悪魔になったらするべきこと?

ファウスト

文字の大きさ
148 / 246
潜入!闇オークション!?

裏口で

ルナがボーイに案内されて裏口に向かうとなにやら騒がしい。
その騒ぎの理由に心当たりのあるルナは内心で冷や冷やしながら先へと進む。

「おーい!何があるってんだ?」
「困りますよ!」
「困る様なことやってんのか?」

裏口のドアをボーイが開けるや否や聞き覚えのある声が。
ルナが顔を出すとエトナーがボーイや裏口を守る門番に絡んでいた。下手に出るしかない彼等はエトナーの詰問に困り果てている。

「困りま、ぎえっ!」
「おうおう、お次は悪魔が出てきやがったか」
「こんにちわ、エトナー」

ルナの姿を見るとエトナーは胸ぐらを掴んでいたボーイを放り捨ててルナを見やる。
ルナはそれを見て小声でさん付けしつつルナはボーイ達を制して前に出た。

「今日は随分とお洒落だな」
「ええ、今日は色々とお楽しみで」
「そうかい」

周囲は聖人と上級と思われる悪魔の対峙に戦々恐々としている。仮にも二人が戦いになったら周囲は容易く焼け野原になるだろう。そうなればオークションも商売もお終いだ。

「それより、私はそろそろ戻りたいのです」
「保護者はどうした?」
「先に帰って、と」
「えー!マジかよ」

エトナーはめんどくさそうにしつつルナを見ると笑みを浮かべて手招きした。

「まぁ、いいや転移ならウチの教会でいいだろ。送ってやるから着いてきな」
「えっ、それは・・・」
「うるせぇな、じゃあコイツが街中に転移陣書くの見逃せってか?」

あーん?と杖でぐりぐりしながら睨むエトナーにボーイは涙目で引き下がった。

「帰りましょ」
「おう、じゃあなー」

ルナが変身を解いて人型になるとエトナーはルナを引き連れて歩き出した。

「セクシーなドレスだな、背中丸出しじゃん」
「は、恥ずかしい。蜘蛛の足出すのに仕方なくて・・・」
「ほーん」

ルルイエの魔術か、人型に戻ってもドレスはルナの体格にピッタリだ。しかしながらそのデザインは背中が大きく開いたかなりセクシーなもの。顔をヴェールで隠しているのが余計にいかがわしい感じがした。

「アダムとももうじき合流できるぞ。あのエルフは魔法学校の旧館で匿うそうだ」
「ディーン先生と会ったんですか?」
「ああ、変な恰好の連中に囲まれてたからボコボコにしたらどうにも仕事中だったらしい。そんで、ルルイエがお前を迎えに行けって言ってたの思い出してよ」
「ディーン先生をぼこぼこにしたんですか?!」

ついな!とエトナ―が笑いながら言う。アダム憐れ。

「うぉおおおん!アダム!しぬな!」

なにやら不穏な言葉が。ルナがエトナ―を見やるとエトナ―はげたげたと笑いながら歩を進めている。

「おーい、戻ってきたぞ」
「おお、神はお前の、愚行を嘆く、だろう!」
「いやぁ、悪い悪い!邪神の信者と一緒にいるからてっきり洗脳でもされたのかと」

顔面にくっきりと杖の跡が残っている。そしてそんなアダムを抱いて件のエルフことサピスキアが慟哭していてなんともカオス。
その周囲ではローブ姿の男性四人が倒れているし、周囲には破壊の痕跡も。

「洗脳されてたらコイツ厄介極まりないからな、初手で失神させるに限るだろ?」
「だとしても思い切りが良すぎませんか・・・」
「暴力、反対」

ルナが駆け寄ってアダムに治癒の聖術を施すと跡は消えたがアダムの意識はまだ戻らない。

「うぅぅ、儚い、いのち」
「勝手に殺すな、この程度で死ぬようじゃこの年齢まで生きちゃいねえよ」

地面に横たえてお祈りのポーズを取るサピスキアの頭を叩いてやめさせる。エトナ―がアダムを荷車に乗せると狂信者たちにもルナが聖術を施していった。

「うぅ、主の御友人の方、かたじけない・・・」
「いいんですよ・・・それよりエトナ―さん!」
「なんだ?」

四人は頭にたんこぶを作っていたり鼻血が出ていたりとエトナ―の暴力のひどさを物語っている。
今回は明らかな冤罪なのでルナは改めてエトナ―に抗議しようとしたが冷静に考えるとルルイエの信者と考えると・・・。

「ほどほどに・・・したほうがいいかもしれませんよ?」
「あきらめ気味に言うなよ」

なんとなく仕方ないと思ってしまって尻すぼみに言葉が切れていった。だってルルイエだし。その関係者となるとどうしてもろくでもない気がするのである。

「とりあえずお前らは帰っていいぞ、悪さしてないっぽいし」
「言われなくとも!」

聖人に禍あれ!バーカバーカ!と信者たちは口口に呪詛を吐いてそそくさと帰っていった。ルナが手を振ると振り返してくれたので悪い人たちではないのかもしれない。

「一旦ウチに寄ってアダムの意識が戻るまで待とうか」
「誰の、せいだと・・・」

仕方ないやつだなー、とまったく悪びれないエトナ―にサピスキアは荷車に乗り込んでエトナーが引く荷車に重量を追加した。しかしエトナ―はまったく動じた様子がないのでサピスキアはむすっとした顔で荷車の上で揺られていた。
感想 0

あなたにおすすめの小説

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

異世界で 友達たくさん できました  ~気づいた時には 人脈チート~

やとり
ファンタジー
 異世界に突然迷い込んだ主人公は、目の前にいた人物に何故かぶぶ漬け(お茶漬け)を勧められる。  そして、自身を神の補佐である天使というその人物(一応美少女)に、異世界について教わることに。  それから始まった異世界での生活は、様々な種族や立場の(個性的な)人に出会ったり、魔界に連れていかれたり、お城に招待されたり……。  そんな中、果たして主人公はどのような異世界生活を送るのだろうか。  異世界に迷い込んだ主人公が、現地の様々な人と交流をしたり、一緒に何かを作ったり、問題をなんとかしようと考えたりするお話です。  山も谷も大きくなく、話の内容も比較的のんびり進行です。 現在は火曜日と土曜日の朝7時半に投稿予定です。 感想等、何かありましたら気軽にコメントいただけますと嬉しいです! ※カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様にも投稿しています

本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます

青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。 藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。 溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。 その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。 目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。 前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。 リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。 アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。 当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。 そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。 ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。 彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。 やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。 これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。

クラスまるごと異世界転移

八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。 ソレは突然訪れた。 『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』 そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。 …そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。 どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。 …大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても… そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

ダンジョン銭湯 ~鎧は脱いでお入りください~

こまちゃも
ファンタジー
祖父さんから受け継いだ銭湯ごと、ダンジョンに転移してしまった俺。 だがそこは、なぜか”完全安全地帯”だった。 風呂に入れば傷は癒え、疲れも吹き飛ぶ。 噂を聞きつけた冒険者たちが集まり、宿やギルドまでできていく。 俺には最強の武器もスキルもないがーー最強のヒーラーや個性豊かな常連たちに囲まれながら、俺は今日も湯を沸かす。 銭湯を中心に、ダンジョンの中に小さな拠点が広がっていく。 ――ダンジョン銭湯、本日も営業中。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。