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第12話 ミラの優秀さ
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「ミラお姉ちゃんを?」
「ミラちゃんを?」
エリンとグロウ、2人の声が重なる。
俺はエリンの肩に手を置いたまま頷くと、さらに続けた。
「策があるんだ。彼女を助け出せるかもしれない。もしミラが彼女自身の境遇に不満を感じていて、なおかつエリンのことを今も大切に感じて会いたいと思ってくれているならの話だが」
「その可能性はかなり高いと思うぜ。というか、そうに決まってる。あの子は優しさと強さを持った素敵な子だ」
「そうか。ならこちらとしても、作戦を実行する意味がある」
「ミラお姉ちゃん、助けるの?」
「ああ。エリンもミラに会いたいだろ?」
「会いたい!」
エリンの目の輝きを見れば、彼女がどれだけミラを慕っているかが分かる。
しかし一方で、グロウはあまり浮かない表情をしていた。
そして当然の懸念を口にする。
「だがよ、ミラちゃんは優しい子であると同時に優秀なテイマーでもある。そんな彼女を、エリンの言う“怖いおばあさん”――ディグリナが簡単に手放すとは思えねえ」
「ミラが優秀だということは、エリンからすでに聞いている。彼女はそんなにすごいのか?」
「簡単に言えば天才ってやつよ。ミラちゃんは赤ん坊の時にティグリナに拾われて、17年間も彼女の元にいる。普通は15そこらで出て行くもんなんだけどな。そんだけ才能を買われて、手塩にかけてティグリナ自身でミラちゃんの価値を上げてるってわけだ」
ふむ。
どうやら思っていた以上に、ミラという少女がすごいらしい。
ティグリナがやっているような商売では、ある程度は成長したものの完全に完成されてはいない状態で売りに出すのが普通のはず。
現状の価値に加えて、これからの伸び幅という未知数の価値を価格に含めることがせきるからだ。
実際の予想よりも大きめに伸びしろを設定することで、完成された状態で売るよりも高い利益を得ることができる。
もちろん、予想を超えて成長されたら損にはなるのだが。
とにかく、他の子が売りに出される年齢になってもミラがティグリナの元にいさせられているということは、彼女がテイマーとしてまだまだ成長し続けていることを示している。
「まあ、噂があるっちゃあるんだけどな」
「噂?」
「ああ。もうすでに、ミラちゃんの売却先が領主直轄の軍に決まってるなんて噂だ。育成はティグリナに任せて、完成されたミラちゃんを即戦力で迎えようとしてるらしい。まあ、噂だから真偽は定かじゃねえ」
「ふむ……。なるほどな。読めたぞ」
「ん? なんか分かったのか?」
「まだ推測の域は出ないがな。でもむしろ、ミラの優秀さがこちらには好都合かもしれない」
「おいおい、話聞いてたのか? ミラちゃんをあのババアが簡単に手放すわけ……」
「問題ないさ」
俺は静かにそう言い切った。
未だに2000年の眠りのせいで寝ぼけ気味の頭を、強引に叩き起こしてフル回転させる。
新たに手に入った情報を作戦の要素として組み込み、ミラを救出するまでの道筋を作り上げる。
エリンの恩人に、その恩に応えるために。
「パパ……」
そっと、エリンが俺の手に小さな手を重ねた。
「ミラお姉ちゃんを助けてあげて」
「任せろ」
俺はにっこり笑って言う。
「グロウ、それに小王たちの助けがあれば上手くいく」
俺はグロウ、そしてレオに視線を送った。
いつのまにやら、入口のところに他の小王たちとモフリンもやってきている。
俺たちが長々と話し込んでいたので、気になって様子を見に来たのかもしれない。
「まあ、あんたが何を考えてんのか分かんねえけどよ。ここであんたとエリンちゃんに会えたのも何かの縁。そんでミラちゃんを助けるためだってんなら、俺はいくらでも協力するぜ」
「私たちも、王のご命令とあらば当然ご協力いたします。そこの冒険者を名乗る盗賊風情よりはお役に立てるかと」
「ああ!? あんだと、ライオン野郎が!」
「ふっ。今度は人間の牢屋にでも入るのかな? せいぜい足を引っ張らないでくれよ」
「てめえだけは今ここでやったる!」
「弱いくせに」
「こら! ケンカしない!」
またしても言い合いになるグロウとレオに、やはりエリンの仲裁が入る。
本当に仲良いな、お前ら。
もうこれは仲良いってことでいいだろ。
さてと……始めるか。
エリンの恩人救出大作戦を。
「ミラちゃんを?」
エリンとグロウ、2人の声が重なる。
俺はエリンの肩に手を置いたまま頷くと、さらに続けた。
「策があるんだ。彼女を助け出せるかもしれない。もしミラが彼女自身の境遇に不満を感じていて、なおかつエリンのことを今も大切に感じて会いたいと思ってくれているならの話だが」
「その可能性はかなり高いと思うぜ。というか、そうに決まってる。あの子は優しさと強さを持った素敵な子だ」
「そうか。ならこちらとしても、作戦を実行する意味がある」
「ミラお姉ちゃん、助けるの?」
「ああ。エリンもミラに会いたいだろ?」
「会いたい!」
エリンの目の輝きを見れば、彼女がどれだけミラを慕っているかが分かる。
しかし一方で、グロウはあまり浮かない表情をしていた。
そして当然の懸念を口にする。
「だがよ、ミラちゃんは優しい子であると同時に優秀なテイマーでもある。そんな彼女を、エリンの言う“怖いおばあさん”――ディグリナが簡単に手放すとは思えねえ」
「ミラが優秀だということは、エリンからすでに聞いている。彼女はそんなにすごいのか?」
「簡単に言えば天才ってやつよ。ミラちゃんは赤ん坊の時にティグリナに拾われて、17年間も彼女の元にいる。普通は15そこらで出て行くもんなんだけどな。そんだけ才能を買われて、手塩にかけてティグリナ自身でミラちゃんの価値を上げてるってわけだ」
ふむ。
どうやら思っていた以上に、ミラという少女がすごいらしい。
ティグリナがやっているような商売では、ある程度は成長したものの完全に完成されてはいない状態で売りに出すのが普通のはず。
現状の価値に加えて、これからの伸び幅という未知数の価値を価格に含めることがせきるからだ。
実際の予想よりも大きめに伸びしろを設定することで、完成された状態で売るよりも高い利益を得ることができる。
もちろん、予想を超えて成長されたら損にはなるのだが。
とにかく、他の子が売りに出される年齢になってもミラがティグリナの元にいさせられているということは、彼女がテイマーとしてまだまだ成長し続けていることを示している。
「まあ、噂があるっちゃあるんだけどな」
「噂?」
「ああ。もうすでに、ミラちゃんの売却先が領主直轄の軍に決まってるなんて噂だ。育成はティグリナに任せて、完成されたミラちゃんを即戦力で迎えようとしてるらしい。まあ、噂だから真偽は定かじゃねえ」
「ふむ……。なるほどな。読めたぞ」
「ん? なんか分かったのか?」
「まだ推測の域は出ないがな。でもむしろ、ミラの優秀さがこちらには好都合かもしれない」
「おいおい、話聞いてたのか? ミラちゃんをあのババアが簡単に手放すわけ……」
「問題ないさ」
俺は静かにそう言い切った。
未だに2000年の眠りのせいで寝ぼけ気味の頭を、強引に叩き起こしてフル回転させる。
新たに手に入った情報を作戦の要素として組み込み、ミラを救出するまでの道筋を作り上げる。
エリンの恩人に、その恩に応えるために。
「パパ……」
そっと、エリンが俺の手に小さな手を重ねた。
「ミラお姉ちゃんを助けてあげて」
「任せろ」
俺はにっこり笑って言う。
「グロウ、それに小王たちの助けがあれば上手くいく」
俺はグロウ、そしてレオに視線を送った。
いつのまにやら、入口のところに他の小王たちとモフリンもやってきている。
俺たちが長々と話し込んでいたので、気になって様子を見に来たのかもしれない。
「まあ、あんたが何を考えてんのか分かんねえけどよ。ここであんたとエリンちゃんに会えたのも何かの縁。そんでミラちゃんを助けるためだってんなら、俺はいくらでも協力するぜ」
「私たちも、王のご命令とあらば当然ご協力いたします。そこの冒険者を名乗る盗賊風情よりはお役に立てるかと」
「ああ!? あんだと、ライオン野郎が!」
「ふっ。今度は人間の牢屋にでも入るのかな? せいぜい足を引っ張らないでくれよ」
「てめえだけは今ここでやったる!」
「弱いくせに」
「こら! ケンカしない!」
またしても言い合いになるグロウとレオに、やはりエリンの仲裁が入る。
本当に仲良いな、お前ら。
もうこれは仲良いってことでいいだろ。
さてと……始めるか。
エリンの恩人救出大作戦を。
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