アスタッテの尻拭い ~割と乗り気な悪役転生~

物太郎

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四章 第一妃の変化

308、初めての宿泊学習 4(旅の打ち上げで)

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 酒と料理が運び込まれ、アンナの「乾杯」の合図で宴会は幕を開けた。

 アルベラはタイガーとガイアンに改めて礼を言い、この一週間の学園生活についてや二人がどう過ごしたか、これからどう帰るのか等を話した。そのまま会話はアルベラの現状の魔法や魔術、動きについてのアドバイスが始まり、次の長期休暇は是非ブルガリー領に来たらいいと熱く押された。

「―――そう言えば聞きましたよ。宿泊学習が来週末にあるとか」

 と言ったのはガイアンだ。

「宿泊学習? ええ。ウディーネの聖域傍らしくて。日中だったら聖域への立ち入りも良いんですって。学習とは言ってるけど三日間のんびり過ごすだけ見たい。授業は受けたい人たちで申し込みをして……あ、飛び入り参加もアリだそうだけど」

「は!? ピクニックでウディーネの聖域!?」とタイガーの横の席に居たナールが腰を浮かせる。

 彼は視線が集まるも怯むことなく「……クソッ、これだから貴族は!」と言いながらアルベラの前に「タンッ!」と五百ミリリットルのビーカーサイズの瓶を置いた。

「も、もし妖精が居たらこれにいれてきてくれ。あとケルピーだ。ウディーネのケルピーは賢くて穏やかだって評判なんだよ。湖いけんだよな? だったらこれもだ。使い方くらいわかるよなオジョウサマ?」とナールは瓶の横に魔術的な札が沢山貼られた竹の筒のようなものを置いた。

 瓶と筒からナールへと視線を移し、アルベラは目を据わらせる。

「―――違法狩猟」

「あ? んだよその顔。こちとらオジョウサマのご旅行で命として戦ったんだぞ! 大体既に神じゅ―――」

 ―――ばしゃん!

 神獣の一言を口にしようとしたナールへアルベラは水を放つ。概ね「既に神獣を狩っておいて今更違法も何もない」とでも言いたかったのだろう。

「うるさい! 旅についてはそれなりの報酬と治療費と壊れた設備代の保証だったりあんたにはあれで十分でしょう!? 御礼に犯罪行為をしろなんて割に合わなすぎんのよこのひん曲がり!!」

「あぁ? 妖精の一匹や二匹捕まえたってバレやしねーんだよ!」

「それなりに騎士おいて見張り立ててる警戒状態であんたそれ同じこと言える!? 一応学生の私達だって悪さしないよう見張られてる立場なんだからね!」

「あぁん!? じゃあ騎士の見張りいなけりゃやってやったっていうのかぁ!」

「やるか馬鹿!」

「―――じゃあ……聖域の外なら構わねぇだろ。あそこら辺は森に囲われてる。確かに聖域内での狩猟はご法度だ。けどその周りにも妖精やケルピーは出るし騎士も置かれてねーだろ。妖精もケルピーも無断での狩猟は禁止されてるが、事前に申請さえ出して置けば指定の数以内はOKだ。犯罪でもなんでもねー」

「……」

 一瞬確かに、と思いかけたアルベラだがタイガーが「駄目ですよ」とナールの口を塞いだ。「貴族のお嬢様に悪知恵入れ込んでんじゃねぇ!」「馬鹿かお前、騎士の前で」とゴヤとスナクスがナールの背中やら頭やらをひっぱたく。

「お嬢様、許可を得たとしても妖精とケルピー自体の狩猟は危険です。特に妖精は報復が怖いですよ。その男の口に乗せられてはなりません」とガイアンが静かに釘を打った。

「え……えぇ、そうね」

 ナールの言葉に「ならちょっといいかも」と、妖精と魔獣の捕獲に興味を持ち始めていたアルベラは、「だめですよ」と念を押すガイアンに視線を逸らしながら頷く。

 その顔を見ながらほほ笑むエリーは「お嬢様、捕まえなくても探しには行きそうね」とアルベラが宿泊学習中妖精や魔獣探しの散歩へ出るかもしれないと予想していた。





「―――ちがう。『幼き竜』って言われた」

「えぇ……」

 洞窟内に竜血石を取りに行った際のミミロウの話を聞きビオが顔を青くする。

「ねぇ、残留思念って魔力よね? 思考力や認知力は無い筈でしょ? 何でリアルタイムでその場にいる人間を言い当ててるのよ。……ねえミミロウ、魔力は? 勿論魔力感じたわよね?」

 ミミロウは思い出すような間の後首を横に振る。

「うーうん。無かった」

「き、気のせいよ……きっと何か、魔力を隠す仕掛けとかあったかもしれないじゃない」

「うーうん。無かった」

「なんで言い切れるのよぉ……」

 にこにことした表情でいながらも冷や汗と涙を浮かべ逃げ口を探すビオだがスナクスが呆れながら「ははは。お化けじゃね」と軽々しくその逃げ口を塞ぐ。

「亡者とか怨霊だとか仲間内で散々聞く話だろ。なんで今更ビビってんだよ。遺跡行ったら話しかけられただの、罠に誘い込まれて危うく仲間入りするところだっただの。『亡者の里』とかも話は有名だけど実際探すと全然みつかんねーよな。どこにあんだか」

「でけぇ口の幽霊に尻舐められたってのなら聞かれた事あるな。話してたのはいい年したおっさんだったが」とゴヤ。

「やめてよぉ……全部魔獣とか低俗な魔族の仕業でしょ……」

「はははっ! その幽霊変態かよ!」

 アンナがケラケラと笑い「オメーと同じだな」とゴヤに突っ込まれる。アンナは度数の強い酒瓶を握りしめゴヤの後ろに回り込んだ。

「凄いわねミミロウ。本物のお化けを見れるなんて」

 とカスピが言うとミミロウはぐっと親指を立てた。

「カスピさんはお化けや幽霊は怖くないんですね」とガイアンが話しかける。

「ええ。教会育ちですから、子供の頃から散々聞いてて馴れてしまったんです。亡霊やゴースト退治なら冒険者になってから散々受けましたし」

 アルベラは彼等の話を聞きながらおかしなものだと思う。

(残留思念も十分おばけっぽいのに、死者が残した『魔力』って分かってるからか皆そんなに怖がってないんだもんな。魂が魔力を使ってこの世に干渉できる力を持った時点で魔獣扱いだし)

 それがスクリームやゴースト、ミイラなどまとめて亡者と言われる者達なわけだが―――とガイアンとカスピが怪談話を肴に穏やかに話している光景をアルベラは眺める。

(何かあそこだけ大人の社交界みたいな優雅な雰囲気になってるんだよな)

 お似合いではあるが……冒険者と騎士とは。一体どのような付き合いになるのだろうか。ガイアンはどれだけ本気なのか。相手はどれだけ勘づいているのだろうか、とアルベラは気になってつい聞き耳を立ててしまう。

「じょぉーうちゃぁーん!」

 強いアルコール臭が鼻を突き、どさりと肩に重みが加わった。

「アンタ、私が気づいてないとでも思ってるのかい?」

「な、なにが……?」

「それ、さっきから飲んでる瓶酒じゃないね。ほれ、お姉さんが飛び切りのおすすめの注いでやる」

 アンナが度数の濃い酒を開いているグラスに注ぐ。火種がないというのに火がついて燃え始めるのではという熱のある酒の香。アルベラはぞっとして腰を浮かせた。何かあればすぐ逃げ出せるようにと体が無意識に動いていた。

(ま、まずい。姉さんのこの酔い加減……全然浅い。今から飲まされたら早々に潰れて意識無くなった体をずるずるに引きずり回される……)

「では先に私が」

 アルベラの前から別の手がグラスを受け取り持っていく。褐色の大きな手はタイガーの物だった。

「今日は最後までお付き合いできませんしそのお詫びも兼ねて。アンナさんとはまたゆっくりお話ししておきたかったので。少しお付き合頂いても?」とアルベラを挟んでアンナの前に立ったタイガーは何故かナールと肩を組み引き連れていた。ナールは「なんで俺まで……陽キャ二人相手とかマジ勘弁……!」などぶつくさ言っているがタイガーは聞く耳持たずだ。

 受け取ったグラスをタイガーが飲み干す。「くぅ……これはなかなか……」と顔をくしゃりとさせる彼を見てアンナはニンマリと口端を吊り上げた。

「良いねぇ騎士様! じゃあまずはあんたから潰して差し上げるさ! 起きた時自分がどうなってようが後悔するんじゃないよ!」

「美人と杯が交わせるなんて騎士冥利に尽きます。ですよね、ナールさん」

「俺は騎士じゃねー! 離せ! 死にたくない!!」

「あぁ? アンタリーダーの酒に付き合えないっていうのかい? また全裸にして吊るすよ!」

「酒に付き合ったって吊るすだろーが! あんたのせいで俺はあれから露出狂だの変態だの女共からの扱いが散々なんだよ!!」

(うわぁ……)

 ナールの言葉にアルベラは同情する。そして酒に潰れたら自分にはどんな末路が待っているのかと想像もつかずに身震いが起きる。

 ナールはアンナとタイガーに左右の腕を掴まれ奥のソファへと引きずられていった。ソファの周りには背の低い棚や丸テーブルが置いてあり、そこには既に酒樽や瓶が置かれていた。あれは乾杯してから店員たちが運び込んだものだ。今晩の酒は簡単には尽きなさそうだ。アルベラは恐怖に固唾を飲む。

「なあなあ、アルベラちゃん」

 ガコ、という椅子を置く音。アルベラの斜め後ろにスナクスが座り、先ほどアンナが勧めてめてきた酒瓶をアルベラへ渡した。

「ソレ匂いはきついけど実際味と口にいれた時の香りはいいんだぜ。匂いの通りあっついから飲むなら割った方が良いんだけど……。おすすめは果物水かな。金持ちはハーブティーと割って寝る前に飲んだりもするらしいぜ。ちょっと飲んでみる? エリーさんとガルカさんもどうっすか?」

「なるほど。薄めれば……じゃあ果物水で」

「ふん。気が向いた時にでも飲んでやる」

「そうねぇ……私はそのままで」

(原液……)

 とアルベラは「流石です」と思う。

「ははは! 俺はまだ原液無理だわ! 流石! エリーさんアンナの姉さんと飲みで競って一勝してんだろ? 今日は頼りにしてるわ」





 ***





(飽きたな……)

 皆が言葉と酒を交わし楽しそうにしてるのを眺め、ガルカは気配を潜めそっと席を立った。

 スナクスという男が少々気に食わなかったがどうなる事もないだろうと、梁を足場に屋根の一番高い位置にある窓へと登って出る。

 コントンもずっとアルベラの側にいるわけではない。今は楽しい事を探しに外をふら付いているようで彼の気配はこの店の中には無かった。

 ガルカが窓から出て屋根の上を適当にぶらついていると、何処かで酔っ払いが「化け物だぁ! 何かでけぇ黒いのが俺の足に絡みついてきて!」と声を上げたのが聞こえた。地面に倒れ込む音から、人気のない道から命からがら駆けて出てきた所かと想像する。

 人のざわめきに「魔獣かしら、怖いわね……」と心配する声や、「よっしゃ! 腕試しに狩りに行こうぜ!」という駆け出しの冒険者であろう若い声、「酔っ払いが……布かなんか引っかけたんだろ」と呆れた声等があった。

 ガルカはくつりと笑い「コントンか」と思う。

(あまり目立って退治されるなよ)

 とそちらに背を向けて散歩を再開した。





 適当な頃に店を見に行けばあの水色頭の騎士が金髪の騎士を支えて店を出た所だった。

 少し動きが鈍くなっているアルベラにはエリーが付いており、二人で騎士達を見送っていた。店の三階では「ざけんな! これからが良い所だろうが逃がさねーぞ!」とアンナが暴れ、それを冒険者たちが取り押さえていた。

 アンナとタイガーに挟まれ飲んでいたナールは上半身を脱がされ床に転がっているのが外からでも見え、顔面を蒼白にして倒れる情けない男の姿が愉快に思えガルカはくつりと笑う。

 今戻ってアレ(アンナ)に見つかって絡まれたら面倒だなと思い、ガルカはまた店を背にして適当に街をぶらついた。

 途中煙が上がり、人のざわめく場所に遭遇しそれを眺めた。

 建物は屯所だった。燻された巣から虫が這い出てくるように兵士たちがぞろぞろと出てきて、焦った様子で彼等は四方に散っていった。どうやら罪人を逃がしたらしい。それを暫し眺め飽きてまた適当にぶらつき、又少しした頃、優れた聴覚を持つ耳が「混血が逃げたぞ!」「鍵が開いてんじゃねーか! どういうことだ!」と喚く声を拾った。そちらは煙などは一切上がっていない。ただがちゃがちゃと鎧がぶつかり合う音が忙しそうになっていた。

 今日は随分と間抜けな兵士が多いらしい。

「籠の管理もできないとは間抜けな奴らだ」





 ―――カタ……

 日を跨いだ深夜、ようやくガルカは店へ戻った。物音少なく窓から中に入り天井から下々を見下す。

 酔って潰された男達に、今現在絡まれて目を回しているお嬢様。唯一の付き人のエリーも柱や椅子に話しかけたり頬ずりしたりとしていた。

 ソファーの端ではミミロウが眠りについており、ビオはアルベラという犠牲の元今日は何とか粘って意識を保っていた。彼女もアルベラを見捨てたわけではないのだ。だがアンナにたてつけば「うるせー! 文句があんならあんたも飲みな!」だ。結果ミイラ取りもミイラ。だが今日のアンナはお嬢様に執着しているためビオへの意識は薄くいつもより少ない難で済んでいた。―――いつもより少なかろうが、大災害には変わりないが。

「コントンいるか」

 ―――バウ

 先に戻って来てこのどんちゃん騒ぎを楽しんでいたコントンが、影の中真っ赤な三日月を描く。随分楽しめていたのが伝わり、ガルカは少し惜しい事をしたかともう少し早く戻ってこなかったことを後悔した。

「適当に開いてない瓶を投げろ」

 バウ、という声とともに床から瓶が一本ガルカ目掛け飛んでくる。それを受け取り栓を開け、ガルカは災難に呻くアルベラを見て笑う。

 彼が初めの一本を飲み干す前にアンナは電池が切れたようにパタリと倒れ、それと共に脅威から解放されたカスピとビオも意識を手放していた。





 部屋が静まったのを感知したランプがゆっくりと明かりを落としていく。完全に寝静まったとみて、ガルカは梁から下りて座り放題の椅子を適当に一つ引っ張り腰を下ろす。

 足元は死屍累々だ。

 傍の柱の根元に開いてない瓶を見つけそれを拾い上げる。出てくる前にスナクスが勧めていた酒だった。匂いを嗅ぎ「キツイな」と思いながら栓を開け口に入れてみる。

(ほう……なかなかいける)

 数回口に運び「うぅ……」というアルベラの呻き声にそちらへ視線を引かれた。

 何を苦しそうにしているのかと思えば、彼女の腹のにアンナの腕が絡まって締め付けていた。

 不憫な奴だ、と思いながらガルカはそちらへ向かう。飲んでいた酒瓶を適当に床に置き、お嬢様の顔を見下した。

 アンナが「へへ、へへへ……」と涎を垂らしながら眠り、アルベラの腹を締め上げる。

「ぐ……う……―――ころされる……」

 アルベラの眉間に寄った皺を摘まみ上げ、ガルカはくつくつ笑った。

「散々死ぬ機会ならあっただろうに貴様はこんなので死ぬのか」

「……モ ヴィ―――」

「ん?」

「モヴィ エ……いや だ……――――――ピリ……エリー……ガ ル……」

「……」

 本格的に苦しみ出した彼女の姿に、ガルカはその腹からアンナの腕を引きはがしてやった。苦しい夢から解放されたアルベラの目じりには涙が溜まっていた。

(あの時は泣きもしなかった癖に)

 涙を指先で払ってやり、飲み過ぎで白くなった頬を撫でてつまむ。

 このまま食らってやったら、きっと彼女は自分に心を閉じて遠のくのだろう。とガルカは考える。

(大体……食らうも何もこんなガキ……。せめてもう少しでかくなくては食いごたえもない……)

「た べ……」

「……」

「コントン……食べ、て……」

 ―――バウ!

「何をだ」

 とガルカはアルベラの口を片手で塞ぎ鼻を突きだしたコントンに「何も食うな」と告げる。

 呆れて息を吐く彼の、空いている方の腕が掴まれる。アルベラが起きたのだろうか、思った彼だったが違った。後ろからずるりと床を這う音と「おぉ……とぉぉ……」という呻き声が聞こえた。

「……こいつ」

 とガルカがその人物を察して振り返ると、アンナが目を爛々と輝かせ肩から胸までをはだけさせて飛びかかってきた。

「魔力の多い男ぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「……!?」

 ―――ドッ! ガラガラ……ガタッ、パリン、ガシャン!

 と飛びかかるアンナを交わしきれず、足にしがみ付かれるガルカ。二人は必死の攻防で床の上もみくちゃになる。

「貴様―――っこの、馬鹿力が!」

「お゛ぉぉどぉぉぉごぉぉぉぉぉ……」

 ガルカは彼女を引きずりながら窓の外へと飛び出し翼を広げる。自分の足に纏わりつくアンナを足蹴にするも、アンナはしぶとくしがみ付いて来た。半身を窓の外に乗り出し、執念深く己の腰のベルトに腕を伸ばしてくる彼女にガルカはヌーダ相手に抱いた事のない恐怖を感じた。

「『酒が抜けるまで目覚めるな』!!!」

 まともな意識もなく本能だけで動いていたアンナが拒否の言葉を発する事は無く、魔族の言葉はアンナの体を容易く絡め取った。彼女の瞼は力なく下ろされ、上半身はだらりと窓の外に垂れ下がり干された布団の様に眠りにつく。

 ガルカは向かいの店の屋根に飛び乗り、若干の恐怖に心拍数の上がっていた胸を抑えた。

「なんて女だ……」

 呆然と呟く。長旅の中で起きた戦闘でも大して乱れる事の無かった髪や服は、突然の取っ組み合いで見事に乱れに乱れてぼろぼろになっていた。

 翌日冒険者とアルベラ達は昼近くに解散し、アンナは夕方になるまで目を覚まさなかった。





 ***





 後日、アルベラも冒険者達もあの旅行についてはけりを付けて終わったものと忘れかけていた頃、冒険者達の元に冒険者ギルドを通して荷物が届いた。

 送り主はブルガリー伯爵だ。タイガーとガイアンから報告を受けた伯爵が、孫の旅行に付き合い責務を果たした冒険者達へと礼の品を送ったのだった。

 いつだったか旅の中で冒険者たちが欲しいと言っていた品々―――赤い魔充石に頑丈なグローブ、切れ味のいい最高級の短剣にワイバーンに上手い肉―――「騎士と一晩」と言ったアンナのみ叶えられず代わりに高価な装飾品(魔術具)が送られた。それについてアンナはアルベラへ文句の手紙を送り付け「今からでもあの騎士のどっちか送ってこい」等という無茶を言うのでアルベラは手紙を無視した。

 カスピの元にはアレック・ガイアン名義で品が届いていた。

 久しぶりにアルベラがカスピと再会した時、彼女のガイアンの呼び方は「アレックさん」になっており、彼女はその名を随分くすぐったそうに呼んでいたとかいなかったとか―――。



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