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三章 エイヴィの翼 後編(前期休暇旅行編)
292、翼を取り戻す方法 24(ピリの治療)
しおりを挟むカーテンで囲った特設の個室。
聖女がピリの背中に手を翳した。神に祈り、そして願う。傍から見た「奇跡」は言葉にしてしまえばそれだけだった。
その「奇跡」を起こす中で聖女は魔力の流れや精霊たちの動き、自分の相手のこの場にいる全ての者達の呼吸や鼓動、体の中やその周囲の様々な流れや関係やそれらの関わる事で起きる反応など沢山の情報が流れ込んでくる感覚に襲われる。その一瞬を癒しの聖女メイクが表現すると「世界と言う大波が自分に押し寄せてきて、それを受け止め覆いこみ、波の手綱をとるような感覚」だ。
彼女も聖女になりたての頃は、あの大きな波を一身に受ける事に恐怖を抱いた時期もあった。気を抜けば波に攫われてしまうかもしれない、飲み込まれてしまうかもしれない。そしたら自分はどうなってしまうのか。人の立ち入ることのできない世界で一人、自分と言う意識は藻屑となって消えてしまうのではないかと震えた
今の彼女にとってはそれも懐かしい話だ。
気を抜けば、神を侮れば……、きっとあの想像どおりこの「奇跡」という大きな力に自分は呑み込まれ泡なり塵なりなりになって消されてしまうだろうという考えは今も変わらない。が―――
(けどそんな事恐れてたって助けたい人たちは助けられない。与えられたものは存分に使わせて頂かなきゃ。私がこうする事だって神のご意思なんだし)
自分の芯にこの気持ちがある限りは何も心配する必要はない。利害の一致と言う奴だ。聖女になって長い年月を経てメイクはそれも十分に理解していた。
だから遠慮なく「奇跡」を起こす。
与えられた神の力を存分に彼女は使う。
聖女の無言の祈りでピリの背中の毛はさわさわとそよぎ、欠損した部分に光が生まれその光が翼の形に変化していた。
ピリは背中を包み込む熱と痛みとかゆみが混ざった感覚に全身が足の裏にでもなったような想像をしていた。むずむずする感覚から逃れたいと思うも体の奥底から感じる変化と妙な多幸感にその場に縫い付けられていた。
「―――大いなる我らが主、親愛なる貴方に深き感謝を」
光の形が安定しそれ以上変化が起こらなくなった所でメイクは神への感謝を告げた。言葉と共に光は弾け新しい翼が現れる。
背中ではじけた光を視界の端で捉え、そして暖かい風に押された感覚にピリは前のめりになって「うわぁ……」と呟いた。
「はい、終わり。まだ飛べないと思うから焦らずゆっくり馴らしなさいな」
ピリは呆然と後ろを振り返った。稼働可能な範囲で精一杯首を後ろに回し、ここ最近空になっていた場所に自分の翼を認める。
じっと見つめる間、「コツコツコツ……」と彼女の嘴が一定の間隔で音を上げていく。やがて「カツン!」と一際おおきく嘴を鳴らすと、ピリは「ピリの翼……!」と状況をやっとの見込み声を上げた。
「そうよ」とメイクがほほ笑む。
「ありがとう……聖女様、ありがとう……」
「ええ、大事にしてね。―――じゃあそとに出て少しお休みなさい」
「うん」
ピリはまだ実感が湧かないままに個室から出た。後ろから「次の人を呼んできてくれる?」と騎士に伝えたのであろう聖女の声が聞こえた。
「ピリ……!」
「ああ、貴方翼が……」
出てきたピリの元に同行してきた彼女の両親が駆け寄る。ピリの翼を見て二人は言葉を失っていた。喜びは涙となって溢れ、二人は当の本人を置いて感動に打ち震えていた。
「良かった、良かった」と娘を抱きしめる母。
ピリの姿に治療を待っていた者達は目を丸くしていた。
「失った翼が戻った……」
「―――奇跡だ……」
「俺達、治るんだな……」
と辺りからぽつりぽつりと言葉が零れた。
「ピリちゃん」
エリーがピリの元に駆け付け、抱きしめられた彼女を見下ろす。
「良かった」
「うん。……」
ピリはぼんやりとする頭に引っかかるものを感じ、カツカツと嘴を合わせて「あ、」と声を上げる。
「エリー、アルベラは?」
「ええ」
エリーはアーチを指差した。
アルベラの名に、ピリの両親が顔を見合わせるのを見てエリーは何とも言えない気持ちになった。
「アルベラ、もしかしてピリに会いたくない?」
「いいえ、そんな事ないけど……」
「お母さん、お父さん、ピリアルベラに会ってくる。いい?」
娘と視線を交わらせ、彼女の母は「……ええ」とピリを抱いた。
「貴女の翼を治そうと頑張ってくれたお友達だものね……ちゃんとお礼を言うのよ」
「けど行くなら僕達も一緒だ。ピリも翼が治ったばかりだしね」
ピリの父は娘の怪我の事で危険な事に敏感になっているようだった。娘の気持ちは尊重したいが、またあんな怪我を負って辛い思いをさせたくない。何より娘が傷つけば自分も悲しいのだと、そんな気持ちをエリーは垣間見たきがした。
三人の真ん丸な瞳が「と、言う事で」というタイミングで一斉にエリーへ向けられた。
三人ともアルベラに会う気は満々のようだが、それについてはエリーもどう答えたらいいのか分からなかった。
「うーん、そうねぇ。良いのかしら……?」
「難しいかと」とガイアンが会話に入って続ける。
「この場も勿論ですが、アーチの外は通常なら関所の手続きが必要な場所です。無断入国や無断での領地の侵入になる可能性が」
「やっぱり?」とエリーは思うも、目にしたものに「まぁ」と零し笑みを浮かべた。
「ふふふ……ガイアン様、それについては大丈夫そうよ」
「……?」
エリーが手で示した先にはラツィラスがいた。彼は治療の陣に魔力流しながらこちらに向け指で丸を描いている。エリーの視線が自分の方に向けられている間にと、彼は丸を描いていた手を解き人差し指を立て唇に当ててみせる。エリーは頷き、手で丸を作って返した。
「OKですって。皆には秘密にしてね、って所かしら」
「ぴぃ……!」
ピリの瞳が輝く。
「殿下の許しがあるなら私からは何も」とガイアンは微笑む。
翼を取り戻したピリの姿を見て治療待ちの患者たちがざわめく。
その中の一人が恨みがましくぼそりと呟いた。
「―――『不吉の匂い』が……罪滅ぼしのつもりか」
シスターが難解な陣を描くのを傍らで待っていたジーンの耳は偶然その呟きを拾っていた。
声の主は一人の老人だ。彼はジーンと目が合うともそりと首を横に向け目を逸らした。
「気にしないでやってくれ、ヌーダの兄ちゃん」
陣の完成を待っていたエイヴィの男、自分と同じくらいの歳にも見える隻眼のエイヴィが口を開く。
「あの爺さん、今回の件で息子を失ったんだ。強い翼をもった自慢の息子だったから…………息子の敵は倒されたっていうし、感情をぶつける相手がいなくて辛いんだろうよ」
くすりと笑い彼は声を潜める。
「折角おこぼれで体の不調を治してもらえるってのに、爺さん死んだ息子に負い目を感じて頑なにこれに参加しようとしなかったんだぜ」
「―――できました。さあ、貴方は目を閉じて。ジェイシ様は魔術の展開をお願いします。ゆっくりと全ての線に魔力をいきわたらせてください。治療が終われば陣は自然に消滅します」
「了解です」
シスターが隣の患者の元に移動しジーンは彼女と入れ違いで完成したばかりの陣の前に膝をついた。
「でさ、だから皆でひぱって無理やり連れて来たんだ。隣に婆さんがいんだろ。爺さんの手元と足見えるか? 逃げ出さないよう婆さんが押さえてるんだ、笑っちゃうよな」
目を閉じて治療を受けるエイヴィは、変わらずお喋りを辞める気はないらしい。
「注射が嫌いな子供じゃあるまいし……笑っちゃうよ、ほんと……」
「……?」
青年のエイヴィの声が揺らぐ。ジーンは治療に不備があっただろうかと「大丈夫ですか?」と問いかけた。
「ああ大丈夫だ……わりぃ。けどさ、俺も爺さんが意固地になる気持ちはよく分かるのに、迷いもしなかった。だってもう治らないって諦めてたんだぜ。自分のドジで片目無くしといて……それでも問題なく生きていけるってのに……ずっと……ずっと世話になってた兄ちゃんが死んで……ちゃっかりこの目は治しにきてやんの……わらっちゃうよ……―――なぁ兄ちゃん、聖女様は死人は生き返らせらんねぇのかなぁ……」
隻眼の彼はボロボロと涙をこぼしていた。
ジーンは陣に集中したまま返す。
「聖女様にも死人は生きかえらせることは出来ません」
「……そっか……だよな……だよな……」
彼はそれきり治療が終わるまで言葉を発しなかった。急に思い出してしまった悲しみにまともな言葉を発する事が出来なくなってしまったようで頬を伝う涙をしきりに拭っていた。
治療が終わり、彼はゆっくりと両目を開けた。
「どうですか、見えますか」
「……ああ、見える」
治療が成功していることに一先ずジーンは息を吐く。
「兄ちゃん、」
「はい」
「『不吉の匂い』の嬢ちゃんが聖女様に頼んでこの場を設けたってのは本当か?」
「不吉の匂い」と言う言葉は聞き馴染みがない。「嬢ちゃん」と示される人物はアルベラであろうと理解しジーンは少し考える。
「……彼女が聖女様にご友人の治療を頼んだのが切っ掛けではあります」
「ピリの治療が切っ掛けで、か……。なあ、それって簡単なことか? あんたの国の聖女様って奴は、頼めば気軽に治療しに飛んできてくれるのか?」
「いえ、今回は特殊なので。聖女様からの治療もそこまで手軽な話ではありません」
「そっか……くそ…………馬鹿だな、聞かなきゃよかった。聞かなきゃ………このまま何も考えず憎み続けられたのに……」
また涙があふれ出してきた彼にジーンは治療用に渡されていた乾いた布を渡した。
「ジェイシ様、次はこちらを」
シスターの呼びかけにジーンは「はい!」と返事を返す。
「治療、ありがとな兄ちゃん」
「いえ……お大事に……。亡くなったお兄様についてはお悔やみ申し上げます」
「あぁ、きっともう神様の懐ん中だ」
青年は涙を拭きながらにっと笑った。そんな彼へ、ジーンは傷を抉る事になるだろうかと遠慮気味に尋ねる。
「あの……すみません、もしよければ後で聞きたい事があるんですがいいですか」
「なんだ?」
「『不吉の匂い』って言うのが何か。知らない言葉だったので」
「……そうか、分かった」とエイヴィの青年は少しバツが悪そうに頭を掻いた。
***
「アルベラ!」
「ピリ……」
アーチの中から突然飛び出してきた彼女に、アルベラは椅子に座ったまま呆けてしまう。
ピリはテントの中を見回しアルベラの姿を見つけると彼女に駆け寄って翼を広げ飛びかかった。
「アルベラ! 元気になった? 怪我は治った? 心臓何ともない?」
「何で……ピリ、来て良かったの……?」
アルベラは困ったようにアーチへ目を向け、今しがた潜って現れた人物に目を向けた。
そこにいたのはピリの両親とエリーとガイアンだ。
ピリの両親が深く頭を下げ、アルベラも呆然と会釈をして返す。
「ラツィラス殿下の許可は頂きましたから」
とエリーはテント内の見張りの騎士達にも聞こえる声で伝えた。
「そう」とアルベラはピリの背を抱く。
飛びついてくる時に見えた顔は以前よりやつれて見えた。自分の肩に嘴を乗せぎゅっと体を締め付けてくるピリ。その背中に翼が戻っているのを見てアルベラは「良かった……」と呟いた。
「私はもう全部何ともないから。貴女ほどの大怪我でも無かったし。ピリこそ治ったばかりでしょ? そんなに動いて大丈夫なの?」
「うん。大丈夫。もう全然平気」
とピリは頬を摺り寄せる。
「―――あのね、あの……ピリ、翼が無くなったのは運が悪かっただけなの。アルベラの事恨んでなんてなかったよ」
「そう、ありがとう……」
「もう翼無くても気にしないでいいやって思ってたの。皆助かったし、生きてるだけ幸せだって……思ってた―――……けどね……けど……」
ピリの大きな瞳をジワリと涙が覆う。
「けど、やっぱり翼戻ったら嬉しい……もういいやって、気にしないって決めたのに……ピリ、また飛べるんだって……―――」
小さな嗚咽が聞こえて来て、アルベラはピリの背をトントンと叩く。
「ありがとう、アルベラ……ありがとう……」
「……」
(治したのは聖女様なのに……―――私が……何て言葉を掛けたらいいんだろう……)
声を掛けたいのに、胸が熱いのにアルベラは何も言えずにいた。
(ごめんって言ったら……『貴女は悪くない』って言って欲しいみたい。『良かった』って……? そんなの恨まれ事をノーカンに出来た私の感想でしょ……。だめだ、出てくる言葉全部自分のために言ってるみたい……)
自分があそこに行かなければピリは巻き込まれなかったのも事実。それに対して申し訳ないと思う気持ちがあった。失った翼の事でピリがもう涙を流さなくてもいいのだと彼女が以前の暮らしに戻れるのだという事への喜びもあった。
なのにそれを言おうとすれば、彼女の捻くれて拗れた部分が「どうせ全部偽善でしょ?」「本当にそれは相手を思っての言葉?」と出て来て言葉を飲み込ませる。
何も言わずだが辛そうな表情で唇をかむアルベラに、タイガーは言いたい事を言えずぐずっている時の息子の顔を重ねて苦笑した。
「お嬢様、ちょっとご無礼をいいですか」
視線を返され、タイガーはそれをイエスと勝手に受け取って彼女の鼻をつまんだ。
「……!?」
アルベラは予想外のことに当然驚き、タイガーはクスクス笑いすぐに彼女の鼻を話す。
「頭の中リセットされましたか?」
「なにを……」
「いいですか」と彼は指を立てて教授する。
「これは誰がどう見てもめでたい場面です。喜びたければ素直に喜んでください。遠慮はいらないんです。彼女は貴女のお友達でしょう。今までの不安だって喜びだって、受け止め合えるのは友達の特権ですよ」
呆気にとられぽかんとしているアルベラの頭にタイガーは父親の大きな手を乗せる。
「貴族だからと一生自分の言葉を隠して生きる必要はありません。こういう時は深く考えず思った事を口にして下さい。お嬢様は自立した精神をお持ちで頼もしいですが、拍車がかかって孤独になってしまうのではないかと……俺はそれが少し心配です」
「……」
タイガーの言葉にアルベラは自分の中で何かが剥がれ落ちるのを感じた。
(……そうだ)
タイガーは少し勘違いをしているようだが自分が素直でないのは確かだった。なぜこんなに言葉選びに慎重になっているのか。
(自分のためか人のためかなんて……。発した時点で言葉の解釈は相手に丸投げになっちゃうって言うのに……)
相手にその権利も与えず自分の中であれこれ考えて何も言えず完結させるなんて馬鹿らしい話だ。
緑の瞳が揺らいだのを見てタイガーは彼女の頭から手を離す。すっかり子ども扱いしてしまったと、彼はぴしりと姿勢を正し騎士として頭を下げる。
「失礼いたしました」
「いえ、ありがとうタイガー。―――ピリ、」
アルベラはピリの肩をかり彼女の羽毛に顔を埋め柔らかい羽と高い体温を感じた。アルベラは言葉を探し躊躇いながら口にする。
「―――……翼……無くなって不安だったでしょ、辛かったでしょ……」
「うん……けど 治ったよ」とピリがしゃくり上げながら返す。
「それだけじゃない、魔獣に追われて一緒に戦わせちゃって……沢山不安だったはずなのに……私を助けようとしてくれたり……気遣ってくれたり…………―――ほんと、何なの……信じらんない……意味わかんない……」
自分の肩からぽつぽつと聞こえるアルベラの声。「信じられない、意味わからない」の件でピリは「ピィ……!?」と声を上げた。
くぐもる自分の声にアルベラは小さく顔を浮かす。
「ピリ、ありがとう……ごめんね、―――翼、治って良かった……」
そう言うとまたぽすりとアルベラはピリの肩に顔を埋めてしまった。ぎゅっと、苦しくない程度にアルベラの両腕に力が込められピリの羽毛が押された分ふわりと膨らむ。
思う存分先に泣いていたためピリは既に泣き止み感情も落ち着いていた。彼女はアルベラの方を軽く向き嘴で彼女の頭を撫で付ける。今度はピリがアルベラの背中をポンポンと叩き慰めていた。
アルベラは顔を上げる様子もなく、ピリはそんな彼女と寄りかかり合うように座っていた。
「ん……」
ごしごしと目を擦るピリの様子にアルベラの席の隣に座っていたファーズが何か気付いたように顔を上げる。
「こちらの方は先ほど聖女様の治療を受けられたのですね?」
ファーズが問いかけたのはアーチの前に居る者達だ。
ピリの両親はこくこくと首を縦に振っていた。
「ええ」「そうです」とエリーとガイアンも頷き「そうだよ」「はい」とラツィラスとジーンとシスターも頷く。
いつの間にか自分達の後ろにいた二人へ「あらあら、殿下にジーンちゃんいつから?」とエリーがこそりと尋ねる。
「ふふふ、ひみつ」とラツィラスが答えた。
「僕らの手伝える治療が終わったからさ、様子見に来たんだけど……」
ラツィラスはエイヴィの友人にもたれかかるお嬢様を見てくすくす笑った。
「問題無さそうだな、戻るぞ」
「わ……」
ジーンがラツィラスの襟元を掴みアーチの中へと引っ張っていく。「あら」と零しエリーはそれを見送った。
「私はそろそろ魔充(電池)切れになるだろうから様子を見に行くように聖女様から言われまして」と聖域から様子を見に来ていた癒しの教会のシスター。
彼女はピリの元に行き、「やはり眠たそうですね」とウトウトしている少女を確認して呟く。
「多分明日の朝かお昼まではぐっすり眠ってしまうでしょうから、ご挨拶は今のうちに済ませた方がいいかと」
「……分かりました」
眠っていたわけでも何でもない、ピリの肩に熱くなっていた顔を隠していたアルベラはむくりと顔を上げた。
目元が赤くなっているのを見てエリーがハンカチを渡す。
「ピリ、またね」
「うん。アルベラ元気でね。皆によろしくって言っておいて―――」
「ええ」
―――くー……
ピリは言い終わるや否や寝息を立て、こてりとアルベラに全体重を乗せた。そんな彼女にアルベラはくすりと笑みをこぼし「ありがとう」と別れの前の最後の感謝を告げる。
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