75 / 100
次の町 モリッツ
さて、どうなることやら
しおりを挟む
「ま、細かい話は食べた後でいいじゃない?注文したものをお願いね、なるべく早く」
手を振って私達は自分の席へと戻るべく踵を返した。しかしそれを阻む声が。
「テメエ!こんな事してタダで済むとおもってんのか!」
「あーあー、なんかうるさいわね」
「こ、この野郎・・・!」
聞こえないふりをしようとしたがオーナーらしき男性に肩を掴まれて阻止されたので嫌々振り返る。
「負け犬の遠吠えらしく芸がないわね、それで?どうなるのかしら?」
「・・・俺たちはこの町のギルドだ、やりようはいくらでも・・・」
「山賊とかそんな感じの奴らが言いそうなセリフだけど・・・」
距離を詰めて腰からマチェットを抜いて喉元に突き付ける。男は少し後ずさったが切っ先を押し付けて逃げられないように追い詰めると私はできる限り簡潔に伝える。
「攻撃できるのが自分達だけと思ったら大間違いよ?オイタには相応の報いが待ってるんだから」
「・・・!」
私の顔が男の瞳に映る。三日月型に裂けた口に弧を描いて細まる目。ふふ、笑っちゃうくらい怖い顔してるわ。
「まだ居るの?これ以上手を煩わせるなら・・・」
口を大きく開いて目の前で歯を鳴らして嚙合わせる。
「頭から齧っちゃうよ?」
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
最期の一言をどうとったのかは知らないが男たちは一目散に走り去っていった。私としてはあんな不味そうなものなんか齧りたくはないけども脅し文句としては上々だった。風のように、って感じか。
「さて、こんどこそだね。注文よろしくぅ」
私達はようやくお昼ご飯にありつけることとなった。
「アンタ凄いな!」
「あいつ等を追い払ってくれてありがとう!冒険者ってみんなアンタみたいに強いのか?」
今度はお客さんに囲まれてしまった。アイツらみたいなのじゃないから今度は振り払うわけにもいかず二人して彼らの対応に追われる羽目になった。
「えっと、とりあえず・・・ここまで来たらオーナーさんに話をしとくわ。それで今は勘弁してくれない?お腹すいちゃったんだけど」
わいわいと騒ぐお客さん達にどうにかそれだけを告げて私達は慌てて席に戻った。彼らも後で聞けばいいかと察したのか自分達の食事に戻っていった。私達もこれでどうにか落ち着けるってものだ。
席に戻ってしばらく、ウェイターさんではなくオーナーらしき人とコックさんらしき厨房服の男性が二人そろってやってきた。注文の品を持ってきてくれたので一安心、このまま難しい話なんてなったらお腹が減りすぎて困るところだもの。
「どうも、先ほどは大変助かりました」
オーナーらしき綺麗な服装の男性が私に頭を下げた。暴れたとはいえ私が注目を引いたので他のお客さんに被害はなかった。ちょっと床に傷がついたり瓶が割れたりしたけども。
「お客さんにケガが無さそうでなによりよ、もしあったら言って頂戴。こう見えてそれなりに知識があるから」
「治癒魔法の類を?」
「薬学もね、ちょいと新しいものばかりだからそれ以外は説明が難しいわ」
そう言うとオーナーさんは驚いたようで私をまじまじと見つめる。
「薬問屋で働いてみたくてここまで来たけど、若いと胡散臭いかしら?」
「どうでしょうね、でもそう言うのは大事かと」
まぁ、普通は薬学や医術なんて修めるのにどれだけかかるかわからない。私は先生と悪魔と、そして外の世界から来た神様とっていうとんでもない人たちから教えを受けているからその枠組みには嵌らないんだけども。
「日常に使う薬はもちろん、ポーションに至るまで製作できるし薬草の目利きもできるわよ?」
「それが本当ならこの町じゃ引く手あまたでしょう、噂を流せばいくらでも来てくれるでしょうが・・・あいにくとあの連中に喧嘩を売った手前薬問屋は敬遠するかもしれませんよ」
「なるほど、でもそうなると貴方のお店もヤバイんじゃ?」
「ウチには猟師の方たちが味方についております、対人は不慣れですが大型の獣や魔物を相手取るくらいならと用心棒をしてくださる方もおりますから」
馴染みの猟師が彼らを押さえているようだ。刃傷沙汰にどこまで対応できるのかは知らないがオーナーさんの態度から察するに荒事でも大丈夫らしい。
「ならジェイナが居れば万事安全ってことかしら・・・でも肉屋さんって遠いんじゃない?」
「いいえ、当店の裏でやっておりますからご安心を。なにかあればドア一枚でこちらに来れますので」
「いいなぁ、私もここで働きたいわぁ」
「ウェイトレスなら大歓迎ですよ?」
「質のいいお客さんだけ相手にしてていいなら考えるけど、私好き嫌い激しいからね」
笑顔で誰かを蹴飛ばすのにあんまし抵抗ないし、傷つけるのは得意なんだけど?
「・・・そうなるとウチで窓口を作るのが適当ですかね」
「なるほど、製薬と調合、それに相談ってことね」
男を即座に蹴り上げた事を思い出したのかオーナーさんは私の為に専用の窓口を設置してくれるそうだ。ありがたいけど本当にいいんだろうか?それだけ彼らには町の人たちは辟易しているんだろうけど。
手を振って私達は自分の席へと戻るべく踵を返した。しかしそれを阻む声が。
「テメエ!こんな事してタダで済むとおもってんのか!」
「あーあー、なんかうるさいわね」
「こ、この野郎・・・!」
聞こえないふりをしようとしたがオーナーらしき男性に肩を掴まれて阻止されたので嫌々振り返る。
「負け犬の遠吠えらしく芸がないわね、それで?どうなるのかしら?」
「・・・俺たちはこの町のギルドだ、やりようはいくらでも・・・」
「山賊とかそんな感じの奴らが言いそうなセリフだけど・・・」
距離を詰めて腰からマチェットを抜いて喉元に突き付ける。男は少し後ずさったが切っ先を押し付けて逃げられないように追い詰めると私はできる限り簡潔に伝える。
「攻撃できるのが自分達だけと思ったら大間違いよ?オイタには相応の報いが待ってるんだから」
「・・・!」
私の顔が男の瞳に映る。三日月型に裂けた口に弧を描いて細まる目。ふふ、笑っちゃうくらい怖い顔してるわ。
「まだ居るの?これ以上手を煩わせるなら・・・」
口を大きく開いて目の前で歯を鳴らして嚙合わせる。
「頭から齧っちゃうよ?」
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
最期の一言をどうとったのかは知らないが男たちは一目散に走り去っていった。私としてはあんな不味そうなものなんか齧りたくはないけども脅し文句としては上々だった。風のように、って感じか。
「さて、こんどこそだね。注文よろしくぅ」
私達はようやくお昼ご飯にありつけることとなった。
「アンタ凄いな!」
「あいつ等を追い払ってくれてありがとう!冒険者ってみんなアンタみたいに強いのか?」
今度はお客さんに囲まれてしまった。アイツらみたいなのじゃないから今度は振り払うわけにもいかず二人して彼らの対応に追われる羽目になった。
「えっと、とりあえず・・・ここまで来たらオーナーさんに話をしとくわ。それで今は勘弁してくれない?お腹すいちゃったんだけど」
わいわいと騒ぐお客さん達にどうにかそれだけを告げて私達は慌てて席に戻った。彼らも後で聞けばいいかと察したのか自分達の食事に戻っていった。私達もこれでどうにか落ち着けるってものだ。
席に戻ってしばらく、ウェイターさんではなくオーナーらしき人とコックさんらしき厨房服の男性が二人そろってやってきた。注文の品を持ってきてくれたので一安心、このまま難しい話なんてなったらお腹が減りすぎて困るところだもの。
「どうも、先ほどは大変助かりました」
オーナーらしき綺麗な服装の男性が私に頭を下げた。暴れたとはいえ私が注目を引いたので他のお客さんに被害はなかった。ちょっと床に傷がついたり瓶が割れたりしたけども。
「お客さんにケガが無さそうでなによりよ、もしあったら言って頂戴。こう見えてそれなりに知識があるから」
「治癒魔法の類を?」
「薬学もね、ちょいと新しいものばかりだからそれ以外は説明が難しいわ」
そう言うとオーナーさんは驚いたようで私をまじまじと見つめる。
「薬問屋で働いてみたくてここまで来たけど、若いと胡散臭いかしら?」
「どうでしょうね、でもそう言うのは大事かと」
まぁ、普通は薬学や医術なんて修めるのにどれだけかかるかわからない。私は先生と悪魔と、そして外の世界から来た神様とっていうとんでもない人たちから教えを受けているからその枠組みには嵌らないんだけども。
「日常に使う薬はもちろん、ポーションに至るまで製作できるし薬草の目利きもできるわよ?」
「それが本当ならこの町じゃ引く手あまたでしょう、噂を流せばいくらでも来てくれるでしょうが・・・あいにくとあの連中に喧嘩を売った手前薬問屋は敬遠するかもしれませんよ」
「なるほど、でもそうなると貴方のお店もヤバイんじゃ?」
「ウチには猟師の方たちが味方についております、対人は不慣れですが大型の獣や魔物を相手取るくらいならと用心棒をしてくださる方もおりますから」
馴染みの猟師が彼らを押さえているようだ。刃傷沙汰にどこまで対応できるのかは知らないがオーナーさんの態度から察するに荒事でも大丈夫らしい。
「ならジェイナが居れば万事安全ってことかしら・・・でも肉屋さんって遠いんじゃない?」
「いいえ、当店の裏でやっておりますからご安心を。なにかあればドア一枚でこちらに来れますので」
「いいなぁ、私もここで働きたいわぁ」
「ウェイトレスなら大歓迎ですよ?」
「質のいいお客さんだけ相手にしてていいなら考えるけど、私好き嫌い激しいからね」
笑顔で誰かを蹴飛ばすのにあんまし抵抗ないし、傷つけるのは得意なんだけど?
「・・・そうなるとウチで窓口を作るのが適当ですかね」
「なるほど、製薬と調合、それに相談ってことね」
男を即座に蹴り上げた事を思い出したのかオーナーさんは私の為に専用の窓口を設置してくれるそうだ。ありがたいけど本当にいいんだろうか?それだけ彼らには町の人たちは辟易しているんだろうけど。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
RIGHT MEMORIZE 〜僕らを轢いてくソラ
neonevi
ファンタジー
運命に連れられるのはいつも望まない場所で、僕たちに解るのは引力みたいな君との今だけ。
そんな風に引き寄せ合う者達が、世界の波に翻弄されながらも抗い生きる物語。
※この作品は小説家になろうにも掲載されています
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる