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旅立ちの日に
一旦帰宅。
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ゴウリ村はもともとそんなに遠くなかったのですぐに到着できた。お日様もまだそんなに高く昇ってないからお昼前だろうか、周囲の民家ではそろそろご飯の支度にとりかかっているようだ。
「ここがゴウリ村だよ、おじさん達」
「ほえー・・・こりゃ豊かな村だな、いや、こりゃもうじき町になるんじゃねえか?」
農地以外の道はほぼ舗装され始め、職人が集まる場所では常に作業の音が聞こえる。農地には野菜だけでなく商業用兼医療用の薬草も栽培され、沢山の花を咲かせている。
「とりあえずこの村の自警団の詰め所はコッチだから」
おじさん達を引き連れて私は再びゴウリ村を歩いていく。離れていたのはちょっとだけとはいえやはり故郷ともいえるこの場所の雰囲気が好きだ。活気があって、それなのにどちらかというと田舎よりののほほんとした雰囲気。
おじさん達も時折感じる田舎の空気に触れてどこか懐かしそうな雰囲気を感じてる様だった。彼らも元は地方の人間なのかもしれない。
「お・・・リーシュちゃん!帰って来てたのか!」
てくてく歩いていくとやがて村の入り口と中心地にあるうちの入り口側にある詰め所に到着。そこに詰めている自警団メンバーのリンプスさんが私を出迎えてくれた。
「おひさー、リンプスさん。このおじさん達が自首したいって言ってたから連れて来たよ」
「ふーむ?」
リンプスさんは元兵隊さんで剣となぜか喧嘩の腕前が凄い人。魔法は使えないけどいつも夕方自宅の裏庭でこっそり練習しているのを皆に目撃されている。成果は・・・まあ、うん。
「この人たちがかい?なんというか・・・追いはぎにあった側じゃないかな」
「おじさんもそう思うんだ」
「山賊に出くわして身包みはがれた俺の友達がこんな感じになって帰って来たのを覚えてるよ。生きて帰って来たんでみんなもホッとしてたがね」
明るくなって分かってきたことだがおじさん達は這う這うの体で逃げ出してきたので恰好がヤバい。リーダー格のおじさんに至っては木に引っかかった時に派手に破けたのか長ズボンが右足だけ半ズボンになっているし、シャツにも外れなくなったくっつき虫がついたまま。他の人もそうだ。
「とりあえず商人から食料泥棒しちゃってるから一旦牢屋に入ってもらおうかと」
「現場を見たのかい?」
「自白だよ」
そう言うとリンプスさんはちょっと胡乱な者を見る目になった。それも仕方ない。窃盗はそんなに重くない上に牢屋入っている間は食事が出る。とどのつまりは前科が付いてでも牢屋に入ってご飯を食べようとするものもいるのだ。
おじさん達のくたびれっぷりから考えるとそう言ったことを予想されるのも仕方ないだろう。
「うーん、まあいいか・・・とりあえず被害者が居ないか確かめてくるけどもし誰も被害者が居なかったら今日一日食事抜きにするからね!」
「「「エエッ!?」」」
なんでそこで反応しちゃうの。リンプスさんの目つきがさらに怪しげになっているじゃないのさ。とりあえず仕方ないので半分のグループに分かれて牢屋に入ってもらう事になった。
「ゴウリ村って書かれた木箱があった気がするんだ!ホントだよ!」
「栽培されてた野菜を食べたよ!美味しかったよ!」
「だから食事だけは抜かないで!お願いだよーっ!」
どんだけ飢えてるのかしらないけど、おじさん達いやしすぎません?っていうかこんなに必死に罪を認めようとする人ってなかなかいない気がするんだけど。
「どうなんだろう・・・」
「ああいう手合いは昔結構捕まえたよ、貧民窟のある大都市なんかでは特にね」
元より浮浪者同然の生活をしている人にとって社会的な地位なんぞ物の数にもならない。その日その日を食つなぐ為にやっても居ない犯罪を自白するんだそうだ。それも決まって窃盗とかだ。殺人などの重い刑罰を自白することはないし、おそらくやらない。なぜなら食えないからだ。それに当然ながら窃盗犯と殺人犯では同じ前科持ちでも扱いが雲泥の差、片や寝る場所と粗末ながら食事が出て、同様の仲間が居り片や死刑執行の可能性に怯えながら石の床の独房に単身放り込まれる。
「一時囚人の待遇を悪くしようとしたこともあったんだが・・・立ち消えしてな」
「どうして?」
「なんていうか、まあ・・・人情ってやつかな」
政治の話は複雑怪奇。正しい事がちゃんと行われない事もあれば、悪しき事がいつの間にか当たり前になっていたり。それ以上に人情というのも同じことか。しかしながら囚人に食事を提供するのは施しをするようで面倒ではあるが後味の悪い仕事ではない。牢屋番の人たちの中にはそういう仕事を長く続けて、囚人や裏方の人たちから慕われていた人も多かったそう。実際は炊き出しの値段よりも囚人たちや貧民街の人たちから得られる何かが兵隊さん達にとって大事だったのだろう。
「それに、なぜか炊き出しを辞めた方が犯罪が酷くなったこともあったんだ」
「ふーん」
牢屋の待遇が良い方が犯罪率が減る。どういう理屈なのだろうか、私にはさっぱりだけどそれを語るリンプスさんの瞳は何とはなしに懐かしそうだった。
「ここがゴウリ村だよ、おじさん達」
「ほえー・・・こりゃ豊かな村だな、いや、こりゃもうじき町になるんじゃねえか?」
農地以外の道はほぼ舗装され始め、職人が集まる場所では常に作業の音が聞こえる。農地には野菜だけでなく商業用兼医療用の薬草も栽培され、沢山の花を咲かせている。
「とりあえずこの村の自警団の詰め所はコッチだから」
おじさん達を引き連れて私は再びゴウリ村を歩いていく。離れていたのはちょっとだけとはいえやはり故郷ともいえるこの場所の雰囲気が好きだ。活気があって、それなのにどちらかというと田舎よりののほほんとした雰囲気。
おじさん達も時折感じる田舎の空気に触れてどこか懐かしそうな雰囲気を感じてる様だった。彼らも元は地方の人間なのかもしれない。
「お・・・リーシュちゃん!帰って来てたのか!」
てくてく歩いていくとやがて村の入り口と中心地にあるうちの入り口側にある詰め所に到着。そこに詰めている自警団メンバーのリンプスさんが私を出迎えてくれた。
「おひさー、リンプスさん。このおじさん達が自首したいって言ってたから連れて来たよ」
「ふーむ?」
リンプスさんは元兵隊さんで剣となぜか喧嘩の腕前が凄い人。魔法は使えないけどいつも夕方自宅の裏庭でこっそり練習しているのを皆に目撃されている。成果は・・・まあ、うん。
「この人たちがかい?なんというか・・・追いはぎにあった側じゃないかな」
「おじさんもそう思うんだ」
「山賊に出くわして身包みはがれた俺の友達がこんな感じになって帰って来たのを覚えてるよ。生きて帰って来たんでみんなもホッとしてたがね」
明るくなって分かってきたことだがおじさん達は這う這うの体で逃げ出してきたので恰好がヤバい。リーダー格のおじさんに至っては木に引っかかった時に派手に破けたのか長ズボンが右足だけ半ズボンになっているし、シャツにも外れなくなったくっつき虫がついたまま。他の人もそうだ。
「とりあえず商人から食料泥棒しちゃってるから一旦牢屋に入ってもらおうかと」
「現場を見たのかい?」
「自白だよ」
そう言うとリンプスさんはちょっと胡乱な者を見る目になった。それも仕方ない。窃盗はそんなに重くない上に牢屋入っている間は食事が出る。とどのつまりは前科が付いてでも牢屋に入ってご飯を食べようとするものもいるのだ。
おじさん達のくたびれっぷりから考えるとそう言ったことを予想されるのも仕方ないだろう。
「うーん、まあいいか・・・とりあえず被害者が居ないか確かめてくるけどもし誰も被害者が居なかったら今日一日食事抜きにするからね!」
「「「エエッ!?」」」
なんでそこで反応しちゃうの。リンプスさんの目つきがさらに怪しげになっているじゃないのさ。とりあえず仕方ないので半分のグループに分かれて牢屋に入ってもらう事になった。
「ゴウリ村って書かれた木箱があった気がするんだ!ホントだよ!」
「栽培されてた野菜を食べたよ!美味しかったよ!」
「だから食事だけは抜かないで!お願いだよーっ!」
どんだけ飢えてるのかしらないけど、おじさん達いやしすぎません?っていうかこんなに必死に罪を認めようとする人ってなかなかいない気がするんだけど。
「どうなんだろう・・・」
「ああいう手合いは昔結構捕まえたよ、貧民窟のある大都市なんかでは特にね」
元より浮浪者同然の生活をしている人にとって社会的な地位なんぞ物の数にもならない。その日その日を食つなぐ為にやっても居ない犯罪を自白するんだそうだ。それも決まって窃盗とかだ。殺人などの重い刑罰を自白することはないし、おそらくやらない。なぜなら食えないからだ。それに当然ながら窃盗犯と殺人犯では同じ前科持ちでも扱いが雲泥の差、片や寝る場所と粗末ながら食事が出て、同様の仲間が居り片や死刑執行の可能性に怯えながら石の床の独房に単身放り込まれる。
「一時囚人の待遇を悪くしようとしたこともあったんだが・・・立ち消えしてな」
「どうして?」
「なんていうか、まあ・・・人情ってやつかな」
政治の話は複雑怪奇。正しい事がちゃんと行われない事もあれば、悪しき事がいつの間にか当たり前になっていたり。それ以上に人情というのも同じことか。しかしながら囚人に食事を提供するのは施しをするようで面倒ではあるが後味の悪い仕事ではない。牢屋番の人たちの中にはそういう仕事を長く続けて、囚人や裏方の人たちから慕われていた人も多かったそう。実際は炊き出しの値段よりも囚人たちや貧民街の人たちから得られる何かが兵隊さん達にとって大事だったのだろう。
「それに、なぜか炊き出しを辞めた方が犯罪が酷くなったこともあったんだ」
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