ、“お守り”をお願いしようかな」
「おまもーぅ?」
可愛らしく小さいその手を取ったジャニスティは想いをギュッと、込める。
キラッ―――――(『ディファ―ンドル』)。
一瞬の光。
それはジャニスティが二人を“護りたい”とそう思う心から出た、魔法だった。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
「魔法を使わない魔術師を切り捨てた国は、取り返しのつかない後悔をする
藤原遊
ファンタジー
魔法を使わない魔術師は、役に立たない。
そう判断した王国は、彼女を「不要」と切り捨てた。
派手な魔法も、奇跡も起こさない。
彼女がしていたのは、魔力の流れを整え、結界を維持し、
魔法事故が起きないよう“何も起こらない状態”を保つことだけだった。
代わりはいくらでもいる。
そう思われていた仕事は、彼女がいなくなった途端に破綻する。
魔法は暴走し、結界は歪み、
国は自分たちが何に守られていたのかを知る。
これは、
魔法を使わなかった魔術師が、
最後まで何もせずに証明した話。
※主人公は一切振り返りません。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
婚約破棄は構いませんが、私が管理していたものは全て引き上げます 〜成金伯爵家令嬢は、もう都合のいい婚約者ではありません〜
藤原遊
ファンタジー
成金と揶揄される伯爵家の令嬢である私は、
名門だが実情はジリ貧な公爵家の令息と婚約していた。
公爵家の財政管理、契約、商会との折衝――
そのすべてを私が担っていたにもかかわらず、
彼は隣国の王女と結ばれることになったと言い出す。
「まあ素敵。では、私たちは円満に婚約解消ですね」
そう思っていたのに、返ってきたのは
「婚約破棄だ。君の不出来が原因だ」という言葉だった。
……はぁ?
有責で婚約破棄されるのなら、
私が“善意で管理していたもの”を引き上げるのは当然でしょう。
資金も、契約も、人脈も――すべて。
成金伯爵家令嬢は、
もう都合のいい婚約者ではありません。
地味で結婚できないと言われた私が、婚約破棄の席で全員に勝った話
といとい
ファンタジー
「地味で結婚できない」と蔑まれてきた伯爵令嬢クラリス・アーデン。公の場で婚約者から一方的に婚約破棄を言い渡され、妹との比較で笑い者にされるが、クラリスは静かに反撃を始める――。周到に集めた証拠と知略を武器に、貴族社会の表と裏を暴き、見下してきた者たちを鮮やかに逆転。冷静さと気品で場を支配する姿に、やがて誰もが喝采を送る。痛快“ざまぁ”逆転劇!
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる