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旅立ちの日に
山賊達の身元
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黒山の人だかりの大半は私達が無事だとわかると安心して町へと戻っていった。中には武装している人もいたのでどうやら助けに来るつもりだったようでなんだか嬉しい。
「おじさん大丈夫?義足で登山はまだ考慮に入ってないけど」
「義足の感触はまだちょいと慣れねえがいけるさ、元々俺は山家育ちだぜ」
足元はしっかりとしており、足首のギミックもちゃんと連動しているようだ。おじさんの生来の足腰の強さが宿っているようで何より。物に宿るという魂は物を作る人にとって非常に大切なもので、熟練のそれも一握りの職人はその中で自分の作ったものにそれを人為的に宿らせることができるという。
「ママ・・・」
「どうしたの、ジェイナ」
「知らないおじさん・・・」
そう言うとフェルグスおじさんの方を見ては私の影に隠れようとする。しかし図体の大きさは間違いなく彼女の方がでかいのではみ出しまくりだが。そもそも身長だけならおじさんよりでかいんだから怖がらないの。
「この人は今私が泊ってる宿の主人のフェルグスさんよ、そしてこっちがその子供のリッキーよ。仲良くしてあげてね」
「リッキーだよ、お姉ちゃんもおっきいね」
「よ、よろしく・・・」
小さい子の方が堂々としているのがなんとも。年的にもジェイナの方が上のはずなのにどうしてそうおどおどしているのかと思ったけど・・・よく考えたらジェイナは同年代の子供と触れ合ったことがなかったんだっけ。
そもそも戦う敵ならともかく、私の知り合いという事で距離というか接し方を心得ていないんだろう。まあ、それにフェルグスおじさんはともかくリッキーは人畜無害なのがなんとなく体から洩れてるし。
「ママってことはお姉ちゃんの子なんだ、お姉ちゃんって大人だったんだね」
リッキーの純粋なまなざしが痛い。説明が難しいからどういっていいかわからないんだけど。
「そうねえ、まぁ・・・そう言う事になるのかなぁ」
「?」
少なくとも体は15歳なんだけど・・・、こればっかりは前世の縁だし。けど彼女をどうすれば幸せにできるのか。
「?」
「・・・なんでもない、ジェイナ。山賊と戦った場所は覚えてる?」
「うん、お坊さんの為にお墓も作ったからそこにも行けるよ」
そう言うと私の手を引いて歩き始めるジェイナ。歩幅が合わないからちょっとゆっくり歩いてくれると嬉しい。
とりとめのないやりとりを繰り返していると先ほどの山賊と戦った場所にたどり着いた。
「うっ、酷い血の匂いだ・・・」
「最近のギルドのヤツはだらしいねえな、ほれ・・・水」
「ひどいけど屠殺場ほどじゃないよねー」
ギルドの職員さんは男性が三人ほどついてきてくれたけど臭いに堪えかねて吐いちゃってるね。けどもリッキーは意外とドライだ。血の臭いに慣れるほど仕事を選んでない割りに純粋なのはもはや強さだよ。
「さてと、たしか頭目はこの髭でしょ?」
魂を引っこ抜いたのでアンデッド化することもない。ネクロマンサーが居れば変わってくるだろうがそれでもそれなりに準備が必要なのでこの短時間では無理だろう。
「うん、あいつらが『おかしら』って呼んでたよ」
ジェイナの確認も一応行い、ギルドの人たちに見せる。彼らは私達が平然としているのが不思議そうだったが、ジェイナも私も修羅場をくぐったのは一度や二度ではない。経験の差という奴だ。
「それで?私いつまでコイツの首をもってればいいの?」
「あ!す、すいません!」
死体の髪の毛を掴んで引きずり起こしている状況。例えマイナスの感情しかないとはいえ気持ちのいいものではないのでさっさとしてほしい。こんなものは埋めてしまうのがいいんだけど・・・。
私が急かしたのでギルドの職員は鞄から人相書きを取り出してあれでもない、これでもないと確認していく。山賊は皆重犯罪者なので人相書きもたくさん出回るらしくギルドなどの幅広い組織には当然常備されている。
「ありました!これです・・・『虎髭のグルード』、懸賞金金貨150枚の超大物ですよ!」
どうやらあの山賊はグルードというらしく、さらには大物だそうだ。
「そんなに凄いの?」
「ええ、騎士崩れで騎士相手と集団で戦うのに慣れた厄介な相手だそうです。王都でもたびたび討伐隊が組まれていたそうですがその度にのらりくらりと逃げ続けては凶行を働いていたようですね」
なるへそ、騎士のやり口を心得ていたわけか。それに地の利が加わって容易くあの騎士団の人たち
を撃破できたわけか。ヘマを差し引いても相手が悪すぎたわけだね。
「それで、その賞金はだれのものになるの?」
「一応討伐したのはえっと、そちらの女性になるかと。お子さん・・・でしたっけ?」
年齢が登録の時点で分かっているのでかなり遠慮がちに聞いて来たな。まあ、仕方ないんだけど。
「おじさん大丈夫?義足で登山はまだ考慮に入ってないけど」
「義足の感触はまだちょいと慣れねえがいけるさ、元々俺は山家育ちだぜ」
足元はしっかりとしており、足首のギミックもちゃんと連動しているようだ。おじさんの生来の足腰の強さが宿っているようで何より。物に宿るという魂は物を作る人にとって非常に大切なもので、熟練のそれも一握りの職人はその中で自分の作ったものにそれを人為的に宿らせることができるという。
「ママ・・・」
「どうしたの、ジェイナ」
「知らないおじさん・・・」
そう言うとフェルグスおじさんの方を見ては私の影に隠れようとする。しかし図体の大きさは間違いなく彼女の方がでかいのではみ出しまくりだが。そもそも身長だけならおじさんよりでかいんだから怖がらないの。
「この人は今私が泊ってる宿の主人のフェルグスさんよ、そしてこっちがその子供のリッキーよ。仲良くしてあげてね」
「リッキーだよ、お姉ちゃんもおっきいね」
「よ、よろしく・・・」
小さい子の方が堂々としているのがなんとも。年的にもジェイナの方が上のはずなのにどうしてそうおどおどしているのかと思ったけど・・・よく考えたらジェイナは同年代の子供と触れ合ったことがなかったんだっけ。
そもそも戦う敵ならともかく、私の知り合いという事で距離というか接し方を心得ていないんだろう。まあ、それにフェルグスおじさんはともかくリッキーは人畜無害なのがなんとなく体から洩れてるし。
「ママってことはお姉ちゃんの子なんだ、お姉ちゃんって大人だったんだね」
リッキーの純粋なまなざしが痛い。説明が難しいからどういっていいかわからないんだけど。
「そうねえ、まぁ・・・そう言う事になるのかなぁ」
「?」
少なくとも体は15歳なんだけど・・・、こればっかりは前世の縁だし。けど彼女をどうすれば幸せにできるのか。
「?」
「・・・なんでもない、ジェイナ。山賊と戦った場所は覚えてる?」
「うん、お坊さんの為にお墓も作ったからそこにも行けるよ」
そう言うと私の手を引いて歩き始めるジェイナ。歩幅が合わないからちょっとゆっくり歩いてくれると嬉しい。
とりとめのないやりとりを繰り返していると先ほどの山賊と戦った場所にたどり着いた。
「うっ、酷い血の匂いだ・・・」
「最近のギルドのヤツはだらしいねえな、ほれ・・・水」
「ひどいけど屠殺場ほどじゃないよねー」
ギルドの職員さんは男性が三人ほどついてきてくれたけど臭いに堪えかねて吐いちゃってるね。けどもリッキーは意外とドライだ。血の臭いに慣れるほど仕事を選んでない割りに純粋なのはもはや強さだよ。
「さてと、たしか頭目はこの髭でしょ?」
魂を引っこ抜いたのでアンデッド化することもない。ネクロマンサーが居れば変わってくるだろうがそれでもそれなりに準備が必要なのでこの短時間では無理だろう。
「うん、あいつらが『おかしら』って呼んでたよ」
ジェイナの確認も一応行い、ギルドの人たちに見せる。彼らは私達が平然としているのが不思議そうだったが、ジェイナも私も修羅場をくぐったのは一度や二度ではない。経験の差という奴だ。
「それで?私いつまでコイツの首をもってればいいの?」
「あ!す、すいません!」
死体の髪の毛を掴んで引きずり起こしている状況。例えマイナスの感情しかないとはいえ気持ちのいいものではないのでさっさとしてほしい。こんなものは埋めてしまうのがいいんだけど・・・。
私が急かしたのでギルドの職員は鞄から人相書きを取り出してあれでもない、これでもないと確認していく。山賊は皆重犯罪者なので人相書きもたくさん出回るらしくギルドなどの幅広い組織には当然常備されている。
「ありました!これです・・・『虎髭のグルード』、懸賞金金貨150枚の超大物ですよ!」
どうやらあの山賊はグルードというらしく、さらには大物だそうだ。
「そんなに凄いの?」
「ええ、騎士崩れで騎士相手と集団で戦うのに慣れた厄介な相手だそうです。王都でもたびたび討伐隊が組まれていたそうですがその度にのらりくらりと逃げ続けては凶行を働いていたようですね」
なるへそ、騎士のやり口を心得ていたわけか。それに地の利が加わって容易くあの騎士団の人たち
を撃破できたわけか。ヘマを差し引いても相手が悪すぎたわけだね。
「それで、その賞金はだれのものになるの?」
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