王宮に咲くは神の花

ごいち

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最終章 神饌

二人の王子5

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「夫たる相手を放り出して自分だけ悦を極めるような色狂いなら、それにふさわしい扱いをしますよ。わかっているはずですね?」

 奴隷を躾ける主人の声は厳しい。
 無意識のうちに張型を奥へ奥へと呑み込みそうになる自分を、シェイドは制御しようとした。

 焦らされるのは辛い。このまま好きなように昇りつめてしまいたい。
 口の中で大きく育てた肉棒に後ろから挑まれて、若さのまま激しく突き入れられたらどんなに気持ちいいだろう。
 きっとすぐに果ててしまうに違いない。
 悦びの蜜が後から後から溢れ出て、頭の中が真っ白になるほど逝き続ける。何もかも忘れて、ただ抱かれる悦びに溺れられる。
 今すぐにそれを味わいたい。

 けれどそんなことになれば、ラナダーンからどれほど苛烈な罰が下されることか。
 ラナダーンは、熱く激しかったジハードとも、優しく追い詰めるサラトリアとも違う。
 シェイドから誇りも尊厳も奪い取り、ただ肉欲に従う獣のような本性を引きずりだしてくる。それが怖ろしくて、同時にひどく甘美にも思えるのだ。

 蕩けそうな下腹に気を取られそうになりながら、シェイドは筋を浮かべた竿を横から啜り上げた。唾液で濡れた口元と懸命に奉仕する舌を男たちに見せつける。





 男の怒張を口で味わうのにも、もう慣れた。
 拉致された砦で傭兵たちに強要された以外、口での奉仕をシェイドに求めた者はいなかったが、ラナダーンだけは違った。
 怒らせた時も、そうでなかったときも、ラナダーンはその大きな逸物をシェイドの喉に収めたがった。

 着衣をほとんど乱しもしないラナダーンの前で、全裸で両手を縛られ頭を掴まれて、喉の奥を突かれたことが何度あっただろう。
 せり上がってくる吐き気に涙や唾液を垂らしながら、それを拭うことさえ許されずにしゃぶりついたことが何度あったか。

 寝台の上に仰臥したラナダーンの顔を跨いで、道具に苛まれる秘部を晒しながら奉仕するよう求められたことも、乳首に鈴と重しをつけて、四つん這いで奉仕する頭を前後に揺らされたこともある。
 ラナダーンとの生活が長くなるにつれ、シェイドは男を満足させる技を否応なしに身につけた。

 抵抗し、ラナダーンの不興を買えば、洗礼の秘薬による気も狂いそうな仕置きが待っている。
 尿道の奥にあの棒を入れられたまま、泣きながら口淫する羽目になるだけだ。矜持が粉々になるまで徹底的に責め立てられ、もう二度と逆らいませんと服従を叫ばされる。
 それくらいなら、自分から進んで堕ちていった方がまだましだった。




 ほとんど毎夜のようにいきり立った怒張を含まされてきた。
 すっかり奴隷として調教されたのだろう。今では匂いを嗅いだだけで下腹がジワリと熱くなる。

 今夜はどんな責めを加えられるのだろう、朝まで許して貰えぬまま終わりのない法悦に啼かされるのではないか。
 考えただけで、馴らされた肉体は怖れと同時に恍惚を思い出して昂り始める。
 今もまた、若い怒張の逞しさに涙を滲ませながらも、シェイドの肉体はすぐにでも陥落しそうなほど昂っていた。

 それに追い打ちをかけるように、ラナダーンが溢れ出る精液に侮蔑の声をあげる。

「なんとまぁ、すごい量ですね。貴方の方からディリウスを誘って、中に出してくれと強請ったのではないですか」

「ンウゥッ……! ち、ちが……ゥッ!」

 浅いところを、張り出した瘤に抉られて腰が跳ね上がった。
 違うと言いかけた口にセリムが怒張を押し込んでくる。

 ラナダーンは張型を用いて、中の汚れを掻き出すように出し入れしていた。
 張型が抜き出されるたびに生温かい粘液が内股を伝い落ちるのだが、相当な量を掻き出されたにもかかわらず、ディリウスが残した残滓はまだ溢れてくる。
 ディリウスがどれほど吐精したのかはシェイドにもわからないが、一度や二度の放出でなかったのは確かだ。

 シェイドから誘ったわけでも、もっとしてくれと強請ったわけでもない。
 ――けれど、もうわかっている。
 ラナダーンにとって必要なのは真実ではない。淫らな罰を与えるための口実だ。

「ディリウスにも罰を与えますが、まずは多情な貴方に、ふしだらな妃がどうなるかを思い知ってもらいましょう」

「ン――、ンンッ……!?」

 コポリと音を立てて石の張型が抜かれた。

 てっきりラナダーンが挑んでくるのだと思ったが、そうではなかった。
 シェイドが気づくよりも早く、先程の張型よりも遥かに巨大な異物が、肉環を押し拡げて入ってきた。





「……ッ、…………ッ!……」

 いけないとわかっていながら思わず身体が前に逃げた。
 ラナダーンはその腰を元の位置まで引き寄せて、十分に解された蜜壺にも受け入れられぬような、並外れた道具を押し込んでくる。

 後ろを振り返ろうとした頭がセリムの手で引き寄せられた。
 もう終わりが近いのだろう、小さく跳ねる怒張に上顎の奥を抉られて、胃が捩じれて喉が鳴った。制止の声をあげる隙も無い。

 後孔を拡げる異物は小刻みに動きながら、大きさに馴染ませるように浅い場所を出入りしていた。
 拡張された肉環が限界を超えるほど張り詰めて、ピリピリとした痛みを感じる。
 今まで使われたこともない、信じがたいほど巨大な道具だ。

 だが、ラナダーンはきっと容赦しないだろう。
 浅い場所で様子を見て耐えられると判断すれば、間違いなくこの拷問具のような性具を奥まで押し込んでくるはずだ。
 涙を溢れさせながら、シェイドは喉いっぱいに押し込まれた肉棒に舌を這わせた。
 早くセリムを満足させなければならない。

 巨大な責め具の振動は、すでに下腹の奥で熱を生み始めていた。

 ラナダーンは巧みで、シェイドが傷を負わないぎりぎりのところを責めてくる。苦痛を与える時には快楽も同時に与え、その境目がわからなくなるような巧妙な責め方をする。

 引き裂かれそうなほどの苦しみが、いつの間にか息苦しいほどの陶酔へと変わろうとしていた。





 ――ラナダーンの言葉は正しいのかもしれない。

 深々と肉棒を含みながら、シェイドは体が浮き上がるような感覚を覚えていた。
 じわじわと沈み込んでくる巨根に怯えながらも、肉体は快楽の階を駆け上っていく。

 ウェルディスの男たちの命を吸って咲く花。
 もしもそんなものがあるのだとしたら、その花はきっと甘い蜜と芳しい匂いで獲物を誘い、蔓で絡めとって精気を吸う淫花に違いない。
 そうでなければ誰も花に命を捧げようとは思わぬだろうから。

 頭上で若い呻き声が聞こえた。

「もう出ますッ……陛下! 上王陛下!……ッう、くぅぅ……ッ!」

 射精を堪えるために根元を押さえていた指を離して、セリムが両手でシェイドの頭を引き寄せた。
 腰を突き上げ、亀頭を喉の奥へと潜り込ませて、終わりを迎える。

「……ッ、ウ……!……!」

 熱い飛沫が断続的に放たれた。溜め切れなかった分が唇から溢れそうになる。
 息もできぬほど奥まで怒張を突き入れられたまま、シェイドは喉を鳴らして粘つく精を飲み下した。もう慣れた味だ。

 口の中から抜け出ていく怒張に舌を這わせて清めた時には、震える白い脚の間からも新たな蜜が零れ出していた。
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