悪魔になったらするべきこと?

ファウスト

文字の大きさ
64 / 172
新学期

復帰阻止する?

しおりを挟む
そうなると確かにすぐにでも踏み込む必要があるが・・・。

「そうなるとアインザッツは危ないから連れていけないが・・・」
「それなら心配ない、ルナちゃんと行ってくるから」

エトナ―がしれっというのでアダムは慌ててまったを掛けた。

「ちょっと待て!フラウステッドもウチの生徒なんだが!?」
「ウチの保護下にあるから大丈夫だって」
「お前な!」

エトナ―はアダムを連れて少し離れたところに連れていくとルナを指名した理由を話す。

「あの子は普通じゃない、それはわかるよな?」
「それはそうだが・・・」
「あの子はぼちぼち力の使い方を学ぶべきだ。人と悪魔の形態を自由に変化させられるようにしないといけないだろ?」
「だからってそれがあの子を危険な場所に連れていく理由になるか?」

アダムは当然ながらルナが事件の現場に向かうことに難色を示した。自身が教師であること、そしてルナがあのような力を持ったとしても一生徒であることを考慮しての事である。

「わかってねーなー、多少の鉄火場程度じゃもうあの子にとっちゃ危険にもならんって話さ」
「わかってないのはお前じゃないのか?精神的な問題もあるだろ?」
「それこそ鍛えなきゃ話にならん」

アダムとエトナ―は共に修羅場をくぐってきた歴戦の猛者であるがその育成方針にはかなりの差があった。
エトナ―はとにかく経験に勝るものはないと考える実戦派であり、
弟子となった者たちにもとにかく経験を積ませてきた。
もちろん彼女にも危険を避けるだけの配慮はしているつもりだがその匙加減は長らくの経験からか非常に繊細なもので紙一重のものばかりだ。
対するアダムは訓練や鍛錬を非常に重要視しており、十分な実力を持たせたうえで少しずつ実戦を経験させることを信条としている。これは彼が危険な戦場や斥候、諜報などをこなしてきた経験から導き出された生存第一のやり方で、極力危険を避けた方法である。

「あの子はもう半分以上常識から外れてるんだぞ、アダム。普通に生きるのはじきに難しくなるだろうよ」
「・・・そんなにか?あの子が普通の学生でいられないほどに?」
「残念ながらな・・・」

私だってそこらへんは不本意だよ。とエトナ―は続ける。

「だがあの子が自分の意思で生きていくにはあの子自身が強くないといけない。そのための経験だ」
「神って奴はホントに・・・」
「そう言ってくれるなよ、あの子はまだ運が良い方だろ?私たちがいるんだからな」
「言ってろ・・・くれぐれも危ない目に遭わせるんじゃないぞ」

アダムはどこか投げやりな感じでエトナ―に背を向けた。その内心はいかばかりか。
エトナ―はそんなアダムを見て溜息をつきつつ、ルナに声をかけた。

「とりあえず方針が決まった、ルナちゃんは私についてきてくれ」
「私がですか?」
「ああ、相手が悪魔ならルナちゃんのコネが良い感じに働くだろ?それに日光教と月光教の両方にかかわりがあるんだからこういった仕事にも触れておいてもらわんとね」

アダムは極力表には出さないものの憮然とした表情でエトナ―を見ている。カティナはアダムが残るようなのでひとまずは安心といった感じだったがクラスメイトがエトナ―についていくと知ってどこか不安だ。

「んじゃ、とりあえずとこの修道服とローブを着て私の後ろをついてきて欲しい。これなら神官だって言い訳ができるからな」
「はーい」

コートを脱いで上から修道服を被るように着て、ローブをさらに羽織った。若干着ぶくれしているが寒いので仕方ないのだ。

「それじゃ、留守番頼むぞ」
「ああ、早めに済ませて戻って来てくれ」

エトナ―はアダムにそう言うとルナを連れて教会を出発した。

「ディーン先生、いいんですか?」
「何がだ?」
「あの子、私と同じクラスの子ですよね?」
「ああ」

アダムが囲炉裏に炭を入れるのを見ながらカティナは言う。アダムはそれに対してどう答えたものかと思いつつも平静を保って答えた。

「あの子はちょいとワケありでな。いい子なんだが教育にはちょっとばかり工夫がいるんだ」
「工夫ですか・・・?」
「体質が特殊でな、とは言ってもウチのクラスは特殊な体質の子が集まってるんで気にするほどの事ではないんだが」

アダムはカティナにどう説明しようかと思いつつも考えてみるとFクラスにはなんだか問題児ばかり集まっているような気がしてきた。あくまで体質的な意味ではあるが。

「まあ、エトナ―はあれでも名うての聖騎士でもある。心配することはないさ」
「聖騎士?」
「・・・ん?知らないのか?」

アダムは少し考えたがエトナ―に対しての当てつけの意味も込めて教えることにした。

「彼女はああ見えて聖職者の中でも指折りの武闘派だ、あの杖以外持たなくなって久しいが今でも神殿に仕える騎士をしごいたりしてるんだ」
「そうなんですか・・・」

知らなかった、と驚くカティナ。対するアダムはエトナ―の剣技は長命の彼女が幾多の戦場を悪魔や人を相手に渡り歩いて研ぎ澄まされた超実戦派の武であることを知っている。アダムでも真っ向勝負では分が悪いほどだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

乙女ゲームの隠れチートモブ〜誰も知らないキャラを転生者は知っていた。〜

浅木永利 アサキエイリ
ファンタジー
異世界に転生した主人公が楽しく生きる物語 その裏は、、、自分の目で見な。

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

処理中です...