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旅立ちの日に
さて、町の様子は?
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結局私は夜を待って町に戻る事にした。それまでに町周辺の木でフェルグスおじさんの義足でも作ってあげよう。
先ずは木製で細かい調整をして、それから金属とかで補強するかんじだ。
「先生の世界では体から発せられる信号を読み取って動いてくれる義足とか義手ができてるんだっけ・・・すごいよね・・・でもこの世界でも魔力でそれを代用できるから土台無理な話とまではいかないけど」
人間の信号とやらがなんなのか、それ自体はよくわからないけど人間に流れる血と同じように魔力や気といったものが体を巡っているのは私でも理解できるし魔力ならこの世界の人でもわかりやすい。
とりあえず魔力に反応する部分を関節に、そして導線の役割を果たすペイントを書く。その際に調整して寸を詰めたり伸ばしたりすることを考慮に入れて導線部分は張って剥がせるタイプの外張りにしておく。壊れやすいが試作品としてはこれで十分だろう。
「さて動作チェックだ・・・おお、動く!」
おじさんに必要な足の部位は膝から下だ。足首を可動状態にして試作してみたが魔力さえ通ればこれで杖要らずになるかもしれない。無骨だし、パーツの素材は間に合わせの石製だけど私の錬金術のレベルじゃこれで精一杯。
あとは金属を十分に用意できればそれだけでなんとかなる。
「あとはおじさんの足のサイズ次第か」
あっさりできたと思って喜んでいたらいつの間にか日は傾きかけていた。どうやら熱中しすぎたらしい。
「とりあえずもう少ししたら町に戻るか・・・」
日が完全に沈むのを待って町の用水路への道を進む。
「到着~・・・っと」
自分ひとりならともかく石製の義足を抱えていたのでかなり難儀した。沈むのはその分楽だったけど。
次はもうちょっと考えないと義足を捨てる羽目になるところだった。気を取り直し、真っ暗がりの中私はおじさんとリッキーの待つ宿へと向かう。
「ただいまー・・・うぐぅっ!」
宿の扉を開けて中へ入ると腹部に結構な衝撃が走った。
「ごほごほ!り、リッキー・・・げほごほ!」
ぐりぐりしてくる感触から人間だとわかり、さらに顔を押し付けてもごもご言う声からリッキーだとわかった。
「帰ってきたか、心配したぜ」
それに続いておじさんが杖を突きながら戻ってくる。やけに心配した素振りだけどなにか良くない事でも起こったのだろうか。
「心配してくれてありがと、でもここまで必要かなぁ」
リッキーが木にしがみつく動物がごとく張り付いている。地味に力が強いので剥がすのがむずかしいんだけど。
おじさんが苦笑しつつもリッキーごと私を助け起こしてくれる。片足なのによくもまあ器用なもんだ。
「仕方ねえよ、あんましよろしくない事が起っちまってな」
「っていうと、まさか騎士団がドジ踏んだとか?」
そう言うとおじさんが困った顔をしたのですぐさま自分がアタリを引いたことを確信する。
「そのまさかさ、騎士団の連中は三分の一くらいに減らして帰ってきやがった・・・壊滅状態だぜ。さらに困ったことに僧侶の人たちは誰も帰って来てねえ」
「うわー・・・」
帰ってきた距離からギルドでは彼らがどのような目にあったかを地図などと見比べながら判断していたところ、おそらくは山の中腹で待ち伏せに合い、混乱したところで足の遅い僧侶達が犠牲になったのではという結論に達した。
そして広い道を馬鹿正直に逃げて来たので盛大に罠に引っかかり落馬して命を落とした者もいたという。追撃に町に迫った山賊達を冒険者と煤の騎士が数名出撃して反撃に出てなんとか撃退した。肝心の騎士団の彼らは命からがらといった様子で町に逃げ込んで以降全く借りた屋敷から出てこないという有様だ。
「僧侶のじーさんたちはどうやら捕まっちまったようだ」
それから冒険者から有志を募って斥候が派遣されたが現地には騎士の遺体と半分なりそこないの騎士のアンデッド、そして落とし穴に押し込まれたアンデッドの呻き声でひどい有様のようだ。しかしながら僧侶の死体が殆どなかったので少なくとも命は長らえているのだろうとのこと。
「まいったな・・・せめて僧侶のお爺さん達はたすけてあげないといけないのに」
「こっちとしては攻勢にでるだけの戦力がなくなっちまったからな」
地理に不慣れなまま憶測で相手の出方を伺った為に容易く奇襲を受けたのだろうがまさかあれほど自信満々だった彼らを完膚なきまでに叩きのめしてしまったのだからおそろしい。騎士団の人たちが迂闊だったのもあるんだろうけど。
「騎士団の練度がどうだったのかは知らんが、冒険者仲間の話によるとどうもかなり戦い慣れしていたそうだ」
「へー・・・そうだったんだ」
村に残してきたおじさん達が言っていた新参で悪事に慣れた凶賊ということなんだろう。しかも例の恐ろしい誰かからしぶとく生き残り続けているのだから戦闘能力はわからないがしぶとさは間違いなく一級品なんだろう。
「ああ、不利に陥ったかどうか・・・ってところですぐさま逃げ出したそうだ。どうにも五分五分の戦いすら嫌がっていたようだったぞ」
なるほど、逃げ足に重点を置いた戦いをしていると、そして勝てると確信を持てるまで攻撃しない。すばらしい戦術構想だね。口で言うのは簡単だけどそれを山賊が徹底しているのだから。
先ずは木製で細かい調整をして、それから金属とかで補強するかんじだ。
「先生の世界では体から発せられる信号を読み取って動いてくれる義足とか義手ができてるんだっけ・・・すごいよね・・・でもこの世界でも魔力でそれを代用できるから土台無理な話とまではいかないけど」
人間の信号とやらがなんなのか、それ自体はよくわからないけど人間に流れる血と同じように魔力や気といったものが体を巡っているのは私でも理解できるし魔力ならこの世界の人でもわかりやすい。
とりあえず魔力に反応する部分を関節に、そして導線の役割を果たすペイントを書く。その際に調整して寸を詰めたり伸ばしたりすることを考慮に入れて導線部分は張って剥がせるタイプの外張りにしておく。壊れやすいが試作品としてはこれで十分だろう。
「さて動作チェックだ・・・おお、動く!」
おじさんに必要な足の部位は膝から下だ。足首を可動状態にして試作してみたが魔力さえ通ればこれで杖要らずになるかもしれない。無骨だし、パーツの素材は間に合わせの石製だけど私の錬金術のレベルじゃこれで精一杯。
あとは金属を十分に用意できればそれだけでなんとかなる。
「あとはおじさんの足のサイズ次第か」
あっさりできたと思って喜んでいたらいつの間にか日は傾きかけていた。どうやら熱中しすぎたらしい。
「とりあえずもう少ししたら町に戻るか・・・」
日が完全に沈むのを待って町の用水路への道を進む。
「到着~・・・っと」
自分ひとりならともかく石製の義足を抱えていたのでかなり難儀した。沈むのはその分楽だったけど。
次はもうちょっと考えないと義足を捨てる羽目になるところだった。気を取り直し、真っ暗がりの中私はおじさんとリッキーの待つ宿へと向かう。
「ただいまー・・・うぐぅっ!」
宿の扉を開けて中へ入ると腹部に結構な衝撃が走った。
「ごほごほ!り、リッキー・・・げほごほ!」
ぐりぐりしてくる感触から人間だとわかり、さらに顔を押し付けてもごもご言う声からリッキーだとわかった。
「帰ってきたか、心配したぜ」
それに続いておじさんが杖を突きながら戻ってくる。やけに心配した素振りだけどなにか良くない事でも起こったのだろうか。
「心配してくれてありがと、でもここまで必要かなぁ」
リッキーが木にしがみつく動物がごとく張り付いている。地味に力が強いので剥がすのがむずかしいんだけど。
おじさんが苦笑しつつもリッキーごと私を助け起こしてくれる。片足なのによくもまあ器用なもんだ。
「仕方ねえよ、あんましよろしくない事が起っちまってな」
「っていうと、まさか騎士団がドジ踏んだとか?」
そう言うとおじさんが困った顔をしたのですぐさま自分がアタリを引いたことを確信する。
「そのまさかさ、騎士団の連中は三分の一くらいに減らして帰ってきやがった・・・壊滅状態だぜ。さらに困ったことに僧侶の人たちは誰も帰って来てねえ」
「うわー・・・」
帰ってきた距離からギルドでは彼らがどのような目にあったかを地図などと見比べながら判断していたところ、おそらくは山の中腹で待ち伏せに合い、混乱したところで足の遅い僧侶達が犠牲になったのではという結論に達した。
そして広い道を馬鹿正直に逃げて来たので盛大に罠に引っかかり落馬して命を落とした者もいたという。追撃に町に迫った山賊達を冒険者と煤の騎士が数名出撃して反撃に出てなんとか撃退した。肝心の騎士団の彼らは命からがらといった様子で町に逃げ込んで以降全く借りた屋敷から出てこないという有様だ。
「僧侶のじーさんたちはどうやら捕まっちまったようだ」
それから冒険者から有志を募って斥候が派遣されたが現地には騎士の遺体と半分なりそこないの騎士のアンデッド、そして落とし穴に押し込まれたアンデッドの呻き声でひどい有様のようだ。しかしながら僧侶の死体が殆どなかったので少なくとも命は長らえているのだろうとのこと。
「まいったな・・・せめて僧侶のお爺さん達はたすけてあげないといけないのに」
「こっちとしては攻勢にでるだけの戦力がなくなっちまったからな」
地理に不慣れなまま憶測で相手の出方を伺った為に容易く奇襲を受けたのだろうがまさかあれほど自信満々だった彼らを完膚なきまでに叩きのめしてしまったのだからおそろしい。騎士団の人たちが迂闊だったのもあるんだろうけど。
「騎士団の練度がどうだったのかは知らんが、冒険者仲間の話によるとどうもかなり戦い慣れしていたそうだ」
「へー・・・そうだったんだ」
村に残してきたおじさん達が言っていた新参で悪事に慣れた凶賊ということなんだろう。しかも例の恐ろしい誰かからしぶとく生き残り続けているのだから戦闘能力はわからないがしぶとさは間違いなく一級品なんだろう。
「ああ、不利に陥ったかどうか・・・ってところですぐさま逃げ出したそうだ。どうにも五分五分の戦いすら嫌がっていたようだったぞ」
なるほど、逃げ足に重点を置いた戦いをしていると、そして勝てると確信を持てるまで攻撃しない。すばらしい戦術構想だね。口で言うのは簡単だけどそれを山賊が徹底しているのだから。
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