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新学期
お土産
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「じゃあお茶にしてみようか」
念の為にと買い込んで置いた魔力草を見る四人。
お茶の香り付けに使われる魔力草の風味はいかばかりか
気になるところである。
「花の部分を使ってみよう」
お土産として売られている魔力草は乾燥させたものが多い。
魔力草の用途を考えれば当然ではあるが、これは保存性を
高めて長持ちするようにとの配慮でもある。
「花の部分を切って・・・」
「お茶を入れるセットあるよ」
「ありがと」
カティナが小型ながらポットと漉し器を持っていたのでなけなしのお茶葉と魔力草の花の部分を2、3個落としてポットに入れると
水を入れて、ことこと沸かしていく。
「わ、なんだかいい匂い」
「味は苦いのに匂いはこんなに甘いんだね」
蒸気と共に立ち昇る香りに四人はほっとする思いだ。
お茶にすると魔力草は精神を安定させる効果がある。
「それじゃあ」
「よーし」
「どきどき」
「・・・ふふふ」
四人はコップにお茶を注いで意を決して一口。
「「「「にがっ」」」」
甘い香りを吹き飛ばすような苦味。ブラックコーヒーの強い苦味に似た味わいにルナ達は期待に満ちた視線からシワシワになってしまった。
「うー、これ確かお茶にすると結構高かったはずなのに・・・」
マリーは市場で見かけたお茶の値段を思い出しながら
お茶を飲んだ時に近い渋い顔。
「砂糖がいるかも・・・」
「もってないよ・・・」
「同じく」
「・・・なれると癖になるかも」
三人がげんなりしている中、いち早くクロエが馴染みだした。
「大人だ・・・!」
「苦いの平気なの?」
「無茶しちゃだめだよ?」
普段の暗い表情とじめじめした雰囲気、そして苦い飲み物を飲みながらニヤニヤしているのは
なかなかすごい絵面だ。
「ふふふ・・・」
「す、すごいなんだかじめじめしてきた・・・!」
「霧が・・・!」
魔力が高まっているのだろうか、クロエは固有の能力である霧を発生させている。
「窓開けて!湿気るって!」
「クロエちゃん!落ち着いて!湿ってるって!」
「ご、ごめん・・・なんか漲ったせいで・・・」
借りている部屋がじめじめしだしたら大変である。四人は慌てて換気し、湿気を調節する。
実はクロエは自身の固有の魔力に無知なために制御できていないのである。
なので魔力が増えると増えた分だけ漏れる量が増えるという困った性質がある。
「クロエちゃんってそう言えば魔力の調節とかできるの?」
「できない・・・気がついたらじめじめしてた」
「できないんだ・・・」
「火とか雷とかじゃなくて良かったね・・・」
実際に魔力がコントロールできない人は居る。魔法使いの知識が無いまま才能だけが特殊な環境で育ったり
すると発火現象や魔力の暴発を招くことになる。
水と風、土は外に出れば様々な方法で抜けていくことが多いので大丈夫だが雷と火は
自然発散が難しく、落雷や火災を招く恐れがあるので非常に危険である。
クロエの生家は本屋だが、実は彼女は知らない内に魔導書に触れていたため魔力に触れていた。
そして魔力の発露が早かったために魔力の成長と知覚のバランスが崩れており
コントロールが難しくなっている。
「多く出すことはできても完全には止まらないんだよね・・・」
「なんて難儀な・・・」
カティナはクロエとは対照的に魔力のコントロールは完璧である。
エルフは感受性に優れているため魔力を察知する能力と自身の魔力をコントロールする
術に長けている。また彼女は感覚の中で視覚以外で感じ取ってイメージしやすい風の魔力に
適性があること、指導できる者が多いことなどがあげられる。
「なので万年魔力欠乏気味・・・」
「水とか風とかで感覚掴めないのかなぁ・・・」
「無理・・・適性なくて使えない」
「魔力が霧に取られて発動できないだけかもよ?」
「どうなんだろうね」
知識がまだ足りない四人では答えはでなかった。そしてクロエのじめじめがちょっとマシになった頃
アダム達が帰ってきた。
「今戻ったぞ」
「あ、先生!おかえりなさい」
「早かったですね?」
「ああ、それより帰り支度だ!さっさと帰るぞ」
魔力草をいくつか抱えたアダムと採取班は事の経緯を話しつつ皆に出発の準備をするように伝える。
「山賊が出たんですか!」
「そうだ、中にはヤバい奴もいたからさっさと逃げるに限る」
大都市から離れたこの場所は悪事を働くのにうってつけらしい。しかも今は悪魔の力を振るっていた
隊長が居なくなっている。それだけでいままで押さえつけられていた悪党たちが暴れ出すには
十分な理由だろう。
(しかもあの様子だと手柄を定期的に立てるためにわざと壊滅させてなかった感じだろうな)
粗悪になっているとはいえ武装した山賊である。中には特殊な技能をもっているものもいるほどだ。
組織としてそれなりの規模がある可能性がある。
内と外に敵が潜んでいる形になっており、アダムは気が気ではなかった。
念の為にと買い込んで置いた魔力草を見る四人。
お茶の香り付けに使われる魔力草の風味はいかばかりか
気になるところである。
「花の部分を使ってみよう」
お土産として売られている魔力草は乾燥させたものが多い。
魔力草の用途を考えれば当然ではあるが、これは保存性を
高めて長持ちするようにとの配慮でもある。
「花の部分を切って・・・」
「お茶を入れるセットあるよ」
「ありがと」
カティナが小型ながらポットと漉し器を持っていたのでなけなしのお茶葉と魔力草の花の部分を2、3個落としてポットに入れると
水を入れて、ことこと沸かしていく。
「わ、なんだかいい匂い」
「味は苦いのに匂いはこんなに甘いんだね」
蒸気と共に立ち昇る香りに四人はほっとする思いだ。
お茶にすると魔力草は精神を安定させる効果がある。
「それじゃあ」
「よーし」
「どきどき」
「・・・ふふふ」
四人はコップにお茶を注いで意を決して一口。
「「「「にがっ」」」」
甘い香りを吹き飛ばすような苦味。ブラックコーヒーの強い苦味に似た味わいにルナ達は期待に満ちた視線からシワシワになってしまった。
「うー、これ確かお茶にすると結構高かったはずなのに・・・」
マリーは市場で見かけたお茶の値段を思い出しながら
お茶を飲んだ時に近い渋い顔。
「砂糖がいるかも・・・」
「もってないよ・・・」
「同じく」
「・・・なれると癖になるかも」
三人がげんなりしている中、いち早くクロエが馴染みだした。
「大人だ・・・!」
「苦いの平気なの?」
「無茶しちゃだめだよ?」
普段の暗い表情とじめじめした雰囲気、そして苦い飲み物を飲みながらニヤニヤしているのは
なかなかすごい絵面だ。
「ふふふ・・・」
「す、すごいなんだかじめじめしてきた・・・!」
「霧が・・・!」
魔力が高まっているのだろうか、クロエは固有の能力である霧を発生させている。
「窓開けて!湿気るって!」
「クロエちゃん!落ち着いて!湿ってるって!」
「ご、ごめん・・・なんか漲ったせいで・・・」
借りている部屋がじめじめしだしたら大変である。四人は慌てて換気し、湿気を調節する。
実はクロエは自身の固有の魔力に無知なために制御できていないのである。
なので魔力が増えると増えた分だけ漏れる量が増えるという困った性質がある。
「クロエちゃんってそう言えば魔力の調節とかできるの?」
「できない・・・気がついたらじめじめしてた」
「できないんだ・・・」
「火とか雷とかじゃなくて良かったね・・・」
実際に魔力がコントロールできない人は居る。魔法使いの知識が無いまま才能だけが特殊な環境で育ったり
すると発火現象や魔力の暴発を招くことになる。
水と風、土は外に出れば様々な方法で抜けていくことが多いので大丈夫だが雷と火は
自然発散が難しく、落雷や火災を招く恐れがあるので非常に危険である。
クロエの生家は本屋だが、実は彼女は知らない内に魔導書に触れていたため魔力に触れていた。
そして魔力の発露が早かったために魔力の成長と知覚のバランスが崩れており
コントロールが難しくなっている。
「多く出すことはできても完全には止まらないんだよね・・・」
「なんて難儀な・・・」
カティナはクロエとは対照的に魔力のコントロールは完璧である。
エルフは感受性に優れているため魔力を察知する能力と自身の魔力をコントロールする
術に長けている。また彼女は感覚の中で視覚以外で感じ取ってイメージしやすい風の魔力に
適性があること、指導できる者が多いことなどがあげられる。
「なので万年魔力欠乏気味・・・」
「水とか風とかで感覚掴めないのかなぁ・・・」
「無理・・・適性なくて使えない」
「魔力が霧に取られて発動できないだけかもよ?」
「どうなんだろうね」
知識がまだ足りない四人では答えはでなかった。そしてクロエのじめじめがちょっとマシになった頃
アダム達が帰ってきた。
「今戻ったぞ」
「あ、先生!おかえりなさい」
「早かったですね?」
「ああ、それより帰り支度だ!さっさと帰るぞ」
魔力草をいくつか抱えたアダムと採取班は事の経緯を話しつつ皆に出発の準備をするように伝える。
「山賊が出たんですか!」
「そうだ、中にはヤバい奴もいたからさっさと逃げるに限る」
大都市から離れたこの場所は悪事を働くのにうってつけらしい。しかも今は悪魔の力を振るっていた
隊長が居なくなっている。それだけでいままで押さえつけられていた悪党たちが暴れ出すには
十分な理由だろう。
(しかもあの様子だと手柄を定期的に立てるためにわざと壊滅させてなかった感じだろうな)
粗悪になっているとはいえ武装した山賊である。中には特殊な技能をもっているものもいるほどだ。
組織としてそれなりの規模がある可能性がある。
内と外に敵が潜んでいる形になっており、アダムは気が気ではなかった。
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