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468.手助
しおりを挟む「私、アメジストちゃんが見えないところで頑張ってるの、知ってるもん。それからいつも、変わらないその素敵な笑顔でホ~っと安心させてくれるの」
「安心……?」
(私が、役に立てているの?)
嬉しい半面アメジストは自分の方が皆の優しさで安心感をもらっている気がすると心の中で思う。その気持ちが零れそうになり口を開こうとした瞬間、一限目を知らせる鐘が鳴り自習の資料を取りに行っていたクラスメイトたちがちょうど戻ってきた。
ガラガラー。
「皆さん、本日一限目は自習ですので、こちらの資料を一部ずつお取りくださーい」
『えーすごい珍しい、自習ですって』
『本当、どうしてかしら』
『ほら、服飾の祭典に先生が参加してたらしいよ』
『それって毎年のことで、どうして先生がお休みするの?』
『お父様に聞いたけれど、なんかあったのでしょう?』
ざわざわざわ……。
余程のことがない限りその日突然、授業が取りやめられることはない。そのせいか生徒たちは資料を取りに行くどころか私語をやめず噂話に花を咲かせている。
皆に自習だと伝えたおとなしい子は、どうしたものかと困り顔だ。
するとその様子に気付きおもむろに立ち上がると資料の元へ向かったのは――アメジストである。
「これ、皆さんに配りますね」
「えっ、そんなこと……アメジストさんにさせるなんて」
「では、一緒に配布しましょう」
「い、いいの?」
「もちろんです」
にっこり笑顔で返事をすると手早く皆の机へ置いていく。そのうちクラスメイトたちも「あっごめんね」「ありがとう」という声が飛び交い手伝う者も出てきてあっという間に資料の配布は完了した。
「あ、アメジストちゃん。その、ありがとう……助かりました」
「こちらこそ、資料を取ってきてくださって、配布に賛同して手伝ってくれてありがとう」
その場には当然フレミージュもいたが、しかし。これまでとは打って変わって終始無口なままである。それはまるで見守っているかのような感じだった。そしてまた席に着き資料を手に取った時――フレミージュが話し始める。
「ほら、ね? アメジストちゃんの素敵なとこ!」
「……え?」
首を傾げたアメジストへ彼女はその思いを、口にする。
「今みたいにさ、誰かが困っていたら、どんなに不利な状況でも、自分が大変でも助ける」
「それは普通で、今も皆さんで手助けをして」
「普通くない!」
その声からフレミージュが必死に伝えようとしてくれているのが、彼女に伝わった。
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