ノーライフ・ガールは博士の最高傑作

ファウスト

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旅立ちの日に

わお、大金だぁ

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「そうね、ジェイナがもらうのが筋だわ。僧侶の皆を此処まで連れて来たのも、いままで細々と彼らを間引いていたのも彼女らしいの」
「そうだったんですか、そうなると治安維持に協力したということで王都にあるギルドからも報奨金が出るかとおもいますよ」

なるほど、被害を受けていた場所からも謝礼がもらえるとなると結構な稼ぎになるんじゃないかな。しかも王都となるとかなりお金ももってそうだし、儲けはかなりになるんじゃなかろうか。

「これほどの大物が討伐されたとなると我がギルドも鼻が高いです」
「とはいってもこの子はまだギルドのメンバーじゃないけど」
「・・・」

あ、とでも言いたそうな顔をしたのちに私の手を取ってギルドの職員は言う。

「ぜひ、彼女も我がギルドに!冒険が待ってますよ!」

此処に来て勧誘か。まあ、いいけども。

「ジェイナがギルドのメンバーになれば報奨金は問題ない?」
「ええ、一般人よりももらえる額というか窓口が増えますね」

山賊など交易にも関わる害悪を討伐するとまずは王都で暴れていたので王都の役人から、次に商業ギルドから、そして所属していれば冒険者ギルドからも報奨金が出る。それだけ交易路などの確保というのは大事という事だね。とくに王都は生活物資のほとんどを外から賄っているため商人たちが来なくなると困るわけだ。それは王都に住む貴族達の生活を支える意味でもそれを商機として商売をしている商業ギルドも同様だ。
ちなみに王都の役人からもらえる報奨金が一番少ないらしい。やっぱ役人てケチだね。

「それじゃあ戻ったらジェイナに登録してもらうとして・・・他の犠牲者はどうする?僧侶の人たちが辛いなら回復を待ってってことになるのかな?」
「そうなりますね、アンデッドは山の方に集中しているでしょうから引き続き山に対しての入場規制は行いますが・・・」
「仕方ないよね、道連れを作るわけにもいかないし」

アンデッドは中には夜明けと同時に太陽の元に自ら躍り出るものもいるらしい。特に仇が居なくなったアンデッドにはそれが顕著だ。不思議といえば不思議だがそもそもそう成り果てた理由が理由だからそれほどおかしくもない。

「それじゃあ頭目の顔も割れたし、後始末はどうするの?埋めちゃう?」
「バラバラにしちゃう?」
「そういうこと次に言うと怒るよ?」

ジェイナがさらっと怖い事言ってるので釘をさしておく。どうにもジェイナは山賊だとか、悪党だとかに対して異常に厳しい気がする。どうしてだろう?

「うぅ、ママが厳しい・・・」
「バラバラは不味いんじゃない?片付けるの大変だよ?」
「でも山賊だし・・・獣が食べるし・・・」
「獣が可哀想だよ。服とか食べられないだろうし」

リッキーとジェイナのちびっ子コンビが早くも結成か。精神と肉体のバランス的に正反対の二人だが・・・。
とりあえず二人とも言ってることは冷静なようで結構冷たい反応だ。死体損壊は良い事じゃないんだよ?

「とりあえずは虎髭のグルードの遺体を箱に詰めて保存します、町に運びましょう」

王都に運んで役人に引き渡すと初めて討伐が達成されたと認識されるので遺体を確認するのは大事な事だ。

「この折り畳みの台にコイツを乗せて・・・重いなぁ」
「情けねえな、黙ってやれっての」

フェルグスおじさんもそんなことを言いつつ手伝っているので戸板のような担架を四人で運び、山を再び下りて行った。後始末は専門の冒険者さんとケガが治った僧侶の人たちに任せるとのこと。

「それでは葬儀屋の人を呼んで防腐処理を・・・ってあれ?」

戸板をえっちらおっちら、フェルグスおじさんのせいで高さがまばらな運搬作業を見ながらぼちぼち歩いていると門の方を見たギルドの職員さんがなにやら怪訝そうな声をだした。

「なんでぇ、変な声だしやがって」
「いや、あそこに騎士が並んでいるので・・・」

言われるままに指さした方向を見ると騎士団の面々が何故か門の前で待っている。どうにも嫌な予感しかしないけど。

「えっと、どうしましょう・・・」
「なーんか面倒くさい感じがしやがるな」

フェルグスおじさんも警戒しているがどうだろうね、もし何か頼み事されたとして・・・手伝う義理もないんだけど。そう思いつつ何食わぬ顔で門へと向かう。

「さーて、今日は祝杯だねー」
「おー」
「偶にはギルドで飲むかー、あそこには酒場もあるからなー」

わざとらしく騎士団の横を通り抜けていくと・・・。

「ちょっと待てお前たち」

案の定、騎士団のおじさんに声を掛けられた。が、聞こえないふりして談笑しながら歩いていく。

「ちょっと待てと言っているだろうが!」
「・・・なんですか?」

面倒くさいが仕方ないので彼らの方を振り向く。私だけでなくその場の全員がイヤイヤだがこれ以上無視するともっと面倒くさそうだからしょうがないか。
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