悪魔になったらするべきこと?

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ルナの新しい力

でっかいね!

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ルナは八つの手をもじもじさせながらティナの顔を見る。

「あのさ、ティナちゃん・・・」

自身の姿を見ながらティナに話しかけると・・・ティナはそれに対して目線を上下に動かしながら

「あー、確かにでっかくなったね」
「デカくなったって・・・」

煮え切らない態度のルナにティナはこてんと首を傾げた。そして何か合点がいったようにルナを見ると

「えいっ」
「み”ッ!」

胸を鷲掴みにした。

「おぉ・・・でっけぇ」
「ちょ、ちょっと!」
「こいつは暴力的なサイズだぜぇ・・・」

ティナはそう言うとルナに抱き着いてうりうりし始める。

「ティナちゃ・・・!私は真面目に・・・」
「あー、いい感じだわぁ・・・」
「も、もう!」

引きはがして吊り下げるような状態にするとルナはティナと顔を突き合わせる体勢になった。

「私は、実は・・・あ、悪魔なんだよ・・・?」
「だから?」

ティナがあっけらかんと答えたのでルナは一瞬フリーズした。

だから?

そんな言葉が返ってくるとは思ってなかったのだ。悪魔化して蜘蛛の足と目が出た時もそうだったが。
ティナはどうしてこんなに・・・。

「ルナちゃん、私は前にも言ったよ?私はルナちゃんの友達、お互いそうありたいと思ってる」

そうでしょ?と確認されてルナはティナを地面に降ろした。

「ね、友達でしょ?」
「ティナちゃん・・・」

ルナは感極まって八つの腕でティナに抱き着いた。

「おお・・・八本の腕に抱かれる感じってこんななんだ・・・」
「うぅぅー・・・ティナちゃん・・・ありがと・・・」
「いいって、むしろ私だってこれでいいって思えてないし」
「どういうこと?」

ティナはルナの首に腕を回すと頬を寄せた。

「ルナちゃんについていけるようになりたい。一人じゃないって、言葉じゃなくて実力で示したいなって」
「実力って・・・?」
「私も強くなりたいなってこと」

ティナもあの時、魔法使いにやられたことを気にしていた。もしもあの時、自分があの男を倒せていたらルナが正体を明かす必要もなかった。皆もルナの正体については気にしていない様子だったが、そうじゃない可能性もあった。

「私は、なんていうか・・・上手く言えないんだけど、ルナちゃんがどんな姿になっても、今のルナちゃんが全てだと思ってるよ。私が知ってるのがそこだけってのもあるんだけどさ」

悪魔化、それから話が飛んでさらに彼女は悪魔だったなんてカミングアウトは正直なところティナも驚いてはいる。
けど、ルナがルナであることに変わりはないのだ。
魔力の質は似ているようで微妙に違う。自分の魔力が人に当たって返ってくる反応も微妙に違う。
ティナは自身の不思議な電撃の感覚から人の違いを見抜くことができた。
それが例え姿かたちが違ってしまっても。

「私の魔力ビリビリはルナちゃんをルナちゃんだって認識してる。だから大丈夫!」

ティナはそう言って笑う。ルナもそれにつられて笑った。


『泣けるわ、ホントに泣けるわ』

ルルイエが隣でおろろーんと大げさに泣いていた。

『いい友達がいるのね』
「この人がルナちゃんの先生なの?」
「そうだよ」

ルナはそう答えると立ち上がった。天井に頭がぶつかった。

「うぐぅ・・・」
「あちゃー」

ぶつかった部分がちょっとへこんだ。ルナの頭はもちろん無傷だが別の困った事態が起こってしまった。
危惧した通り天井が低いのである。

『変身を途中で解いてから潜るしかないわねぇ』
「そうなりますか」
「そもそもなんでこんな魔法陣をかいてるの?」

おせーて!とルナに抱き着いたティナ。身長差からまるで親子のような恰好だ。

「召喚術の練習ができる施設で変身の練習してたんだけど・・・」
「もしかしてバレた系?」
「うん、それで私が変身してるんじゃなくてそこに悪魔が居るって設定にしたの」
「それはそれで問題じゃないの・・・?」

ティナの素朴な疑問にルナは目を泳がせた。言われてみればそれはそうなんである。
召喚者のいない悪魔は本来とても危険な存在のはずなのである。

『それはいくらでも誤魔化しは利くわ。それより・・・ティナちゃんだったかしら』
「はーい!ティナ・ユピトールです!」

ルナちゃんの友達です!と大きな声で宣言し、ルナちゃんの顔がへにょっとなる。

『貴女、ちょっとおもしろい体質ね。雷に対して耐性が高いってだけでは説明がつかないレベルの適性』
「そういえばティナちゃんは雷を落とされてもケガしてなかったよね?」
「うん、ちょっとビビッと来たし意識も飛んだけど」

あの時の雷はティナにとって大きな契機になった。彼女は今までは商売に使えればいいやと言った感じだったが今は友達の為に実力をつけたいと思っている。
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