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第二章 《宝石の国》エメラ
第14話 目的
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「【空間転移】」
俺はエリスの元に戻ると、周りに誰もいないのを確認して仮面を外した。
また何かの時に使えるかもしれないから、【アイテムボックス】に保管しておく。
「ただいま」
「お帰りなさい! なんていうか! その! すごかったです!」
「さーて、さっさと帰るぞ。お腹空いた」
そう言って、俺はすたすた歩き始める。
その後を、エリスは慌てて追ってきた。
「正直、クロさんのこと見くびってました。まさかスカルクロウをソロ討伐だなんて……」
「用心棒として連れて来たわりには、戦闘の期待値が低くないか?」
「バカなこと言わないでください! 普通の旅の用心棒に、スカルクロウをひとりで倒せるような戦闘力はあまりに過剰なんです!」
「そんなもんか」
仮面のおかげで、きっとエリス以外には、俺がスカルクロウを倒したとバレていないだろう。
あの場にいた冒険者たちも戦い自体は見ていただろうけど、俺だということは分かっていないはずだ。
戦い終わったらすぐにエリスの元に転移したしな。
きっと他の冒険者たちからしたら、一瞬で消え失せたように見えたと思う。
「スカルクロウ討伐に加えて、価値のある『七彩光の洞窟』やルビの都市を守った功績……。名乗り出たら、いったいどれだけの報奨金がもらえるでしょうね」
「え? お金もらえるの?」
「それはもちろん。名乗り出ればの話ですけど」
「じゃあもらえないじゃん。あ、代わりにエリスが倒したことにするのは?」
「何でですか!? 続々と私の元にモンスター討伐の依頼とか来ちゃったらどうするんです!?」
「う~ん。お金はもらえそうにないか」
まあ別にいっか。
あくまでも落ち着いて旅をするというのが、第一の目的なんだから。
「お金のために戦ったわけじゃないからな」
「そうですよ。市民の安全を守るため、ですよね?」
「いや? 『七彩光の洞窟』を観光するためだけど」
「またまた~。そんなこと言っちゃって。照れ隠しはいいんですよ~?」
「……?」
「え……? 本当にただただ自分の観光のためだけに、命を懸けてあの洞窟を守ったんですか……?」
「さあ、どうでしょう?」
「何なんですかいったい!?」
俺がはぐらかすように笑うと、エリスは口を尖らせ頬を膨らませる。
何その顔かわいい。
そう思ったのも束の間、エリスは一気に表情を緩めた。
何だかちょっと力の抜けた微笑みを浮かべて言う。
「まあ、クロさんらしいといえばらしいですけど」
「褒めてる?」
「さあ、どうでしょう?」
今度はエリスがはぐらかすように笑う。
きれいにやり返されてしまったな。
「明日は『七彩光の洞窟』、行けるといいですね」
「そうだな~」
エメラに滞在するのは明日まで。
これだけ働いたんだから、何とか一目でも名所を見ておきたいものだ。
でもひとまず今日は、他のことを楽しむしかない。
「とりあえず食事して、そのあとはショッピングでいいか?」
「はい。何か買いたいものあります?」
「武器をちょっと見たいかな。あとはせっかく《宝石の国》に来てるんだから、宝石も」
「いいですね。アクセサリー、買ってプレゼントしてくれてもいいんですよ?」
「じゃあ、スカルクロウの討伐報酬をエリスが倒したってことでもらってきてもろて」
「もう! 堂々巡りじゃないですか!」
俺たち2人は笑いながら、ゆっくりとルビへ歩いて行く。
謎の黒装束の男が現われ、スカルクロウをひとりで倒してしまったことで、谷底では大騒ぎが起きていることなど、もちろん知る由もなかった。
俺はエリスの元に戻ると、周りに誰もいないのを確認して仮面を外した。
また何かの時に使えるかもしれないから、【アイテムボックス】に保管しておく。
「ただいま」
「お帰りなさい! なんていうか! その! すごかったです!」
「さーて、さっさと帰るぞ。お腹空いた」
そう言って、俺はすたすた歩き始める。
その後を、エリスは慌てて追ってきた。
「正直、クロさんのこと見くびってました。まさかスカルクロウをソロ討伐だなんて……」
「用心棒として連れて来たわりには、戦闘の期待値が低くないか?」
「バカなこと言わないでください! 普通の旅の用心棒に、スカルクロウをひとりで倒せるような戦闘力はあまりに過剰なんです!」
「そんなもんか」
仮面のおかげで、きっとエリス以外には、俺がスカルクロウを倒したとバレていないだろう。
あの場にいた冒険者たちも戦い自体は見ていただろうけど、俺だということは分かっていないはずだ。
戦い終わったらすぐにエリスの元に転移したしな。
きっと他の冒険者たちからしたら、一瞬で消え失せたように見えたと思う。
「スカルクロウ討伐に加えて、価値のある『七彩光の洞窟』やルビの都市を守った功績……。名乗り出たら、いったいどれだけの報奨金がもらえるでしょうね」
「え? お金もらえるの?」
「それはもちろん。名乗り出ればの話ですけど」
「じゃあもらえないじゃん。あ、代わりにエリスが倒したことにするのは?」
「何でですか!? 続々と私の元にモンスター討伐の依頼とか来ちゃったらどうするんです!?」
「う~ん。お金はもらえそうにないか」
まあ別にいっか。
あくまでも落ち着いて旅をするというのが、第一の目的なんだから。
「お金のために戦ったわけじゃないからな」
「そうですよ。市民の安全を守るため、ですよね?」
「いや? 『七彩光の洞窟』を観光するためだけど」
「またまた~。そんなこと言っちゃって。照れ隠しはいいんですよ~?」
「……?」
「え……? 本当にただただ自分の観光のためだけに、命を懸けてあの洞窟を守ったんですか……?」
「さあ、どうでしょう?」
「何なんですかいったい!?」
俺がはぐらかすように笑うと、エリスは口を尖らせ頬を膨らませる。
何その顔かわいい。
そう思ったのも束の間、エリスは一気に表情を緩めた。
何だかちょっと力の抜けた微笑みを浮かべて言う。
「まあ、クロさんらしいといえばらしいですけど」
「褒めてる?」
「さあ、どうでしょう?」
今度はエリスがはぐらかすように笑う。
きれいにやり返されてしまったな。
「明日は『七彩光の洞窟』、行けるといいですね」
「そうだな~」
エメラに滞在するのは明日まで。
これだけ働いたんだから、何とか一目でも名所を見ておきたいものだ。
でもひとまず今日は、他のことを楽しむしかない。
「とりあえず食事して、そのあとはショッピングでいいか?」
「はい。何か買いたいものあります?」
「武器をちょっと見たいかな。あとはせっかく《宝石の国》に来てるんだから、宝石も」
「いいですね。アクセサリー、買ってプレゼントしてくれてもいいんですよ?」
「じゃあ、スカルクロウの討伐報酬をエリスが倒したってことでもらってきてもろて」
「もう! 堂々巡りじゃないですか!」
俺たち2人は笑いながら、ゆっくりとルビへ歩いて行く。
謎の黒装束の男が現われ、スカルクロウをひとりで倒してしまったことで、谷底では大騒ぎが起きていることなど、もちろん知る由もなかった。
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